金子彰史名言集



シンフォギアの親父、金子彰史。
WAシリーズから遡った名言を載せてみたい。
ただ攻略本表記しているものはエンターブレイン発行のコンプリートガイドを指しています。


金子 俺、実はセシリアみたいなキャラクターって苦手なんですよ。
(WA1攻略本より)

記念すべき自分の作ったキャラ嫌い発言第1号である。
インタビューの度に言われるようになる。
「タチが悪い」「偽善ぶってる」「勝手な思い込みで話を進める」「周りにいたら気に障るタイプ」「彼女に騙されているんです」と
言いたい放題言いまくる。
こうした飾らないというか媚びる気のない発言が金子彰史の魅力である。
なお、地味なところでは一人称が俺である。not私。


金子 ガーディアンのデザインのもとは、実は昔のテレビ番組とかに出てきた怪獣なんですよ。
(WA1攻略本より)

初っぱなから怪獣ネタバレ。
事実、怪獣らしいデザインが溢れている。
それはWA2で完全に暴走するに至るのだ。だが、それがいい。


金子 シーンでいちばん熱血なのは、シャトーでアシュレーがカエルと一緒にゴーッて行くところ(笑)
大窪 あれ見たときは笑ったな
金子 俺も笑ったな、あれは。

(WA2攻略本より)

爽やかに自分が作ったイベントで笑ったと語る金子彰史である。
同じようにシンフォギアでも数々のシーンで笑っていそうだ。
自分が笑うほどの展開を容易くやってのけるのが恐ろしいところである。


大窪 ガンガル? モビルフォース?
金子 ズクとかゲルグとか(笑)。ゲルグも正式名称旧型ゲルグだからな。
大窪 量産型ズクだから(笑)。

(WA2攻略本より)

ガンダムのパチモノ、ガンガルに触れる。
WA2にはガンガル、ズク、ゲルグという名前のキャラクターが出てくるのだ。
馬鹿か、このおっさん。
なお、大窪氏は金子彰史と大変仲が良く、このノリにまともについて行けている。
数多の怪獣を生み出してきたので、シンフォギアGでもゲストデザインとして参加して欲しいところだ。


金子 ある意味、現実的に「いる女」です。いろいろ面倒くさいところとか
大窪 地雷ってやつだね。
金子 地雷ってやつ。

(WA2攻略本より)

自分の作ったキャラ嫌い発言第2号。
WA2のヒロイン、マリナを斬る。
堂々と嫌いと言ってのける! そこに痺れる憧れるぅ!


金子 『ワイルドアームズ』はお姉ちゃんが謎の人ってのが伝統ですから。
(WA2攻略本より)

リルカの姉の正体がわからないことに関して。
後々のシリーズではそうした姉が謎という要素に関して普通に忘れられるわけだが、謎な肉親はけっこう多い。
シンフォギアでも全体的に両親が謎である。
こうしたお約束を意識してみるとシンフォギアGもより楽しめるかもしれない。


金子 日本人が倒すべき敵はモンスターじゃなくて怪獣なんですよ。伝統的に。まあアシュレーたちは日本人じゃないですけどね(笑)。
(WA2攻略本より)

ノイズさんが怪獣な理由はそういうことです。
QED。証明完了。


金子 どっかから来ないかな。ウチに特撮モノ1本やらしてくれる話(笑)。
(WA2攻略本より)

10年以上も後にその夢は違った形で叶うのだった。
大人だから夢を見る。
その言葉が重いのは金子彰史自身が大人であるのに夢を見て叶えたからか。


金子 ていうかほとんどあれだよね。ファミレスとかで「○○出そうぜ」とか盛り上がって。
(WA2攻略本より)

モンスターデザインもとい怪獣デザインのコメント。
あからさまにその場のノリで行動している。


大窪 これかっこいいよなザダス。『ミラーマン』に出た怪獣全部合体してるからね(笑)。
金子 笑えるよね。
中略
金子 絵で笑かしたから採用って感じかな。

(WA2攻略本より)

多分、シンフォギアもこんな感じで作られています。


金子 『ワイルドアームズ3』やるなら、リトルリーグをやりたいって企画出したんですよ。
中略
金子 これを某ソニーに話したら、仕事しろって言われました(笑)。

(WA2攻略本より)

ある意味伝統の野球発言。
こんなことを言い出すのが末恐ろしい。
シンフォギア第3期が野球になってもおかしくはない。


金子 「想い出」なんすよ(笑)。えーと……極端なな考え方ですが、「想い出」って「結果」であると、言い換えられると思うんです。どん な些細な想い出も、ある瞬間瞬間の結果だし、すごく大きな想い出も、その人のそれまでの過程のひとつじゃないのかな、と。あの頃「想い出を残す」事、つま り「結果を出す」事に対して、非常にナーバスになっていたんです。まったくもって私事で申し訳ないのですが、当時の自分と自分を取り巻く環境が今回のス トーリーの内容に大きく作用していますね。「いつか想い出になる物語」は、今、納得がいかなかったり不本意な出来事があったとしても、間違いなくそれは過 去に過ぎて「想い出」に変わってしまうから、ヘコむな自分と言い聞かせている意味もあります。この瞬間ダメダメであっても、今度バッチリな想い出を残せ ば、嫌な思い出も笑い話にできるじゃないですか。ってことは、想い出はただありがたがるものではなく、作っていくことが大事なんですよ。最初から良いもの 残そうと結果を怖がって、一歩を踏み出すのに躊躇するヒマがあったら、まず動こうと。
(WA3攻略本より)

WA3のテーマ、想い出についての発言。
金子彰史はインタビューにおいて愉快さや楽しさのみならず、自身の弱さも見せている。
そして、こうした部分がストーリーに多分に反映されていることがわかる。
金子彰史の物語が魅力的なのは、こうした演じきれない部分が表れているからか。
翼語は本気で馬鹿だと思ったが。


金子 ルビが使えるとこっちの暴走もある程度、容認されるかなって(笑)。ずいぶんシブい顔されましたけど。
(WA3攻略本より)

PS2になり解像度が上がっていきなりやろうとしたことがルビの表示である。
この男、頭が悪い。
だが、WA3はルビがあってこそのテキスト表現をしており、その完成度はシリーズ随一だと思う。
この頭の悪さが翼語を生み出し、同時に数々の熱いシーンも生み出したのだろう。


金子 ウエスタンといってもワイルドアームズの場合マカロニウエスタンなんですよ。イタリア人が西部劇を見て、アメリカ西部の歴史うんぬんを描こうではなく、ウヒョー荒野カッコイイッてところから始まったと思うんです。
(WA3攻略本より)

世界観についての発言。
「ウヒョー○○カッコイイッ」というノリから作られたと語る。
多分、シンフォギアも「ウヒョー○○カッコイイッ」から作られた。


金子 左右非対称大好きなんです。
(WA3攻略本より)

左右非対称デザインが好きな金子彰史である。
シンフォギアGも左右非対称に要注意だ。


金子 ビックリしたよ。でも、俺も「そうそうこんなイメージなんだよ」とか言ってテキトーに調子合わせるから、自分のワークスタイルにもビックリするけどさ(笑)。
(WA3攻略本より)

ジェットのデザインが想像とは違ったことに対する返し。
自分で言っている通り、適当である。
それ故に自由自在で変幻自在な世界観が作られているのだろう。
それでいて自分の芯がしっかりと通っているのも不思議である。


金子 マジメにカッコイイ男を突き詰めていった結果の産物
(WA3攻略本より)

ギャロウズについて一言。
多分、弦十郎もマジメにカッコイイ大人を突き詰めていった結果の産物。


金子 悪い事を、ちゃんと悪い事と認識し、そこに後ろめたさを感じていないところが潔くて、かなり憧れちゃいます。
(WA3攻略本より)

WA3の悪役、ジェイナスについての一言。
金子彰史の悪役はどれもこれも魅力に溢れるのは、こうしたバックボーンがあるからか。
なお、その後、怒濤の勢いで本編ではこれっぽっちも語られない設定が暴露される。
金子彰史作品にインタビューが欠かせないのはこうした側面があるからこそである。


中澤 事故の前から小生って言ってたの?
金子 事故に遭ったのがきっかけで、小生って言いだす奴はいないと思うよ(笑)。

(WA3攻略本より)

一人称が「小生」のキャラ、リヒャルトに関するスタッフとのやりとり。
そりゃいないよ。


金子 ヴァージニアと違って成長しないところが嫌いですね。
伊藤 あ、インタビュー名物の、自分の作ったキャラクター嫌い発現だ(笑)。

(WA3攻略本より)

金子彰史の自分のキャラ嫌いな発言はこの頃には名物と呼べるものになっていた。
だが、皮肉にも以降のインタビューではこうした発言はしなくなるのであった。
その真意は10年もの月日を経てシンフォギアインタビューでやっと明らかになるのである。


金子 泥田坊やァッ!!
(WA3攻略本より)

正確にはインタビューではなくコラムより。
金子彰史は妖怪も好き。


―― キャラクター設定のことになると、なんでとたんに表情が変わるんですか? 恥ずかしいんですか?
金子 (前略)ゲームのキャラクターってフィクションなんだけど、どっかに俺の一部があるわけじゃない。それを見せて、自分で語るのは恥ずかしいよ(笑)。
大窪 学生の頃、ジャスコ裏の駐車場でフラれた話なんかの方が、なんぼかマシだったりしてな。

(WA:F攻略本より)

散々語りまくるくせにこれである。
言うこととやっていることが違う人だ。
あとジャスコ。

―― 髪が長い子にジャスコの裏でひどい目にあわされたとか?
金子 やかましい。ジャスコの人も短かったわい(笑)。

(WA:F攻略本より)

ジャスコ伏線回収。
なお、インタビューの聞き手(と思われる)関谷氏は今は金子彰史が社長のウィッチクラフトに所属しています。


―― そういえば、古代文明博覧会で3体のゴーレムが吸い上げられていくムービーも、どことなくゲッターチェンジを彷彿とさせますね。
金子 あ、それは意図してないけど、それでいいやッ、それ公式元ネタでいこうッ!

(WA:F攻略本より)

恐るべきノリである。


金子 この中だと一番強そうなのは誰のラクウェルかな? 謎めいた強さがあるのは俺のラクウェルだよね。何かやってくれそうな可能性を秘めてるよ。
大窪 コトバ通じなさそうだ(笑)。

(WA4攻略本より)




金子 テーマを言葉にして伝えるってことは、そのテーマに沿って物語を解釈しろと強制してるんじゃなかろうかと思い至っちゃったんですよね。
(中略)
金子 物語のテーマなんてのは、作り手が方向性を見失わないように定めていればいいわけで、手に取ってくれた人に一緒に伝えるべきものじゃないんですよ。遊んでくれた結果として、ああ、こんな話なのねと個々が思ってくれればそれでオーライ。

(WA4攻略本より)

WA4以降、テーマについて述べることは減ったのはこうした背景があったのだ。
シンフォギアのテーマを不透明にしているのもこの理由によるものか。
そのくせ、関連書籍では設定を書きまくる辺り、何というか、ツンデレ?


金子 ラストに死があることがアンハッピーエンドなら、現実の人生なんてどんよりどよどよの真っ暗けじゃないですか? でも、決してそうじゃない。少なくとも俺は現実の人生、すげー楽しんでいますからね。
(WA4攻略本より)

キャラクターの死がバッドエンドに直結するわけではないと語る。
ラストに別れを持ってくる流れは今までのシリーズにも多かったのだが、その頃からこうした意図があったのだろう。
その一方でシンフォギアはラストに別れではなく再会を持ってきているのは見逃せない。


金子 バトル中の身体全体のアニメーションは、俺がポーズ取って指示したりするんですけどね。銃の構えとか剣の構えとか。自称『アームズ』チームの武術指導担当ですから。
(WA4攻略本より)

同じようにシンフォギアでも武術指導担当なのかもしれない。
逆羅刹とかやっているかも。


金子 若い子たちは怪獣の気持ちがまったくわかってないよ。
(WA4攻略本より)

怪獣の気持ち。


金子 これは副長っていうよりも、婦長だね。
(WA4攻略本より)




金子 一番印象的なのが、「ラクウェルはツンデレなんですか?」ってヤツ。最初は言ってる意味がサッパリわかんなかったですよ。
(WA4攻略本より)

当時(2005年)、ツンデレを知らなかった男、金子彰史。


金子 開発は苦しいです。眠いし、腰痛くなるし、観たい映画も観に行けないし、世間で何が流行ってるかも疎くなります。それでも10年やめなかったのは、幸か不幸か、開発に勝る楽しいことを俺たちが知らないからです。
(WA10周年記念本より)

ユーザーからの開発は面白いかという質問に対しての返答。
社長となったのも何かを作ること以上の楽しみを見つけられなかったからか。


金子 「アースガルズの左腕落下から、アヴリルをカポブロンコの里へ連れて帰ろう」(中略)…ってところくらいかな?
(WA5設定資料集より)

全体のシナリオを別の人に依頼したWA5の中で、自分が担当したシーンを述べる。
全てがWA5の頭の悪いシーンというのが熱い。


―― 金子さんが手がけた箇所は確実に濃くなってますよね。
金子 いや、濃くなっているのではなくて「バカ」になっているんでしょう(笑)。

(WA5設定資料集より)

バカをやっているという自覚あり。
その上でバカになるというのだから困る。
シンフォギアもバカになったシーンばかりで作られているのだろう。


金子 いわゆる「大人の都合」が叩き付けられてくるんです。自分はそういうものから作品を守りたかったんですよ。
(WA5設定資料集より)

WA5でトータルゲームデザイナーからプロデューサーになった理由を語る。
WA4は上からの指示で様々な仕様変更を受けたのが相当堪えたようだ。
こうした経緯からウィッチクラフトを設立、自らが上になる道を選んだのだろう。
そして、一番自重しない男になった。


金子 『ターンAガンダム』は俺的ガンダムのぶっちぎりベストワン
(WAXF攻略本より)

ガンダムSEEDは知らないがターンAガンダムは知っている金子彰史であった。


金子 俺が書いてきた『WA1』〜『WA4』はすべて子供のころにはぼんやりと考えていたお話がベースとなっているのですが、『XF』は テーマや各キャラクターのエピソードを過去にためたネタ袋から引用しつつも、『XF』用としていい歳したおっさんが考え出した物語なんです。
(WAXF攻略本より)

金子彰史は子供の頃に考えていたシナリオを使っていたというのは有名だが、この頃になると新しい話を作ろうとしている。
シンフォギアもそうした新しい話なのだろう。
女性キャラメインだし。おっさんいるけど。


金子 それはパンチが、俺の理想の決め技だからです(笑)。
(WAXF攻略本より)

弦十郎のOTONAパンチもそういうことである。


金子 自分としては全員が等しくお気に入りです。主役格に思い入れがあるのは当然のことですが、物語を彩ってくれる脇役たちも、いなくて はならない愛すべき存在です。(中略)昔は、自分のこういう想いが気恥ずかしくて、無理やり苦手なキャラを捏造してみたりしましたが、最近は、すっかりお 父さん気分です。
(シンフォギアファンブックより)

好きなキャラは誰かという質問に対し、まさかの嫌いなキャラはいない、全員好き発言。
嫌いなキャラを挙げるのが伝統だったのは過去の話になったのである。
Vガンダムの後の富野みたいだ。


―― 金子さんから見て、翼はどんな性格でしょうか。
金子 サキモリッシュでサキモリズム。蒼き流星サキモライザー。あと剣。

(シンフォギア設定画集より)

あえて何も言うまい。


金子 誤解なきように補足しておきますが、『シンフォギア』本編に登場する装者のうち適合者は、翼とクリスだけです。
(シンフォギア設定画集より)

散々言ってこれである。
設定に厳しい男、金子彰史。


金子 自分は決して設定マニアのつもりはないんです(笑)。
(シンフォギア設定画集より)

説得力皆無。


金子 ロボットアニメの金字塔『ゲッターロボ』のパイロット3人がモデルであることを明かしたんです。
ちょうど流竜馬がクリス、神隼人が翼、そして巴武蔵が響という構図になっていると。

(シンフォギアGファンブックより)

一応は美少女変身バトルアニメのはずなのに、何故ゲッターパイロットをモデルにしているのだろうか。
何かがおかしい。
それは呑み込むにしてもどうして主人公のモチーフが巴武蔵なのだろうか。
何かがおかしい。(2回目)


金子 『じゃあシンフォギアの続編をやるなら、ゲッターロボからGをもらって、シンフォギアGだね!』なんて言い出して。
自分も『それいいですね!』と大いに盛り上がったんです。

(中略)
作品タイトルを考えることになったんですが、三島さんに『あれ、シンフォギアGに決まったんじゃないの?』と改めて言われまして(笑)。
(シンフォギアGファンブックより)

シンフォギアGのタイトルが決まった経緯である。
その場のノリでしか動かない大人ばかりだ。
だからこそのシンフォギアの世界観が出来上がっていることは疑いようもない。


金子 もしかしたら『シンフォギア天』でも良かったのかもしれません。
(シンフォギアGファンブックより)

シンフォギアのもう一人の生みの親、上松範康が「シンフォギア天」なるタイトルを挙げたことに関して。
何かそりゃねえよというタイトルだが、これが第3期のタイトルになる可能性も……?


金子 基本肯定が金子のスタイルですので。
(シンフォギアGファンブックより)

制作スタイルは肯定のようだ。
だからこそ、各スタッフの突飛なアイディアが採用されてハチャメチャな世界観が築かれるのだろう。


金子 現実世界に英雄がいるとどうなるのかと考えたのが発端です。
その結果、きっと現実世界に英雄の敵となる悪は存在せず、名もなき人々との折り合いとか、
とっかかりすら掴めない空回りとか、そういうモヤモヤしたものとの対決で、心が磨り減るんだろうなと思い至りました。
そこで、『英雄の苦悩と再誕』というのをテーマにするのはどうかと提案してみたんです。
(シンフォギアGファンブックより)

シンフォギアGのテーマについて。
「とっかかりすら掴めない空回り」はまさにF.I.S.もといマリアが置かれた境遇である。
このテーマを踏まえた上でシンフォギアGを改めて追うとストーリーをより理解できるのではないだろうか。


金子 ある日、上松さんでジャッキー・チェンの映画で好きな楽曲の話をしてたところ、お互い『英雄故事』が好きだとわかり、
次の瞬間、これ歌ったらインパクトは間違いないよね!? と大盛り上がりしたのがきっかけです。
要はオトナの悪ふざけですよ。
(シンフォギアGファンブックより)

誰かこいつらを止めろ。いや、止めんでいい。


金子 『英雄の苦悩と再誕……。これだ……』と、シナリオ会議で提案してみたテーマが見つかったんですよ。
(シンフォギアGファンブックより)

英雄故事が流れた映画、「新香港国際警察/NEW POLICE STORY」でジャッキーが演じる主人公が仲間を失った後に這い上がる話だったため、
そこからシンフォギアGのテーマと共通するものを見つけたエピソードである。
これだけならわかるのだが、そこで這い上がるシーンの象徴として英雄故事を歌わせるのはさすがと言わざるを得ない。


金子 『すべて理詰めで考える自分は、フィーリングで仕事ができない』ということに思い至ったんです。
(シンフォギアGファンブックより)

「現着ッ! 電光刑事バン」の歌詞が思い浮かばない理由に関して。
り、理詰め? フィーリングで仕事ができない?
とはいえ、金子彰史のシナリオは荒唐無稽に見えて、いずれもキャラクターの心情を細かく描写している。
だからこそ、その展開に説得力を持たせられているのだ。
なお、理詰めで考えた結果、電光刑事バンのプロットやエピソードを1日ででっちあげたそうな。
バカだ!


金子 世の中に漠然と存在する、もやっとした『悪』そのものです。
響のように手に入れた力が原因で死に近付いていくとか、仲間と戦うことになるとか。
そして、理想に向かって頑張っているのに、空回りするばかりでうまくいかない。
そんな不吉な要素を敵として設定することで、物語に不安感を出すようにしたんです。
(シンフォギアGファンブックより)

シンフォギアGでは以前より強い敵を出したくないことから、こうした形のないものを敵として描いたとのこと。
シンフォギアGは目の前の敵を倒すことが問題の解決に直結しない物語だった。
響たちがマリアたちを倒せばそれで月の落下は防げなくなり、逆にマリアたちが響たちを倒しても結果は同じである。
ままならない現実が強調されている。


金子 特にマリアがそうなのですが、『現実の中にあるヒーロー』が直面する障害を描きたかったんです。
正しいと信じたことをやろうとしているのに、そこに倒して解決するような明確な敵はなく、ごく身近な現実が立ちはだかるという、
ヒーローにとって最も厄介な壁との対峙です。
(シンフォギアGファンブックより)

マリアが凹むエピソードが多かったのは現実という強大な敵と戦っていたからなのだ。
WA2もそうだったが金子彰史はこうした現実との対峙が好きである。
そして、英雄は目の前の敵を倒すだけではなく、こうしたどうしようもない現実にも諦めないからこその英雄ということだろうか。
マリアさんは可愛い。


金子 お話を考える人間って、いくつかのタイプがあると思うのですが、自分は間違いなく「終わらせることに執着している」タイプです。
(シンフォギアGデザインアーカイヴより)

この言葉の通り、WAシリーズを含むいずれの作品もストーリーそのものは終わらせている。
シンフォギア第1期もシンフォギアGも続きがなくてもおかしくない。
そんなスタイルから第3期がどうなるかは期待がかかるところだ。


金子 切歌はああでなくちゃいけない。全て肯定です。手紙も然り。
(シンフォギアGデザインアーカイヴより)

デース!? デース!? デエエエエエエエエス!?


金子 楽しかったデス!
(シンフォギアGデザインアーカイヴより)

インタビューの締めの言葉がこれである。
きりちゃん、好きなんやな……


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