範馬刃牙 第78話 実現
範馬力を開放して刃牙が勝利した。
1範馬力は100アイアン・マイケル力に匹敵する。
それだけの力を持つ範馬力の前には、地球人がどれだけ努力しても届かないのかも知れない。
だが、実は夢オチの可能性だって否定できない。
壁を突き破った刃牙は刑務所のみんなにいきなり祝福される。
アイアン・マイケルが土下座して、勇次郎が刃牙を地上最強だと称える。
刃牙は疑うこともせず大喜びする。
そして、次のページではオリバの鉄拳が刃牙の顔面に埋まっている。
――なんてことに期待していたが、奇跡は起きない。
普通にオリバは気絶していた。
刃牙と看守は倒れたオリバをじっくりと観察する。
オリバの敗北が衝撃的だったのか、ドクターを呼ぶのをすっかり忘れてしまっている。
で、数コマしてやっとドクターを呼ぼうとする。
数コマのラグがあるとはいえ、十分な対応といえるだろう。
アイアン・マイケルなら数週間は平気で忘れ去られるところだ。
しかし、ドクターを呼ばれる前にオリバは目を覚ます。
範馬に殴られまくったわりには、ダメージは少なそうだ。
全力の範馬と絡んで外傷が少ないのは非常に立派だ。
勇次郎と戦った人間は大抵再起不能クラスのダメージを受けるし、刃牙だって範馬に目覚めれば首の骨を折ったりする。
というか刃牙はキャラクター自体を殺すことが多い。
例えば、コケにされまくってもはやネタにしかならなくなった柳とシコルスキー、
その間実に2秒の郭春成、金的悶絶したJr.、そして以後の不遇を決定づけた妄想アイアン・マイケル。
刃牙のキャラクター殺害率は非常に高い。
刃牙と関わったキャラクターはヘタすればギャグにしかならない。
そんな範馬被害者が並ぶ中、オリバは肉体的なダメージは少ないし、
範馬の歯を折るという意地を見せたのでキャラクター的なダメージも少ない。
敗北したとはいえ、オリバは十分以上の健闘を見せたといえる。
刃牙の勝利にはいまいち納得いかないが。
目を覚ましたオリバは身体を起き上げる。
さすがのタフネスの持ち主だけあり、範馬の猛攻を喰らったわりにはまだまだ元気のようだ。
今すぐ刃牙を殴れば形勢逆転できるかもしれない。
というか、もう殴れ。
と、そんなことを思っていたら、マリアさんが目の前にいた。
オリバも刃牙も看守一同も全員大驚きだ。
ついでに刃牙の姿が一番小さいし、目も腫れ上がっているので情けない。
傍目から見れば刃牙の方が敗北者だよな、これ。
オリバはマリアさんがここまで歩いてきたことを驚く。
超々々々々々々々肥満体のマリアさんの体重は不明だが、女性の世界最高体重は544キロらしいのでその数値を仮定として当てはめてみる。
その体重のマリアさんが歩くということは、100キロ超の格闘家が400キロのバーベルを持って歩くということだ。
超無理。
しかして、マリアさんはその無茶を見事に成し遂げた。
自分の容姿を嫌っているというのに、構わずにオリバの元に駆けつけるなど、オリバへの愛も本物だし、かなりの烈女だ。
正直、梢江よりはずっといい女だと思います。
しかし、それにしても立っているマリアさんの姿はなんかキングスライムっぽいなぁ。
「所長に伝えておいてくれ
全受刑者に報せがあると」
オリバの元へ行くのに全力を使い果たしたマリアさんをおぶって、オリバはどこかさわやかな顔で去っていく。
ついでに所長に命令準備だ。
マイケル・ホールズの受難は今日もまた始まるのだろうか。
きっと、マイケルって名前がいけないんだな。
で、4000人の受刑者が刑務所中央に集まった。
オリバの一声があればすぐに集まる。気のいい奴らがオリバ刑務所の受刑者だ。
オリバの首を狙っているという設定はどこかへ消えたらしい。
刑務所の掟とやらもどこかへ吹っ飛んだが、今更突っ込むのも野暮なので止めておこう。
「耳の早い諸君のこと」
「もう噂は耳にしているだろう」
「ウワサ通りだ 私はバキ
ハンマに敗けた」
オリバの衝撃告白に全受刑者が驚く。
「オオ〜〜〜」と「どよ…」の二つの擬音が混ざっていることから、衝撃は各人によって違うようだ。
受刑者の中には刃牙のルームメイトの長老がいるし、高い背と細い体躯が自慢のケントもいる。
ゲバルとアイアン・マイケルはいないがそれはしょうがない。
前者は刑務所から出ちゃったし、後者はネタキャラだし。
…って、あれ…?
なんでアイアン・マイケルがいないんだよ!
アナコンダすら登場した「遅えぞチャンプッッッッ」に出てこないような荒技だ。
なんでこの人は最後の最後まで弄られるんだろう?
やっぱり射殺されちゃったのだろうか?
オリバ刑務所編はアイアン・マイケルに始まって、アイアン・マイケル不在に終わった。
すごい始まり方だし終わり方だ。
ついついアイアン・負けるって打ち間違えちゃったよアイアン・マイケル。
もう二度と出てこないんだろうな、アイアン・マイケル。
君のことは多分忘れない。
「ここアリゾナ州立刑務所ナンバー1は今やわたしではない」
「ところがだ」
「俺にはそれがガマンできない」
え、ラウンド2?
と思っていたら、バキムカつくので出所と相成った。
戸惑う所長にオリバは「刃牙を出所させなければ4000人を脱走させる」と大脅しだ。
こうなれば大統領誘拐事件の首謀者というS級犯罪者すらあっさりと釈放せざるを得ない。
無理矢理入った刑務所だったが、無理矢理出て行った。
刃牙はチャリンコと食料と水と現金だけを持って、刑務所を出て行く。
荒野のど真ん中なのにやたらと装備が薄いが、グラップラーだし大丈夫なのだろう。
なんか終わり方がおざなり過ぎる気がするが気にしないようにしよう。
アイアン・マイケルの扱いが最後までおざなりだったし問題ない。
そんな軽装備の刃牙にオリバはヘリによる警護を付けた。
このオーバーな警護は自分を倒した人間に対する敬意だろうか。
それとも拉致する気だろうか。
ヘリに中華人民共和国なんて書かれていたら危険だ。
ガングロ中国人が降りてきて、油断したところに寸勁するぞ。
あとアメリカに中華人民共和国ヘリがあることは突っ込むな。
というわけでオリバ刑務所編終了!
ゲバルを出したり4000人全員がオリバを狙っていたりと壮大な設定が目立ったオリバ刑務所編だったが、
ゲバルが負けてから妙に急展開になった。
なんか板垣先生は勢いに任せてオリバを倒しちゃった気がする。
勢いで鬼の貌を出して筋肉ボールさせて剛体術を出して、最後も勢いで押し切って勝利だ!
うむ、いい範馬です!
全然良くねえよ。
とりあえず、これで次回から新展開だ。
1年続いたオリバ刑務所編の次はどんな展開になるのだろうか?
アオリでは「今世紀最大の驚愕が君を襲う」と派手に書いているが、NO断念!並みに信用できないアオリなので無視しておく。
刃牙は次に誰と戦うのだろうか?
勇次郎に次ぐ実力者といえば挙がるのは、まず郭海皇だ。
力のオリバを力(と技)でねじ伏せたのなら、次は郭海皇に技で勝てれば、勇次郎への道がぐっと近づくだろう。
郭海皇の技術は鬼の貌を出す前の勇次郎に苦戦しながらもどうにか優勢を保っていたほどだ。
ラーニングできれば、勇次郎との戦いが楽になる、はずである。
また、まだ刃牙が戦っていない強者は愚地独歩や渋川先生がいる。
これらの強者との戦いもありえそうだが、それはむしろ勇次郎戦前の最終調整として戦いそうな気がする。
出番はまだ遠そうだ。
先がまったく読めないが、あのヘリがなんか鍵になりそうだ。
ヘリの中にはなんとアイアン・マイケルが入っていた!
だから、全受刑者集合の時にいなかったんだ。
アイアン・マイケルがいたからどうなることでもないが。
刃牙もよくわからないけどハイキックしてKOする。
特に意味はない。
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