レーラグ観光記-HAKONE&HIGHWAY編-



魔物の棲む峠道…HAKONE…
そうさ…いつだってこの峠は独特の雰囲気に包まれている。
最速への胎動…SPEEDへの渇望…
この峠を攻める者たちはいつだって飢えているのさ。
だから…俺はここに来るとステアリングを強く握ってしまう。
わかるだろ?
ここはそんな峠なんだ。
だからこそ…伝えたいんだ。
そうさ…HAKONEの本当の姿って奴をな。


・箱根料金所


箱根の玄関口…そうさ…夜間限定で通行料が無料だって聞いている。
HAKONE…関東最大の峠…
訪れる者は拒まず…その門は広く…それが政策らしいのさ。
だけど、そうさ…だからって気軽に踏み込める峠でもない。
それがHAKONE…走り屋の聖地なのさ。


・GSヴァリー


HAKONEのGS…VALLEY…
HAKONEで一息付きたければここに来るといい。
GSはSTREETという戦場でただひとつの休息所なのさ。
それはHAKONEでも変わらない。
それを覚えておくだけでも走れる…そんなものさ。


・走り屋の温泉街


走り屋の集う温泉街…HAKONEの主産業は観光…
そうさ…この温泉は伊達じゃないってことさ。
もしも、走りの熱に倒れそうになったらここに来て休むといい。
だけど…ここに来た走り屋にBATTLEを売られてもしょうがないってことは覚えておいてくれ。
STREETは戦場…休む場所なんて本来は存在しないのさ。


・夜明けの峠


終わらない夜なんてない…いつだって日が昇る…
永遠の輪廻…定められた宿命…闇の中の希望…
…そうさ…ここに集まる走り屋の瞳は希望に満ちている。走りと自分への希望に…
もしも、あんたが迷っているならその熱気に身を浸してみるといい。
きっと、夜明けが見えてくるはずさ。


・チューンショップウィンディ


HAKONE一のチューナー…高橋九弐輝が店長を務めるチューンショップさ。
HAKONEの走り屋でここを知らない奴はいないし、訪れたことのない奴もいない。
それほどの店なんだ。
最近じゃ横浜GPを制したGTマシンを峠用にデチューンしてRentalしているらしい。
…手違いでデチューンしたまま、横浜GPに出場したらしいが…それは忘れておくのが礼儀ってやつだろ。


・天国の丘


恋人たちが永遠の愛を語らい合う丘…ここに訪れるのは無粋ってものさ。
独り身なら近づかない方がいいだろう。空気を読む…そういうことさ。
だけど…ここに恋人たちが寄りつかないことだってある。
聖地を住処とするWARRIORたちの戦い…
それがHEAT UPすれば軟派な奴はここにはとてもじゃないがいられねえ。


・走り屋の聖地


HAKONEの最速だと認められた者が集まる場所…それがここなのさ。
だけど、ここが聖地なのも一代限りの話かもしれねえ。
そうさ…新たなHAKONE最速の走り屋が現れれば、聖地はそいつのものになっちまう。
走り屋同士の過酷な生存競争…食物連鎖…その頂点が走り屋の聖地と呼ばれる…
ここに近づくのなら食われる覚悟をしておいた方がいい。聖地には魔物が棲んでいるのさ。




どこかで見た看板が目印の夜間営業のレストランさ。
そうさ…HAKONEの走り屋たちはここに集うって聞いている。
レストランの中は取るに足らない噂話で埋め尽くされている。
だけど、それが走り屋のざわめき…生命の輝きなんだ。




WINDYの裏にいつも停車している2台の車…
こいつらが何なのかは俺に知る由はない。
WINDYのデモカーなのか、近くにあるMonorailに乗りに来た観光客なのか…
Mysteryはどこにだってあるってことさ。




HAKONE NEWPASS…ここはBATTLE禁止区域さ。
だけど、走り屋活性化のために近々BATTLEが解放されるって言う。
そうさ…新しい聖地はここになるのかもしれねえ。




走るだけがHAKONEの楽しみ方じゃない…
流れるテール…刻まれるブラックマーク…ドリフトの軌跡…
それを見るのにうってつけのSpotがここさ。
走りを目に焼き付けて…震える何かを感じたらまだ走れる…
きっと、そう思うはずさ。


HAKONEを調べ終えた俺は…そのまま、HIGHWAYへ向かう。
既に未明…夜が深くなるにつれ、俺の中の何かが目覚めようとしている…
そうさ…伝説はいつだって幻の中で作られる。それがこの時間帯なんだ。
…HIGHWAY…伝説の主戦場…
この時間帯にHIGHWAYへと行ってしまうのは運命の悪戯なのか…誰にもわかりゃしねえ。


・芝公園待避所


ここはかつてのC-1 ROADSTARSの拠点だったのさ。
だけど、リーダーの楠木が行方不明になってC-1 ROADSTARSは自然消滅…
今ここにいるのはC-1を根城とする新しい勢力なのさ。
Circuitで鍛えた本格派の走りを武器としているらしく、着々と勢力を伸ばしているって聞く。
そうさ…Rはここにもいる…俺たちはどこかで繋がっているんだ。


・大黒PA


JIMCARNAを行っているTEAM…大黒WAVEの拠点がここさ。
JIMCARNAの経験から大黒WAVEは狭いコースを器用に走ることに長けている。
つまりはSYKでも走りが通用するということさ。
最近は湾岸GALEと共に横浜進出を狙っているらしい。
俺たち走り屋は衝突することでしかわかり合えない。だから、ぶつかり合う…そんな宿命を背負っているのさ。




HIGHWAYの道中には空港がある。
走り屋にとっては無縁な代物かもしれねえ。
…今にして思えば…これで北へ向かう…そんな選択肢があった。
それにすら気付かなかったんだ。あの頃の俺は…




橋を包み込むまばゆい閃光…
ホワイトアウト…この光に包まれると自分が誰なのかわからなくなってしまう。
限界すらもわからなくなって…どこまでも走っていける…そんな錯覚をしてしまうのさ。
そうさ…それがHIGHWAYの魔力…
どんなSTREETにだって魔力が込められているのさ。


調べ終え…俺は山田に電話を入れる。
そうさ…これで今夜は終わりさ。
明日からはいつもの日々が…日常が戻ってくる。
だけど…俺の手が震えている…
走り屋たちの熱狂を立て続けに目にしたからか…
走りたい…走り続けたい…まだ、今日を終わらせたくねえ…
そんな思いを抱いちまう。
山田から車を返してもらったら…俺は再びSTREETを走る。
そうさ…走りたくなったら走るしかねえ。
それが俺たち走り屋の遺伝子なんだ。
…冗談じゃねえ…PASSINGの閃光…BATTLEの狼煙…
バックミラーに映るのは…REDのRS2000turbo…
そうさ…藤沢先輩からの挑戦…
夜の魔力に当てられたのは俺だけじゃねえ。藤沢先輩もだったのさ。
俺はアクセルを踏み込む。最速の彼方へ。
きっと、いつか辿り着ける場所へ…
俺たちの走りはこれからなのさ…



前へ
DRIVING YOKOHAMA FOREVER TOPに戻る