フェルアルナ

世界の果てに位置する小国。
四方を峻険な山脈に包まれた国で往来は困難を極めており、他国との交流も自然と途絶える形となっている。
かつては争いが絶えない国であったが、500年前に突如姿を現した
「10人の王と姫」がフェルアルナを統治してからは平穏を保っている。
前述した通り、小国であるが遺跡から発掘される遺産の恩恵によって、その技術力は他国の100年先を行く。
一方で定期的に災害や災厄に見舞われる国であり、UMA騒動もその1つである。

UMA

正式名称Unlimited Malice Army(無限の悪意を持つ軍勢)。
フェルアルナに突如出没した既知の生命体を凌駕する生態系と能力を持つ生命体の総称。
人類に対して極めて好戦的であり、大きな脅威となっている。
その能力と特異性に人類は対抗することはできず、国土の6割がUMAの占領下になっている。
なお、UMAにはUnidentified Mysterious Animal(未確認生命体)としての意味も存在し
、本項で触れるUMAが出没するまではこちらの意味で使われていた。
狭義では2つのUMAは別物なのだが、新種のUMA(無限の悪意を持つ軍勢)の出没に伴い
旧来のUMA(未確認生命体)も凶暴化したため、広義では同一のものと見られている。

X-UMA

エクスユーマ。
UMAの中でも特に高い能力を持つ超抜個体を指す。
極論すると「強いUMA」なのだがその戦闘力の高さに人類は対抗することができず、未だに撃破報告は存在していない。
X-UMAを撃破することが対UMA作戦における最重要目標に設定されているが、未だに攻略法は見つかっていない。

UM粒子

Un Merge粒子。
UMAが占拠した設備から発せられる特殊な粒子で
人体の持つ魔力とその地の持つ魔力(ZONE)の結合を緩め、逆に魔獣の魔力との結合を強める力を持つ。
フェルアルナの魔術はZONEとの繋がりが非常に深く、そのために高い効力を誇っていたのだが、
この特性が仇となり平時の出力の30%ほどにまで落ち込むこととなっている。
人類がUMAに追い詰められたのはUMAの戦闘力の高さにも理由があるのだが、それ以上にUM粒子の影響が大きい。

UMAには無機物に限り原子構造を変質させることのできる一種の浸食能力を備えており
、周囲の地形の原子構造を変質させることで地形そのものからUM粒子が発せられるようになる。
(ただし、変質まで時間がかかるため、戦闘における影響は極めて軽微)
UMAの打倒と共に物質の原子構造は幾ばくかの時間の経過によって元に戻るのだが、
それまでの間にUM粒子は発せ続けられる。
例えUMAに奪われた地を奪還したとしても、そこを再びUMAに奪われれば即座に形勢は逆転してしまう。
戦略上の観点から拠点の防衛にある程度の戦力を割く必要があり、
遊撃や奪還に回す戦力がほとんどないのも対UMA作戦における大きな問題となっている。

DRESS

Device Reading Extra Style Select。
脳の未使用領域に戦闘技術を装填(インストール)することで戦闘能力の向上を図るデバイス。
対UMAのために開発されたものであり、様々な付加要素が存在する。
その中でも特に大きいものがUM粒子の影響を軽減及びそれを魔力に変換し出力する機能である。
対UMA戦ではUM粒子の存在によって人類は後れを取っていたため、
それを無力化できるDRESSは対UMAにおいて多大な大きな効果を発揮する。
本来は前述の戦闘技術の装填のために開発されていたものなのだが、
対UMA戦を制するためにUM粒子無効化機能などが付与された。

なお、DRESSはあくまでも試作段階であり、
資源の枯渇から現状3つしか存在しておらずこれ以上の生産も難しいと見られている。
加えてDRESSの性能を発揮できるのは感応者(ドライバー)と呼ばれる適合できる人間だけである。
以上の理由から対UMA戦に有効でありながらも実戦投入は遅々として進まず、人類は劣勢に晒されたままとなっている。

感応者

ドライバー。
DRESSを使うことのできる特殊な適性を持った人間の総称。
本来、感応者はごく少数のはずだが、DRESSのデータを提供したある人物がDRESSそのものを調整することにより、
ある程度の人間がDRESSに適性を持てるようになっている。
そのため、厳密な意味での感応者は本作においてただ1人だけとなっている。
だが、DRESSの調整は極めて難しく、加えて調整できる人間が1人しか存在しないことから
、誰もがDRESSを使える域には達しておらず、感応者が貴重な存在であることには変わりない。

なお、感応者の条件のひとつとしては挙げられるのは高い魔力を持っていることで、
その魔力によって強引に人体とDRESSを繋げることができる。
ただし、そのためにDRESSのチューニングも必要となるため、
条件のひとつではあれど魔力が高いからといってDRESSが使えるわけでもなければ、
絶対条件のひとつでもないため、感応者だからといって魔力が高いわけではない。

おでん

フェルアルナの伝統食。
確認される限り、500年前より存在している。
家庭ごとの創意工夫が為されることでその味わいは多種多様な進化を遂げており、
他国のおでんの100年先を行く完成度を誇る。
一方で多様な進化を遂げたが故に決まったレシピは存在せず、伝統食でありながらそのイメージは各人によって異なる。
あまりにも普及していることがあっておでん専門店もまた存在しない。
なお、おでんを客人に出すことは親愛の情を表現することとなっており、最上級の礼の1つとされている。

小生

とある聖女は幼少期より聖女としての鍛錬を重ねており、師もいなければ友もいない過酷な時期があった。
その中でふと1冊の漫画を目にするのだった。
漫画の内容に一瞬で目を奪われ瞬く間に夢中になる。
聖女であること以外はただの少女だった彼女はその漫画の登場人物を目指すことで自身を支えようとしていた。
ある意味では現実逃避とも言えるものだが、それしかすがるものがなかったのも事実であり、
それによって彼女が強くなれたのもまた事実である。
その彼女がもっとも好きな登場人物の一人称が小生なのだが、
それが彼女にどういった影響を与えたのか、知る者は誰一人として存在しない。