漫画版シンフォギア #.Fine



・あらすじ
デュランダルを手にした響だったが、抑えきれない破壊衝動に心を塗り潰されかける。
かつてデュランダルを手にした時のように、守るべきモノを守れないことに――

「屈するな立花!」
「お前が構えた胸の覚悟を私にも見せてくれ!」

「お前を信じて全部賭けてんだ!」
「お前が自分を信じなくてどうすんんだよ!!」

「正念場だ!」
「踏ん張りどころだろうが!」

それでも共に戦場に立つ翼とクリスは響を信じる。
また、響の姿を見続けてきた二課の皆も信じている。
そして、何よりも強く――友人の未来が響を信じるのだった。

「響いいいぃぃぃーーーーッ!!!」

戦っているのは一人じゃない。
誰もが生きるのを諦めていない。
だから――この衝動に塗り潰されない。

「みんながくれた!」
「シンフォギアでぇぇぇぇッ!」

響だけでなく装者と皆の力を連ねた「Synchrogazer」は完全聖遺物同士の対消滅を起こし、絶対と思われたフィーネの牙城を崩す。
敗れたフィーネに響は肩を貸し皆の元に戻る。
諸悪の根源さえ支える響に呆れながらもその生き方を肯定する仲間たちだった。
それでも、その心はフィーネには届かない。
最後の力を尽くし最後の災厄――月の欠片を地球へ向けて落下させるのだった。

最後まで野望と憎しみを捨てないフィーネだったが、そのフィーネを響は討つことはなかった。
きっと手を繋げられることを、いつかに伝えてもらうために。
その響の想いを聞き、ついにフィーネは心は崩れ落ちるのだった。

「…………ッ!!」
「ごめん…なさい…ごめんなさい…」
「………私はッ……!!」

フィーネは涙と懺悔の言葉と共に風になった。
亡霊として立ち塞がったフィーネであったが、彼女もまた一人の人間であったことを知る。
悔恨と共にフィーネは去ったが、その脅威は未だに去ったわけではない。
響は空を見上げ決意する。
さらなる窮地に向かう友人を前に未来は声をかけるのだが、それは制止させるためではなかった。

「未来のそばが一番あったかい所で…」
「私が絶対帰ってくる所だもん」

「なら私は響が帰ってくるのを待ってる…」
「絶対に帰ってくるんでしょ?」

未来もまた決意で響を見送る。
そして、災厄に立ち向かうのは響だけではなく翼とクリスもだった。
3人の絶唱が月の欠片にぶつけられる。

「夜明けを告げる鐘の音 奏で 鳴り響き渡れ!」
「これが私達の絶唱だぁぁぁぁぁぁ!!!」

少女たちの歌には血が流れている。
けれど、空に流れ星が墜ちて燃えて尽きて……
その後に―――きっと――…


・キーポイント
-Fine
最終回らしくフィーネである。

-フィーネの懺悔
アニメ版最終回と流れはほとんど同じだが、大きな相違点としてフィーネの懺悔がある。
アニメ版は了子として響に言葉を遺したが、漫画版ではフィーネとして散っていっている。
そして、あのお方を追い求める一直線なフィーネだがその心には大きな後悔が残している。
あくまでも根は普通の少女なのだ(おばは……34歳だけど)。
この点はアニメ版でも暗に描かれているのだが、漫画版では明確に描かれている。
この描写がシンフォギアGにおけるフィーネの描写に繋がっていると言えよう。

-未来の信頼
涙と共に見送ったアニメ版とは対称的に漫画版では強い決意と共に見送っている。
漫画版の未来の響への信頼はアニメ版以上である。
さすが土壇場で支えただけのことはある。
こうした姿はシンフォギアGの最終決戦前の未来と似ている。
漫画版ではこれひとつで完結するために最後まで駆け抜けたのだろう。

-誤字
雑誌掲載時に は盛大に誤字っていたようで。
何というか、シンフォギアらしい。

-漫画版総括
クリスと仲間との友情や未来との信頼関係、フィーネの懺悔などシンフォギアGで描かれた要素を先んじて組み込んでいるのが興味深い。
シンフォギアGは第1期で描き足りなかった部分が多分に反映されているのだが、漫画版にもそれが表れている。
奏の生き様や翼の真の絶唱など設定だけは存在したであろう部分も描写されている。
シンフォギアをより理解し楽しむためには欠かせないので適合者は是非入手されたし。
あと漫画版は全体的にキャラが可愛い。何でだろうね。
変なことをしていないからだろうか。

-シンフォギア超ひみつ百科
今回は未来とクリス(イチイバル)が紹介されている。
装者じゃない未来が扱われるのはさすが未来さんということか。
未来の設定で明らかになったのは「二回生になったらピアノ科を選択する予定」「記録が伸び悩んで陸上部を辞めた」
「戦場を「せんじょう」と読める常識人=常識人は「いくさば」とは読まない」「八千八声と詠むくらいには様子がおかしい」ことである。
陸上部は響の過去が関わっているかと思ったが違うようだ。
これに関しては響が立ち直り2人の仲が近くなった事件はまだ描写されていないため、設定が固まっているとは言い難いのだが

クリスは「好きな食べ物はあんパン」だと判明している。
シンフォギアGであんパンを食べていたのはそういうことなのだ。
なお、好きになった理由はやはり弦十郎の影響だろうか。
また、「おかしな言葉使いは親の教育の賜物」らしい。意外にもフィーネさんが無関係だ。
ついでにこのことに関するイラストは大変可愛らしいので一見の価値あり。


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