てんむす 第11話 1人では、3人だけでも
天食祭に向けてのトレーニングが行われる。
大食いはその場のノリで勝てるほど甘いものではない。
今回もトレーニングだ。トレーニング描写が細かい。
大食い競技という特異性故にか。
「長時間の全力での食事には スタミナが必要」
「プラス新陳代謝のよい体作りもできる ランニングは…」
「大食い競技において 必要不可欠な練習なんだわ」
今日のトレーニングは遊と天子のランニングだ。
大食いには直接関係ないが、必要な身体を作るためには欠かせないものだ。
そのためにも身体を鍛える!
至極、当然の流れだ。
そりゃあハンター錠二も身体を鍛えるってもんだ。
でも、いきなり階段ランニングはキツいだろう。
重力に逆らうと疲労は数倍に跳ね上がる。
体育会系のトレーニングに匹敵する過酷さだ。
登っているのは青葉山だ。
日本各地に同じ名前の山があるが、後々の発言から鑑みるに京都・福井にある青葉山だろう。
適度に田舎っぽい世界観なのだろうか。
そんな有り難い遊の話は天子にはまったく届いていなかった。
目玉がグルグル巻きである。
まぁ、素人が階段ランニングなんかすれば……
ついていけていること自体が凄いよ。
天食祭まで、4ヶ月。
天子にとっては『まだ』4ヶ月という認識だったが、遊にとっては『もう』4ヶ月だった。
これが現役選手とそうでない者の差であろうか。
曰く大食い競技に必要の準備に必要な時間は1ヶ月。
早い選手では半年前。
3週間前に出場オファーを受けた選手がその準備期間の短さに怒ったこともある。
「フラッと出て勝てるほど大食い競技は甘くないわ」
「この前二子がやっとった 熱くて辛い食事をとる練習も」
「口内・食道を傷つけるおそれがあって 大会まで時間のある今しかできん練習や」
「喰いしん坊!」には大会前に激辛料理を食べさせられて大会を棄権したエピソードがある。
身体に負担をかける過酷な料理に挑戦する時は準備期間が必要ということか。
大食い競技は理詰めだ。
焼き肉大会のように天子が天賦の才で勝ち抜けたのも、相手が素人だったからなのだろう。
天食祭本戦に出場できるのは、全国8ブロックで予選を行い、その中の1〜2位になった16校までであった。
天子たちの食い道部は中部ブロックを勝ち抜かなければならない。
天子が住んでいるのはあまり都会ではないらしい。
青葉山があるということは福井県であろうか。
天食祭予選は5回戦で行われ、4対4の団体戦で1名ずつのぶつかり合う。
先に3勝すれば勝利。
2on2で戦うこともあり、その場合は4名の総重量に勝る方が勝利する。
4人という団体戦ではやや半端な人数なのも、この2on2競技を意識したものなのだろうか。
メニューは5回戦全てが異なる。
一部のメニューに特化するだけでは勝てない総合力が問われる勝負だ。
その場で決めるのか、事前に決めるのか、それで競技性が大きく分かれそうだ。
ついでに「喰いしん坊!」では対戦者のどちらか一方がメニューを決める選択者になり、
その選択者がルーレットでメニューを決めていた。
最初からルーレットで決めろ! 選択者の意味ねえじゃねえか!
そう思ったがてんむすにはまるで関係ありません。
「今までの私らじゃ進めなかった道をいけると思うと
私は――」
「ワクワクが止まらんのだわ」
閑話休題。
食い道部は天子が加わるまでは3人。
天食祭の出場人数には一人足りない。
去年は雪辱を味わったことだろう。
だが、今年は違う。天子が――加わった。
遊の心が沸き上がる。
第1話で逢った時からだった。
食い道部を支えるかもしれない新人――
「食い道部に入ってくれて…」
「ありがとうニャ」
「はひぃ!?」
万感の思いを込めて礼を言う遊……だったが、天子はグロッキーだった。
食い道部の天子に対する好感度は高い。
が、悉く空振っている。
やはり、哲ちゃんと……いや、そっちの方があり得ないか。
今回は身体作りの話だった。
前回は苦手な料理と大食い競技の土台を整えている。
次は大食いのテクニックを磨くのだろうか。
二刀流でラーメンを食うとか。
あるいはトウモロコシを分解してから食べるとか。
……「喰いしん坊!」の大食いテクニックはどれも遅くなりそうなんだよな。
それを考えると「てんむす」では実戦的な大食いテクニックを見てみたい。
グリーンピースに負けないくらいのテクニックを!
それが食べているフリだったらちょっと嫌だな……
次回へ続く。
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