EPISODE8 陽だまりに翳りなく



今回は金子彰史名物独白が来るぞ!
WAシリーズの感動シーンは独白からの自己肯定だ。
弱さと脆さを認めながらも諦めないくじけない。
そんな姿にWAシリーズファンは惚れ込み、それはシンフォギアでも健在!




フィーネの黄金聖闘士化とイチイバル登場に伴い、OPカットがちょっと変わっている。
自信満々な笑みが可愛い雪音クリス(16)ですが、これで言葉遣いが乱暴だけどすごくいい子でなおかつメンタル弱いんですよ。
初登場の貫禄と得体の知れなさ(と暗黒聖闘士っぽさ)はどこへやら。
いや、暗黒聖闘士っぽさはいらんか。



相変わらず2段ベッドの1段目で眠る未来だ。
今更だけど前回の段階で布団を用意していたということは、響が帰ってくる前から1段目睡眠を決め込んでたということだ。
頑なな未来の感情が伝わってくる。

が、未来の表情はやはりどこか暗い。
怒りというよりも悩みを抱えているような表情だ。
友達ではいられないと前回のラストで未来は呟いた。
自分や誰かのために戦った響を認められない自分を責めているのだろうか。



起き上がった未来の目に入るのは在りし日の光景だ。
つい先日まではこれと同じくらいに仲が良かった。
今は大きな亀裂が入ってしまった。



響も起きており気不味いタイム続行中だ。
仲良しだから同室になったことが傷口に塩を塗り込むようなことになっている。
すれ違う歌、シンフォギア!



ここで未来が脱いだ。
脱いだ!?
な、ナニをする気なんだ、こやつ……
バキの梢江夜這いシーンを思い出した。思い出さない方が良かった。

ビビったら普通に着替えでした。
外は見えないがまだ暗いことがわかる。
早朝からの登校だ。
響と顔を合わせることを避けている。
仲が良かっただけに痛々しい。



一方でクリスはあの後、無事に逃げ切れたようだ。
だが、ノイズの追跡を受けている。
あ、ノイズさん可愛い。
可愛いけどノイズの中でも最弱に等しいので、クリスには一蹴される。
しかし、そこで力尽きてクリスの変身は解けて倒れてしまうのだった。
名実共に捨て犬である。



ここで倒れたクリスを未来は見つける。
まさかのクリスと未来の組み合わせだ。
と思ったら、第6話でクリスは未来を戦いに巻き込んでしまっている。
浅からぬ縁のある二人だ。
ならば、この邂逅は必然か……



登校した響は弦十郎から未明にノイズの反応があった報告を受ける。
未明であったこともあって、被害者はなし。
ただそれだけでなくイチイバルの反応があった。
目下捜索中の重要参考人クリスの足取りを僅かながらでも掴めた。
ところで通信する場所をもうちょっと選んでください。



「あの子……戻るところないんじゃないかって……」

報告を受けた響はクリスの身を心配する。
響とクリスは同じお人好し同士だ。
どこか通じ合えるものがあるかもしれない。
第6話で未来が巻き込まれた時に響が暴走しなかったのも、クリスが故意ではないとどこかで悟ることができたからだろうか。



「未来……このままなんてわたしやだよ……」

早朝に登校したはずの未来は教室にはいなかった。
響も未来との日々を思い出す。
お互いに仲直りしたいのだろうが、すれ違ってばかりだ。



一方で未来はお好み焼き屋フラワーでクリスの看病をしていた。
この辺は優しい子だ。
それだけに響と喧嘩するのは仲が良いことと相まって、よほど珍しいことなのだろう。



看病が功を奏したのかクリスは目覚める。
ぱっつんぱっつんだ。
小日向の文字が空しく光る。
脇の肉を使ってバストアップを目論む未来が嫉妬の念を向けても誰が責められようか。



「な、なんでだッ!?」

そして、パンツはなし!
ならば、上もブラはなしだろう。
ブラなしでもこの形……アンタ、モデルになれるよ。
パンツはなかったようだが、それならそれで短パンでも履かせれば……
体育木の上があるんだから下もあるだろうに。
胸か? 嫉妬か?



で、布団にくるまるクリスちゃんでした。
あ、可愛い。
ノイズさんと同じくらい可愛い。
翼さんとか見習えばいいのに。翼語を喋っている場合じゃないぞ。
純日本式の部屋なのがクリスの可愛さを引き立てる。
案外、素朴な子だ。
教えてやる! あたしは布団が大ッ好きなんだ!



「あ、ありがとう」

背中を拭いてもらって根はいい子なクリスは素直に謝辞を述べる。
この子は本当にこういう立ち位置が似合う。
捨て犬にして保護対象だ。
そのうち、ノイズみたいな足音を立てるようになるんじゃないだろうか。
けっこう似合うと思う。



「何も……聞かないんだな……」

クリスの背中は痣だらけだ。
過酷な戦闘によって多くの傷を刻み込んでいる。
あるいはフィーネのSMプレイの跡か?
それなら何も聞かないというか聞いて欲しくない。

クリスは響や翼との戦闘でけっこうなダメージを負っていた。
特にワイルドバンチ(仮称)はデカかったことだろう。
敵対していたクリスは悩みもすれば傷付きもする同じ人間なのだ。



「わたし、そういうの苦手みたい」
「今までの関係を壊したくなくて、なのに一番大切なものを壊してしまった」

「それって誰かと喧嘩したってことなのか……?」

響と一緒にいないからこそ、未来の本心がわかる。
響との関係は未来にとっても大切なものなのだ。
それを大切にしようと踏み入れなかったが、結果としてむしろ壊れてしまった。
わりと曖昧な言い回しだったが、クリスは核心に触れた。
空気を読めるしいろんな意味でいい子だ。
風鳴翼も見習ってみてはいかがでしょうか(2回目)。
空気を読まない翼語が風鳴翼の魅力であることは疑いようもないが。



「わたし、自分なりに覚悟を決めたつもりでした」
「守りたいものを守るため、シンフォギアの戦士になるんだって」
「でも、ダメですね」
「小さなことに気持ちが乱されて何も手につきません」
「わたし、もっと強くならなきゃいけないのに」
「変わりたいのに」


響は屋上で響に悩みを打ち明ける。
こういうことを言える間柄になっている。
すっかり打ち解けたものである。
ちょっと前の翼が相手なら、「剣としての覚悟が足りない! そんなあなたが奏の代わりになど……!」
自分のことを棚上げした上で怒られていたかも。
で、天ノ逆鱗を食らう。弦十郎が防ぐ。
楽しいシンフォギア。



「その小さなものが立花の本当に守りたいものだとしたら、今のままでもいいんじゃないかな」
「立花はきっと立花のまま強くなれる」
「奏のように人を元気づけるのは難しいな」


響の戦う理由と覚悟を理解した翼は、響の悩みを然るべきものだと理解し、そんなことで思い悩む響のままでいいと励ます。
風鳴翼は極めて繊細だ。
だからこそ、響の悩みを理解できている。
そして、久し振りに可愛い風鳴翼ですね。
前回は「剣だッ!」とか「終わりの名を持つ者……」で可愛いどころの話ではなかった。
いや、格好良かったですけど。マジでマジで。



「絶唱による肉体への負荷は極大」
「まさに他者も自分も、全てを破壊し尽くす滅びの歌」

極大(きょくだい)という言葉を流れるように使うのが変わらぬ風鳴翼イズムである。
WAシリーズでも極大ネガティブレインボウという技があったので、WAネタと見ていいのか?
ぶっちゃけ、今回はWAネタがないのでそう見ておこう。そうしよう。

そんなわけで身体は大丈夫かと聞かれて、絶唱について語る翼であった。
極大の負荷を誇る絶唱を使って、今は特に大事なく動ける身になっている。
戦闘もこなしたが今は杖を持っていることから、あれは本当に十全ではなかったようだ。
それでもクリスを圧倒できたのは、心から重荷が取り払われたからか。



「2年前、わたしが辛いリハビリを乗り越えられたのは翼さんの歌に励まされたからですッ!」
「翼さんの歌が滅びの歌だけじゃないってこと、
 聞く人に元気をくれる歌だってこと、わたしは知っていますッ!」
「だから、早く元気になってください」
「わたし、翼さんの歌が大好きです」

滅びの歌と卑下する翼をそうではないと励ます響だった。
響がリハビリをしていたというのは非常に重要な要素だ。
あれだけの怪我をした以上、リハビリをするのは道理だ。
そして、そのリハビリをしている時に翼の歌に励まされた……
二人の関係はシンフォギア以外の部分にもあったのだ。

2年前のライブまでは響はツヴァイウィングに興味がなかった。
だが、ライブを見たことで虜になり、大ファンになった。
リハビリの時に元気づけられたことで、さらに好きになったのだろう。
いわば人生の師。CD特典とダッシュするようになる。
私にとっての金子彰史状態か。
金子信者は黙れ。

かつて翼は戦うために歌っているに過ぎないと言った。
そんな自分の歌で勇気づけられた人間がいた。
奏が復讐のために歌っていたはずが、それによって諦めなかった人がいたエピソードと似ている。
これは翼の転機になるのか?



「私が励まされているみたいだな……」

そんな響に微笑みを浮かべる翼である。
わだかまりは完全になくなっている。
響を共に戦う戦士だけではなくパートナーとしても認めそうだ。
で、未来と添い寝制度を奪い合う。



「友達いないんだ」
「地球の裏側でパパとママを殺されたあたしはずっと一人で生きてきたからな」
「友達どころじゃなかった」
「たった一人理解してくれると思った人もあたしを道具のように扱うばかりだった」
「誰もまともに相手してくれなかったのさ」

さて、クリスと未来の話に戻る。
クリスは自分のことを未来に語るのだった。
何とも意外だ。
いろいろなことが続いてけっこう精神的に参っているのか?
初めてまともに相手してくれた未来と出逢ってほだされたのか。
なお、響はまさかのパンチだったのでまともな部類には入らないのだろう。

クリスの両親は殺害で確定だ。
パパとママって言うんだ。
相変わらず大きいところから細かいところまで隙なく可愛い子だ。
風鳴翼も見習ってみてはどうよ(3回目)。




「大人はどいつもこいつもクズ揃いだ」
「痛いと言っても聞いてくれなかった」
「止めてと言っても聞いてくれなかった」
「あたしの話なんか、これっぽっちも聞いてくれなかった……ッ!」


止めて! 私に乱暴する気でしょう! エロ同人みたいに!
既に傷物にされていたのか?
あるいは聖遺物関係のナニかか?
いずれにせよこいつはスゴイウスイホンの材料になりかねない。
夏コミではクリス同人がシンフォギア同人の大半を占めるのは想像に難くない。
風鳴翼のことも何とか忘れないでください。

金子彰史はこの辺の描写はわりと生々しくやる。
人の醜さの表現も欠かさないのだ。
こんな目に遭わされればフィーネに依存してしまうのも道理か。



「なあ、お前その喧嘩の相手ぶっ飛ばしちまいな」
「どっちが強ぇのかはっきりさせたらそこで終了 とっとと仲直り」
「そうだろ?」


そんなクリスは未来にアドバイスをする。
いや、その方法は男同士でやるものなんですけど……
何だか自分に言い聞かせているようだ。
響とどっちが強いのかはっきりさせて、そこから仲直りするのか?
どっちも雄度は高い。
だったらイケるぜ。



「優しいんだね、クリスは」

「もしもクリスがいいのなら、わたしはクリスの友達になりたい」


何だかんだで励まそうとしているクリスの優しさを知り、未来は友達になりたいと告白する。
響と未来、同じくクリスに何らかの想いを抱いている。
クリスの(雨の中捨てられた子犬的な)人徳か、二人の性格がどこか似通っているからか。
何だかんだで未来もいい子だし、いい子同士で相性はいいか。



「あたしは、お前たちにひどいことをしたんだぞ……ッ!!」

だが、そう言われてはいと頷けないクリスだった。
お前たちと言った。
ちゃんと未来を巻き込んだことを覚えていた。
あの時のクリスは素で焦っていた。
戦争の火種となるものは叩き潰すが、無関係な人間は巻き込まないように心がけていることがわかる。
テロ行為ではあるが無差別テロではない。
シンフォギア装者は皆揃いも揃って不器用だ。
そこにシビれる憧れるゥ!



その時、ノイズが町に襲来する。
狙いはクリスかデュランダルか。
通信を受け出撃しようとする翼だったが、弦十郎に制止される。
前回の出撃も相当な無茶だったようだ。
現に杖を持っている身だ。



「翼さんはみんなを守ってください」
「だったらわたし、前だけを向いていられます」

そこで響が翼に下がるように言う。
かつてならむしろお前が下がれと言っていたところだが、今の響に戦場(いくさば)は任せられる。
そして、響も未来のことで心を悩ませながらも戦えるのは翼がいるからである。
響と翼、共に戦う防人だ。



(馬鹿ッ!)
(あたしってば何やらかしてんだッ!)


警報を聞きクリスは走る。
ノイズの狙いはクリスであることは明白だ。
ならば、クリスの元にノイズが来ることも道理。
僅かな時間とはいえ安寧に身を任せたことで、無関係な人間まで巻き込むことになってしまった。
だが、それを誰が責められようか。
体操服まで披露してくれたし。




「あたしのせいで関係のない奴らまで……ッ!」
「あたしのしたかったのはこんなことじゃない……ッ!」
「けど、いつだってあたしのやることは……」
「いつもいつもいつもッ!!」


クリスは落涙する。
戦争を止める。おそらくは二度と自分のような人間を出さないために。
けれど、現実は自分が原因で戦果が広がってしまった。
がっくりとうなだれる。
……がっくりとうなだれると何かギャグっぽく見えるな。
変なところでオチを付ける子だ。



「あたしはここだ……」
「だから関係のない奴らのところになんて行くんじゃねえッ!」


けれども、戦う。
だからこそ、戦う!
弱くて折れても戦うことを諦めない生きることを諦めない。
雪音クリスの生き様であった。
一時期の翼ならこの辺りで絶唱する。
生きることを諦める。

響も翼もクリスも適合者は皆、例外なく弱さを抱えていることがわかる。
それでも戦う。
彼女たちが戦うのは強いからではないのだ。



歌を歌い変身しようとするが、クリスは咳き込んでしまう。
ノイズの猛攻によるものか、それとも雨で濡れて体調を崩したのか。
いずれにせよ歌えなければ変身できないし戦えない。
そこに危険度の高い突撃型ノイズだ。
クリス、大ピンチ!



そこでクリスを助けにやってきたのが弦十郎だ!
震脚で道路を隆起させ突進を防ぐ。
ノイズは攻撃の瞬間に実体化するため、そこにタイミング良く攻撃を合わせればシンフォギアでなくともダメージを与えられる。
(公式サイトの位相差障壁の項目より)
弦十郎はそこを突き、最適のタイミングで防御、生身にしてノイズを打ち破ってみせた。



さらに道路の盾を拳で殴り飛ばし、その破片でノイズを吹き飛ばす!
触れられないのならば、触れなければいい。
タツジンめいた力と技量、最後に実体化の瞬間を見極める神懸かり的な見切りがあってこその神業である。
ゴウランガ! 何というワザマエ!
え? 破片で吹っ飛んだノイズは攻撃中じゃないから実体化していないだろって?
ノイズさんは空気を読むんだから仕方ないんだよ!



「うぉぉぉぉおお……ッ!!」

こうして、ついに弦十郎が戦場(いくさば)に降り立った。
アンタがノイズと戦えよと幾度言われたことだろうか。
言われたからかどうかなのかは知らないが、ついにノイズと戦った。
そして、一部とはいえ撃破に成功した。
生身でシンフォギアに匹敵する戦闘力を持つだけのことはある。
それでも攻撃の瞬間に限定される以上、シンフォギア装者ほどの殲滅力は期待できないか。

だが、少しでも触れられればそれでおしまいだ。
一応はノイズを妥当できるとはいえ、弦十郎が前線に立つことは極めて高いリスクを背負うこととなる。
だからこそ、作戦指示に専念してきたのだろう。
そのリスクを背負った上で今は戦いに赴いた。
雪音クリスの持つ意味はそれほど大きい。



人外そのものの行為にクリスも驚く。誰だって驚く。私も驚く。
「何という技……!」というよりも「あなた本当に人間ですか?」的な驚きなんだろうけど。
こうなるとクリスがソロモンの杖を持っていたのも、弦十郎対策ではないかと疑ってしまう。



しかし、ノイズを生身で打ち倒せど戦力差は圧倒的だ。
ノイズの攻撃の瞬間にしか倒せないのなら、やがては押し切られてしまう。
危機的な状況だ。
ほのぼのという言葉が似合う絵面なのは無視してください。



襲いかかるノイズを再び道路ガード、ビルの屋上まで飛んで包囲網を突破する。
弦十郎ほどの達人であっても専守防衛しかできない。
シンフォギアが必要とされるわけだ。
逆にノイズの特異性さえ解決できれば、弦十郎無双が始まってむさ苦しいシンフォギアに……




そして、改めて変身!
あ、さっきは咳き込んだだけでちゃんと歌えるんだ。
ただちゃんと歌わないと変身できないとわかったので、毎回正確に変身するのはけっこう大変のようだ。
第6話で未来に車が降った時はよくぞ響は歌を完遂できたものだ。



「ご覧の通りさッ!」
「あたしのことはいいから他の奴らの救助に向かいなッ!」
「こいつらはあたしがまとめて相手してやるって言ってんだよッ!」


さっきまで凹んでいたくせに……
何かこの辺は翼に似ている。
あたしとて紛争根絶の務めを果たす防人……こんなところでジャムる銃じゃありません……
救助に迎えというのも呆けない死ぬわよと言いながら少女の身を案じた翼に似ている。
響にも翼にも似ている部分のある子だ。



「ついてこいクズどもッ!!」

さすがの射撃型シンフォギア。
面制圧力は凄まじく、次々にノイズを撃墜していく。
前回、ノイズ戦で活躍すると思った直後に早速ノイズ戦を行っている。
つくづく先の先を行くアニメだ。
じゃあ、次にクリスがぽろりすると願えばしてくれるのだろうか。



「俺は……またあの子を救えないのか……」

弦十郎は意味有りげなことを呟く。
クリスは適合者の候補だった。
当然、弦十郎は既に知っている存在だ。
日本に戻ってきた時、助けられなかったのか。
あるいはクリスの父と母が殺された時に助けられなかったのか……
クリス関係の因縁は二課にとっても深いもののようだ。




ノイズ相手に大立ち回りを演じてみせるクリスだ。
棒立ち大好きなノイズが相手とはいえ接近戦もこなしているぞ。
こういう立場になると「魔弓・イチイバル」の歌詞も違ったものに見えてくる。
響と戦った時は「否定してやる」という歌詞が響の考えを否定するような意味合いに感じられた。
だが、今はノイズを使役するフィーネの目論見を否定するような意味合いに感じられる。
これは歌と本編のリンクしている証左と言えよう。



クリスの戦いはこれからだ!
クリス先生の次回作にご期待ください!



さて、響は現場に駆けつける最中、悲鳴を聞きその発生源である廃ビルに赴く。
誰かいないかと叫ぶと同時にノイズの強襲!
それを見事なバク宙というか月面宙返りというか、とにかくオリンピック級のジャンプで回避だ!
シンフォギアの力で肉体が強化されていることがわかる。
この辺は翼のバイク乗り捨てジャンプや響のサンドバッグ破壊などで細かく描写されている。



で、これが今回のボスノイズ!
えーと、シルバーブルーメ
なるほど、ボスに相応しい迫力である。
というか、やっぱり怪獣じゃねえか!



悲鳴は未来のもののようで、ここに隠れていたのだった。
未来は響の口を塞ぎスマートフォンで状況を伝える。
音を出すと動き出すノイズ……
何という怪獣的な設定だろうか。
いろいろな意味で生態がひとつじゃない。



「あれに追いかけられてフラワーのおばちゃんとここに逃げ込んだの」

(シンフォギアをまとうために歌うと未来やおばちゃんが危ない……)
(どうしよう……ッ!)


変身するために歌った瞬間襲われる。
だから、歌えない。戦えない。
響は思い悩むのだった。
適合者として戦うことには躊躇いがないようだ。
これは翼の励ましがあったからこそか。



その時、未来の発言の内容に響は戦慄する。
素早く返信を繰り返すが、やがてそれを未来は押さえる。



「わたし、響にひどいことをした」
「今更許してもらおうなんて思ってない」
「それでも一緒にいたい」
「わたしだって戦いたいんだ」


そして、スマートフォンではなく自らの口で言葉を紡ぐ。
一緒にいたい。一緒に戦いたい。
守りたい大切なものは守られるばかりではない。
金子彰史作品の伝統である。




「どう思われようと関係ない響一人に背負わせたくないんだ」
「わたし――もう迷わないッ!!」


未来は叫び、囮となって走り出す!
これで響は歌え変身できる。
だが、危険だ。弦十郎のように戦うことは人間の未来には不可能だ。(さりげなく人外扱い)
未来の走り方は陸上部らしく、きちんとしたフォームだ。
陸上部設定がこの場面で活きた!



「未来……どこ……ッ!」

未来の作戦で変身した響はおばちゃんを緒川に預ける。
ものすごい空気の読み方だなー。
やっぱり、いい人だ。
思えば響を翼のお見舞いに行かせたのも、響に対して何らかの気持ちを抱いていた翼の想いを汲んでいたのかもしれない。
クリスは悪い大人に人生を狂わされたが、二課はいい大人が多い。
……了子だけはわかりません。

預け次第、響は飛ぶ。
跳躍力を活かし高所から未来を探す。




「響聞いて わたしが囮になってノイズの気を引くから その間におばちゃんを助けて」

「ダメだよ そんなこと未来にさせられない」

「元陸上部の逃げ足だから何とかなる」

「何ともならないッ!」

「じゃあ何とかして」
「危険なのはわかってる だからお願いしているの」
「わたしの全部を預けられるの」
「響だけなんだから」

スマートフォンの会話の回想だ。
声では伝えられないことを文字で伝え、それは声となって自分の本当の気持ちを伝えた。
生きるために戦うのは、防人だけではない。
守りたい大切なものもまた戦う!




「戦っているのはわたし一人じゃない……」
「シンフォギアで誰かの助けになれると思っていたけど、それは思い上がりだ……ッ!」
「助けるわたしだけが一生懸命じゃない」
「助けられる誰かも一生懸命」
「本当の人助けは自分一人の力じゃ無理なんだ」
「だから、あの日、あの時、奏さんはわたしに生きるのを諦めるなと叫んだんだ」
「今ならわかる気がする……ッ!」
「そうだ、わたしが誰かを助けたいと思う気持ちは
 惨劇を生き残った負い目なんかじゃないッ!」
「2年前、奏さんから託されてわたしが受け取った――」
「気持ちなんだッ!!」


響は歌と共に叫ぶ。
響が誰かを助けたいと願うのは、自己犠牲ではない。
助けられる誰かも一生懸命だから、自分もまた一生懸命になれる。その逆も然りだろう。
奏は自分の歌を聴いて諦めなかった人と出逢いそのことを知った。
だからこそ、響に生きるのを諦めるなと叫ぶことをでき、生きようとする響のために絶唱も厭わなかった。
その意志こそが奏が戦いの向こう側に見つけたものであり、それは響に継承された。
だからこそ、どこまでも飛んでいける!



「もう走れない……」
「ここで終わりなのかな……」


スタミナが切れて未来は転ぶ。
目の前にはノイーズブルーメだ。
ノイーズブルーメは跳躍し押し潰そうとする。
未来は諦めが鬼なるが――



「だけど、まだ響と流れ星を見ていないッ!」

生きるのを諦めないッ!
絶望が支配しても諦めずに足掻く。
助けられる誰かも一生懸命とはこのことだ!

未来は力を振り絞り飛んでノイズから逃れる。
だが、崖の下に放り出されてしまう。
ノイズによる圧死は免れたが、このままでは墜落死は免れない。



ここで響が駆けつけた!
ネフシュタンさえ破壊したワイルドバンチ(仮称)一発でノイズを撃破だ!
だが、それで終わりではない。
墜落する未来を助けなければ意味がない。



「私ト云ウ 音響キ ソノ先ニ――」
「優しさをシングオンウィズアァアアアスッ!!」


ワイルドバンチ(仮称)のバーニアで軌道修正及び加速して未来に追いつき、脚部のブレーキ機能を使い着地!
響が助けるのを諦めず、未来が生きるのを諦めなかったからこそ間に合った。
この窮地を潜り抜けるのは響だけの力では不可能だったし、また未来だけの力では不可能だった。
助ける側も助けられる側もお互いの力を合わせて本当に大切なものを守る。
これが奏が戦いの先に見て、響が望んだ本当の人助けだ。



「ありがとう、響なら絶対に助けに来てくれると信じてた」

「ありがとう、未来なら絶対に最後まで諦めないと信じてた」
「だって、わたしの友達だもん」


二人を挟んでいたわだかまりは氷解した。
ノイズさんに感謝するべきかもしれない。
あの絶妙な空気の読み方……シルバーブルーメに似ていると言えど、中身はいい人だった。
いや、人じゃないけど。



「わたし、響が黙っていたことに腹を立ててたんじゃないの」
「誰かの役に立ちたいと思っているのはいつもの響だから……」
「でも、最近は辛いこと苦しいこと全部背負い込もうとしてたじゃない」
「わたしはそれがたまらなく嫌だった」
「また、響が大きな怪我をするんじゃないかって心配してた」
「だけど、それは響を失いたくない私の我が儘だ」
「そんな気持ちに気付いたのに、今までと同じようになんてできなかったの」

そして、未来が抱えていた感情が雪崩のように押し寄せる。
未来の感情の流れもわかる。
WA2のマリナと似ているように感じたけれど、マリナほどの地雷じゃないですね。
ワイルドバンチ(仮称)で気持ちを伝える羽目にならなくて良かった。



「のわぁあ……すごいことになってるッ!? これは呪われたレベルだ……ッ!」

「わたしも想像以上だった……」

そして、土埃などでひどいことになっているお互いの写真を撮る。
仲直りの写真として額縁に飾られることとなる。
だが、これは響の遺影と同一のものだ。
この写真は二人の友情の絶頂と象徴であろう。
だからこそ、暗い影がのしかかる。



さて、未来に戦うところを見られてしまったが、人命救助ということで無罪放免。
被害者もゼロらしく、大きな事件ではあったが最良の結果には収まった。
事件中は姿を見せず怪しかった了子も遅れてやってくる。
了子の頬には前回ラストでフィーネが負った傷はない。
別人なのか?
それとも……



だが、クリスは一人で彷徨うのだった。
捨て犬で野良犬だ。
響と未来は再び同じベッドで寝るようになったから、1段目に寝かせてもらったらどうだ?
凄まじい疎外感を味わうことになりそうだけど。
次回へ続く。


WA名物、主人公の心情吐露シーンがシンフォギアでも爆発だ!
まさしくWA6だ。
私は落涙しました。すみません、はいすみません。
まだ翼の番とクリスの番が残ってるから恐ろしい。
そのうち、血涙流しちゃいそうだ。

響と未来は仲直りし、翼とも和解した。
クリスとの関係はどうなるかわからないが、未来とクリスの関係を考えると悪い方向には転がらなそうだ。
響の幸せ度はピークに達している。
それだけにここからどう転ぶことやら。

そんなシンフォギア、月末に響キャラソングが発売だ! (宣伝)
シンフォギアのキャラソングは常在戦場の意志の体現です。
アームドギアです。
これは胸の覚悟を示してごらんになるしかない。
もう特典を忘れるものかと決めたのだ。


シンフォギア感想トップに戻る TOPに戻る