範馬刃牙 第72話 誤差



うほッ!いい筋肉ボール…剛体術(や)らないか?状態だ。
何かを間違えたが無問題。ええ、無問題。
オリバの鉄壁の守りに対抗するには、防御無視攻撃の剛体術しかない。
いわばメタルスライムを倒すために会心の一撃狙いだ。
刃牙にはちまちまとHPを削る気はないらしい。
オリバはメラすら出す気がないから、削るのもありだと思うが。

[剛体術……!?]

刃牙は14年ぶりの剛体術の構えを取る。
前回も書いたけど、うっかりタイミングを忘れていそうでちょっと怖い。
剛体術に見せた渾身の一撃はうっかりただの正拳突きになってしまい、場がしらけるのだ。
しらけてオリバが筋肉ボールを解いたところに0.5秒ハイキック!決着!
――なんてなったら俺は怒る

「ゴータイジュツ…………」
「ポリス・スクールの頃――――」
「体重60キロの日本人(センセイ)が見せた奇跡(ミラクル)………」


ここでボブが回想及び解説開始ィッッッ。
って、お前、剛体術を知っているのかよ!
何でも知っとるわ、この人〜。
知識に若干の誇張と勘違いがあるが、ちゃんとした修行をすれば立派な解説家になれるのかもしれない。
今からでも遅くない。
本部流の道場へ行き、正しき解説を教えてもらおう。

あるいは突如背後から「お前では無理だ。あとは俺がやる」と本部が登場するのかもしれない。
「本部以蔵…ッッ。偉大なるグランドマスターッッ」とボブが見事に驚いてくれることは想像に難くない。
あと噛ませ犬っぽい台詞はわざとだ。

さて、ボブの回想に出てきたなんか柳っぽいツラをしていて不吉な先生はボーリングの球を一撃で破壊していた
ボーリングの球はボブたちがジョークで用意したらしいので、剛体術は本来教えるつもりなければ見せるつもりもなかったのだろう。
でも、見せちゃった。
なかなかサービス精神旺盛だ。

ボブは剛体術はパンチする際に稼働する関節全てを固定する技だとおさらいする。
関節というのは緩衝材であり、そのクッションこそが打撃力最大の障害なのだ!
うーん、わかったようなわからないような。
まぁ、今に始まったことではないので飛ばそう。

「人は鉄球になれる」

目の前に筋肉ボールになっている人がいるが、無論それとは意味が異なる。
全体重を込め、かつ鉄のような硬さを持つパンチ…
強力なことは強力だが、今時鉄球くらいでダメージは与えられないんじゃないだろうか。
だって、楊海王だってカノン砲を腹部に受けても平気なんですよ?
鉄球だけじゃ楊海王すら倒せない。
まぁ、刃牙が剛体術を撃てば、不思議(範馬)パワーで大ダメージを与えられそうだが。

だが、剛体術をやってのけた先生は、動く人間相手には難しいらしい。
まぁ、オリバは動いていないけど
安心して、打つんだ!刃牙!

ギャドッ

と、刃牙の剛体術がオリバに決まった
ただの剛体術じゃない。なんか全然目立っていない鬼の貌を使った剛体術だ。
ここまで鬼の貌が目立っていないと刃牙の鬼の貌は偽物なんじゃないかと疑ってしまう。
マッスルコントロールで鬼の貌っぽくしているだけじゃないか?
実は海老の顔だったりして。

とにかく、剛体術と筋肉ボールの激突によりボブが驚くほどの轟音が鳴り響く
オリバは微動だにしない。
刃牙も微動だにしない。
って、お前は動けよ、刃牙
「あれ〜タイミング間違えたかな〜」とでも思っているのだろうか。
何にせよ隙だらけだ。
いや、隙だらけって言えば、オリバの方がよっぽど隙だらけだけど。

「…………とその時だった」

オリバの手が刃牙の腕を掴んだ。
刃牙は冷や汗を出す。
うむ、いいリアクションだ…負ける。
同時にオリバの上体が起こされようとする。
剛体術に耐え、オリバは最大の反撃のチャンスを得たのだ。

「オワァッ」

オリバが筋肉ボールを解き、刃牙に襲いかかった。
オリバの背後には獣の口のイメージが見える。
獣が獲物を呑み込もうとしている動きだ

筋肉ボールの守りは完璧ゆえに攻めることができなかった。
そこから攻めるにはただひとつ。
筋肉ボールで刃牙の致命的な隙を誘いそこを突くことだ。
ヘタすれば逃げられたところだが、無事刃牙を捕らえることができた。
これには刃牙も大ビックリだ。
うん、いい感じになさけない!

ばくんッ

刃牙を掴んだオリバは再度筋肉ボールの体勢に移る。
しかも、ただの筋肉ボールではない。
筋肉ボールの内部に刃牙を入れている。
き、筋肉ボールを攻めに使いやがった!
てっきり守りにしか使えないと思っていたら、筋肉ボールの中に刃牙を入れて圧殺する手段もあったのか!
というか、格闘技じゃねえ!
今更だけど格闘技じゃねえ!
予想できるか、こんな技!
松山せいじ漫画において乳で主人公を包むってもんだ。
…実際にありそうだな、それ。

「丸飲みだよ………」

刃牙は上半身を飲みこまれ、やがて、足の先まで筋肉ボールの中に入ってしまう。
それから、オリバは微動だにしない。
中で何が起きているのだろうか?
一切の不明だが、この状態だとただ丸まるだけで中にいる刃牙は大ダメージだろう。

刃牙がオリバに喰われてしまった。
比喩というか、今リアルで喰われている可能性がある。
ポイントはオリバの顔も筋肉ボールの中に埋まっていることだ。


今アンチェインを求めて全力疾走している僕は刑務所に通う一般的な18歳。
強いて違うところを挙げるとすれば範馬の血族ってとこかナ――名前は範馬刃牙。
そんなわけで刑務所のボス、オリバに喧嘩を売ってみたのだ。

ふと見るとタキシードが立っていた。
ウホッ!いいアンチェイン…

そう思っていると突然その男は僕の見ている目の前で丸まり始めたのだ…!

「やらないか」


「よかったのかホイホイ剛体術して。
 俺は主人公だって構わないで喰っちまう人間なんだぜ」

「こんなこと初めてだけどいいんです。
 僕…主人公らしくないから」

「悲しいこと言ってくれるじゃないの。
 それじゃあとことん弄ってやるよ。
 いいこと思いついた。
 お前、俺の筋肉ボールの中に入ってみろ

「えー!筋肉ボールの中ですかぁ!」

「範馬は度胸!何でも試してみるもんさ。
 きっといい気持ちだぜ。
 ほら遠慮しないで入ってみろ」

(筋肉ボールの中に入れさせるなんて、なんて人だろう。
 しかし、彼の堅く引き締まった筋肉を見ているうちに
 そんな変態じみたことを試してみたい欲望が…)

(上半身が)は…入りました…」

「ああ…次は足首だ。
 いいぞ。筋肉ボールの中にどんどん入ってくるのがわかるよ。
 しっかり筋肉を締めとかないとな

「ああーーっ!!」

(あまりの激しい行為に筋肉ボールに全身入ると同時にあっけなく果ててしまった)

「ところでボブ、俺の筋肉ボールを見てくれ。
 こいつをどう思う?」

「すごく…丸いです…」

「丸いのはいいからさ。
 このままじゃ収まりがつかないんだよな」

「ああッ!」

――とこんなわけで僕の初めての範馬観戦はクソミソな結果に終わったのでした…


しーましェーん。
(途中から一人称が刃牙からボブに変わったのは無視しろ)
いや、だって、これはどう見てもホモネタだろ
あの筋肉ボールの中で、刃牙はオリバに責められているんですよ
顔を筋肉ボールの中に入れたのは舌で責めるためだし、下半身を入れたのは掘るためだろう。
肌と肌が完全に密着した状態で刃牙のありとあらゆる穴にオリバの筋肉棒が突き刺さっているに違いない

「いったい この中で何が起こっているんだ……??」

まるで熱く溶けた泥の海ッッッ。

「これも格闘(たたかい)…………」

格闘(たたかい)とセックスはそっくりだッッッ。

もうボブは絶好の合いの手を入れてくれる。
ホモネタばっかりだ。
だが、ここでホモネタに走らず、どこでホモネタに走れというのだ。
貴様は薔薇を嘗めたッッッ。
いや、バキ感想を書く上でちょこちょこホモネタに走っているんだけど。

この筋肉SAGAを終えたのか、オリバは刃牙を解放する。
刃牙は虚ろな視線でぐったりとする。
あれだけのコトをやられたのに骨折はしていないようだ。

だが、心配するべきはそこではない。
骨より、肉より、尻の穴だ。
刃牙の倒れ方はなんか掘られてしまったノンケって風情だ。
パンツ一枚なのがまずかった。
パンツ程度じゃオリバのマグナムは止められない。止められるわけがない。

筋肉ボールからの筋肉SAGAによって、刃牙は瀕死だ。
刃牙がこれに対抗するためには、「このままじゃ収まりつかないんだよな」とやり返すしかない。
松本梢江との戦いがここで生きるのだ。
筋肉SAGAを越える範馬SAGAッッッ。
戦いはグラウンドに移行するのだ!
ごめん、絶頂のシーン想像したらキモかったから、やっぱりやらなくていい。


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