範馬刃牙 第93話 自然力VS武力



今週の範馬刃牙の後編だ。
烈海王とピクルのカードが決定し、場面は地下闘技場へと移る。
そこでピクルは大の字になって寝そべっていた。
実に無防備だ。
大丈夫かジュラ紀人。

「なんでもないことのようだが――――――― この寝姿はスゴい……」
「自然界において動物は―――…… 一様に皆身を隠して眠るものだが……
 見たまえこのふてぶてしさを………… まるで無防備だ」
「サバンナにおけるライオンがそうであるように」
「彼――――――ピクルにとってもこれが………… 自然な形なのだろう」
「自然界における食物連鎖 その頂点に立つ者にだけ許された」
「王者(キング)の寝相だ」
「しかも彼がいたのは――――サバンナのように生易しい場所ではない」
「自然界の規模(スケール)が――― 現在とはケタ違い」
「群雄割拠の白亜紀!!」
「なのにどうだ――― この安眠ぶりは」

ここが俺の生きる場所と言わんばかりのペイン博士の解説だ。
一気に押し切ってしまう作戦か。
でも、徳川のじっちゃんとストライダムは一切耳を貸さない。
人間とピクルを戦わせるということを無謀だと言うが、まったくノールックだ。
あと米軍基地では見事に木の中に隠れて寝ていたがそれはノーカウントなのだろうか?

しかし、地下闘技場が安全だからピクルは無防備に寝ている可能性もある。
あるいは誘い受けするために無防備を装っているかもしれない。
何にせよ無警戒というのはある種の強さの象徴か。
勇次郎がビクビク警戒する姿は想像しにくい。

「神が与え給うたピクルの自然力 達人 烈が身につけた中国4000年の武力」
「この2つが向き合ったときいったい……」
(ストライダム)

「なにも起きやしないッ 一瞬で喰われてお終いだッ」

「格闘史において人類が―――― 何を得 そして――――何を失ったのか」
(徳川光成)

本気で耳を貸さない二人であった。
シンクロして合いの手を入れる。
ここまで来るといじめだ。
ノーベル化学賞ですら二人の前では加藤扱いである。
さすが、歴戦の勇士だ。

バキ世界において、技術の象徴である中国拳法と原始的な力のぶつかり合いを二人はどうしても見たいようだ。
烈海王は格闘技を学んでいる相手とは戦っても、花山のような力だけで戦う相手とは戦ったことがない。
そういう意味では新鮮な勝負だ。
でも、負ければ喰われるんだ。ちょっとは心配しろ。

「君らは理解していない 自然界における野生動物の戦闘力をまるで認識できていない」
「人間界で使用する格闘技の実力など――― シマウマにすら通用しないという現実をッッ」


というわけでペイン博士はムエタイとレスリングを思い浮かべる
…あいつらはシマウマにすら勝てないよな…
いや、レスリングはアナコンダに勝っている。ならばシマウマくらいには勝てるだろう。
いくら負け格闘技だからってペイン博士の見立ては間違っている!
まぁ、ムエタイはキングコブラが限界…

あまりにやかましく言うものだから二人同時に「うるっさいなもォ〜〜〜〜ッ」と突っ込む。
いつの間にか仲のいい二人だ。
やはり、格闘家関係者とそれ以外では脳の構造が違うようだ。
負ければ喰われるんだから、ちょっとくらいは心配しろよ。
倫理観よりも観戦欲の二人であった。

そんな漫才をやっているとピクルが起き上がった
ジャックの蹴りの振動でやっと起きるようなのんびり屋のピクルが自発的に起きたのだ。
けっこうな事態だ。
驚いたような視線で入場口を見つめる。
そこに烈海王が入場する。

[とびきりの野生が――――――――]
[とびきりの好敵手を――――見抜いた]


野生の咆哮をあげ、ピクルが立ち上がり構えを取った!
やや前傾姿勢になり両手を高く上げる構えだ。
通常の格闘技にはないノーガード極まりないファイティングポーズだ。
だが、野生の身体能力にはこれがベストなのだろうか。

シベリアトラが出てきた時はピクルはゆっくりと歩いて特に声もあげなかった。
ピクルの野生はシベリアトラをまったく警戒していなかった。弱者と判断したのだろう。
烈海王の戦闘力はシベリアトラ以上のようだ。
…まぁ、動物に負ける格闘家は三流だけど。
って、弱者でも襲い掛かろうとすれば喰うのか、ピクル。
強い弱いではなく、襲い掛かるか襲い掛からないかがスイッチの入るところらしい。

「ぶつけるぞ 全てをッ」

うわぁ!雄弁な敗北フラグ!
なんか時間稼ぎのために宿敵の前に立ちはだかった主人公の仲間といった風情だ。
範馬以外には全戦全勝の烈先生もついに地に伏せる時が来たのだろうか。
敗北者は喰われるらしいけど、本当に喰われちゃうのか。

烈先生は蛮勇で傲慢な部分があり、挑むよりも挑まれる精神で戦っていた。
そうしたワガママさを中国拳法という土台で支え、その強さを存分に戦ってきた。
ちょっと喧嘩売られるだけで中国武術を嘗めたと武器コンボの応酬をするほどだ。
勇次郎が大擂台賽に出場するとなった時も圧勝すると言いのけたほどだ。
劉海王は惨敗したけど。

そんな烈先生だが、今は届かない壁に挑むような精神のように見える。
見下ろす立場から見上げる立場になっているのだ。
ちょっと戦う前から姿勢で負けている気がする。
冷や汗流しているし。
ちょっと烈先生の未来に影が差す中、次回へと続く。


とりあえず、ピクルに捧げられる格闘家第1号は烈先生になった。
いきなり大物だ。
克己とか昂昇とかはどうするんだろう。
…あいつら、これから先出てくるのかなぁ…

それにしても負ければ烈先生が喰われるというのに、ストライダムも徳川のじっちゃんも緊張感がない。
喰われるんだから新聞記者には注意した方がいいぞ。
さすがに公開殺人を許容するのはマズすぎる。
また、ホモ的な意味で喰われる可能性もある。
そっちはそっちでやばい。かなり、やばい。
烈!総!受け!
でも、そうなれば克己と寂海王が本腰入れてピクルに襲い掛かりそうだ。
痴情のもつれは怖いのである。


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