範馬刃牙 第180話 Finale
刃牙VSピクルついに決着!
センターカラーで盛り上がってますよ。
…え?決着するの?
し、信じられねえ。マジで決着するのかよ。
ここから約1巻に渡って回想を開始しそうで怖い。
[絶望的な体力差を――]
[埋め難い筋力差を――]
[格闘技という文明の利器で克服]
刃牙は白亜紀闘法に追いつき、ハイキックをピクルに命中させる。
白亜紀闘法の勢いを利用した打撃だ。
刃牙のカウンター技術は極まってきている。
攻撃だけではなく移動にもカウンターを行っている。
今の刃牙には技術の粋が詰まっている。
でも、刃牙さんや。
白亜紀闘法に匹敵するスピードで移動出来るのは格闘技以前の問題じゃないか?
格闘技で克服した部分もあるかもしれないが、スピードは格闘技で克服したものじゃないだろう。
アオリでは技術で追いついていると書いているが、いやそれはどうみてもないだろう。
まさしく範馬一族ならではの超スピードだ。
範馬力と格闘技の融合系が範馬刃牙流格闘術のようだ。
しかし、もう何度も突っ込んだけど、格闘技で克服出来るなら烈も克巳も善戦出来た。
郭海皇だって勇次郎に勝てましたよ。
やっぱり、範馬一族ならではのインチキがあるとしか思えない。
異常な頸椎なんてジャックですら切り崩せなかったものなのに、刃牙の手にかかればあっさりと無力化出来ますよ。
…ズルい。そりゃ血の濃さが関わってくるな。
刃牙のハイキックが直撃し、ピクルは吹き飛ぶ。
あのピクルが吹き飛んだ!
何という技術の摩訶不思議。
いや、吹き飛びすぎだろう。真マッハハイキックよりも吹っ飛んでますよ。
これも技術の真髄なのか?
目立たないが消力クラスの超常現象が起きているのかもしれない。
[今や勝利目前!!!]
勝利目前になっちゃった!
まぁ、何せ決着するんですからね。
決着は直後だったけど、ついに決着するんです。
ピクルは吹き飛んでダウンする。
あのハイキック、ジャックアッパーよりも威力があるらしい。
とてもそうは見えないが、技術というものは恐ろしい。
ピクルは震えながら立ち上がる。たしかなダメージがある。
…本当にあったんだ、ダメージ。
技術の不可思議っていうか技術の理不尽だな、これ。
真マッハ突きに耐えうる理不尽なピクルのタフネスを越える刃牙の理不尽な技術…
理不尽と理不尽が合わされば理不尽な展開になるようだ。
結局、理不尽である。
ともあれ、刃牙の勝利は目前である。
あとは技術を使ってなぶり殺してしまえばいい。
そう、本気で泣きが入るまで鞭打鞭打鞭打!
痛みでKOを狙うのだ。
刃牙は痛みに屈するアンタはファイターじゃねえ!と吠える。
だが、その時、刃牙はゆっくりとピクルに歩み寄る。
そして、両方の拳を差し出す。
攻撃のための行動ではない。
大擂台賽で刃牙が李海王に行った対手のような儀式のようなものなのか?
[目の前に差し出された両拳]
[その意味するところが――]
[体力勝負であることを古代人はすぐに理解した]
刃牙が選択したのは力と力の真っ向勝負だった!
って、ダメェ!?
こういう展開にやたらと強いのが範馬刃牙という男だ。
現にオリバを圧倒している。
ピクルだって叩き潰しかねない。
技術でピクルを追い詰め、さらに力でピクルを屠る気なのだろうか。
これはピクルを完全に叩き潰すための布石か?
ピクルは刃牙の拳に自らの拳を合わせる。
ピクルには知識がない。だが、それでもわかる文化があった。
文化としての戦いはさっぱりわからないが、刃牙の闘争への望みは理解することが出来たのだ。
[救い難き強欲 飽くなさすぎの欲深さ]
[この期に及び技術(わざ)による勝利を拒否 堂々の体力による勝利を狙う無謀
浅薄]
そして、正面衝突。
刃牙とピクルの殴り合いが始まった。
閃光が二人を包む。
その閃光が殴り合いの壮絶さを物語っていた。
普通に考えれば刃牙に勝ち目はない。
ジャックを一瞬で屠り去った打撃力を持つのがピクルだ。
殴り合いでは勝機なんて考えるだけ無駄だ。
だが、刃牙の前にそんな設定は吹き飛ぶ。
だってピクルの打撃を普通に受けている。
だから、殴られてもそれなりに平気!むしろ、殴り合いでも優位!
[結果―――]
[瞬く間に体力の差違は現れ]
[太陽の東から昇る如く 水が低きに流れる如く]
[無残な結果
そう、範馬の超筋力に古代の力もかなうはずがなく。
刃牙の理不尽な力にかなうわけもなく。
刃牙はピクルの打撃に押されていた!
って、刃牙がかよ!?
散々、設定を打ち砕いてきた刃牙が、ここで設定に忠実に殴り負けた。
普通に考えれば至極当然のことだが、逆に驚いてしまった。恐るべき刃牙の呪いだ。
そういえば、鬼の貌を出していない。
鬼の貌を出していれば殴り勝てたかもしれないと思うと寒気がする。
いや、ここから鬼の貌を出して奇跡の逆転をやってのけるのか?
ありえる!刃牙ならありえる!
それに力と力の勝負と見せかけて、技術を使って殴り合うのかもしれない。
現にオリバ戦の時は技術を使って殴っていた。
ついでに鬼の貌だって出します。
ピクルの優勢らしいがここからが本当の地獄だ…!
刃牙は圧倒的な力に押される。
だが、それでも闘争心は折れない。
力なさげに左腕を伸ばす。
ここからカスりパンチを放つことがありえる。
気をつけろ、ピクル!
伸ばされた左腕をピクルは掴む。
もしや渥撃か?
ピクルの筋力なら渥撃だって出来るに違いない。
何だって出来るさ、ピクルなら。
刃牙に勝つことだって、きっと…
「ヒア゛る゛ッ」
ピクルが言語化出来ない雄叫びと共に刃牙を投げる。
刃牙はふわりと浮いた…
合気だ。
かつて勇次郎から味わわされ、刃牙相手に戯れで使った合気を…ピクルが土壇場で用いた。
ついにピクルが闘争において技術を使った。
自分を苦しめた技術を使って…戦った。
(ピクルが技術(わざ)を…ッッッ)
これにはギャラリー一同も大驚きだ。
驚いてばっかりだけど、大驚きだ。
みんな指を指して驚く。花山だって指を指して驚く。
力だけで戦ってきたピクルが技術を使ったことはそれだけ驚くに値することなのだった。
でも、花山さんがピクルの戦いを見たのはこれが初めてだったような…
刃牙は合気により吹き飛び、倒れる。
顔に生気はない。それでいて血まみれだ。
完全に気を失っている。
…これなら刃牙といえど立ち上がれないだろう。
でも、血まみれなだけなのが納得がいかない。
ピクルに殴られたジャックは完全にアゴが砕けた。
なのに、刃牙は血まみれなだけだ。歯も折れていない。
打ち負けたことはたしかだが、異常なタフネスは健在だった。
そりゃあピクルだって合気を使って投げ飛ばしたくなる。
いくら殴っても壊れない!キモい!
そんな思いがピクルの両腕に込められていたことだろう。
[腕力比べの最中――]
[確かに感じた]
[敗北への恐怖(おそ)れ……]
[永きに渡る]
[新旧雄比べ……]
[古代人は武器を手にした]
[死闘決着!!!]
こうして刃牙VSピクルはピクルの勝利で終わった…範馬一族はまたも敗れたのであった。
延々と刃牙のターンが続いたが、最後の殴り合いはピクルの独壇場となりそこを見事に制した。
力と力のぶつかり合いなら負ける理由は絶無…のはずであったが、ピクルは敗北への恐れを感じたらしい。
投げた時点で刃牙の意識は飛んでいた。合気のダメージによるものではない。
殴り合いの時点で決着は着いていた。
だが、刃牙に未知の恐ろしさを感じた。今までと同じように。
そこで自分を苦しめた技術を用いて刃牙を投げ飛ばした。
勝つための手段としてではなく、刃牙への恐れがピクルに技術を使わせた。
刃牙は結果としては敗北した。だが、その武器はハッキリとピクルの心に刻まれた。
ピクルは刃牙に背を向け体育座りをする。
最終形態になっても体育座り出来るんだ。
いや、そこはどうでもいい。
刃牙を食う気はあるのだろうか。
刃牙は今まで戦ってきた現代の戦士の中でももっとも異質の存在だ。
最終形態まで持ち込み、一度は勝利を目前にした。
本来ならば負けていたのはピクル…のはずだった。
だが、勝ちを譲られたような形で決着してしまった。それも最後は敵の武器を使って勝った…
ピクルの心中やいかに。
ともあれ、決着した。
読者の大多数が望んだ刃牙の敗北で決着した。
ここで範馬の血が覚醒して目覚める!となりそうで怖いが、決着と書かれれば少なくともその場では結果が覆らないのがバキ世界だ。
おとなしく眠っていてくれることだろう。
ただ、戦闘終了後に死刑囚並みのしぶとさを見せて、爆薬で反撃してもおかしくはない。だって妖術師だし。
しかし、あれだ。
刃牙が負けたんじゃなく、『負けてやった』ようにしか見えないのがアレだ。
負けたとはいえ、何か憎たらしい。
負けても刃牙は刃牙らしい。
ところで文化としての戦いは教えられたのだろうか。
何だか妖術しか教えていない気がするのですが…
しかも、合気は勇次郎から盗んだものだ。刃牙は関係ない。
刃牙から妖術を学んだピクルがカスりパンチや鞭打…挙げ句の果てに金的を使うようになったら嫌だなぁ…
次回へ続く。
決着は直後じゃありませんでした。
口を慎みたまえ。
すみません、直後でした。
刃牙は敗北した。久しぶりの敗北だ。柳龍光以来の敗北である。
これでバキ各シリーズにおいて1回は刃牙は敗北している。
「グラップラー刃牙」ではユリーと勇次郎に敗北し、「バキ」では柳龍光に敗北し、そして「範馬刃牙」でピクルに敗北…
インチキ臭い強さを誇る刃牙だが、負ける時は負ける。
今回、負けた時はちょっと見直してしまったよ。
何だかわざとらしい負け方だけど。
刃牙の敗因は正面から殴り合ったことだ。
最後まで格闘技で戦っていたら勝っていたのかもしれない。
格闘技キックでピクルを思いっきり吹っ飛ばした以上、十分行けただろう。
いや、それで勝たれても納得出来ないけど。
この調子だと目覚めたら試合で負けて勝負で勝ったと言い出しそうだ。
見直した直後に見下してしまいそうだ。
それにしても刃牙が負けた。
この期に及んで勇次郎への道が遠のいてしまった。
ピクルに勝てないようなら勇次郎にだって勝てないだろう。
まして力で勝てないようでは…
いや、刃牙のことなら格闘技で戦っていたら勝っていた!とか言って、勇次郎に殴り込みに行くかも知れないけど。
刃牙の妖術もとい格闘技に翻弄されたピクルだった。
最終的には力と力の殴り合いになり、自らも格闘技を使うことで激闘を制した。
肉体的にも精神的にも試合的にも苦い勝利だったが、これでピクルはひとつ進化した。
力と技が合わさり最強に見える。
刃牙が敗れたとなれば、次は勇次郎の出番しかない。
現に勝った方を喰うと言っている(第154話)。
地上最強の血族、範馬一族が次々に敗れた以上、もはや範馬一族の長が出るより他ない。
ついに地上最強VS史上最強の最強決定戦が行われるのだろうか。
技を知らないピクルは刃牙に敗北しかけたが、技を覚えたピクルなら対抗しうるだろう。
今のピクルは刃牙と戦う前よりも強い。…多分。
もはや、勇次郎とピクルの激突は力と力のぶつかり合いではない。
ピクルは技を覚えた。勇次郎だって技を使える。
力と技の頂点の激突となることだろう。
これに寂海王や鎬昂昇が割り込めば大物だ。
いや、ピクルVS寂海王とか鎬昂昇は見てみたいんですけどね。
技を覚えさせてもらうために技術勢と戦うのも悪くないかも。
ピクルはついに技術を覚えた。自らが選択して身に付けたものだ。
現代の戦士との戦いを潜り抜けることで、ひとつずつ成長している。
ピクル編はピクル成長の物語になっている。
主人公は…特に成長していないな。
今のピクルは刃牙を超えるほどに、範馬刃牙の主人公として存在している。
それにしても刃牙が負けるというのも予想外だ。
あそこまでやって負けるなんて…
ピクルは勇次郎へと至る道の最後の壁だと思った。
思ったが、違った。
道にはまだ先があるのか?負けたまま、勇次郎に挑むのか?
ここに来て屁理屈言うことだけは止めていただきたい。
そして、今の問題は刃牙が食われるかどうかだ。
ピクルとしては勝利を譲られた相手だ。
そして、その相手が得意とする武器を使って勝った。
…これで食う気が起きたらちょっと大物だ。
ピクルは敬意を覚えた相手は食わない。克巳は食わなかった。ジャックも飾る程度で終えた。
もしかして、刃牙にも敬意を覚えているのかもしれない。
怒りが勝ってふざけんなと金玉食うかもしれないけど。
ピクルと対峙した者は象徴とも言える武器を失う。烈は脚を、克巳は腕を、ジャックは牙を…
だが、刃牙は今のところ何も失っていない。
いっそのことSAGAを失ってしまえばいい。
刃牙の生死が気に掛かる中、阿鼻谷VSオマハ(とカイザー水原)が熱いギャンブルフィッシュの台詞を改変したい。
「それより刃牙よ!ピクルは倒した相手を食う…これ以上放置したら大変よッ!!」
「…それもあったか」
ギャラリー一同はこんな感じに刃牙を見捨てそうで怖いな。
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