範馬刃牙 第185話 原人(ピクル)の帰する所
最近、範馬一族の話が続いたので今回はピクルの出番だ。
今やピクルはバキのもう一人の主人公と言っても過言ではない。
ストーリー上の重要性は刃牙よりも上だ!
範馬脳の持ち主と比べると、ピクルは立派に人間です。
さて、ピクルは再びホルマリンプールの真っ直中にいた。
いや、ホルマリンは毒性があるから止めろと…
麻酔注射でも数時間は動きを止められるし、それでいいんじゃないか?
そもそも、ホルマリンプールが出来上がるまで黙っているな、ピクル。
ホルマリンに危険性はないと悟った故の判断なのだろうか。
ガスマスクを着けた男たちがピクルを担架に乗せていた。
今回のホルマリンは眠らせるためではなく、ピクルを運ぶためのものらしい。
克巳戦の時も同じように東京ドームまで運んだんだろうな。
今度はどこに運ばれるのだろうか。
「元に戻す これ以外にはない 彼は我々
現代人の 好奇心の犠牲者なのですから」
「元通りに それが現代人の責務ではないでしょうか」
とある会議場で内閣総理大臣波斗山征夫が語る。
どうやら、ピクルの処遇について話し合っているらしい。
ピクルはただの戦士ではない。世界でもっとも大きな価値を持つ文化遺産だ。
本当ならば戦いなんてもってのほかだ。
特に金的なんて絶対にやっちゃいけない。
ピクルを現代に残すべきか、元の岩塩層に戻すべきか。
いや、後者は普通なら死ぬ 。
発掘したミイラが偶然生きていた。だからといって再びミイラにすれば元通りになる、と言う道理は通らない。
同じようにピクルを再び塩漬けにすることが、元通りにすることには繋がらない。
ピクルが蘇った以上、その現実から目を逸らすことは出来ないのだ。
その議論は世界中で行われていた。
日本でも著名人が集まり、それについて話してあっている。
面子は内閣総理大臣、政治学者、実業家、映画監督、住職、軍人、科学者…
真面目に議論する気あるのか?
いやいや、大学教授とか仮名教授とか、他にも招聘するべき人間がいるでしょうに。
住職なんてピクルの容姿にしか触れてない。モデルの人がケータイ小説に投稿していたからといって…
幅広い職種の人間を集めて、様々な議論を行おうという考えなのだろうか。
まぁ、そんなカオスな会議場でも徳川光成が同席していないのがせめてもの救いだな。
みっちゃんがいた時点でまとまる議論もまとまらなくなる。
「元通り――― 簡単に口になさるが」
「元とはどこを指すのか」
「仮に発見された場所 ニューメキシコ州の岩塩層に戻すとして―――」
「遠い未来社会
あのピクルにどう生きろと云うのか」
「今 目の前にある問題を
未来の人々へ丸投げし
耳に心地よいヒューマニズムを口にしているだけでは…?」
ピクルの専門家、ペイン博士は元に戻すべきという論に口を挟む。
マッドサイエンティストなペイン博士にしては、元に戻すという意見の矛盾を指摘した常識的な答えだ。
塩漬けにすることが元に戻すことに繋がるのか。それはピクルの人生を断つことになってはしまわないか。
野生動物を自然に帰すのとは意味が違うのだ。
ペイン博士はただ単にピクルを研究したいだけなのかもしれないが。
「同感だ ピクルの現在(いま) にこそ責任を持つべきだ」
ストライダムもペイン博士同様の意見だった。
ストライダムはピクルをただの動物ではなく戦いに生きる戦士だと認めている。
だからこそ、ピクルの人生を全うさせてやりたいのだろう。
ただ単にピクルと格闘家の戦いを見たいだけかもしれないが。
ピクルを本当の意味で元に戻すには白亜紀にタイムスリップさせるより他ない。
だが、それは不可能だ。
そして、岩塩層に戻したからといって、何かが解決するわけではない。
ペイン博士の指摘する通りに問題の先送りに過ぎないのだ。
見なかったことにする。なかったことにする。
ピクルが目覚めてしまった以上、それはもう出来ない。
「ミスターストライダム
あなたねェ あの重要文化財になにかしましたよね」
「聞けば格闘技や武術の専門家を相手に ケンカの真似事をさせているとッッ」
実業家與田政道に痛いところを突かれた!
重要文化財と人間を戦わせる。大問題だ。
その情報が漏れていることも問題 だが、東京ドームで万の観衆の元、戦わせたのだから致し方ない。
だが、それは本来の議題とはまったく関係ない。
ピクルと格闘家を戦わせようが戦わせまいが、それは一切現在討論されている問題に絡んでこない。
でも、ストライダムのやったことは問題。
問題を起こした人間の言っていることは正論でも通らない。
痛いところを突かれたけど、痛いことをやった人には何も言われたくない!
というわけで、持論の欠点を他者への糾弾によって誤魔化した 。
問題のすり替えがうまいな。
やっぱり、立場って大切ですね。
ストライダムは格闘家と戦わせることをピクルと約束したという。
あくまでも言葉なき約束だったが、それはたしかにピクル最終話 で行った約束だった。
それがあったからこそ、ピクルは日本まで黙ってついてきたのだろう。
でも、そんなのは一般ピーポーには通じませんよね。
ピクルは言葉を持っていないじゃんと当然のように突っ込まれる。
言葉で交わした約束ではないと反論するが時既に時間切れ。
詭弁だと否定されたアワレな軍人がいた。
完 全 論 破
ピクルの未来について、世界中で議論された。
それは一部の知識人間だけでなく、学校や職場など庶民もありとあらゆる場所で会話していた。
太古の原人、ピクル。その未来。実にセンセーショナルな話題だ。
ただ殴る蹴るの対象じゃあないんです。
特に金玉殴った刃牙は猛省してください。
そして、議論は一向にまとまらなかったのか。
全世界10億人を対象にした多数決による投票で決議するに至る。
世界人口は約68億人(参考 )。世界の約1/7を動員した多数決だ。
…ものすごい規模だ。
勇次郎が一国の軍隊以上の暴力を持つのなら、ピクルは世界を動かすだけの存在感を持つ。
お互いに凄いな。
刃牙は初体験のためにヤングチャンピオンに出張する力を持ちます。
[Put him back in the orijinal rock salt
layer.(元の岩塩層に戻すべき)]
[500001572ballot(票)]
[Live together with us in the
present
day.(共に現代で生きるべき)]
[500000543ballot(票)]
そして、票決は行われた。
全世界で票を取るという人類史上類を見ない試みだ。
その結果は…1000票差で元に戻す派の勝利に終わった。
計10億票の中の1000票…誤差とも言える差だ。
だが、決まってしまった。
ピクルは元に戻すことになった。
元に戻るのかは、怪しいが。
ペイン博士はストライダムと夜の街をとぼとぼと歩く。
ペイン博士とストライダムはお互いの主張は異なる。
片やピクルを貴重なサンプルとして、片やピクルを強さに生きる戦士として。
だが、ピクルを生かすべきという点においては共通している。
だからこそ、意見を合わせた。
だからこそ、今回の結果には落胆しているのだろう。
その頃、ピクルは最初期のように身体中に検査器具を付けられてた。
奔放なピクルには似合わぬ姿だ。
ピクルの衰退を象徴しているようで痛々しい。
だが、刃牙に金玉を潰されようともピクルはピクルだった。
鉄製のベッドが歪むほど暴れて逃げ出した。
おいィ?ピクルの麻酔耐性を知らないのかよ…
ピクル研究スタッフは学習能力がないな。
あるいはペイン博士はピクルの麻酔耐性を話していなかったのか?
せめてもの抵抗だったのかもしれない。
さらに巨大な金庫がピクルの手によって破られていた。
予想外にも再登場したアレン君 がビックリですよ。
ピクルのことをよく知る男、アレン君ですらピクルの暴れっぷりには驚いていた。
麻酔を打ったから大丈夫、とでも思っていたのだろうか。
だとしたら相変わらず軽率だ。
場面はペイン博士とストライダムに戻る。
相変わらずとぼとぼと歩いていた。
その二人の目の前に突如重量感のある物質が落ちてくる。
ティラノサウルスの頭部だ。
街を歩いていたらいきなり恐竜の頭だけが降ってきた…
ホラーだ。ホラー以外の何でもない。
当然、こういった原始物はピクルの専門だ。
というわけで、ティラノサウルスの頭部にあぐらにて降り立つピクルさんであった。
誰の影響かは知らないが行動が奇妙になってきた。
何だか範馬脳を持った投身自殺者の18歳少年に悪い影響を受けたんじゃないか?
生命の危機が訪れたピクルだったが、無事脱走した。
その顔は刃牙との勝負を終えた直後の沈痛な表情ではない。
いつものように生き生きとした無邪気な笑顔だ。
どうやら刃牙との戦いのショックを乗り越えたらしい。
大白亜の風景を見た甲斐があったというものですよ。
隣にいた小生意気な小僧は殴っておけば良かったのかもしれない。
ピクルは二人に向かって手の平を向ける。
それが意味するものは…ティラノサウルスの頭部を渡すというものだろう。
「ストライダムくん………… これは感謝だ…」
「約束を果たした君への… 手土産だよ………」
自分の真意を理解し、それを満たしてくれたストライダムにピクルは感謝したのだろう。
だからこそ、己が仕留めた強敵を捧げた。
最上級のリスペクトだ。
言葉はないがピクルの想いが伝わってくる。
これで刃牙に肉をおごっていなければもっと映えたんですけどね。
[ピクル 世界を嘲笑(わら) い―――――― 東京へ消える………………]
ストライダムに謝礼を捧げピクルは姿を消した。
凹み具合が気にかかったピクルだったが、無事復帰したようだ。
刃牙との戦いのショックを乗り越えた。
これからは多くの出逢いを作ってくれたストライダムに別れを告げ、自らの意志で強者を探すようになるのだろうか。
食事のためではなく自らの最強を証明するための戦いが始まろうとしているのかもしれない。
次回へ続く。なお、来週は休載となります。
ピクル復活!
刃牙に負けた?ショックから復活した。
勇次郎との最強決定戦への準備は万端だ。
野に放されたから厚木基地に集まった戦士に戦いを挑むのもいい。
もしや、寂海王や鎬昂昇に出番が来てしまうか?
まぁ、勝負にはならないな。
技術は学べるかもしれないが。
ピクルはついにペイン博士たちの保護から離れた。
待っているだけで強敵がやってくる。
ピクルにとっての理想郷、地下闘技場から巣立っていったのだ。
実は刃牙にかけられた尿が気に入らなかったりして。
あのおかげで地下闘技場が尿臭くてたまらねえ!
しかし、野に放たれたピクルはこれからどうするのだろうか。
戦うのは野生パワーで何とかなる。
擬態は剣持武志から服装を奪えば目立ってしまうけど完了だ。
ただ、長年の問題である食糧問題をどう解決するのかが問題だ。
諦めて挑み掛かる以外の肉も食べちゃったりして。
今のピクルは文化に目覚めていそうだし、そういうので何とかしちゃいそうだ。
2週間後にはクォーターパウンダーを食べまくってメタボったピクルがいるかも。
東京は野生のピクルには住みにくそうだ。
思わず川で水を飲もうとすると間違いなくむせる。
1ヶ月の断食をすれど、水だけは飲んでいたのがピクルだ。
その水を断つのは危険だ。
かといってミネラルウォーターのペットボトルを飲み漁る姿も想像出来ないな…
野生と文化の間で悩んでしまうか?
勇次郎、刃牙、ピクルとバキ世界の最強を担う人間に焦点が当てられた。
刃牙は最強の一人と認めたくはないが、範馬脳をやっちゃったからしょうがない。
あの範馬脳は一体何だったんだろうか。
まぁ、SAGAを見るに範馬脳の破壊力はかなり高いことが伺える。
あれも範馬脳が起こした奇跡に違いない!
来週は休載して再来週から新章が始まるようだ。
長く続いたピクル編を終え、新展開に移るのだろうか。
主役になりそうなのは勇次郎、刃牙、ピクルだ。
だが、この3人だけだと辛い。
三つどもえの構図になるとどう戦えばいいのやらだ。
ここで新キャラを出してみるか?
しかし、問題となるのは強さのインフレだ。
バキ世界は強さがインフレしにくい。
目の前の敵を倒したからより強い敵が出てくる、というのはなかなかないのだ。
際限なくパワーアップするのは勇次郎と刃牙くらいで、他のキャラは初出の強さからあまり上下しない。
克巳だって真マッハ突きを身に付けたものの、克巳本体の強さはあまり変わっていないだろう。
現にSAGAった後の刃牙の強さは相当な域に達したので、しばらくはライバルに恵まれなかった。
オリバ刑務所編でもオリバくらいしか刃牙に対抗出来る人間がいなかった。
喧嘩ランキングとかガン無視である。
こうして現代に刃牙にかなう相手がいなくなったから、古代よりピクルが呼び出された。
原始人なんてイレギュラーはとても連発出来るものではない。
今度はネアンデルタール人を蘇らせるとか縄文時代の中国拳法の始祖を蘇らせる、というのも無理な展開だろう。
刃牙に対抗出来るくらい強く、設定的にも無理が生じない。
そんなキャラはなかなかいない。
そんな中でピクルを生み出したのは天才だと思った。無茶すぎて。
そこで次の解決策は範馬脳だ。
刃牙の脳は異常だ。関連性はあるかどうかは定かではないが、刃牙の変態的な強さは範馬脳に支えられているかもしれない。
ここで範馬脳の持ち主が総結集だ。
と、前回 も書いたな。
範馬脳の持ち主はみんな、妖術を使うぜ。
「ムエタイ範馬脳、サムワン・ハンマッが原人如きにやられるとはな…」
「奴は我々範馬脳一族の中では小物。次は私が行こう」
「ほう、範馬脳の力で3mまで成長したリーガン・ハンーマのお前が出るのか」
「私の力はあの原人を遥かに上回ることを証明してやろう」
こんな感じに次々に範馬脳の持ち主と戦う。
…いや、ピクルが戦ってどうするんだよ。
範馬一族の何が異常かと問われると、鬼の貌や範馬脳を持つくらいに宇宙人っぽいところだ。
それに対してピクルは原始人なのが異常だ。
これらは種族の時点で人間とは異なる。
新章に相応しいライバルとして、人間以外の種族を出してみるか?
でも、そういったのを安っぽく出していくとありがたみがないし、作品そのものが安っぽくなってしまう。
スポーツ漫画で世界大会で優勝したからといって、宇宙人を出していいことにはならない。
アストロ球団 だって最強のライバルに勝った後に、新しいライバルとして出したのはマサイ族だった。
まぁ、マサイ族と実際に戦ったわけじゃないのですが。
そう考えていくとピクルはギリギリのラインを突いたキャラクターなんだなと思う。
刃牙の強さの要素はひとつずつ潰されていっている。
バキ世界の格闘技最高峰とされた中国武術は大擂台賽で終わりを告げた。さらにピクル戦でトドメを刺された感じだ。
偉大なるチャンプの息子、Jr.は金玉を潰され、力の最高峰オリバは敗れた。
グラップラー刃牙開始直後、最強格だった独歩もそれ以上の格闘家が並んだことで相対的に評価を落としている。
ここから掘り下げられるのは勇次郎とピクルくらいで、あとは新キャラに期待するしかない。
ないが、現代文明からは出し尽くした感もある。
ここで忘れられたキャラ再利用とかどうだろう。
シコルスキーや範海王、郭春成といった歴史に埋もれたキャラの活躍が始まる!
この手のしょうがないキャラでトーナメントを開くのはどうだ?
勝敗がまったく予想出来ない分、何だか楽しめそうな気がする。
ついでだから新キャラも出しておけ。ロシア人ムエタイ使いとか。
ロシア人ムエタイ使いVS巨漢テコンドーの戦いが実現すれば屈指の名勝負になりそうだ。
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