範馬刃牙 第245話 親子、接触す 



範馬親子の家族団欒が間近に迫っている!
勝負の方は…マジでどうなるんですか?
やりそうでやらないことに定評があるのが刃牙だ。
でも、オリバやピクルの時は突発的に開始した。
今回もそうなってしまうのか?


刃牙は第219話で破壊されたちゃぶ台を用意する。
しっかり継ぎ目を補強している。
…新しいのを買えばいいのに。
こんなちゃぶ台は使い物にならないぞ。

やっぱり、親父が破壊したから使っているのだろうか。
愛しのあの人がくれたプレゼントですよ。
そりゃ大事にするよ。
もしかしたら勇次郎が破壊してきた物を刃牙はコレクションしているかもしれない。
壁の中にはサムワン海王が埋まっているぞ。

刃牙は料理をする。
独り暮らしの時間が長いだけあり手慣れている。
草食系男子を気取っているのか?
雑草食うけど。

「焼き魚にたっぷりの大根オロシ」
「キュウリの浅漬け」
「メカブに……」
「ゴハンとミソ汁……と」
「まん中にステーキだ」


と、こうして刃牙の料理が完成する。
野菜・魚・肉・汁物と一通り揃ったバランスの良い取り合わせだ。
どれも普通に美味しそうだ。
ステーキという肉成分の強いものを用意しているのがどこか範馬的だ。
本当は牛生肉を山ほど用意したかったんだけど、スマートじゃないので止めました。

中央におわすステーキ以外はそれぞれ二皿用意されている。
ちゃんと鬼父(パパ)と一緒に食べる気満々だ。
勇次郎のためにワインだって料理している。
銘柄にうるさそうだが、刃牙なら好みのワインを知っていてもおかしくはない。
当方にご馳走の用意有りだ!

しかし、刃牙は勇次郎が来る予感だけで作ったよね。
何という見切り発進か。
見切り発進でここまでやるなんて、美味しんぼ世界の住民でもなかなかできないぞ。
まぁ、刃牙なら勇次郎が来なかったとしても全部楽勝に食べ尽くすし、リアルシャドーで家族団欒する
多分、リアルシャドーの力で目の前で突然料理が消えていく。

備え付けが終わり、一息ついたその時刃牙は悪寒を感じる。
すると玄関には勇次郎がいて、靴を脱いでいた
馬鹿な!あの勇次郎が靴を脱いでいる!
違和感以外の何でもない光景だ。
きちんと靴の向きを玄関に向けているよ。
馬鹿な!勇次郎の行儀が良い!
これが鬼の紳士リティなのだろうか。

以前、刃牙の家に来た時も靴は脱いでいた。
だが、靴の向きは玄関とは反対側、家の方角へ向いていた。
今回の勇次郎は来客者としての礼をわきまえていると言える。
もてなされる気満々だ。

刃牙は勇次郎を食卓へと招き、勇次郎は腰を下ろす。
範馬一家の団欒の時がついに実現しようとしている。

(来た…… やっぱり……ッッ)
(理由なんかどうだっていい……)
(ホント…)
(どうだっていい………)
(親父が来てくれる…… この現実だけでいい…)


刃牙が満ち足りちゃった!
…いや、刃牙さん。アンタ、それでいいんですか?
親子喧嘩をするのが刃牙の目的だった気がするが、家族団欒だけで満足してしまっている。
誰が食っていいつったとシコルスキーを恫喝するような一言くらい言ってみたらいかがか。

勇次郎も勇次郎で何事もなく食べようとしている。
本当に何事もない。あまりにもスムーズだ。
いや、君たちの歯車はもっと噛み合わないものじゃなかったか?
恋の力ってすげェな。

こうして違和感しかない光景がついに出来上がった。
普通に食べるのか、ちゃぶ台返しするのか…
いずれにせよ常人の想像を絶する死闘が繰り広げられるに違いない。

その死闘の予兆を告げるように、刃牙ハウスへの一本道には機動隊が配備されていた。
総理の厳命通りに素早い動きだ。
これで一般市民が刃牙ハウスへ近寄ることはできない。
そもそもこんな落書き多発地帯に近寄る人自体がいなそうなのだが。

だが、機動隊は哨戒程度の役割に過ぎなかった。
警視総監から総理大臣へ、総理大臣から空挺部隊へ伝えられ、空挺部隊が動き出そうとする。
あの第1空挺部隊が配備されようとしているぞ!

「一七時三○(ヒトナナサンマル)ッッ」
「○勇(マルユウ)と○刃(マルバ) ○刃(マルバ)宅にて接触ッッ」


マルユウとマルバと言われた!(紙面では勇と刃を○で囲んでいる)
妙な気合いの入れ方だ。
で、何をやる気だ?

住民を近づけないだけなら機動隊で十分な効果がある。
空挺部隊が動くということはそれだけでは収まらない事態になるということだ。
…まぁ、刃牙単体でも地震が起こるから用心にこしたことはない。
でも、地震はお前らに止められないぞ。
刃牙が地震を起こしたら、勇次郎が地震を止めてバランスを取るかもしれないけど。

災禍の中心である範馬刃牙邸ではついにいただきますの声がかけられた。
勇次郎が刃牙の料理に箸をつける時が来た。
その時、異変が起きた!

(お…………親父が―― 会釈!!?)
(「いただきます」の――――― 会釈ゥ!!??)

鬼の会釈だ!
会釈すんのかよ!?
そりゃ、刃牙だって驚くよ!
俺だって驚いてるよ!

(そ…………… そんな習慣があったのか……ッッ)

すげえ驚き方だな、アンタは。
そこまで驚かれるとさすがの勇次郎も困るんじゃないか?
何か小さなちゃぶ台に頭を垂れる勇次郎は今までにない可愛さがある。
俺の親父がこんなに可愛いわけがないよ。

勇次郎は食に対するこだわりは相当強い。
それ故に食への敬意があるのかもしれない。
それを考慮すると会釈くらいは普通…じゃないな、勇次郎だし。

やっぱり、これが恋の力なのか?
ツンデレが感謝の言葉を述べるような状況ですよ。
愛しのあの人が料理を作ってくれたんだから、感謝しないわけにはいかないのだ。
気を付けろ!デレ期のツンデレはただの凶器だ!

(お…………… 俺は…………)
(この人のことをちゃんと知っているのか!!?)


イケイケに見えた刃牙だったが、自分に疑念を抱いた。
世界で一番勇次郎のことを知っているつもりがそうでもなかった。
会釈だけで勇次郎の未知の部分が見えてしまった。
そうである以上、まだ戦う時じゃない…
そんなことを普通に言い出しそうだが、多分普通に言い出す。

会釈一発で刃牙と勇次郎の決戦は遠のいてしまった気がする。
やはり、こいつらの戦いは一筋縄ではいかない。
ピクルの時は自分が取った獲物をおごるという未知の行動をされたのに、普通に受け入れたくせに…
やっぱり、パパさんは特別なんだな。

やはり、戦いそうにない。
ここから戦いを始めたら刃牙が酷い目に遭いそうだし、勇次郎も刃牙に失望しそうだ。
勇次郎に失恋されることで刃牙は新しい境地に目覚めるか?
次回へ続く。


よく知っていたはずのあの娘の意外な一面を見てビックリ!
そんな話だった。
それで惹かれるどころか、引かれるくらいだから困ったものだ。

勇次郎は意外な作法を見せつけるかもしれない。
箸の持ち方がやたらと綺麗だったり、箸はほん少ししか汚さなかったり。
勇次郎の作法ひとつひとつに刃牙は驚愕するのだろうか。
きちんとご馳走様と言った暁には刃牙は液化する。

一番刃牙を驚かせるのは料理のべた褒めだろうな。
あの親父が俺を…ッッとッを何連発もしてしまうに違いない。
もうそれだけで燃え尽きてしまいそうだ。

勇次郎も勇次郎で刃牙の料理に普通に満足してしまいそうだ。
ちゃぶ台返しなんてやりそうにないよ。
刃牙のリアルシャドーは空振りに終わりそうだ。

刃牙は勇次郎の未知の部分に驚愕した。
ならば、勇次郎はどうか。
刃牙の未知の部分に驚愕するか?
いきなり液化すればビビるかも。悪い意味で。

戦う戦わない以前の部分で波乱が満ち満ちている。
始まりそうで本当に始まらないのが範馬親子の決戦である。
ただこれでも始まりそうになっただけでも進展がある。
今までは始まりそうにすらならなかった。
本格的に始まるのは新シリーズになってからかな…

そういえばボルトさんはどうなったのでしょうか。
地球の裏側では何が起きていることやら。
深町コーチと烈が団欒していたりして。
烈が料理を作る姿を見て、深町コーチに電撃走る!

…それにしても格闘漫画なのにまッッッたく格闘していない。
新年に入ってからほとんどバトルというバトルをやっていない。
主人公が宿敵を前に料理している現状がそもそも不味いんじゃないだろうか。
料理漫画じゃあるまいし何をやっているんだ。
戦わないことに定評のある刃牙だったが、戦い以外をやることに目覚め始めている。
来週から梢江との新婚生活が始まったらどうしよう…



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