てんむす 第10話 それって面白そうですね
グリーンピースを食べられないからと言って敗北するようでは三流だ。
世界大会に出て八角がダメだと苦しむのもダサい。
というわけで、大食いにおいて苦手な食べ物の克服は急務とも言える。
でも、食べ物の好き嫌いって生理的なものだから克服するのも大変そうだ。
私もキノコを口にしただけで吐く自信があるし。
大食い選手は大変だ。プロの人も八角で(「喰いしん坊!」ネタはここまでにしておく)
今回挑むのはチゲ鍋だ。
その辛さで知られる韓国料理である。
とりあえず、赤い。真っ赤だ。
でも、とても食べられないような種類の辛さでもない気がした。
激辛カレーのように舌を責めるような辛さでもないし。
それでも二子(属性眼鏡)はチゲが苦手な種類の辛さらしい。
カレーは大丈夫とか。
味の好き嫌いは生理的なものだから、一括りにできるものではない。
だからといってグリーンピース対策を忘れているのはあり得ないが。
天子(と哲ちゃん)含む他の部員はチゲ鍋を余裕で楽しむ。
哲ちゃんなんて香辛料について味わっていたくらいだ。
意外にと言うべきか、料理屋の息子としては当然と言うべきか、味覚が鋭い。
料理人キャラが部の近くにいるのは幸運なのかも知れない。
対する二子は……大変そうというか楽しそうだ。
アンタ、絶対楽しんでいるよね!
無駄にいいリアクションしているし!
……本当にチゲが苦手なのか?
ところでちゃんと椀を持って食べているのは作法をわきまえている。
大食いには作法も大事ということか。
刃牙だったら汚い作法で食べて怒られるな。
二子は九士朗のアドバイスでご飯と一緒にチゲを食べるが……相変わらず楽しそうに苦しむ。
ブーストをかけたように可愛さを主張している。
イカちゃん可愛いと同じように二子ちゃん可愛いと言わせる気か。
耐えられなくなって水を頼む二子であった。
辛くて熱いものに水……?
邪道喰いはよせーッ! 二子先輩!!
……とやたらとテンションを(無駄に)上げたらそんなことせずに普通に飲んでいたらしい。
まぁ、女子高生に邪道喰いされてもね。
さて、大食いにおいて辛さと熱さは壁とも言えるものだ。
たくさん食べようにもそれらが好き嫌い以前に物理的に遮る壁になりかねない。
いかに適度に冷ますか。
「喰いしん坊!」では箸を二つ持ち、片方で食べ片方で冷ますという手段が用いられた。
二子もスプーン二つ頼んでチゲを冷ましてみるか?
まだ「てんむす」には大食いに対する技術的なアプローチが行われていない。
試合が始まってからそれが披露されるのだろうか。
でも、食べているように見えて食べていないフリという技術は意味がない気がする。
はい、「てんむす」以外の話です。
「せっかくたくさん食べられる様になっても」
「メニューのせいで負けたら悔しいだろ」
「苦手なものを克服する… これも立派な」
「大食い競技の練習なんだ」
何故、無理して食べるのか。
そんな哲ちゃんの疑問に九士朗はこう答える。
たしかにグリーンピースが苦手で敗北とかありえない。
選手である以上、苦手分野の克服は当然のことか。
でも、食べ物の苦手を克服しても、閉所恐怖症で試合放棄とかもあり得るから注意が必要だ。
他の部員、遊と由理亜は二子とは主義が異なるらしく、嫌いなものをわざわざ食べる気はないらしい。
食との付き合い方としては正しいかもしれない。
が、それでグリーンピースで敗北したら笑えないぞ。
グリーンピースに気を付けろ!
え? さっきからグリーンピースばかり?
「大食い甲子園」の「グリーンピースは大嫌いじゃあ!」は大食い漫画の歴史に残る名シーンだ。
笑いどころとも言う。
食い道部は食事する以外にもスタミナを鍛えるためのランニング、競技の情報の研究、週に3回一定量を食べる練習……
そんな様々な大食いへのアプローチが図られていることが語られる。
大食いといえど無計画にやれるものではない。
心技体の全てが試される崇高なスポーツなのだ。
グリーンピースで台無しになることもあるけど。
「天食祭に向けて100%の胃と」
「それを100%生かせる身体と知識で――」
「最高の大食いをするためなの」
そして、全ては大食い競技の全国大会、8月開催の天食祭に向けられたものだった。
8月と言えば夏場だ。
猛暑の中にチゲのような熱くて辛いものが出されるかもしれない。
今回のチゲ特訓も大会に向けた対策という思惑があるかもしれない。
ともあれ食い道部は体育会系のノリだった。
だが、天子は怖れていなかった。
美味しく食べられればそれで良し!
天才め……!
楽しそうにチゲで苦しんでいる先輩を労ってあげてください。
こうして二子は3杯、900gのチゲを食べ終える。
九士朗が語るに1年生の頃はチゲを食べられなかったが、今ではある程度の量を食べられるようになっているようだ。
もしかしたら昨年の天食祭で苦手な食べ物で敗北したのかもしれない。
成長の裏には挫折が隠されているのだろうか。
一方で由理亜は5杯、1500g。天子は4杯、1200g。
遊に至っては5杯、1500gに加えてアイス3杯だ。
みんな1kg以上食べていた。
さすが大食い選手だけあり、胃袋の量は常人とは桁違いだ。
あとやせ形が強いという設定もあるから、美容にはまるで無影響なのが強みである。
天子の才能が目立つ「てんむす」ではあるが、大食いに関しては他の部員も負けていない。
パワーバランスが取られていることが伺える。
でも、いつの間にか刃牙みたいに50kgの生肉を食す原始人にもあっさり勝っちゃったりして。
それは嫌だなぁ……
「二度とクルナ」
しかし、5kg以上のチゲを消耗したのだから店員としてはたまったものではない。
特訓と引き替えに出入り禁止を申し渡された。
「喰いしん坊!」でもあった出入り禁止イベントだ。
食べ放題における諸刃の剣とも言える。
だが、食べ放題を活用しないと大食いのトレーニングは行いにくい。
資金力が問われるんだよな。
部活でやる以上、部費で補えそうだが……
九士朗の援助が食い道部を支えそうだ。
大食いへの競技としてのアプローチが披露されている。
競技面の掘り下げがこれからも行われていきそうだ。
もしかしたら邪道食いが出るかも。
復活した花ぽんは料理に水をぶっかけるぞ! 気を付けろ!
でも、水をぶっかければ、それだけ腹も膨らみやすくなるような……
次回へ続く。
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