範馬刃牙 第65話 純粋



刃牙の公開自殺が始まった。
手が使えない状況なのに、どうしてこんなにも喧嘩腰なんだろう、この人。
そんなに死にたいのだろうか?
とりあえず、実力では勝てないから、適当にごまかして逃げよう。
そのために壁を破らせたんだ、多分。

対するオリバは久しぶりに見せるいい笑顔をしている
我、刃牙殴打、幸福と漢字だけで感情が表現できそうなくらい、いい笑顔だ。
溜まり溜まったものを発散できて嬉しいのだろう。
読者も嬉しい。

とりあえず、デモンストレーションとして、ゲバル戦で見せた筋肉でタキシードを破る技を見せる。
破れたタキシードは直立するのではなく、壁に張り付いた。
オリバの脱ぎ方にはいくつかのパターンがあるようだ。
そして、豹柄パンツだ!
やる気です。オリバはやる気です。
こんな勝負パンツ履いているなんて、実は最初から刃牙とやりあうつもりだったのかもしれない。

「目覚めたアンタが相手なら」
「俺もこのままってワケにはいかねェな………」


豹柄パンツ相手には手が封じられたままでは分が悪いと判断したのか。
刃牙はまず肩の関節を外して、後ろに固定されていた腕を前の方に持ってくる。
汗を流しまくりでローション効果がありそうだ。

だが、これだけでは豹柄パンツには勝てない
刃牙は脇を締めて指に力を入れる。
すると指錠が取れた
これで豹柄パンツと互角だ!
いや、勝てないな。
豹柄パンツを越えるには両手が自由になっただけでは無理だ。
ふんどし持ってこい。

「バキほど後背筋が発達するなら」
「物を挟まなくとも 脇を締めつけるだけで動脈は閉じられる」
「両脇をキツく締め動脈の血流を止める」
「腕にある血流は出てゆくばかり」
「血の気のない腕も指も徐々に細りだし……」
「やがては…」


刃牙のマジックにオリバはすかさず解説をする。
血流を止めることで指が細くなったようだ。
…嘘くせえ。
それはともかく、律儀に手を挟んで血流を止めていた独歩が何だか不憫だ。
やっぱり、範馬はズルい
別に脇を締めなくても血流を止められるんじゃないか?
腕だけ別生物って感じに。
100キロのカマキリを作れるくらいだし、思い込みの力で何とかなるに違いあるまい。

そして、両者自由になった
ついに、やっと、ハンデなしの勝負に踏み込めた。
刃牙はてっきり戯言を並べて勝負を放棄するかと思ってばかりいた。
だが、ちゃんとオリバと勝負する気らしい。
…吹っ飛ばされた時に頭打ったか?
その影響で記憶が逆行して、最大トーナメント時の人格に戻ったとかじゃないだろうな?

「ぶっこわれた壁1枚………隔てちゃいるが」

「ああ… 2人は既に間合(エリア)だ」


壁を隔てて、白パンツと豹柄パンツが相対する
パンツの時点で半ば決着が着いているが気にしてはいけない。

しかし、何ともアレな場所だ。
戦いの場の広さは反省房二つ分と非常に狭い上に壁を隔てている。
おまけに壁にタキシードが張り付いているし、隣の房にいた受刑者はとばっちりを食らっている。
そして、豹柄パンツの筋肉男がいる。
どんな変態空間だ。
電話ボックスマッチレベルの変態勝負が期待できそうだ。
主人公の戦いにそんなものを期待するのもあれだが。

ともあれ、刃牙が仕掛けた
壊れた穴を通すように殴ったのか、それとも壁越しに殴ったのか、
判別は付かないが刃牙がオリバのボディ、あるいは股間、というよりも豹柄パンツにパンチを仕掛けた。
刃牙が先手を取る形になったが、通用しているかは怪しい。
相手はオリバ、もとい豹柄パンツだし。
ついでに自分は次回の冒頭で吹っ飛ぶ刃牙の姿しか想像できない。

なんか最近の刃牙らしくなく、刃牙が主人公らしくしてる
…これ、刃牙かなぁ…
でも、残念ながら豹柄パンツのインパクトには勝てなかった。
豹柄パンツですよ、皆さん。
黒とか白とか、そんな無地のパンツと豹柄パンツでは天と地ほどの差がある。
刃牙は放尿するしかイロモノ勝負では勝てそうにない。


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