あ―― やーっと帰ってきたわね、私の可愛い下僕。 ふふん。この雪の中、お疲れ様。 やっぱり、下僕ならこれくらいは奉仕しないといけないわよね。 え？ どうして、こんなに寒いのにアイスを食べるのかって？ あなた、やぁーっぱり何もわかっていないのね。 私の名前を言ってみて？ …聞こえない。もっと、はっきり。 そう、ヒョウチュウ… ――って、ちっがーう！ツララよ！ 下僕のくせに何ボケているのよ！ タワケタこと言うなら蹴飛ばすわよ！ とにかく、名は体を表すって言うでしょ。 だから、こんな冬でも私はアイスを食べるのよ。 ――ふふん。 こう言えば下僕頭脳でも一目瞭然でしょ。 何よ、その顔。納得いっていないみたいね。 いいもん。 あなたに理解されなくても悔しくないもん。 さ―― 早く買ってきたアイスを出してよ。 …ねぇ、これ何？ たまごアイス？ な、何、恥ずかしいもの買ってきてるのよ！ アイスと言ったらハーゲンダッツでしょ！ 私の大好きなリッチミルクを買ってきなさいって言ったでしょ！ 言っていない？ バカ下僕！下僕なら言われずとも買いなさいよ！ もう、こういうのは私じゃなくて立夏や夕凪に買ってあげてよ。 ああ、吹雪は今の時期だと身体悪くするから控えるようにしないと… あ、その分も買ってきてるのね。 もう、本当に無駄なところで気を遣う下僕ね… しょうがないから食べてあげるわよ。 ちゅ――ちゅ―― …何よその顔。 一生懸命アイスを食べてる氷柱は可愛いな？ バカ！ バカ！ ゲボク！ あなた、私をバカにしてるでしょ！ もう知らない！このアイスはあなたが始末して！ て、て、て―― 何食べようとしているのよ！ これじゃ間接キ―― もう私が全部食べる！ 何もかもあなたがアイスなんか買ってくるのが悪いんだから！ ちゅちゅ――ちゅちゅ―― あう―― 一気に食べたら頭が〜… うう…もう全部あなたのせいなんだから〜… 罰として私を何とかして暖めて――…

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