範馬刃牙 第171話 見たいな
ピクルの重腕鉄槌が刃牙に直撃した!
太古の誇りと太古の肉体が生み出した純粋無垢な一撃だ。
愚か者には死の報いを。
妖術師刃牙はいかにする。
でも、危なくなったら防御力上昇魔法使うんだよな、コイツ。
[地面に――――じゃないッッ 地面を叩きつけられたようだ……………ッッ]
ピクルハンマーの直撃に刃牙は身体をぐにゃりと曲げる。
想像以上のダメージが襲っているようだった。
しかし、五体は留めている。
あのピクルの打撃を受けても、骨折箇所などがないのは凄まじい。
ジャックですら粉々に砕けたというのに…
刃牙のインチキ臭いタフネスは健在であった。
地面を叩きつけられるというのは、奇しくも刃牙がカスりパンチでピクルに味わわせた感覚と同じものだ(第163話)。
刃牙が妖術を使ったのなら、ピクルは100%力によるものである。
ピクルなりのやり方でやり返した。
これで借りは返したと言ったところであろうか。
ピクルの攻撃はピクルハンマーだけでは終わらない。
さらにジャンピング踏みつけだ。
200kgの体重に加え、驚異的なバネを活かした踏みつけである。
その破壊力は想像するだけでも恐ろしいものがある。
ピクルは一発だけでなく何度も踏みつけを行う。
これも刃牙への借りを返す形だ。
対する刃牙は両腕で必死にガードする。さすがの刃牙もこの踏みつけは直撃するとヤバいようだ。
ピクルの攻撃をガードしているといえど、耐えられるってのもおかしいんですけどね。
ガードしても大ダメージがピクルの攻撃だと言うのに…
そして、刃牙はピクルの連続踏みつけを受けきることに成功した。
これには攻撃を仕掛けたピクルの方が冷や汗を流している。
自分より遥かに小柄な人間が全力の攻撃に耐えた…驚愕に値する事実なのだろうか。
同時に必死に攻撃したのにちょっとポイントダウンのピクルであった。
イロイロと常識外というか変態な刃牙を相手にして、ピクルはついつい常識人になってしまった。
ピクルも刃牙と戦う前は異常の塊だったのに…
刃牙の周りの砂は放射線状に四散している。
おそらく刃牙のいる場所は周りより掘り下げられていることだろう。
ピクルの攻撃に手加減がないことがよくわかる。
刃牙のタフネスがインチキであることもよくわかる。
(強い……… 文句なしに…)
(防いでいても……)
(まるで…………)
(防御したその腕が……)
(急所になってしまったような…………………)
が、当の刃牙も余裕綽々なわけではなかった。
あくまでもかろうじて耐えているだけのようだ。
耐えられるだけでも十二分におかしいのだが、さすがは範馬と言ったところであろうか。
ジャックもガードしていれば多少は防げたのか?
刃牙は立ち上がる。全身が震えていることからダメージは重大なようだ。
そこに追い打ちをかけるようにピクルアッパーだ。
ジャックを撃沈したダイナマイトのような一撃だ。
刃牙は何とかガードする。が、目は揺れている。
オリバのパンチに耐えた刃牙ですらこれなのだ。ダメージの大きさを物語っている。
アッパーによりロケットのように上空に吹っ飛ぶ刃牙であった。
地下闘技場のライトがすぐ近くに見えるほど飛んでいる。
勇次郎以上のパワーは本当に半端ではない。
そのパワーに耐えられているということは、今の刃牙は勇次郎と戦う資格十分ということか?
ぬうう…こいつ、いつの間に強くなったんだろう…
勇次郎に大擂台賽の廊下で一蹴されて以降、まったく強くなった描写がないというのにどういうことだ。
刃牙はピクルの怪力を味わい、ある人物を思い出す。
怪力無双ビスケット・オリバだ。
オッちゃんなんて呼んでいた。いつその愛称が付いたんだ。
一時期、Wikipediaにオリバは刃牙の叔父と流布されていたせいか?
いや、多分それは関係ない。
[見たいな…………… こんなシーン………]
[あの人はやるんだろな………… 真ッ向勝負…………
まるで神話の世界……… 真ッ向勝負……?]
刃牙はオリバとピクルの対決を想像する。
お互いに超パワーファイター同士の激突だ。
ドリームマッチと言っても過言ではない豪華な組み合わせである。
…まぁ、冷静に考えるとジャックが力で敗れた以上、オリバも同じ目に遭いそうだが。
さらに刃牙は花山とピクルの対決も想像する。
花山もピクルと真正面から戦うことだろう。力と力の大激突である。
花山の握力はピクルに通用するのか。花山のタフネスはピクルの打撃に耐えることが出来るのか。
…これも冷静に考えるとジャックが敗れた以上、花山のアゴもくしゃくしゃにされてしまいそうだ。
[真正面と云えば 真背面…? ねェーよそんな言葉]
[背中とくれば これしかない…… 背面鬼(オーガ)…ッッ]
そして、パパさん大好きの刃牙は勇次郎に行き着くのであった。
勇次郎とピクルは同じ構えを取り、同じ最強同士だ。
それが激突すればどうなるのか…
勇次郎とピクルの激突は、ピクルが紙面に現れてから期待されているカードだ。
もう刃牙VSピクルよりも期待されていますよ。
刃牙は無事着地する。
何だかんだで立っていられるくらいのダメージのようだ。
ぬう…ピクルの打撃は死んでもおかしくないというのに…
骨折すらない。マックシングジャックの打撃で折られたのは当に昔の出来事のようだ。
今の刃牙は筋肉だけじゃなく骨格も出来上がっているぜ。
…刃牙のことだから耐えるのはいいのだが、過程がごっそりと削ぎ取られているから納得出来ない。
[だけど………]
[そう……… 本当の興味は…… 本当に見たいのは――]
[範馬刃牙なら どうコイツを仕留めるか……ッッ]
どうせ妖術使うんだろ?
スカラとバイキルト使って殴るんだろ?
ここで刃牙さんの自画自賛が始まった。
…ごめん。ガイアVSピクルとか寂海王VSピクルとか昂昇VSピクルが見てみたかったです…
彼らがピクルにどう立ち向かうのか、本当に見てみたい。
ガイアなんて読み切りでエグいことをしているし、対ピクルの要員として十分以上の資質があると思う。
え?刃牙?
ゆっくりしていってね!!!
そんなわけで散々回り道をしたが、ついにピクルとの真っ向勝負が始まった。
真っ向勝負になるとピクルは強い。
打撃の破壊力は間違いなくバキ世界最高峰だ。
また、単純なタフネスにおいてもバキ世界トップクラスである。
真マッハ突きを以てしても一時凌ぎにしかならないのだ。
刃牙は攻撃も防御も非常に高いレベルで要求されている。
今までは妖術で補っていたが、手前から妖術封印を誓ったのだ。
もう使うまい。
まぁ、ホモサピエンスだから妖術をあえて使うとも言いかねないが。
とんでもない詐欺師だよ!
お盆明けの次回へ続く。
とりあえず、二本立ての内容を簡単にまとめると、
前半:ピクルのスピードはすごいけど、放尿しちゃうよ!
後半:ピクルのパワーはすごいけど、俺様のタフネスもすごいし、俺様の勝つところも見たいよね!
…とこんな感じだ。
とにかく印象に残ったのは尿だ。
尿ですよ、尿。
そんなわけでここからの駆け引きは尿が中心となって進むことは確定的に明らか。
まず、刃牙をダウンさせたらピクルは素早く刃牙のマーキングの跡に自分の尿をぶっかける。
ピクルの尿は量も勢いも凄まじい。
あっさりと刃牙の尿を上書きすることだろう。
こうしてピクルは縄張りを取り戻す。刃牙はそれをどうやって奪い返すのであろうか。
八方に尿を振りまいたのもギリギリらしかった。
前は隠すが後ろは半ケツというSEXYを意識した立ち振る舞いをしたせいだろうか。
いっそフリチンで振りまけば良かったのに。
今更ナニを隠す必要があるというのだ。
もう存分に見せびらかすがいい。ピクルだって初期の頃は全裸だったぞ!
さて、尿はあれがギリギリらしい。
つまり、今の刃牙には尿が残されていない。
縄張りを奪い返すのは困難を極める。
そういえば、何で尿が残っているのだろうか。
最初は飲まず喰わずでいたことから、尿はとっくに出し尽くしたと思うが…
水くらいは飲んでいたのだろうか。
ピクルだって肉は食わずとも水は飲んでいたし、刃牙も同じように水を飲んで補給していたとか。
ぬう、何かセコい。
とにかく、今の刃牙には尿はない。
縄張りを取り返せない…かに見えて実は秘密兵器が隠されている。
尿はないだろう。だが、ティラノサウルス肉を食べたことから大はある。
尿の代わりに大を放って縄張りを取り返すのだ!
…尿の話はここまでにしておこう。
ともあれ、真っ向勝負になった。
ここからピクルの本領が発揮される。
パワーとタフネスによる真っ向勝負がピクルのもっとも得意とする領域である。
妖術師との戦いなんて想定外ですよ。
妙な刃牙の硬さのおかげで焦っているのが不安要素だが。
刃牙は如何にしてピクルの城塞を崩すのだろうか。
真マッハ突き以上の打撃が必要だ。
鬼の貌で殴っても真マッハ突き以上のダメージは確保出来そうにない。
人間らしくということで絞め技とかやるんじゃないだろうな。
文化の戦い(笑)
刃牙は勇次郎の打倒を人生の目標としている。
だから、おそらく、多分、きっと、対勇次郎用の戦闘法を考案していると思いたい。
それをピクルにぶつけるのだろうか。
ピクルほどのパワーの持ち主に勝てれば、勇次郎打倒の道が見えてくる。
仮想勇次郎としてはこれ以上ない人材なのだ。
でも、ちょっとした格闘技程度じゃ勇次郎の壁もピクルの壁も越えられない。
この二人は生物として別次元なのだ。
まぁ、別次元と言えば刃牙もそうだけど。
刃牙はどっちかと言えば奇行が別次元だな。
尿とか、尿とか、尿とか。
そんなわけで刃牙がピクルに勝つのは根本的な肉体改造が必要だよね、と相成る。
無論、そんなことは全然やっていません。
このままじゃ勝てない!
…でも、範馬力で押し切っちゃうのだろうか。
ただ、そもそもの話をすれば普通の特訓とかじゃ勇次郎を超えることは不可能だ。
だって、別次元ですから。
だからこそ、範馬力で押し切るのは勇次郎に勝つ手段としては唯一にして絶対の手段なのかもしれない。
範馬力を出せば最低でも勇次郎と同じ土俵には立てる。
そうすればピクルに勝つ目が見えるはず…
納得は出来ないけどな!
ともあれ、範馬力に頼るとなれば、今の刃牙に具体的なピクル対策は存在しないだろう。
でも、ピクルはバイティングという危険な技を持っている。
対策なしのままでは食われてしまう。
ええい、いっそ大動脈噛みちぎってください。
今なら賞賛をたくさん浴びることが出来るぞ。
あ、でも、バイティングは勇次郎だって使える。
刃牙はバイティング対策も出来ているかもしれない。
ぬう…何だかんだで隙がないかも…
そういえば、刃牙が興味があるのはどうやって自分がピクルを仕留めるかだと言っていた。
もしかしたら、まったく攻略法を思いついていないのかもしれない。
既に人事を尽くして天命を待つ心持ちなのだろうか。
刃牙的には食っちゃ寝をして範馬を待つって感じか。
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