範馬刃牙 第268話 真・象形拳
トリケラトプス拳が炸裂した!
でも、トリケラトプスは実は存在しなかったという説が流れている(参考)。
ヘタすればピクルにダメ出しされるかもしれない。
そうなるとトリケラトプス拳の破壊力もダウンだ。
恐竜大好き勇次郎もショックで戦闘力ダウンかも。
結果、差し引きゼロ、あるいは勇次郎を弱らせただけプラスか?
トリケラトプスになって刃牙は勇次郎を押し出していく。
あまりの勢いにアスファルトが削り出されていく。
地面が根を上げるほどの勢いである。
大分定型文化してきたアスファルト削りだしだが、勇次郎がやると迫力が違うものである。
トリケラトプスの勢いを受け止めながらも勇次郎の笑みは止まらない。
憧れの恐竜との戦いが実現したのだ。
嬉しいというレベルではないのだろう。
案外、刃牙との戦いより望んでいたりして。
恐竜がいたら刃牙を育てることもなかったかもしれない。
何か恐竜>刃牙みたいで嫌だな。
押し出された勇次郎はやがて背後にある車に激突する。
だが、それでも刃牙ケラトプスの勢いは止まることなく、車を押し出した上で横転させた。
まさしく恐竜のパワーだ。
本当に恐竜のパワーが宿ったらしい。
やっぱり憑依だよ、これは。
妖術師の妖術は筋力さえも改竄する。
この様子を見て徳川光成はもう嬉しそうでクソのような笑顔を浮かべる。
その車……まったく無関係の人間の愛車なんだぜ……
あとでちゃんと修理代もしくは新車をあげてやってください。
金をキロ単位で扱える徳川光成ならば余裕だろう。
車をひっくり返したところで刃牙ケラトプスの突進は一段落する。
案外、体力を使う技なのかもしれない。
まぁ、古代の恐竜の霊を憑依させるわけだし、肉体にかかる負担は並大抵のものではないだろう。
そんな技ではないのかもしれないが、そうとしか見えないのでそういうことにしておく。
100kgを越える勇次郎を押し出し、車両を横転させる体力……
勇次郎をして70kg以下の刃牙にはできない芸当だと言わせる。
言っていることは正しいのだが無性に違和感を感じてしまう。
体重なんて脚以上に飾りですよ。
例え500kgの巨漢が現れても勇次郎を押し出すことは不可能だ。
デカくて重いだけでパワーを発揮できるのなら、バキ世界は簡単だ。
ガーレンだってジャックを屠っている。
[原始の膂力を堪能した]
恐竜大好きの勇次郎から恐竜判定が出た!
虚像だけではなく実像まで恐竜だった。
多分、刃牙から伝わる重量が恐竜のそれそのものだったのだろう。
触れた相手のウェイトを察するくらい、勇次郎にはチャメシ・インシデントだ。
ビルの最上階からフンドシ一丁で見つめるピクルさんもこれには満足なのだろうか。
縁まで接近、直立してこの戦いを見落としている。
危な!
危な!
高いところから落ちれば死ぬ!
しかし、トリケラトプス拳よりもそれを受け止めた勇次郎を注目していたりして。
勇次郎こそ求めた強者に相応しいとかそんな。
何せ勇次郎の戦力はティラノサウルス級だ。
お互いに戦わない方が不自然なくらいである。
そういえば、刃牙はティラノサウルスリアルシャドーは結局どうしたんだ?
(第122話)
「象形拳なるものの理想……」
「或いは」「目指すべき方向とでもいうべきか」
「キサマに伝授(おし)えよう」
〜〜〜〜ッッッ。ここで勇次郎の講義だ!
勇次郎ってけっこう教えたがり屋だ。
特に刃牙に対しては。
格闘技だって作法だって教えたがる。
この親馬鹿め。
勇次郎が教えたがり屋なのは刃牙の成長を期待してのことなのだろう。
つまり、ここに来て更なる刃牙の成長を望んでいると言える。
勇次郎は様々な動物を模倣した数々の象形拳を語り始める。
その中には新世紀の象形拳のトリケラトプス拳、恐竜拳も入っている。
「言うなれば 所詮は模倣(ものまね)ッッ」
「仮に“ゴジラの型”を完成させ」「火を吐いて闘おうが」
「模倣(まね)は模倣(まね)」
リアルシャドー否定派らしく、勇次郎は象形拳を模倣と語る。
模倣である以上はオリジナルに限りなく近い別物にしかなれないということだろうか。
でも、既に失われた恐竜の模倣はとんでもないし、そこは勇次郎も評価している。
トリケラトプスに成りきったのは異常だ。
しかし、勇次郎がゴジラを持ち出すのは意外だ。
恐竜好きな子供である以上、ゴジラを見逃さず見ていたのかもしれない。
ゴジラは実際好きな子供だったりして。
どうも、範馬一族の案外可愛いところを見せる方の勇次郎です。
刃牙は構えを解く。
そこまで言うなら何かやってみせろという慇懃なる態度だ。
何たるシツレイ!
だが、勇次郎は有言実行だ。ハッタリは言わない。
……言わないよね?
「見逃すな……」
「象形拳の 理想型」
そう言って勇次郎は構えを取り始める。
結局、象形拳か?
これには刃牙も「モノマネじゃん!」と突っ込む。
気安い口調が今の範馬親子の距離を象徴している、気がしなくもない。
まぁ、遠くても煽り合うからこれで距離を察することは難しいのだが。
勇次郎は手の甲同士をぶつける。
その瞬間、周囲を圧倒するオーラが出た。
人々は悲鳴を上げる。
同時に皆目を見開く。独歩だって注目する。
[そこに居る者]
[全てが眼にした]
[象形拳の完成形]
「こいつは想定外だ…」
勇次郎が見せた真・象形拳に刃牙は狼狽する。
あの妖術師がこの分野で驚くとはただごとではない。
一体、勇次郎は何をしでかしたのであろうか。
対象を模倣するのが象形拳であり、同時に模倣は模倣の域を出ない。
ならば、模倣を越えオリジナルそのものの境地に達するのが象形拳の完成形なのだろうか。
そんなわけで勇次郎は完全に対象に成りきったのかもしれない。
まぁ、勇次郎ならやれてもおかしくはない。
それくらいは中学テニスだってやっているくらいですよ。
問題となるのは何を模倣したのかだ。
相手は自分自身、刃牙拳!
刃牙そのものとなった勇次郎に刃牙は未曾有の大苦戦をする。
相手は史上最強、ピクル拳!
自分以上のパワーを身に付け勇次郎は更なる進化をする。
相手は最弱なのに最強、ムエタイ拳!
……ムエタイ拳をやると勇次郎でさえ自爆しかねないか。
次回へ続く。
トリケラトプス拳は想像以上の破壊力だった。
止められはしたものの、これならピクルにも有効だったのかもしれない。
ティラノサウルス拳のペテンっぷりは何だったのか。
しかし、こんなものがあるならゴキブリダッシュを身に付けようとする必要はあったのか?
ゴキブリダッシュを見てゴキブリを連想していなかったし、イメージ力がいまいち足りなかったのかもしれない。
ゴキブリ象形拳をやっていたら……あるいは……
トリケラトプス拳はパワーによるものだ。
パワーでは勇次郎に勝てぬと踏んだためにスピードのゴキブリダッシュを採掘しようとしたのだろうか。
トリケラトプス拳は勇次郎に評価こそされど、ダメージを与えられていない。
である以上、ゴキブリダッシュを身に付けたのは狙いとしては間違っていないのだが……
トリケラトプス拳でも決定的なアドバンテージは得られなかった。
刃牙は暗雲が立ちこめてばかりだ。
やることなすこと全てが勇次郎に潰されている。
この調子で年末を迎えるんじゃないだろうな。
さらに勇次郎が追い打ちのように真・象形拳だ。
何をやられても積む気がしてならない。
ムエタイ拳以外ならどんと来い。
ムエタイだけは止めておけ。あとロシア。
ここでストライダム拳なんてどうだろう。
どこかで見ているストライダムが落涙することであろう。
手の甲をぶつけたのはAッCHIIの構えなのだ。
いきなり爆発した勇次郎を見りゃあみんな唖然とする。
アフロになった勇次郎が煙の中から現れれば絵としても美味しい。
お互いに笑い合って、親子喧嘩完結!
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