範馬刃牙 第76話 拳の果て
今回も見開きを連発するのだろうか?
いや、もうドンと来い。
心涼しきは無敵なり。
全部見開きで終わっても問題なしだ!
チャンピオンの表紙には決着と書かれている。
絶対決着しないだろうけど。
いや、だって、前号もそう書かれていたんですよ?
少なく見積もってもあと2週間は殴り合うだろう。
いきなりオリバ過去編が始まって数ヶ月延びる可能性も否定できない。
その数ヶ月の間、刃牙は表紙にしか出てこない。
さて、今週も前回同様、正面からぶん殴りあう。
相変わらず両者のパンチは同時にぶつかり合う。
ダメージは互角か。
なら、有利なのはタフネスに優れるオリバ…と言いたいところだが、範馬のタフネスは侮れない。
範馬一族は皆、異常なくらいに打たれ強い。
ジャックはガーレンスペシャルを喰らっても冷や汗ひとつ流さないし、勇次郎は壁にクレーターを作る消力パンチに耐えた。
刃牙も一撃必殺の花山の豪打を何度も受けても立ち上がったし、烈海王の連撃を耐えきることに成功している。
身体能力や技術以上に無尽蔵のタフネスが範馬の怖いところだ。
単純な殴り合いこそ、範馬がもっとも得意とする領域と言えよう。
範馬を倒すには回復力を上回る一撃が必要だ。
低酸素の毒とか麻酔とかゴングとか。
「オリバに勝つ それは――」
「技術(わざ)で勝つ―――――……」
「頭脳(ちえ)で勝つ―――――……」
「違う……」
「どっちも違う…ッッ」
オリバと殴り合いながら、刃牙の心中にはオリバに勝つこととは何かを自らに問いかける。
技術や策でオリバに勝っても、それが勇次郎に通用するのかは怪しい。
最低限、オリバを正面から倒せないと勇次郎も倒せないだろう。
勇次郎は技術面もすさまじいが、もっとも優れているのはその筋力だ。
勇次郎の筋力に対抗するためには、オリバと同等かそれ以上の筋肉を持っていなければ難しい。
この殴り合いは刃牙の力が勇次郎に通用するかどうかの問う試金石でもあるのだ。
相当忘れかけられているが、元々刃牙は勇次郎戦前の練習台としてオリバと戦っているし。
でも、それならJr.もちゃんと相手にすれば良かったと思う。
Jr.はジャックに結構な善戦をした。
そのため、刃牙とちゃんと戦えていたら、それなりにいい勝負になっていたと思う。
ボクシングで戦え!
危なくなったら金的して、そう反則、ボクシングではね、と勝ち誇る。
「100キロも重いオリバに勝つ」
「それは―――」
「腕力で……」
何度目になるのかはわからないが、刃牙とオリバの腕が交錯する。
先に刃牙の拳が入る。だが、オリバの拳も伸びている。
また、クロスカウンターの形になるかと思ったら…オリバの腕が途中で止まった。
刃牙のパンチにオリバが初めて押されたのだ。
最高のタイミングか、あるいは範馬の目覚めか、どちらにせよこの瞬間だけでも刃牙はオリバの筋力を凌駕した。
圧倒的な筋肉を誇るオリバでも、範馬の筋肉には劣るのだろうか。
範馬の筋肉は細くなることで逆にパワーアップしたり、普通の筋肉とは構成が明らかに異なる。
筋肉比べは逆に不利なのかもしれない。
むしろ、技術を使ってくれた方が助かるのかも。
「真正面から………」
「真正面だけ………」
首を大きくのけぞらせるオリバに、刃牙は追撃のパンチを繰り出す。
正中線に3発ぶち当てた。
ここに来て初めて刃牙の一方的な攻撃が決まった。
でも、正中線に当てるのって技じゃないか?
「防御(にげ)ずに……」
「真後ろへ………」
「押し切る……ッッ」
さらにオリバに5発パンチが入る。
一方的に殴られながらも、オリバは強靱な足腰で耐えようとする。
しかし、刃牙の打撃力はそれを上回るのか、コンクリートの床をえぐりながらオリバは後退していく。
押されているオリバだが、それでも相当力んでいる。
怪力無双は伊達じゃない。
同時に刃牙の踏み込みによって、床に小さなクレーターが出来ていた。
ひぃぃぃ。
こいつらは無駄に力みすぎじゃないだろうか?
力み大好きの勇次郎の影響か?
殴る方は技術を込めていないが、殴られる方も技術がない。
まさに筋力だけの勝負だ。
「いるんですね……ああいう男が」
「あるんですね……ああいう戦いが」
「気高くて……」
「崇高で……」
「おかしがたく…」
「跪きたくなるような………」
このすさまじい殴り合いに看守たちは帽子を取る。
刃牙の姿に敬意を表したのだ。
敬意を表したくなる殴り合いをする男が今の刃牙らしい。
でも、2秒で決着付けたり、金的で不意打ちして気絶しているところをチョークする姿を見ればどう思うのだろう?
取った帽子を戻して拳銃をしこたま撃ちそうだ。
しかし、敬意を表するだけならともかく、跪きたくもなってしまうのが範馬の魔力か。
奴隷宣言だ!
エロゲーならこれが出れば攻略完了したも同然の一言である。
ボブシナリオ終了だ!
次はアイアン・マイケルシナリオをお楽しみください。
マウスたちからアイアン・マイケルを救えば、好感度が急上昇だ。
アイアン・マイケルの妄想をハイキックで倒すと好感度が下がるけど、
アイアン・マイケルシナリオに入るためには絶対必要なので必ずやる必要があります。
ついでにアイアン・マイケルは冷や汗を流すだけだった。
お前も何か言え。
アイアン・マイケルですら絶望的な戦力差となる100キロのウェイト差を目の前で覆されているんだ。
人間じゃねえ…くらいは言って、伝統派空手の栗木拓次レベルになってもらいたい。
ボクシングじゃねえ…でも可。
どうみてもボクシングじゃありません本当にありがとうございます。
鬼の貌の力を完全に解放して殴りまくる刃牙だが、オリバに何度か反撃は受けているようだった。
刃牙は意識が半分飛び出ているような全然気高くない顔になっていたので、押しているとはいえ楽勝モードではないようだ。
尿だって漏らしかねない。
また、このことからオリバは相当押されているが、刃牙に十分なダメージを与えられていることがわかる。
壮絶な殴り合いの決着が着くまでにもう一波乱くらいありそうだ。
バキ世界における強さの頂点、鬼の貌にオリバがどう意地を見せるのかが気になる。
そして、次回も決着と表紙に書かれて決着が着かないのは確実だ。
とはいえ、刃牙が「遊びはここで終わるぜ」とか言って、首に貫手して一発KOの可能性もありそうだけど。
むしろ、過去の所行から一発KOしそうなので疑っているけど。
きっと、三戦やっているんですよ。
密かに技術を使っているんですよ。
三戦の前に剛体術を見たボブは、それに気付かないのだ!
そして、アイアン・マイケルは解説もせず、ただ冷や汗る。
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