範馬刃牙 第79話 親孝行
刃牙の話が一区切りついたので次は勇次郎の話になる。
久しぶりの勇次郎だ。
以前出たのは50話だった。
ほぼ30話ぶりの登場となる。
ついでに50話は勇次郎とゲバルのフラグ立ての話だったが、ゲバルがいなくなったので結局無意味な話になってしまった。
さて、勇次郎はストライダムと博物館の中を歩く。
勇次郎がこういう場所にいるのは意外だが、存外こういった趣味を持っていそうな気がする。
マホメド・アライを力なき者の希望と賞賛したこともあるし、文化的な一面も備えていそうだ。
勇次郎なだけに底が見えない。
刃牙?
うん、底が見える気がする。
ところで背丈はストライダムの方が大きいようだ。
ぬぅ…意外だ…
どうも今までは迫力の差から勇次郎の方が大きく感じてしまっていた。
ストライダムの方が大きく感じるのはせめて初登場くらいだ。
「あのアンチェインに腕力(ちから)で勝ったか」
オリバ撃破の報は勇次郎にすでに届いたいたようだ。
勇次郎の顔はどこか嬉しそうで、刃牙の成長を喜んでいるように感じる。
根は親馬鹿なのだ。親馬鹿。
ストライダムも刃牙の成長を感じているようだ。
かつてはマウント斗羽に大苦戦した刃牙であったが、今やオリバを正面から倒せるようになっている。
加藤が独歩になるくらいの成長だ。
そういえば、強くしてやると言われた加藤はずっと加藤のままだった。
「君は爆笑(わら)ったが」
「刃牙が知恵をふり絞って考案した―――」
「昆虫(カマキリ)を敵と見なしての幻影バトル―――――」
「巨大アフリカ象を屠ってのけた君に対する―――――
見事な切り返しだったとわたしは見ている」
お前はまだ引っ張るのかそれを!
ストライダムにとって、妄想バトルの評価は非常に高いらしい。
うーん…軍人のくせに現実を見ていないのかこいつは…
というか、見事な切り返しなのか?
象に昆虫をぶつけるのも、たしかに見事かも知れないが。
想像の斜め上8mを行っているという意味で。
で、カマキリを倒して、オリバも倒した。
…思えば、オリバはカマキリの次の障害だったんだなぁ…
オリバの株が下がった気がする。
ストライダムは今の刃牙が勇次郎をもっとも脅かす存在だと本人の前で言う。
当然、勇次郎は鬼マッハで不機嫌になる。
元々、不機嫌が歩いている人だ。
不機嫌になるようなことを言われるとすぐにでも不機嫌になる。
というか、いつの間に刃牙はその領域に踏み込んでしまったようだ。
大擂台賽まで4000年かかっても倒せそうじゃなかったのに…
今もそう思うけど。
ストライダムは刃牙の強さが気になったのか。
体長5mに達しそうかという熊の剥製を指して、刃牙がこれに勝てるかと聞く。
「やれば造作もねェ」らしい。
まぁ、夜叉猿を倒したことがあるくらいだからなぁ…
熊くらいなら楽勝なのかもしれない。
でも、倒せるビジョンが思いつかない。
それが刃牙。
ならばと、今度は巨大な牙を持った四足獣の化石を指す。
サーベルタイガーというやつだろうか?
リンク先にある化石画像と非常に似ているので、多分合っているのだろう。
ていうか、1万年ほど前までいた絶滅動物らしい。
ストライダムよ…どうして、今はいない生物を比較対象にあげる…
そんなに勇次郎を困らせたいのか?
「手こずるな……… 無傷じゃ済まねェが」
「檻の中なら30分以内ってところか」
30分以内とわかるのかよ!
さすが、勇次郎だ。
絶滅動物の戦力すら把握している。
骨格などから筋肉の付き具合を予想し、大体の戦力を見たのか?
というか、サーベルタイガーって体長5m前後の熊よりも強いのか?
カマキリと象が互角の時代だからありえるか…
刃牙の強さにストライダムはワクワクしてきたのだろうか。
次の比較対象を探す。
が、ついつい勇次郎の逆鱗に触れる。
喋れないようにされないのかと脅され、ストライダムは口を慎む。
強さを仮定するのは勇次郎の主義に合わないのだろう。
カマキリバトルを完全否定するくらいだし。
だが、自重しつつも刃牙を強さを感じ取ったストライダムは刃牙を生涯最強の敵と称した。
かねてから勇次郎の強さを見てきたストライダムにとって、最大の敵となるであろう刃牙の強さには興味津々なのか。
だから、質問責めをしちゃったり。
サーベルタイガーを比較に出すのは本気で間違っていると思うけど。
「生涯最大の敵ときやがった」
「親孝行ここに極まるだぜ」
親子同士なら殴り合うのが当然なのがバキ世界だ。
勇次郎の前に立ちはだかるのは親孝行以外に他ならない。
また、刃牙を餌と言いつつも、その強さを認めているようだ。
だから、満面の笑みを浮かべる。
基本、親馬鹿です。
「君はこいつに勝てるかなァ?」
「これ以上、言ったら殺す宣言」をさっきされたばかりなのに、ストライダムはまた馬鹿なことを聞く。
しかも、刃牙が勝てるかどうかではなく、勇次郎が勝てるかどうかだ。
勇次郎に勝てる生物はいない。本人にもその自負がある。
地上最強の生物の目の前でこういうことを聞くには自殺以外に他ならない。
当然、勇次郎はブチキレかけるが…
ストライダムが指したものを見て、態度が一変する。
なんと恐竜の化石だった。
…本気で言っているのか、この人は。
最大最強の巨大生物だが、今は絶滅しているんだってば!
しかし、勇次郎は笑う。鬼笑いだ。
きっと、地上最強の生物を謳っておきながら、恐竜と戦っていなかったのは失敗だった。
こいつを倒せば完全な地上最強の生物になれるんだろうとか思っていそうだ。
なんかもうズレすぎた考えだけど。
ていうか、どうやって戦うんだ?
そんなわけで次回から「範馬刃牙」が7話の間休載し、板垣恵介の新連載「ピクル」が始まる!
新連載かそれぇ!
ピクルの意味をググってみたらこんな結果が出た。
yahoo辞書で調べてみたら、重量の単位らしいことが判明する。
結論。ピクルの意味はよくわかりません。
どうやって戦うのかわからないが、ピクルは勇次郎と恐竜の戦いになるのだろうか?
勇次郎がリアルシャドーをするとは思えないが、あっさりリアルシャドーをしそうな気配がする。
いや、いきなり本物の恐竜が目の前に現れても不思議と思わないけど。
勇次郎の前には道理は引っ込む。
恐竜くらい出るさ。
むしろ、自然だ。
出ない方がおかしい。
アマゾンの奥地に現代に唯一残った恐竜がいるとなっても俺は一切突っ込まない。
突っ込むけど。
板垣先生曰く、「スマン!どうしても描きたいヤツに出遭っちまった!7話だけ付き合ってくれ!」らしい。
この人は本当に描きたいことしか描かないらしい。
なんというワガママ…!
でも、それに付いていくしかないのが板垣読者の辛いところだ。
とにもかくにも、刃牙から脱線して勇次郎中心の展開になるようだ。
何が起きるかはわからないけど、恐竜とガチで格闘技しそうだ。
ギャグ漫画でしかありえない構図だが、それを堂々とやってのけるのが板垣先生の恐ろしいところだ。
あとバキはそもそもギャグ漫画だろ、というツッコミはするな。
勇次郎が主役となるだけあって、ピクルはいろいろとすさまじい内容になりそうだ。
誕生編ですら狂っていたくらいだ。
恐竜と戦うとなるとどれほど狂うことか…
うーむ、ツッコミどころが絶えなくなりそうだから、感想書きとしては非常に嬉しい。
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