刃牙道 第30話 二刀流



武蔵がダウンした! 板垣先生は骨折した!
ジャブという現代格闘技の基本で倒れた。
武蔵はジャブ以下!
刃牙がそう豪語しても誰が止められようか。
あと殴るのを誰が止められようか。
なお、板垣先生の負傷はコンクリで転倒して小指を折ったのが原因らしい。
決して担当にジャブをしたとかそういうものではなくて良かった。


というわけで全力でドヤる刃牙であった。
今のがリアルでなくて良かったな。リアルだったらお前死んでるぞ。
しかし、3回殺せると言うものの、実戦でそんな攻撃をやったことがあったのか。
3回殺せるってもしかして千春基準で話しているんじゃないだろうか。
3回殺せる(武蔵を殺せるとは言っていない)

刃牙の問題発言を武蔵は肯定する。
武蔵は死んでいた! 刃牙は殺せていた!
まぁ、武蔵基準で判断したのかもしれないので、刃牙なら殺せていないかもしれない。
真偽は定かではない。

武蔵は脳震盪確定の一撃を受けたのにケロリとしている。
脳震盪はバキ世界において極めて強力だ。
下手にマッハを出すよりも脳震盪させた方がダメージを与えられる。
その辺でズルいと言うか納得いかない感もある。

脳震盪が目立つようになったのはJr.が出てからだ。
Jr.は今までいそうでいなかったスピード特化型の格闘家であった。
打撃力の不足をスピードで補った結果、脳震盪フィニッシュが目立つようになった。
以来、決定打の代表例になったのだった。
板垣先生からは事実上失敗作扱いされたJr.だったが、Jr.がバキ世界に与えた影響は大きい。
Jr.のおかげで梢江の出番だった増えた。余計なお世話だ。

「飛び込んでくる直前――――」
「顔面が気配を叩いた」

「よ」
「読めていたと…」


だが、刃牙は一瞬で驚愕!
武蔵は刃牙の攻撃を読んでいた。
これにはドヤ顔の刃牙も一瞬でヘタれ顔だ。

武蔵は一撃で生き死にが決まる世界で生きていた。
そのため、相手の動きを見て対処するのではなく、相手の動きを読んで先んじて対処するようになったのだろうか。
相手の動きを読むこと事態はよくあることだろう。
だが、普通の格闘家の読みと武蔵の読みは別次元かもしれない。
かつて渋川先生は殺気のある攻撃は速くても対処できると言っていた。
あれも人並み外れた読みの為せるものなのだろうか。

まぁ、突っ込んでパンチするなんてわりとわかりきった動きなので、読むのも簡単かもしれない。
そんな凹まなくてもいいぞ、刃牙。

「あの左ジャブ」
「避けりゃ避けられたと」

「あれが防御(ふせ)げぬようでは」「もはや兵法者ではない」


一流でさえ当たること前提のジャブを当たるようでは素人と言ってのけた。(意訳)
武蔵の懐は恐ろしく深い。
ピクルとは別のベクトルで現代人とはまったく異なる世界観を持っている。
刃牙も素人のジャブならあっさりと防いでいるが、今回のは刃牙のジャブだ。
それを防げるとは並大抵ではない。
そのことを考えると武蔵にとって刃牙は高山同然なのか?

あらかじめ相手の動きを読めるからこそ、どれだけ速くても防げるのか。
どれだけ速くても来るとわかってさえいれば対処できるものだ。
ジャブだってただ1発を狙うのではなく、いくつもの連打やフェイントから成り立っているものだ。
たった1発のジャブが防がれたとしても驚くには値しないかもしれない。
知らぬうちに刃牙は武蔵のペースに呑まれているのだろうか。

武蔵が防げるジャブをあえて受けたのは、顎を狙っていたからだった。
殺るか殺られるかの世界で生きてきただけに、殺さない攻撃である脳震盪狙いの打撃は未知のものだったのか。
そして、倒れたことでジャブの効果を知ることができた。
武蔵は刃牙の蹴りにダメ出しをしながらも、ジャブを実際に受けるなど現代の技術を貪欲に学ぼうとしている。

武蔵は遊びであったとはいえ不覚を取ったことを認める。
もっとも刃牙にとっては遊びではないのだが。
何せジャブは現代格闘技の基本技術だ。
決して遊びで打つものではない。

これで刃牙に興味が湧いたのか、改めて名乗る。
武蔵だとわかっている刃牙は驚かずに名乗り返す。
そういえば、その辺の事情はまだ全然知らない刃牙であった。

「刃牙」
「お前を容赦(ゆる)さん!」


刃牙を少年(ぼん)ではなく刃牙個人としてついに認識した。
そして、両腕を大きく広げる。
武蔵と言えば剣豪。武蔵と言えば二刀流。
そう、二天一流の構えだ!
ここまで両腕を広げるのはちと違う気がしますが、まぁ些事で。

両腕を広げる武蔵を見て刃牙がイメージしたのは勇次郎だ。
ピクルも同じような構えを見せている。
あらゆる時代の最強が取る構えがこれなのだろうか。
本部も同じ構えを取ってみるか?

なお、勇次郎のこの構えに触れられたのは幼年編の刃牙VS勇次郎が初なのだが、構え自体は独歩戦の時に取っている。
勇次郎のキャラが完全に固まっていない時期に行っていたことから、勇次郎の象徴とも言える構えなのだ。

「平成に生きる俺に……………」
「戦国時代の頂点(トップ)中の頂点が」
「二刀流(とっておき)で向き合ってくれる…」
「嗚呼………なんという贅沢!!!」
「恐怖より好奇!」
「続行しなけりゃ不謹慎てもんでしょ!!!」


そんな武蔵に刃牙は挑む!
刃牙が主人公らしいだと!?
未知の強敵に闘争心を燃やすなんてコイツに何があったんだ?
死刑囚の時はやる気を見せず、大擂台賽はやる気あるのかないのかわからなかった。
ピクルの時は戦うなんてバカでしょと言わんばかりのやる気のなさを見せつけた。

だが、今回はやる気! 挑む!
再びジャブるのだが、今回は1発ではない。武蔵の読みだと3発に及ぶジャブ!
そして、それを言葉通りに手の平で受け止める武蔵だ。
かわすとかじゃなく受け止めた。
ジャブの完敗である。
そして、武蔵にとって刃牙は高山同然であった。

武蔵は刃牙の拳を握る。
それで刃牙は戦慄する。
刃牙の脚を握った時と変わらぬ凄まじい握力である。
そして、もう片方の手で刃牙を袈裟斬りにする。

相変わらずの幻影の斬撃だ。
だが、その破壊力は佐部と刃牙の2人が保証している。
刃牙は癒えぬ傷を負ってしまうのか。
それとも所詮幻影だとドヤ顔をするのか。
次回へ続く。


ジャブはあえて受けた武蔵だった。
なかなかボロを見せぬ男だ。そこはさすがは最強か。
ピクルはボロを見せまくったのとは対称的である。
さすが文明人だけあり守りが堅い。

ジャブをわざと受けた武蔵ではあるものの、きちんと脳震盪を起こしている。
パワーやスピードはかなりものだが、タフネスに関して言えばさほど飛び抜けているわけではないのか。
骨格の異常さについて触れられていたのだが、ピクルと違ってタフネスに結びついているわけではないようだ。

武蔵は二刀流を披露した。
二刀流、なのか?
大分微妙なところではあるか。
幻影ダメージは発想としては面白いけど、幻影の評判は生憎あまりよろしくない。
カマキリとか。
武蔵もほどほどにして欲しいところだ。
どうダメージを与えるのかが気になるところだし。

前回、丸々1話を使ってジャブを持ち上げたのにあっさりと破られた。
やはり、ジャブは破られるためだけの技だったか……
ジャブより速いなんて幾度耳にしたことか。

とはいえ、どこを打つかまでわかっていれば対処も言うほど難しくはないか。
武蔵はで刃牙のジャブを読み、さらにどこを打つかまで読んだ。
この洞察力は今後も触れられる時は来るのだろうか。
その解釈に物議を醸した0.5秒パンチもこの読みの為せる技か。
(当感想でも正確な解釈はできていない。というか間違っていたと思う)

0.5秒パンチと言えば宮本武蔵である。
0.5秒パンチを打った時の刃牙に武蔵がダブった。(範馬刃牙第69話
また、勇次郎でさえいにしえの剣豪ならば持っていたと言っており、その際に武蔵をイメージしていた。(範馬刃牙第271話
バキ世界的に0.5秒パンチのオリジナルは武蔵なのだ。

0.5秒パンチの解釈は置いておく。
ともあれ、0.5秒パンチは究極の読みが達するものだと作中では述べられている。
なので、本家本物の武蔵となるとジャブくらいは読めるだろうし、さらに極まった0.5秒の読みを見せるのだろうか。

そうなると0.5秒パンチ連打の戦いになったりするのか?
うーむ、絵としてあまり派手じゃないなぁ……
今回の幻影刀もあまり派手じゃない。
武蔵はなかなかいいキャラをしているし、先日艦これでも武蔵が出て嬉しいのだが(関係ない)、絵として派手じゃないとあまり面白くない。
ここは刃牙がリアルシャドーを発動させて実際にぶった切られるのはどうか。
これには武蔵もガン引き間違いないぞ!
刃牙が3年くらい戦わずに済むし意外と万々歳かも……




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