範馬刃牙完結記念板垣恵介ロングインタビュー
バキシリーズは完結したため、今回は板垣先生へのインタビューだ!
刃牙VS勇次郎のオチは、その、正直玄人向け過ぎた。
10年来のバキファンの私でさえも困ってしまった。
その辺も含めて解説されるのか。
いや、されないな。
うん、板垣先生はそんな人。
そんなインタビューの中から印象的な発言を拾っていきたい。
この最終話は、あくまで『範馬刃牙』の完結。
この世界観はずっと続くという感覚は、最終話を描き始める前から持っていたことだから。
読者が気になっていた「続きがあるのか」という問いへの答えとなる発言だ。
バキシリーズは続くと見て間違いないようだ。
まぁ、未回収の伏線がたくさんある。
これで終わりとされたら困ってしまう。
そういえば、親子喧嘩の最大の焦点とも言えた朱沢江珠を殺した理由はどうなったんだっけ。
そこは永遠に未回収かな……
もともと単純な実力だけの勝負では、無理めなマッチメークだった。
刃牙VS勇次郎の一戦をこう語る。
って、作者から見ても無理だったのかよ!?
近年の刃牙は勇次郎はもちろん、ピクルにも実力負けしている。
その強さは絶対的なものではなくなってきている。
その理由としては勇次郎のキャラとしての成長が早かったというものがあるようだ。
たしかに勇次郎のキャラは連載初期からは別物になっている。
変化だけではなく食事への礼儀作法を語るなど深みも出てきた。
対して刃牙は……性格悪くなっているじゃねえか。
極限退化ァ!
最初は殺された母親の為の復讐だったのに、勇次郎の完成度が上がるにつれ、
刃牙が明らかに憧れているというシーンが自然と出てくるようになっていって……。
たしかに刃牙の勇次郎への好感度は年々上がっている。
その大きなきっかけは大擂台賽で吹っ飛ばされた時に誇りたいくらい強いと賞賛したことだろうか。
刃牙にとって勇次郎は誇りたい対象になったのだ。
初めて勇次郎を語った時とは大違いである。
これは刃牙が、というよりも、勇次郎が変わったことが大きいのだろう。
これは事前に俺が意図した展開ではなく、そこには作者でありながら俺自身が勇次郎を讃えている気持ちが反映されていったんだな。
作者も讃える勇次郎であった。
そりゃあ食の礼儀作法を語る。
格闘家としての強さだけでなく人物としての大きさが描かれるようになったのも、板垣先生の憧れが投影されたからだろうか。
最近の勇次郎は気むずかしい部分もあるけど、暴力行為も控えめになっているしかなりの人格者になりつつある。
昔の勇次郎なら集まった観客たちを殴りかねませんよ。
あ、幼年編のラストで殴ってた。
板垣先生の理想の父親像が勇次郎に投影されていったのかもしれない。
まぁ、今の勇次郎はいい父親だと思う。
あ、ジャックをガン無視してた。
なしで。
ポイントは、この対決が親子喧嘩だったこと。
(中略)
そういう取るに足りない目的のために巨大な努力を払うというギャップには、カッコよさを感じた。
地上最強を決める戦いでありながらも、本質的には親子喧嘩だった。
スケールの大きさと小ささが同時に存在していた。
このギャップが板垣先生としてはかっこよさを感じるものだった。
ううむ、何となくわかるぞ。
シンフォギア最終回における月の一部を一本背負いして人類を滅ぼすようなものだろう?
ともあれ、そうしたスケールのギャップがバキ世界には多い。
小さな器にメガ盛りが板垣先生の美学か。
大きな器にライス半分だと失敗感がするので危険だぞ。
やっぱりマウント斗羽かなぁ……。
印象に残ったキャラクターとして一番に挙げられたのがマウント斗羽だ。
これにはインタビュアーも不思議に感じる。
もう出番なくなっていますからね。
マウント斗羽はジャイアント馬場を素体としたキャラであるが、板垣先生は飛び後ろ回し蹴りをできるジャイアント馬場を書きたかったようだ。
実在の人物をダイナミックな漫画の表現で描きたいというのがバキシリーズの原点なのだ。
花田純一というキャラが出てくるんだけど、実は彼のキャラの立ち上げにミスを感じたんだ。
とてもじゃないが、バキと1試合戦えるだけのキャラに成長していない。
花田がダメ出しされた!
やっぱ、ダメだったんだ!
いやまぁ、ダメですよね。師匠が本部の時点で大失敗だ。
同じような理由で加藤も晴れ舞台を奪われたのかもしれない。(師匠の出来はダンチだけど)
晴れ舞台を奪われた者同士で戦ったのは運命的な何かを感じてしまう。
いや、加藤はドリアンとの戦いで男を上げたとは思うけど。
そんなダメな花田を潰す……いや、補うために取っておきの斗羽が出たようだ。
さらにその斗羽との試合の中で勇次郎が登場した。
とっておきにとっておきを重ねている。
板垣先生に出し惜しみがないのは昔からのようだ。
確か5日間で睡眠時間は1時間ほど。
(中略)
もう二度とやりたくない。
漫画史に残る名シーン、全選手入場は睡眠時間1時間で仕上げたらしい。
壮絶なテンションと作業量だったのだろう。
あれはリアルタイムで感想を書きたかった。
連載再開の暁にはやらないかな。
そんな全選手入場はもう二度とやりたくないそうで。
60ページだし、睡眠時間1時間だし。
餓狼伝を並行して連載していたから、仕事の速度は半端ないと思っていたが限界はあるようだ。
だからなのか、ここ数年の板垣先生は2話同時掲載の時は1週間の休みを取っている。
無理はいけないということか。
不自然主義にも限界がある。
「コイツ凄いでしょ?」って読者と共有したい。
そういうキャラがもう生まれつつある。
今後の展望に関して。
バキという漫画はとにかくキャラのインパクトが強い。
作者自身がキャラに憧れちゃって一人歩きしてしまうくらいだ。
そんな新しいキャラが生まれつつあるようだ。
近年はピクルや勇一郎などとんでもないインパクトのキャラが生まれている。
扱いはあまり良くなかったけどゲバルもなかなかのインパクトだ。
刃牙との対決は普通に見たかったんだけどな。
そんなわけで連載再開の折には彼らに負けないキャラを見られるのだろうか。
今後の展望がいくつか見られたインタビューだった。
そして、板垣先生はやはり天然だった。
キャラが一人歩きしていると書いたけど、むしろ暴走しているんだよな……
本部VS柳とか暴走の産物だよ。
続編でも暴走が続くことを祈ろう。
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