範馬刃牙 第85話 恋心



一流の格闘家たちがピクルの元に集結した!
一部、非一流。
なお、その中に当然のことながら範馬刃牙はいません。


「こうなると照れ臭ェ…」

愚地独歩はつぶやく。
そりゃあ、ここまで楽に侵入できるとなれば、兵士の背中にくっついて右往左往するのなんて恥ずかしすぎる
あの姿を知り合いに見られればいい笑いものだ。
中国四千年が泣く。

ここで独歩は寂海王に声をかける
「寂さんアンタまで」と寂海王のことを知っているかのような口ぶりだ。
意外だ。
独歩が寂海王のことを知っているなんて実に意外だ。
空拳道なんて山形県の山奥にある秘密宗教団体くらいのイメージしかなかったが、神心会の館長も一目を置くものなのだろうか。
まぁ、寂海王は唯一の日本人海王だ。
同じ日本人として噂は耳に入っているのだろう。
あと同じハゲ同士。

対する寂海王も「人喰いオロチ」と独歩を知っているように返す。
意外…いや、当然か。
ここで寂海王が「お前だれ?」的なことを言ったら大物だ。
いや、もう別の意味で大物だけど。

「社会教育は武道の大切な側面」
「前途ある若者を正しく導くこと 大切な務めです」


相変わらずの寂海王だ。
正しく導くと言いながら、本人は握手からの不意打ちが得意だったり、いきなり勝利宣言したりと卑怯全開だが。
そんなことを言っていると即克巳に突っ込まれる。
いくら何でもピクルを教育するのは無理だぞ、寂海王。
お前にできるのは性(SAGA)を教えるくらいだ。
男相手のSAGAを。

ともあれ、結局としてはみんなピクルと戦いたいからここにやってきた。
でも、ピクルは一人しかいない。
誰がピクルと戦うのか。全員でにらみ合う。
寂海王だけ妙に視線を逸らしている。
お前、それでいいのか。

でも、みんなで喧嘩する前にまずピクルだ
せっかく、多くの強者が集まったのに出てこないのも不思議だ。
いや、ピクルは格闘家じゃないから当然かもしれないが。

そんなわけで木の中で全裸で眠っているピクルを独歩・寂海王・ジャックの3人が見る。
一目見ただけで3人ともツバを飲み込み冷や汗を流す。
さすが、ブラウン管越しに見ただけでも強さと野生が伝わってくるだけの男だ。
間近で見れば範馬一族ですら冷や汗を流させる力があるらしい。
でも、寂海王だけはなんか意味が違っていそうだよな
抽象的な例え方をすると、ドアを開けてみたら14歳の女の子(胸だけ成長期全開)がYシャツ一枚で寝ていたみたいなそんな欲情。

「敵と見なしてくれてるのですかな……」

ピクルの沈黙の真相を達人はこう解釈した。
思えば、空港では銃に囲まれた状態で睡眠を取った。
野生だけあり、敵として不十分な戦力の持ち主にはさほど警戒しないのかもしれない
寂海王とか鎬昂昇なんかはあんまり警戒しなくてもいいかもしれない。
克巳はぎりぎり警戒した方が良さそうだが、今現在冷や汗中だから警戒する必要はないかもしれない。

ズンッ

そんなことを言われて腹が立ったのか。
ジャックがピクルが寝ている木に蹴りを打ち込んだ。
豪快に木が揺れる。
単純なパワーだけなら間違いなくここにいる格闘家陣の中ではもっとも上だ。
おそらく震度8の地震並みの衝撃があったことだろう。
これならピクルは起きざるを得ない。

でも、いつものジャック兄さんだったらピクルそのものに蹴りを入れそうだ
何だかんだで何でもありがジャックだ。
寝ている相手に攻撃を加えることに躊躇しないだろう。
現にダウンしたJr.に遠慮なくパンチをぶちかましている。(バキ252話
もしかして、ちょっとビビっているのか?

そんなわけでピクルが起き上がる。
でも、のっそりと起き上がる。
驚いた様子はまったくない。
2億年前は寝ている最中に恐竜に襲われたりしてそうだし、荒事には慣れているのかもしれない。
それとも低血圧なのか?
ピクルに寝ぼけ属性が加わり、寂海王は萌え狂う。

ピクルが目覚めると同時に沈黙が支配する。
ヘタに動けない状況だ。
傍若無人なジャック兄さんも動きを止めている。
ピクルは範馬ですら威圧する力を持つのだろうか。

ピシャアアアア

そんな沈黙の中でピクルは目覚めの放尿を放った
ガラスの壁に遮られたものの、あまりの量と勢いに尿は四散する。
ピクルの手は腰にある。誇らしく逸物を突き出しつつ放尿している。
手で押さえずに尿の勢いのままに放出させるフリースタイルだ。
野生度高っけ〜〜〜〜〜〜!

なお、武道家なら逸物を絶妙にコントロールすることで尿で目潰ししたりする。
餓狼伝の主人公、丹波文七が実践していた。
尿を巧みに操れるかどうかが一流か二流かの分かれ道なのだ。

そのあまりに猛々しい尿に壁越しの烈先生と克巳がオーバーリアクションで驚く
何という夫婦芸だ。
バキホモ同人界のエースコンビだけあり、絶妙なコンビネーションだ。
この息の合わせ方に寂海王はつけいる隙があるのか?
とりあえず、壁がなかったら尿が命中していたのは間違いない。
中国四千年ですら回避不可能な尿を出す男がピクルなのだ。多分。

どこでそんなに水分を取ったのかと言わんばかりにピクルは怒濤の放尿をする。
当然尿が跳ねる。
独歩の顔に命中するが、独歩は微動だにしない
神心会館長なのだ。尿程度ではビビっていられないのだろう。
きっと、過去、武道家と戦った折に尿攻撃されたことがあるに違いない。

と、尿を出し終わったピクルが突如視線を変える
並み居る格闘家に無反応だったピクルが何に反応したのだろうか?
全裸になった寂海王というオチは勘弁願いたい。

「ウェルカムピクル…… ようこそ未来へ……」

そこにいたのは範馬一族の長範馬勇次郎だ!
多分、兵士たちに自傷行為をさせながらここまで来たのだろう
だから、ちょっと時間がかかってしまった。
寂海王に遅れを取っても泣かない。

そして、ついに地上最強と史上最強が出逢った
ピクルはその出自の異常性から範馬一族の祖先の可能性がある
何せ女を見た瞬間に交尾するくらいだ。子種には困らないだろう。
最新最強の範馬と最古最強の範馬が激突することになるのか?

範馬一族の祖先だろうとそうでなかろうと、これは宇宙の法則が乱れかねないほどの出会いだ。
次元が狂ってパラダイムポリューションが起きて、時空がゆがみ出すかもしれない。
そして、刃牙と梢江がいなかったことになる。
うむ。実にいいことだ。
HAHAHA!デストローイ!


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