範馬刃牙 第89話 静寂



1週間の休載を経て範馬刃牙が再登場した。
あ、ありえねえ。
何ですかこの人。
あと数ヶ月は出てこないと思ったのに、1ヶ月強で再登場しやがった。
どういう主人公だ。
実は範馬刃牙じゃなく範馬刀牙じゃないか?

ついに再登場した範馬刃牙はルミナとファミレスにいた。
おお…ルミナが再登場するとは。
カマキリ編を最後に出番がなくなるかと思ったら、けっこう意外だ。
範馬の異常世界に追従できた人間だけに、刃牙としても付き合いを止めるのは嫌なのだろうか。
でも、大統領誘拐犯と友達ってのはなんか変なレッテルが付きそうで嫌だなぁ。

「あの… 勝てますか…………」

「キョーミねェよ 原人」


で、ルミナのピクルに勝てるかという質問に早速興味ないと返す刃牙であった。
相変わらずやる気がない。
80話であれだけびびっていたくせにこの物言いだ。
「やればできるよ。やっていないだけさ」みたいなダメ人間街道一直線である。
いいのか、主人公。
まぁ、主人公だししょうがないか。

「貴重な財産なんだよ人類の」
「それと闘うって………ハハ」
「ピラミッドを自宅にしたいってぐらいムリ」


ピクルは文化遺産だから戦う無理らしい。
夜叉猿という天然記念物(推測)と格闘した男の言う台詞じゃない。
自分のことを棚に上げる見事な詭弁っぷりである。
お美事!お美事にござる!
あとピラミッドを自宅にしたいって言う人間が9人もいたぞ。
9人の中には絶賛小物中の克己と鎬昂昇だっていたんだ。
少しくらい夢を持て貴様。

ルミナはピクルがTレックスよりも強いというが、それにすら興味なしの刃牙であった。
100kgのカマキリに勝つ(妄想)>Tレックスに勝つ(現実)らしい。
この人の自信はどこから舞い上がっているのだろうか?

「カマキリとだって戦うバキさんがそういうのに興味ないなんて」

刃牙のやる気のなさにはルミナも驚く。
「カマキリとだって戦う」という下りが十二分に狂っているが、ルミナにとって刃牙は強さを求めるイメージがあったのだろう。
強くなるためには全盛期のアイアン・マイケルだって呼び出しますよ。
いや、それはダメだろう。

ここで刃牙はお得意の「地上最強になりたいんじゃなく勇次郎に勝ちたいだけ」理屈を持ち出す。
これを言われたら終わりだ。諦めるしかない。
ああ、こいつは何を言っても働かないんだなとニートを背負った母親状態である。
しかし、それならアメリカに行くなと言いたい
どうして、オリバには惹かれてピクルには惹かれないのだろうか。
勝てないからか?

「お父さんのハナシをするバキさんて ホントうれしそうです」

実はパパ大好きなのが刃牙である。
親が親馬鹿なら子も子馬鹿だ。
そんな本性をルミナに見切られて刃牙とルミナの対談は終わる。
存分に刃牙のやる気のなさを見せられた対談であった。
大好きなパパさんはピクルに興味津々だし、刃牙も興味を持てばいいのに。
せっかく、ストライダムが次の対戦相手に指名してあげたんだぞ。
…そういえば、ストライダムはどうなったんだ?
レイプ事件の責任追及中か?


さて、そんなやる気のない主人公は置いておいて、米軍基地ピクル収容施設に場面は移る。
刃牙にガン無視されたピクルは木の中に丸まっていた。
他の部分は人工物だらけなので、木の中が一番落ち着くのだろうか?
ついでに勇次郎に破壊されたアクリルガラスはテープを貼っただけの処置がされている。
ちゃんと直そうよ、米軍
それとも、どうせ壊されるからとおざなりにしているのだろうか?
米軍も自暴自棄だ。

[原人(ピクル)は――――――― 飽きることなく]
[幾度も 幾度も思い出していた]


ピクルは勇次郎にかけられた合気を思い出していた
一直線に押し合っていたはずが、突如横回転する力がかかりダウンしたことを頭に巡らせる。
一瞬の出来事であったが、ピクルは力の流れをちゃんと把握しているようだ。
この調子なら技を見切る日も近いのだろうか。

ピクルはかつて戦ったと思われる恐竜たちを思い起こす。
そのどれもが技を使わなかった。当然だ。
未知の力を使う強者として現れた勇次郎はピクルにとって非常に印象深かったのだろう。
ついでに思い起こした恐竜はティラノサウルス、トリケラトプス、ブラキオレイドス?、
そしてプテラノドンってそれ空飛んでるじゃねえか!
ピクルは陸だけじゃなく空の相手とも戦ったらしい。
実に経験豊富である。
天内悠が出てきても安心だ。

[退屈だった日常に突如現れた解けない玩具(パズル)――――――
 原人(ピクル)は嬉しんでいた]


ピクルは暴れるだけかと思っていたら、意外と技の研究を(自分なりにであるが)行うなど、存外知的な部分があるようだ
ただの原人と侮れば知的な戦略で足下をすくわれるかもしれない。
克己とか。


また、場面は移る。
どこぞのビルの一室にある中国武術錬成研究会というところに烈先生はいた。
うわ…胡散くせえ…
中国拳法最高峰の海王であり、かつ神心会のコーチを引き受けた烈海王がこんな胡散臭いに何でいるんだ?
よほど日本での路銀に悩んでいるらしい。
…そういえば、「バキ」時代には高級そうな中華料理店で飯喰ってたなぁ…
倹約を覚えてみてはどうか。
乗り物は全部自走だから交通費だけは安そうだが。

烈先生の前にはテーブルの上に並べられた10枚のコンクリートブロックが並べられていた。
中国武術錬成研究会の師範と思われしハゲが「9ッ」と叫ぶ。同時に烈先生がコンクリートブロックを叩く。
すると9枚目だけが爆発した
普通に手品だ。
劉海王が海王試験で見せた立ち位置から離れるほど、波が大きくなる打撃を放ったが、それと似たような技法だろうか?
ピクルが知り得ない技術を持つ男がここにもいた。

師範ハゲはさらに7枚目と4枚目を指定し、それを烈海王は見事に破壊する。
どういう原理なのか想像すらできないが見事な技術だ。
腹筋を貫く打撃に用いるなど応用も効きそうだ。
ピクル戦で密かに活躍する技術なのかもしれない。

と、烈先生の技を密かに見学していた刃牙が拍手する。
え?いたんだお前。
今週からしばらく姿を見せないかと思ったら、意外にも早く再登場した。
さすが主人公。やったね。(棒読み)

で、刃牙は烈先生に中国拳法を教えてほしいと頼んだようだ。
狙いが何なのかはわからない。
だが、勇次郎が今までで一番苦戦した格闘技が中国拳法だ。
中国拳法を極めれば握力×体重×スピード=破壊力の法則すら物理法則の段階で破壊できると郭海皇が示してくれた。
勇次郎と比べ筋力に劣る刃牙はそこに活路を見いだしたのかもしれない。
範馬力に頼らず勇次郎と戦えるようになるのは魅力だ。
でも、146歳にならないとダメですよ
あと範馬力はいらないかもしれないが妖気は必要だろうし、勇次郎への近道にはなりえないだろう。

「中国武術は理合の宝庫です
 過去の勝敗はどうあれ俺にとって烈さんは武の大先輩です」


中国拳法を褒めつつもあくまで俺>お前を強調する刃牙であった
さすが範馬である。
頭を下げて教えを求めたけどなんか台無しだ。

「お断りします」
「あなたに興味ありません」


うわあ!フラれた!
これはあれだ。
学校に転校してきた成績優秀文武両道の金髪ツインテール帰国子女お嬢様がいた。
強気でプライドの高い彼女に恐れながらもちょっと憧れる主人公は、休日何気なく郊外の図書館に向かってみた。
するとそこにはお嬢様が必死に古典の勉強をしているではないか。
どうやら外国生活が長いらしく、古典がよくわからないらしいが、
プライドの高いお嬢様は苦手と言うわけにもいかず、休日になると必死に勉強しているようだ。
しかし、それでもよくわからず困っているらしい。
そこで主人公はお嬢様に古典の勉強を教えてあげる。成績優秀ではない主人公であったが幸い古典だけは得意であった。
こうしてお嬢様と休日の日は毎日郊外の図書館で勉強することになる。
それが何度も続くうちにお互い仲良くなって、主人公は連休の日に思い切ってデートに誘うことにする。
しかし、その日はなぜかお嬢様は図書館に来なかった。
翌日、学校であった主人公はお嬢様にデートの話をするが「お断りします」「あなたに興味ありません」と一蹴される。
傷心に暮れる主人公。
しかし、偶然一人公園で泣くお嬢様の姿を見つける。
なんとお嬢様は急遽引っ越しが決まったため、主人公にあえて冷たい態度を取ったのであった。
お嬢様の本心がわかった主人公は自分の気持ちをお嬢様にぶつける!
つまり、このツンデレ野郎!
いや、ツンデレツンツンデレデレ野郎だ!

本当に烈海王は萌えキャラだ。

最近、デレばっかり見せてあった烈先生であったが、ここで久しぶりにツンを見せた。
しかも、実にいいツンだ
うむ、マジで萌ゑる!
もう同チャンピオンで連載中の「ストライプブルー」のお嬢の比じゃないくらいのツンデレっぷりだ。
萌え度においても間違いなく勝っている。
中国拳法の理合という名のツンデレ恐るべしだ。

ともあれ、刃牙は烈先生にフラれた。
そりゃあ、ピクルに興味なしすぎるからな
烈先生は抱くよりも抱かれたい男なんですよ。
ピクルの包容力にメロメロ!
…あ、これじゃツンデレじゃないな。


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