範馬刃牙 第208話 火事の鉄則



渋川先生が夜の街を歩く。
夜の街の危険度は高い。
右手が吹き飛ぶこともあれば、トラックが原始人に破壊されることもある。
戦いを求める格闘家にとって、それほどなじむ環境もあるまい。
夜の街は事件が起きすぎだ。


徳川光成は栗谷川と共に闘技場に座る。
歯や爪が散乱しているから、正座すると痛そうだ。
そういえば、何で栗谷川を呼んだんだ?
うっかり出た懐かしキャラは再登場する運命にあるのだろうか。
でも、加藤はすぐに忘れられたな…

「戦士(もののふ)どもはもう 待ちきれんのだよ」

どちらかというと待ちきれないのは読者の方だが、それは置いておいて餓えているらしい。
だが、栗谷川はそれには反対意見を持っていた。
格闘家は並外れた闘争心を持つと同時に、並外れた克己心を持つ…
故に闘争心をコントロール出来ないはずがない。

そんなことを言ったら徳川光成に鼻で笑われる。
並外れた欲望をまったく制御しない人に克己心とか言っても通じるわけがない。
とはいえ、戦いたい時に戦うのがグラップラーだ。
ボクシングを潰したいと思った時には既にグローブを破壊しているんだ!
格闘家の心理を知るのは徳川光成の方だろうか。

「奴等の裡に棲む殺生本能(キラーインスティンクト)は そんな生易しいシロモノじゃない」

殺生本能(キラーインスティンクト)と学園都市に出てきそうなことを言いながら、
徳川光成は克己心で闘争心を止められるものではないと語る。
しかし、格闘家は指導者の地位を持つ。自分からは喧嘩を売れない。
今回の渋川先生だって、警視庁で合気を教えている。
とても喧嘩なんか出来る立場ではない。

でも、神心会で武術を教えていて、さらに中国の名士である某海王は喧嘩を売る売らないどころか、
青竜刀で切り裂いた挙げ句に多節棍で暴行の限りを尽くした
殺生本能(キラーインスティンクト)を抑えられなすぎだ。あれ、見られていたら確実に逮捕されていたぞ。
最近では遠慮なくボクシングレイプしているし、烈を見ると克己心で闘争心を抑えられたら苦労しないことがよくわかるというものだ。
いや、烈はキレすぎだけど。

喧嘩は売らない。だが、火種を逃さない。
それが徳川光成の語る格闘家像であった。

同じように渋川先生も売りはしないが、買うことはする。
肩をぶつけられたヤクザ者に対して何かを呟く。
おそらくは挑発的な台詞だったのか、ヤクザ者二人は渋川先生に駆け寄る。
これって喧嘩を売ってないか?
発端が自分じゃなければいいということなのだろうか。

「ささやかな灯火を―――」
「奴等は―――― 決して逃さない」

「戦力をひた隠し―――――」
「巧妙に――――」
「大火へと…………………………」


徳川光成の話を聞く限り、ぼやですら大火災にするのが格闘家の仕事らしい
…タチ悪ィな。
本部ももしかしてそうなのだろうか。
戦力をひた隠し…巧妙に…最近はそのまま隠れてしまっている。
日本刀を折られて武器を失ってしまったのだろうか。

ヤクザ者は渋川先生の襟を掴む。
武術家の襟を捕る…その意味もわからぬとは…
ここで渋川先生は人差し指を指す。
ヤクザはその指を掴み、殴りかかろうとする。
一応の老人に対して躊躇を一切しないヤクザだ。
どれだけ挑発的なことを呟いたのだろうか。

だが、これは渋川先生の罠だった。
ヤクザは人差し指を支点に回る。
久しぶりに見せる合気だ。
平衡感覚を失ったヤクザは回転に任せるまま回って、アスファルトに激突する。
これだけで十分なダメージだ。

だが、この渋川剛気、容赦せん。
さらに首に足刀を叩きつける。
…押忍。それはやりすぎだと思います。押忍。

合気で投げたところに足刀で追い打ちするのは渋川先生の十八番だ。
この技を受けて鎬昂昇は敗れている。それほどの破壊力を秘める。
それを素人に対してアスファルトの上でやるのはどうなんだ。
本当にぼやを大火にしやがった。

ヤクザの一人はこれで倒れる。
倒れない方がおかしい。
残された一人は目の前にいる相手の戦力の大きさに驚愕する。
安い買い物のつもりが高い買い物になってしまった。

こういう時の敗北フラグ、凶器の王道中の王道、光り物を出す。
だが、渋川先生の笑みは止まらない。
こっちはこっちで渋川先生の武器の王道中の王道、眼鏡を使う。
Jr.との戦いでも眼鏡は有効打となった(バキ第243話)。

渋川流が眼鏡を取り出したら用心せい。
投げたと思ったらいつの間にか自分の手元に戻ってるぞ。
それだけの魔性を持つのが渋川先生の眼鏡だ。

そんなわけでべっこうのいい眼鏡をヤクザに向かって投げる。
ヤクザの視点は眼鏡に移動する。
ナイフで眼鏡を払うが、その時隙が生まれた。
その瞬間、ノド仏を人差し指で突く。
ロジャー・ハーロンを倒した技だ。
渋川先生はほとんど使わないけど打撃だって出来るのだ。

こうしてヤクザ二人は地に倒れた。
どちらも素人に使うべきではないもので倒された。
殺生本能(キラーインスティンクト)を抑えられていない。
ダメじゃん。

「現場からは―――――― 2分以内に脱出(エスケープ)じゃ…………!」

そして、全力ダッシュで離脱だ!
姿勢は低く腕を大きく振る。まさに全力ダッシュである。
渋川先生…走れたんだ…いや、走れるよな。
そして、全力ダッシュで追い打ちをするゲーム版グラップラー刃牙の達人を思い出したが、あえて忘れておくことにしよう。

「ヤリたくて」
「ヤリたくてヤリたくてヤリたくてたまらぬ戦士(もののふ)たち」
「ならばどーする――――」
「”ステキな出逢いを”じゃッッ」

「ンなるほどッッ」


素人に必殺してしまうほど餓えている。
だからこそ、餓えている者同士をぶつける!
早くぶつけないと失業保険が尽きるぞ!
…いつまでこの前振りを続けるつもりなんだろう。
格闘家の結婚相談所とか悠長なことを言っている場合じゃない。

でも、この流れはもう少し続きそうだ。
烈×ボクシングもあるし、しばらくは流れが一本にまとまりそうにない。
まったく困った流れだ。
やっぱり、刃牙がピクルをクビにしちゃったのが不味かったか?
刃牙はリアルシャドーすればいいけど、他の格闘家はそうもいかないからなぁ…
次回へ続く。


渋川先生は暇だから素人相手に必殺して全力ダッシュする。
こうなったのは刃牙がピクルを飛ばしたからだ。
刃牙が全面的に悪い!
そんな話だった。
やや脚色しています。

もしかして、渋川先生は戦うためにヤクザをぶちのめしたわけではないのかも。
これは撒き餌だ。
餌を与えることで街に潜む強者を釣る!
餓狼伝的な展開になるのだ。

そうなると伊達的な立ち位置の人が必要だ。
こういう時に本部か?
もちろん、瞬殺される。
うむ、面白くなりそうだ。

こんな感じに次々に第2回最大トーナメント(仮)出場候補者にスポットを当てていくのだろうか。
まだまだのんびり展開が続きそうだ。
カイザーの毒牙が烈を冒すのも先の話か。

しかし、なかなか本筋に触れない展開が続くと、逆に次が予想出来ない。
よもやまた政治家がやってくるか?
え、永遠に話が進まねえ…

ここで頼れるのはストライダムだ。
勇次郎に挑むなんて言ってしまえばいい!
…ダメだな。オオカミ少年状態になってしまっている。無理だ。

最近のバキはチャンピオン誌上でトップクラスにのんびりしている。
みつどもえやイカ娘並みにまったりとしているな。
最近、死者に溢れているギャンブルフィッシュとは真逆だ。
このまま癒し漫画の道を辿るのだろうか。
ピクル編で衝撃展開が相次いだ反動か?

この調子ならはんまん!という名前にして、キャベツを食している展開でも行けるかもしれない。
吽ッッ。站ッッ。と勝ち組になる。
勝つる!
けいおんファンに殴られる前に止めておこう。
いや、ここはチャンピオンらしくばきどもえ(地球拳の使い手に屠られる)やバキ娘(梢江のような顔をしている)がいいか…

この混沌とした流れだとSAGAが紛れ込んでもおかしくはない。
誰もが待ち望んだバキSAGA2開催!
今度は成年誌でねっとりと描写するよ。

今の刃牙はピクルに勝つ(仮)ほどの力を持つ。
対する梢江はあの時から何一つ進歩していないように思える。
せいぜい鼻水オッケーの性癖を身につけた程度だ。
今の刃牙と闘争(セックス)になったら梢江はどうする?
傘の本当の使い方を教えてやるッッッと凶器の使用に走らざるを得ないか。
SAGA2はひどいことになりそうだ。今の私ならそれを受け入れることが出来…ごめん、無理。



サイトTOPに戻る Weekly BAKIのTOPに戻る