範馬刃牙 第178話 迎撃(カウンター)
刃牙がピクルを追い詰めていく!
びっくりのいきなりのパワーアップだ。
刃牙ってこんなに強かったか?
技術でどうにかなるなら、烈も克巳も勝てただろうに…
範馬の筋肉と技術が合わさり最強に見える。
[投げ出してみる……… 放り出してみる………
ピクルの間合(エリア)へ………………… 闘争(たたかい)の真ン中へ……]
さて、脅威の天災、もとい天才の範馬刃牙はノーガードでピクルの間合いへと突っ込む。
前回曰くこんな強敵見たことがないそうだ。
どうみても強敵にやる行動ではないが、それが範馬刃牙の憎いところである。
刃牙の頭部にピクルの左フックが迫り来る。
拳の大きさは何と刃牙の頭ほどある。
圧倒的なサイズの違いだ。パワーだってピクルの方が圧倒的に上だ。
食らえば確実に一発KOのフックである。
刃牙のことだから食らってもわりと平気そうだが。
(接近(ちか)づく左拳)
(さァ刃牙…)
(どうする……)
致死の一撃を目の前にしても刃牙は平静を保っている。
自分に自分で問いかけるほどの余裕を見せている。
死に際の集中力に加え、エンドルフィンをフルに発揮しているのか。
恐るべき男だ。
そして、やはり憎い。
(おッ…………)
(おお…… なるほど… そうきたか……)
さて、刃牙さん。
普通にピクルの顔面にカウンターの右を当てた。
ついでに台詞はギャラリーではなく、刃牙自身の台詞です。
おお…なるほど…そうきたか…って、何普通にカウンターしているんだこいつは。
面白みも何もないカウンターだ。
本当に悪い意味でそうきたか…だよ。
最近の刃牙は自分褒めが多い。これが俺TUEEEEEEEEって奴か?
刃牙はどうやってピクルに勝つのかが一番興味あると自画自賛していたけど、
こちらとしてはピクルがどうやって刃牙に勝つかの方が気になる。
おお…なるほど…そうきたか…とカウンターしてください。
刃牙は腕を下げた状態からピクルにカウンターを当てている。
直前までピクルの左フックが迫った状態から、カウンターが間に合ったのだ。
パワーでは負けているかもしれないが、スピードでは刃牙が確実に凌駕している。
…やっぱり技術云々の前にこいつは肉体がおかしい。
カウンターを受けたピクルは鮮血が飛び散る。
あのピクルが打撃を受けて出血する…新鮮だ。
でも、頬の内側が切れたせいもあるんだろうけど。
ダメージ与えている感を漂わせるあたり、刃牙は非常に上手いな。
カウンターを受けたピクルだが、構わずにアッパーを放つ。
驚愕のタフネスはただのカウンター程度では崩れることがない。
泣きながら撃つ危険な打撃だ。命中すれば間違いなく刃牙は食われる。
もう完全に最終形態のこと、忘れられていますよね…
[防ぐでもなく 躱すでもない………………]
[拳は……]
[打つのではなく――]
[既に打ち込まれていなければならない]
ピクルのアッパーに対しワンテンポ遅れて刃牙は動き出す。
そして、ロシアンフックのように打ち下ろすパンチを放つ。
その軌道の頂点がピクルのアゴをかすめた。ピクルがぐらつく。
カスりパンチ再びかよ!?
あれだけ言ってまだ妖術を捨てていなかった刃牙であった。
もっとも、カスりパンチよりも当たり方が深いから、カスりパンチとは厳密な意味では違うかもしれない。
広義では一緒なんだろうけど。
カスりパンチの是非は置いておいて、驚異的なスピードに精妙なるコントロールが実現した奇跡のようなカウンターだ。
力だけでは為し得ない格闘技が育んだパンチである。
オンリーパワーの打撃を放つピクルとは対称的である。
あとピクルは力みすぎたのか、上半身がねじれすぎている。
最終形態のおかげで何かが緩んだのか?
2度目のカスりパンチによってピクルはグラついた。
足元が危うい。
だが、今度はそれでも倒れない。
今のピクルは史上最強の誇りに支えられているのだ。
さて、今度は血を吐き出しながら拳を叩きつけようとする。
なりふり構わない一撃だ。
そして、相も変わらず力一辺倒の攻撃である。
スピードとテクニックに比重を置いた刃牙とは本当に対称的だ。
どこまでも自分の戦いを崩さないのであった。
オリバには真っ向勝負を挑んでも、ピクルには技術で勝負する刃牙とは対称的ですね!
それに対しても刃牙は三度目のカウンターを敢行する。
ショートモーションのアッパーで迎撃だ。
再びカスりパンチである。
またもピクルの足元がふらつく。これが並みの格闘家だったらとっくに気絶していたに違いない。
カスりパンチの連打に耐えられているのはピクルだからこそなのだろう。
ここで後日談形式による烈の解説が始まる。
こういった解説をする以上、インタビュアーは格闘技に関して聡くない…最低でも格闘家ではないだろう。
うーむ、誰だよ。インタビュアー。
文化遺産暴行事件なんて気軽にインタビュー出来る内容じゃないぞ。
さて、カウンターには2つの効果が期待出来ると烈は言う。
ひとつは物理的な効果…わかりやすく相手の攻撃の勢いを味方に出来ることだ。
しかし、だからといってピクルのタフネスを揺るがせるとも思えない。
ここで烈は二つ目の効果を語る。
それは心の隙間という精神的な面だった。
攻撃にのみ染まった心は、食い縛る顎は緩んで首の筋肉も緩む。
被弾することは忘れてしまった時に迎撃されるとそれ故にダメージが増す!らしい。
まさか、ここで噛みしめていないとダメージ増加理論の復活した。
巨漢相手には末端を狙う理論と噛みしめていないとダメージ増加理論…
カウンターカスりパンチは巨漢を相手にした時の経験と超タフネスを相手にした時の経験が合わさって生まれたものだったのだ。
ほう、経験が生きたな。
「闘う者が被弾を忘れた時」
「如何にピクルの頸椎が猛牛並みだろうが――――――」
「その耐久力(タフネス)は首の座らぬ赤子並に成り下がる」
物理的にダメージが上がり、なおかつ精神的にも脆くなる…
その瞬間を狙い撃てばピクルの頸椎も無効化って待てェ!?
いや、ピクル最大の砦、異常な頸椎をそんな理由でなかったことにしていいのかよ。
烈の連撃にも、ジャックの豪打にもひるまなかったピクルの頸椎がそんな理由でなかったことに…
そもそも、赤子の首とピクルの首は物理的に構造が異なる。
赤子の首に成り下がるとか烈は言い過ぎだ。
ピクルの頸椎は構造から、つまりは骨格からおかしいものだ。
多少、筋肉が緩もうが関係ない気がする。
揺れないものは揺れないだろう。
それともそれを可能にするのがカスりパンチなのか?
やはり、刃牙は防御無視攻撃が十八番のようだ。
そんなわけで難攻不落の砦、異常な頸椎はなかったことにされました。
最強の槍、最終形態もなかったことにされてます。
今のピクルは攻守共に無力化されている。
…最終形態の状態から四足歩行になって、真・最終形態とかやっちゃうか?
さて、ボクシングの解説が始まった。
相変わらず中国拳法をネタにしない烈であった。
というか、あんたってボクシング好きだよな!?
消力の解説にもモハメド・アリを出したし、カスりパンチだってボクシングで例えている。
烈的にはJr.の評価は非常に高いのかもしれない。
有名なジョージ・フォアマンは優れたパンチ力を持っており、歴代No1のKO率を誇る。
が、実は10カウントによるKO勝ちは少なく、タオルの投入かレフェリーストップらしい。
豆知識を披露する烈であった。
だから、中国拳法で例えろ!
一方でフォアマンとは逆に非力と呼ばれるチャンピオンがモハメド・アリだった。
脅威のハンドスピードでアリは多くの対戦者に10カウントを聞かせているらしい。
ダメージではなく立ち上がれない打撃を得意とする…Jr.もそうだった。
今の刃牙も同じ戦いをしているのだろう。
こういったファイトスタイルは弱いというのがバキ世界だったが、主人公がやれば話が変わってくるらしい。
設定ブレイカーだけじゃなくお約束ブレイカーだよ。
[被弾を覚悟する隙を与えない対戦者にとってはまるで不意打ち]
「今の刃牙さんにはそれがある」
「だからこそあのピクルと打ち合える」
覚悟する隙を与えない打撃…これは猪狩との戦いで刃牙が見せたものだ。
刃牙はさりげなくではあるが今までの戦いで培った技術を総結集させている。
これだけなら主人公らしくて格好良いのだが、やっていることが妖術なのが致命的な致命傷だ。
あとだからってピクルと打ち合えるのも納得いかない。
ピクルの超タフネスを技術で打ち消せるということは、勇次郎の打たれ強さも同じ方法で克服出来てしまう。
ううむ…何だかなぁ…
「だからこそ」
「追い詰めることができたのです!!!」
ピクルは柵まで追い詰められ、刃牙のラッシュを食らっていた!
って、おいィ!?
お、追い詰めているって…まったくピクルが刃牙に痛手を負わせていないから、完璧なワンサイドゲームだ。
何と盛り上がりどころを知らない男だ。
カスりパンチ3連打、解説中に密かに当てたカスりキック1発。
計4発のカスり攻撃でへろへろになったピクルを見て勝機と見たのか、刃牙は猛ラッシュを仕掛けた。
今度はカスりパンチではなく、モロに当てている。
ほぼ無力化されたとはいえピクルの異常な頸椎は変わらない。
脳震盪ではダメージを与えがたいことを知っているが故に、確実にダメージを積み重ねることにしたのかもしれない。
なお、さりげなく金的をしているのがポイントだ。
一度だけでなく、二度砕く。
それが範馬刃牙流金的!
次回へ続く。
というわけで、刃牙はピクルを追い詰めているようだ。
いつの間にかに。本当にいつの間にかだよ。
決着は直後になってしまうのか?
だが、ここで気になるのは烈の「追い詰めることができたのです!!!」という言葉だ。
まるで追い詰めてそこで終わったような言い方だ。
たしかに刃牙はピクルを追い詰めている。
だが、ここからどう転ぶのだろうか。
ポイントは最終形態ピクルの打撃が一度もクリーンヒットしていないことだ。
得意技のバイティングも炸裂していない。
特にここまでにバイティングがないのが怪しい。
ピクルは数少なき噛みつきファイターなのだ。
ここで一度刃牙に噛みついてみよう。そうしよう。
上腕動脈掻っ切っておけば妖術で時間稼ぎされない!
噛みつこうとした瞬間、気道を拳で塞ぐ懐かし技で倒すとかはなしで。
刃牙は技術でピクルを追い詰めている。
でも、技術でピクルを追い詰められるなら烈も克巳ももっと善戦出来た。
技術だけでは越えられない壁があるのだ。
その壁をどうやって乗り越えているかって範馬刃牙以外に思いつかない。
やはり、刃牙はインチキ臭い。
汚いなさすが刃牙きたない。
あのピクルが覚悟していなければダメージが通るというのも胡散臭い。
何せ無警戒に歩いている中、トラックに轢かれても平気だったんですよ(第105話)。
ピクルが慣れていないピンポイントの打撃とはいえ…
小さい方にまとまればまとまるほどダメージを与えられるなんて、四肢を破壊しながらも戦った克巳が報われない。
マッハカスりパンチを覚えた方が良かったか?
ピクルは異常な身体能力を持つ。
勇次郎に匹敵するほどだ。
だったが、それ以上に胡散臭い刃牙の強さによって無力化されている。
勇次郎もこの胡散臭い強さで無力化しちゃうのか?
うーむ…こんなのでやられる勇次郎は嫌だな…
こんなので追い詰められるピクルも嫌だ。
とりあえず、刃牙は一発殴られろ。
しかし、まぁ、刃牙の天才っぷりは凄まじい。
才能がないとか言っていたのはいつの日のことやら。
最近は本気で才能で戦っている印象しかない。
友情・努力・勝利ではなく才能・金的・SAGAが刃牙だ。
むしろ、何でSAGAっていないのにこんなに強いんだよと思ってしまう。
これじゃ結局SAGAる意味ってなかったんじゃないか?
ここでピクルの奮闘に期待してしまうのが普通だ。
最強すぎるピクルがこんなインチキに負けるはずがない!
でも、最終形態なんですよね。もう手札が残されていねえよ。
頑張ってパンチ一発当てるしかないのか…
ピクルタックルは腕一本で逸らされ、自慢のタフネスは無力化され、せっかくの最終形態はあんまり意味がなかった。
今のピクルには本当にいいところがない。
もうひとつくらい無理矢理隠し球を出しておくか?
ピクルの背中にも鬼が宿った!くらいやっても今なら許す。
むしろ、良し!
鬼と言えば刃牙は鬼の貌を出さずにピクルを追い詰めているんですよね。
…ピクルがどうにかこうにか隠し球を用意しても、刃牙には最後の隠し球、鬼の貌が残されている…
うーむ。幸が薄いったらありゃあしない。
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