範馬刃牙 第201話 強きを求めし者



祝201回突破だ。
第200話を祝うのではなく、第201話を祝うのが範馬刃牙流だ。
その第201話突破記念の煽りは「釣り合わぬ親子喧嘩(マッチメーク)」「絶望の見切り発車」とひどく刃牙が貶められている
…やっぱり、そうなんだ。
記念すべき日にこれだよ。


さて、烈VSヘヴィ級黒人ボクサーの戦いが始まろうとしている。
黒人ボクサーのプロフィールは3年前まで軍人、除隊後にデビュー、9戦9勝8KO…
完膚無きまでにこれからやられるオーラを出している。
履歴書だけでかませ犬として合格出来そうなくらいだ。

ボクシングのかませ犬史は深い。
巨漢(末堂)の次にボクサー(高山)が噛まれている。
かませ犬の歴史としては2番目に古い。
ムエタイよりも歴史があるのだ。
無理だろう、これは。

でも、今回は第201話突破記念でボクシング漫画の大御所、森川ジョージが寄稿している。
この影響でボクサーが優遇されても何の不思議があろうか。
もっともこんなことで板垣先生は自分の筋を曲げる人間じゃないことはよく知っている。
栄冠に輝いた人間を叩き潰すのが板垣流なのだ。
最近では麻仁アキオ(マニー・パッキャオ)がその被害に遭っている。

深町コーチ曰く、黒人ボクサーは体重・キャリア・技術…その全てが烈を上回っているようだ。
体重は上回っていてもおかしくはない。
キャリアは…ボクシングのキャリアに限定すれば上だな。
技術もボクシングの技術に限定すれば上だとしてもおかしくはあるまい。
かろうじて深町コーチの言い分は正しい。
…かろうじて。

深町コーチは烈にヘッドギアをかぶせる。
死亡事故に繋がるかもしれないと思っていた。
せめてもの優しさであった。
…この人は烈の何を見てきたんだ?

とりあえず、サンドバッグを破壊した。
ボクシング界では大物の麻仁アキオをワンパンチで屠った。
こんな凄まじい戦果があるというのに、ヘヴィ級を持ち出せば勝てると思っているなんておめでたい
ガンダムにザクで負けたのならゴッグを持ってくれば勝てる!と言うようなものですよ。

ともあれ、ブザーが鳴りスパーが開始(はじ)まる。
スパーじゃなく処刑になりそうで怖いがどうなることやら。

(なるほどなるほど……… たしかに逸材………)

〜〜〜〜ッッッ。烈が黒人ボクサーを認めた!
貴様のような戦士は我が中国武術では洋王止まりだッッ、なんて無粋なことを言わない。
恵まれた巨躯を認め、それを感じさせないフットワークを認めた。間合いの長さも感じ取っている。
実は黒人ボクサーは強敵なのか?

黒人ボクサーは烈に拳を打ち込む。
ボクシングの基本中の基本、左ジャブだ。
ヘヴィ級ボクサーにもなればジャブがストレートの威力を持つと言われる。餓狼伝でも言ってた。

そのジャブを受けた烈は…ガードはしたもののコーナーまで吹っ飛んだ。
ば、馬鹿な…あの烈が吹っ飛んだ!?
黒人ボクサーのパンチ力は本物か?

と思ったけどマウント斗羽の16文キックでも烈は吹っ飛んでいたんですね。
あんまり大したことがないかも。
片脚だし踏ん張れなさそうだし。

(速度(スピード)……………よし)
(重量(おも)さ…………………よし)
(握り……………………悪しッッ)


左ジャブ一発で戦力分析は完了したようだ。
速度と重さは認める。だが、握りは悪い!
何か後半になるごとに「…」が増えて、何とか認めようとしている気がする

ボクシングはグローブの使用が前提となっている。
そのため、素手の拳法と比べて握りが甘い。
…らしい。
かつて板垣先生は自衛隊時代にボクシングをやっていた。しかも、国体に出るほどの実力者だった。
けっこう前に実際に試合を行ったほどだ。
何となく説得力がある気がする。
そのわりにボクサーの強さの描写はひどいが。

握りの甘さを烈は打たれただけで把握することが出来た。
キャリア豊富な烈ならではだ。
そして、バキ世界は体重×速度×握力=破壊力の世界である。
握りしめていないことは打撃力に大きく関わってくる。
拳のみを武器としているはずが、拳を固め切れていない。
烈は黒人ボクサーの弱点を見つけた心持ちなのだろう。

戦力分析を完了した烈は黒人ボクサーへノーガードで近寄る。
間合いに入ると同時に黒人ボクサーは再び左ジャブを放つ。
それに対応するように烈も一気に踏み込む。
そして、左ジャブに頭突きを合わせた。
これにより握りの甘い拳は砕けた。

…いや、烈さんや、ちょっと待て。
額は骨の中ではもっとも硬い。
その額で受け止めるガード方法は独歩曰くベアナックル時代のボクシングでは基本だったらしい。
でも、明らかに拳に頭突きをするのはボクシング的にどうなんだろう。
額でガードするのではなく攻撃する…
バッティングの部類に入るんじゃないか、これ?

黒人ボクサーの拳が折れた。
それは見ていた深町コーチも感じ取っていた。
勝負ありだ。
だが、烈は構えを取る。
…おい、止めろ馬鹿。

「三」
「二(ア)ーッ」
「一(イ)ーッ」


烈は突如カウントダウンを始める。
いや、待て。本気でやる気なのか、この人は。
一応、スパーだぞ、これ。
あとこの黒人ボクサーは調整目的でこのジムに訪れているらしい。
つまり、近々試合があるということだ。
ボクサーの命である拳を骨折しただけで大損害だというのに、まだ追い打ちをするというのか?

ストレイツォどころか刃牙並みに容赦をしない烈に黒人ボクサーはビビる。そりゃビビる。
後ろに下がりガードを固める。
今の烈は折れた拳を狙い撃って傷を悪化させそうだ

ドカッ

こうしてサンドバッグを破壊するパンチが黒人ボクサーの左上腕に決まった。
本来被害を抑えるために、ガードのために使った部位だ。
だが、烈の打撃力の前には常識は吹き飛ぶ。
烈のパンチによって黒人ボクサーの上腕骨は真っ二つに折れた。
そして、これこそが烈の狙いだった。
急所を狙うのではなく、ガードのために曝け出した部位を狙う…
烈の打撃力があってこそだ。

――って、お前はやりすぎなんだよ!
拳を折るだけでもやりすぎなのに、さらに上腕骨まで破壊し尽くしやがった。
まるでもって容赦がない。
ピクルに片脚を食われた反動で容赦の二文字が消えてしまったのか?
加減しろ莫迦!

これはもう破門にされても文句は言えないな。
ジム内の規律を乱し、試合前の大事な時期に麻仁アキオを叩きのめし、そして自慢の黒人ボクサーを大怪我させた…
これで破門にされない方がおかしい。
深町コーチは烈をジムに入門させたことをさぞかし悔やんでいることだろう。

というか、烈は全然ボクシングの練習をしていないし、何のために入門したんだという話だ
やはり、ボクシングを破壊したいようにしか見えない
貴様らのような不完全な格闘技が最強を名乗るのは我々中国武術に対する侮辱だッッッ、とか言い出しそうな勢いである。

「拳闘家(ボクサー)烈 海王の伝説」
「まだ開始まったばかり…………」


こうして烈の伝説が始まったらしい。
多くの人間を殺しても大量殺人者として伝説になれる。
烈の築こうとしている伝説はその類のものだ。
烈は多くのボクシングファンを敵にしようとしている。
麻仁アキオが言った世界のボクサーを敵にしたという言葉は正しかった。
烈は本当に世界を敵に回そうとしている。

烈の目的はボクシングの破壊だろうか。
自分を試すため…克巳はそう言ったものの試し方がえげつない
自分の力がどこまで通用するのか試したいんです!
とか言いながら、対戦相手を闇討ちするようなものだ。
それでは自分の力はわからないと思うぞ。

第2回最大トーナメント(仮)を前にしてとんでもないことになってきた。
烈は一体何をしたいのだろうか。何を企んでいるのだろうか。
この暴走を止められるボクサーは果たして現れるのか?
貴様らでは奴を止めることは出来ぬ、と獄中帰りのアイアン・マイケルが現れるのかも。
今がチャンスだ、アイアン・マイケル!この流れならお前が出てきてもおかしくはない!

一方でニューヨーク。
レストランで勇次郎とストライダムがステーキを食していた。
勇次郎の食しているステーキは分厚い。
ストライダムのステーキの3倍はあろうかという厚さだ。
これじゃあウェルダンでもレアだな。
ウェルダンとレアを同時に楽しめると思えばいいステーキかも。

ストライダムには包帯が巻かれている。
何だかんだであの自爆は勇次郎に認められたようだ第188話)。
つまりはこの極太ステーキの代金はストライダムが…

ストライダムは勇次郎に刃牙の近況を伝える。
親馬鹿の勇次郎は控えめに刃牙のことを聞く。
あくまでも控えめに。
曝け出す愛は極めて薄くする。それが親馬鹿のコツだ。

ストライダム曰く、刃牙は勇次郎に逢いたがっているようだ。
そんな素振りを見せたっけ。

「なんと刃牙(かれ)は君と―――――」

ストライダムは語る。
おそらくはリアルシャドーのことだろう。
リアルシャドー否定派の勇次郎に、勇次郎のリアルシャドーと戦っていると伝える…
話す方も命がけだ。ストライダムは殴られても文句は言えない。

「野郎 そんなことを…ッッ」

当然、勇次郎はキレる。
手に持っていたナイフとフォークが飴細工のように歪んだ。
怒りのあまりに走って刃牙ハウスまで行って殴り飛ばしてもおかしくはない。
このまま親子対決が終わっても誰が文句を言おうか。
次回へ続く。


とりあえず、烈は刃牙に匹敵するくらいのヒールですね。
一体何が烈をここまで変えてしまったのだろうか。
まだドイルを武器で八つ裂きにした時の方が優しく見える。
ボクシングクラッシャーの称号をいただけそうだな。

天才と言っても過言ではない麻仁アキオを倒した。
ヘヴィ級ボクサーだって倒した。
次はヘヴィ級チャンピオンか?
でも、チャンピオンでもアイアン・マイケルクラスなんだよな。
ボクシング界にはもう烈の敵がいないように思えてくる。

ここで第2回最大トーナメント(仮)に合わせて新ボクサーの登場だろうか。
巨漢ボクサー、除。金剛ボクサー、楊。三合ボクサー、陳。握力ボクサー、孫。やわらかボクサー、毛。ムエタイボクサー、サムワン。
こんな連中が現れたら烈も危ないかもしれない。
全員元海王だ!気を付けろ!
ムエタイボクサーサムワンは蹴れないので弱い。蹴れても弱い。

ただ新ボクサーを出すにもしてもボクサーは掘り尽くされた感もする。
表のチャンピオン、アイアン・マイケルは不良に負けた。パンピー3人にも負けた。ついでに看守にも嘗められた。
裏の実力者、Jr.は金玉を潰されてしまってもう格闘家としては再起不能だろう。
独歩や渋川先生を倒していた時のJr.なら、烈といい勝負を期待出来たかもしれないけど今は無理だ。

新ボクサーが出るならインパクトに期待したいところだな。
行方不明のピクルがボクシングを習っていたとか。
オーストラリアで見たカンガルーの動きを模倣!まさしくボクシング!
これには烈も裸足で逃げるだろう。

ともあれ、どうやって新ボクサーを出すなら性格を付けることやら。
チャンピオンなんて今や何の信用も出来ない。
本部に柔術を習ったボクサーなんてどうだ。
ボクサーと剣術の両方が合わさって最強に見える。

とりあえず、アイアン・マイケルは出ておくべきだと私は思うわけですよ。
当感想はアイアン・マイケルでググればトップで出てくる。
アイアン・マイケルのおかげで当感想は支えられているのだ。
また出てきてもらえば大助かりですよ、ホント。
そして、弄られれば大満足だ。
あ、念願の復帰試合に烈が乱入するのはどうだろうか。
今出てこないともう出番はないぞ、アイアン・マイケル。



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