範馬刃牙 第88話 完全包囲



ピクルが勇次郎を力で押し切った。
人類史上に残る偉業だ。
ピクルが人類なのかは非常に怪しいが。
ピクル星人っぽいよなぁ。

通常状態の勇次郎に力で勝ったわけだけど、思えば通常状態の勇次郎にもレベルがある。
郭海皇と戦った時は通常モード、通常本気モード、鬼の貌モードの3つがあった。
通常モードでは消力を破ることができなかったが、通常本気モードでは闘技場にクレーターを作るだけの筋力を発揮し、消力をも破り去った。
それを考慮すると現在の勇次郎は通常モードの可能性も否定できない。
力負けしたものの尻尾を掴ませない勇次郎であった。


勇次郎に力で勝ったものの、技で翻弄されたピクルは地面に尻餅をつく。
顔は相も変わらずぼーっとしている。
女性化すれば長身巨乳で天然ボケになるのは間違いないな。
烈先生はもちろん三つ編みツンデレだ。

地面に倒れ込んだピクルだが、なんか股間のモザイクが妙に小さい
80話を見るに大きさも野生並みかと思ったが、平常時では小さくまとまっているのかもしれない。
大きくなればビックリだ!
らめぇ!ピクルらめぇ!

ピクルはなんか魂が抜けたようだ。
力で勝ったと思った瞬間に地面に倒れ込んでいるのだ。
力が全ての2億年前には一度も体験することがなかったはずだ。
人生初の体験に戸惑っているのだろうか。

[起き上がる――――]
[たった……]
[それだけの動作に―――]
[戦士達は目を奪われていた]

[文明と呼ばれるものを甘受した―――― 結果 人体から消え失せた多くの機能]
[本来の機能に満たされた人体とは単純な動作ですらが かくも美しい


みんな、ピクルの起き上がる姿に目を奪われる。
何の変哲もない起き上がるだけの動作なのに、勇次郎ですらが目を奪われる。
どこがどうすごいのかはよくわからないが、相当すごいことのようだ。
いわゆるアレだろうか。
巨乳よりも貧乳が好きとかというノリか?

[これを眼前(まえ)にして―――]
[このまま おめおめと帰れるかッッ]


純粋な肉体の美しさに肉体世界に生きる格闘家たちの闘争本能が揺さぶられる。
戦えば100%負ける克巳だって闘争本能を刺激されている。
…この人は2週間前の話を忘れたのだろうか?
それとも思わず戦いを挑ませるような魅力がピクルにはあるのかもしれない。
みんな、勇次郎には挑まないけどピクルには挑もうとしているし。

「STO〜〜Pッ」

場の緊張が最大限にまで高まった瞬間、水を差すように声が響き渡る
ピクル収容施設が軍人たちに包囲されていたのだった。
すげえ!米軍すげえ!
この事態に気付いたのか!
いや、気付く。普通気付く。
でも、真後ろに人が立っていても気付かない軍人がいるからなぁ…
何にせよちょっと米軍を見直した。

「スグニ出テ来テクダサーイッッッ」
「ミスターユージローハンマ ソコマデデース」


うわあ!
なんだこの緊張感のない叫びは!
「ワタシ外国人デースペラペーラ」並みになんかどうしようもない。
そんな声をあげる人物は恐るるに足らずか、勇次郎は笑みを浮かべて出てくる。
同時に指揮官らしき人物が気持ちいいダッシュを見せて勇次郎の元へと走る。
勇次郎の元へとやってきた人物はヘンリー中佐と名乗る。

「逮捕ノーーッッ」

中佐なのに偽外国人風外国人だ。
やっぱり、ダメだ。米軍。
そんなわけで米軍には勇次郎を逮捕できる力はないと自ら言い放つ。
そりゃあないに決まっている。
ピクルだって抜け出そうと思えばいくらでも抜け出せるはずだ。
役に立たないのが米軍だ。
身の程を知るとは良いことだ。

ヘンリー中佐はさっきまでのギャグペース(いや、本人は真面目だけど)から打って変わって、勇次郎に跪きピクルを見逃すようお願いする。
2億年前の人間なんて人類の宝だ。
これを勇次郎に壊されるわけにはいかない。
来日初日に思い切り蹴ったのは忘れよう。

勇次郎はヘンリー中佐の頼みを聞く。
勇次郎にしてはおとなしい。
ただし、他8名も不問にすることが条件だった。
なんか勇次郎にしては気の利いたことをする
天上天下唯我独尊で自分以外は知らない生き方をしている勇次郎が、烏合の衆呼ばわりした連中をかばうのも不思議だ。
強い人は素直に認めるのが勇次郎の美点だし、なんだかんだで格闘家たちを認めているのかもしれない。
克巳は除く。

[かくして――――]
[無事――???幕を下ろした]
[地上最強の――――]
[夜這い劇]


そんなわけで格闘家たちは軍用車に乗せられて米軍基地を出る。
勇次郎の影響は大きく、みんな無罪になった。
最大級の不法侵入だったが、無事何ともなかった。
多分、勇次郎の力添えがなくても無事に脱出できただろうけど。

車内では寂海王が克巳を見て、「イイ眼をしているなキミは……」と勧誘する気満々だ。
虚勢を張りながら加勢を期待した男にイイ眼も何もあったもんじゃないが、あのヘタれっぷりが良かったのかもしれない。
寂海王が勧誘した人間はみんなヘタれ臭がしているし、それが寂海王の趣味なのか。
そーなのかー?

[基地より10km離れた地点にて 戦士達全員が放免となった]
[一名を除いて……]


なんとまだピクル部屋に残っていた者がいたらしい。
本当に8人いたようだ。
勇次郎の勘違いではなかった。
いるのはアレン君に違いない。
今度こそ場を仕切るのだ。
武器はマシンガンだ!
これならピクルに勝てると死亡フラグを立てる。

が、アレン君ではなかった。
ピクル部屋にある大木に迷彩シートを貼って隠れていたのは環境利用闘法師範ガイアだった。
さすがに空気が悪いのか、さそくさとガイアは天井の通風口をたどりピクルの部屋から出て行く。
ピクルはただ見つめるだけだ。
通風口から逃げられるとバレれば、ピクルはなんか即脱走しそうで怖い。
大丈夫か、米軍。


独歩や渋川先生のような王道キャラから、鎬昂昇や寂海王のような準実力者、そしてなつかしのガイアがいたと、
かなりピクルの部屋に集まった格闘家は色とりどりだった。
でも、「バキ」初登場キャラが寂海王だけなのはちょっと寂しい。
シコルスキーかドイル辺りが戦線復帰しないものか。
指力のシコルスキーと現代武装のドイルだ!
ドイルはともかく、シコルスキーはなんでいるのって言われそうだ。
刃牙が出てきてもなんでいるのって言われそうだ。

烈先生・鎬昂昇・独歩・ジャック・渋川先生・克巳・寂海王・ガイアの8人がピクルを狙っていることが判明した。
勇次郎は別枠集計。刃牙は無視。
それぞれ、得意分野が以下のように異なる。

・烈先生
中国四千年の高度な技術。

・鎬昂昇
斬撃拳。

・独歩
破壊力満点の愚地流空手。

・ジャック
範馬ならではのインチキパワー。

・渋川先生
合気。

・寂海王
ホモ。

・ガイア
環境利用闘法。

様々な分野を得意とする格闘家が集まったので、これら8人と戦えばピクルには格闘家耐性が付きそうだ。
今のところ、技術に対して弱い面が見られるので、それさえ克服すれば勇次郎とタメを張れそうだ。
あー、でも、克巳は何が得意なんだろう?
虚勢か?

次週の「範馬刃牙」は板垣先生にしては珍しく休載だ。
再来週からピクル編が本格的に展開するのだろうか。
ピクルが格闘家たちをどんどんと倒していくが、ジャックに敗北。
その後、格闘家たちのリベンジに次々と敗退。
半日、サンドバックを叩いて完治するものの5ヶ月ぶりに出てきた刃牙に秒殺!というのは勘弁願いたい。
…Jr.編と流れがちょっと似ているんだよなぁ…
無駄に不吉だ。


Weekly BAKIのTOPに戻る