範馬刀牙 第202話 最大最後の宴



黒人ボクサー敗れる!
そんなことは置いておいて今回から新展開らしい。
アオリには「烈の戦いはこれからも続く!」と打ち切りらしいことが書いてあるくらいだ。
いいのか、それで。


「地上最強を目指して何が悪い…」

さて、地下闘技場の真ん中で大勢の観衆に囲まれながら徳川光成が語る。
やたらと元気がない病気の影響だろうか。
オリバにベッドごと運ばれて入場しているし、かなり無茶をしているのかもしれない。
おまけでガハッッッと吐血している。
その度に観客は大盛り上がりだ。

「全選手…入場…」

そう言って徳川光成は気を失う。
ベッドを持っているオリバがおろおろしている。
それに対して観客はさらに大きな歓声を上げる。
この血も涙もない盛り上がりには刃牙とて観客席で「ハハ…」と苦笑いをするばかりだ。

ともあれ、とんでもない急展開だが全選手入場だ。
やはり、徳川光成は第2回最大トーナメントを企んでいた。
否応なく盛り上がる。
でも、いつもと同じページ数なのが気に掛かるな。

「空手は体格でやるもの!俺よりも小さい奴は空手選手として失格だ!
 テンプレートの破壊力を見せてやる!神心会 末堂厚!」


早速入場するのは末堂だ。
テンプレートを頬張ってご機嫌である。
今更それが通用すると思ってるのか?
ご丁寧に空手選手と言われているあたり、抜かりがない。

「ボクシングこそ地上最強の代名詞!
 俺はチャンピオンでもなければプロボクサーでもないが地上最強になる!高山!」


初めて噛まれたボクサー、高山が入場する。
刃牙との戦いは戦いにすらなっていない。
多分、末堂よりも弱い。
その実力の真価や如何に。

「今日は腹痛はない!加藤への復讐準備は出来ている!
 神心会指導員高木だ!」


加藤に手を切り裂かれた高木が出てきた。
あの辺りが加藤の全盛期だったな。
全盛期を過ぎた加藤が相手ならば、高木でも勝てるか?
でも、今回のトーナメントに加藤は出場していないんだよな。
ドリアンとの戦いで男を上げた影響だろうか。

「レスラーとしては二流!付き添い役としては一流!
 プロレスラー久隅公平!」


猪狩のセコンドを務めていた久隅も入場した。
さりげなく地下闘技場で戦って敗れたキャラクターだ。
登場回数のわりに影が薄いと思う。
金的準備はいいか?

「勇次郎を目指す闘志 未だ尽きず!
 その執念を今宵見せつける!名参謀ストライダムが来てくれた!
 今回は爆薬はなしだ!」


伝説を作り上げた男、ストライダムも第2回最大トーナメントに出場だ。
爆薬なしらしく素手による入場だ。
だが、プロテクターはしっかりと装備している
試合開始まで脱ぎ捨てるのか、あるいは…

「中国四千年の汚点!今日こそ払拭出来るか!
 中国拳法 張だ!」


中国武術の汚点とも言えるのが張だ。
あの花田に敗れたのだ。
烈が近くにいたら間違いなく転蓮華の刑を食らっていたことだろう。
でも、花田には範海王でいい勝負に思えるから怖い。

「勝負などもはや不要!解説があればいい!
 武道家の真髄を見せてやる 本部以蔵だ!」


ここまで豪華な人選になったからにはこの男は外せない。
懐に日本刀と分銅を携えての入場だ。
真面目にやる気があるのか?
もはややけっぱちな空気が入場だけで漂ってくる。
それだけに期待が大きい。

「職業不良の頂点を極めに来た!
 くるぁ!内藤さんが現れた!」


100人の不良の中でもっとも最初に倒されたのが内藤さんだ。
この内藤さんはよく見ると拳にバンテージを巻いている。
実はボクサーなのかもしれない。
だとしたらボクサー敗北の歴史は根強いものだな。

「刃牙と名勝負を演じた男!その実力を地下闘技場で試す!
 伝統派空手 西田徹!」


とある本では刃牙と西田徹の戦いは5本の指に入る名勝負とされている。
隠れた名勝負を演じた闘士故に今こうして地下闘技場に立ったのだろう。
隠れすぎている気がしないでもないが。

「ヘヴィ級ボクサーの行く末はこの俺が決めた!
 ヘヴィ級ボクサーチャンピオン トミー・カービンの入場だ!」


24戦24勝24KOと経歴だけなら烈が倒した黒人ボクサーよりも上なのがトミー・カービンだ。
そのトミー・カービンですら花山にあっさりと負けた。
ボクサーの立ち位置などそんなものなのだ。

「ムエタイの起源はこの男だ!全てのムエタイの源流はこの男にある!
 足だけじゃなく肘も武器するムエタイ センサラックディーノイ!」


バキに初めて現れたムエタイ使いがこのセンサラックディーノイだ。
特筆すべきは肘を唯一使ったムエタイ使いであることだ
他のムエタイは肘を使わない。使う前に負けている。
ディーノイは最初のムエタイにしてもっとも健闘したムエタイなのだ。

「本部流柔術だけが柔術ではない!海外で鍛えられた柔術の新たなる歴史を見せてやる!
 グラッシー柔術 ロリオン・グラッシー!」


かつて勇次郎に敗北した柔術使い、ロリオン・グラッシーも地下闘技場に足を踏み入れる。
ロリオンもまたヘヴィ級ボクシングのチャンピオンを屠っている。
…ヘヴィ級チャンピオンってとんでもなく安売りされているんだな。

「少林寺ではない!あくまでも小林流!
 飛燕と称される拳技の全貌が明らかになる!
 小林流 知念!」


紛らわしさに定評のある小林流の知念の入場だ。
いい面構えをしている。
勝てるかどうかは定かではないが、いい面構えだと思いたい。

「ジャガられに来たのか?否!蹴り殺しに来た!
 素手のムエタイ ムエカッチュアー ジャガッタ・シャーマン!」


試合をするまでもなくやられたムエタイ戦士、ジャガッタ・シャーマンの復活だ!
ちょっと猫背なのはジャガられた後遺症が残っているのだろうか。
よく見ればピクルに似ている気がしなくもない。

「ボクシングなど所詮かませ犬!
 我々の研究にミスはない!テコンドー李猛虎!」


アイアン・マイケルが唯一勝つことが出来たのが李猛虎だ。
逆に言えば李猛虎にしか勝てなかった。
勇次郎にいの一番に突っ込んだ男のため、勇気だけはそれなりにありそうだ。

「ルールのある試合なら勝っていた!それを証明しに来た!
 ムエタイ デントラニー・シットパイカー!」


ムエタイの起源がディーノイならば、ムエタイの何たるかを決定づけたのがデントラニー・シットパイカーだ。
以後のムエタイ戦士は必ず週殺している。
かませ犬としての歴史は彼のおかげで完成したと断言出来よう。

「デカアアアアアイ!それしか説明不能!
 アンドレアス・リーガンが再び舞い降りた!」


巨漢の起源が末堂(中略)アンドレアス・リーガンだ。
刃牙に敗北したことを考えれば、相手が他の格闘家ならば善戦出来たのかもしれない。
でも、タクタロフに瞬殺されてたな。
ダメじゃん。

「試合時間ならば俺が最速だ!
 キックボクシング ロブ・ロビンソン!」


最大トーナメントで試合時間がもっとも短かったのは、間違いなくロブ・ロビンソンと猪狩の試合だろう。
恐ろしいくらいあっさりと勝負が決まった。
あそこまであっさりと負けてもいいのだろうか。
その後も負け癖がついたのか、勇次郎にもドイルにもあっさりと負けている。
今回もあっさりと負けてしまうのか?それとも勝つのか?

「ロシア人×トロッコ×ブリザード!最強の解答完了!
 サンボのセルゲイ・タクタロフだ!」


ロシア人って吹雪とトロッコが好きだよね。
そう思ってしまうのはタクタロフとガーレンのおかげだな。
あいつら、何であんなに吹雪とトロッコが好きなんだろう。

「ヒャいいい!人間じゃねえ!
 伝統派空手 栗木拓次だ!」


試合をせずに敗北した男、栗木拓次の登場だ。
あの独特の悲鳴は今もファンの心に残っている。
明らかに人間じゃない夜叉猿を人間じゃねえと言及したことも彼のポイントのひとつだ。
あれが人間のはずないだろう。

「デフレーションの時は終わった!今度こそインフレーションが訪れる!
 ロシアの死刑囚 シコルスキーだ!」


死刑囚デフレスパイラル最大の被害者、シコルスキーが現れた。
冷静に考えればそれなりの実力の持ち主…のはずなんだよな。
入場してきたシコルスキーは股間を押さえて頼りない。金的の恐怖心を克服出来ていない。
これは下克上が起きてしまうか?

「あの公園の出来事は忘れた!外伝の空道の堕落も忘れた!
 全てを忘れ去り本部に勝つ!
 空道から柳龍光だ!」


刃牙に二人がかりで負け、本部にも負け、唯一の美点と思われた毒手も李海王に奪われ、
おまけに外伝で空道の扱いがひどかった悲しき戦士、柳龍光も登場した。
本部に切り落とされた片手は戻っていない。
このまま、戦う気か?
この人は多分隻腕というオリジナルを見つけていない。

「殺す気でやる!それがこの男なりの敬意!
 デイヴの参戦だ!」


Jr.に一蹴されたデイヴもこの夢の舞台に舞い降りた。
相変わらずもさもさと胸毛が生えている。
胸毛を生やしている格闘家は弱い。
デイヴはこの法則を久しぶりに思い出させてくれた男だ。

「打岩ならば烈海王にも負けはしない!
 打岩で育った次期海王候補 張洋王!」


海王候補…強いと思ってしまった時期が俺にはありました。
だが、張洋王は病気中の刃牙に惨敗してしまった。
でも、海王候補生だから一応は強いはずだ。
打岩ならば劉海王以上!
ただ海王の信頼性も下がりに下がっているんだよな。

「ダイヤモンドはこの男を形容した言葉だ!
 この肉体は砕けない!金剛拳 楊海王!」


タフネスのみ特化した大道芸的な拳法が金剛拳だ。
何故にあそこまで打たれ強さを求めたのか、常人には理解しがたい。
肝心の攻撃力はドリアンを完全に倒すに至っていないことから微妙であることがわかる
攻撃力は置いておいて、今度こそ打たれ強さを大々的に披露することになるのだろうか。
今度こそジャガられるだけじゃないぞ。

「四肢の長さこそ格闘技の強さ!
 巨躯という名の才能を見せつける!竜王拳 除海王だ!」


巨漢の信頼性が低くなった頃合いに満を持して現れたのが除海王だ。
期待に応えるように見事に金的で負けた。
実力ならば大擂台賽に出場した海王の中では底辺だろう。
だが、この面子ならばあるいは…

「その真髄!未だ見えず!
 本邦初公開!受柔拳 毛海王」


ふっくらとした体形の毛海王が入場した。
バキ世界には珍しい体形のため、どんな戦い方をするのか気になる男だった。
だが、結果は試合せずに負けるという無残なものだった。
正直、真面目に戦えば範海王よりは強かったと思う
いや、範海王のイメージが悪すぎただけだが。

「ムエタイの歴史は中国四千年にも認められた!
 ムエタイと中国武術のハイブリッドファイター サムワン海王の来襲だ!」


「バキ」における最大のかませ犬、サムワン海王が再び現れた。
かませ犬と言えばサムワン海王だった時期があった。
歴代かませ犬の中でもベストオブベストとも言える貫禄と実績がある。
その実力が発揮されるのか?
これで勝とうものならバッシングどころではない。

「その間実に二秒!郭春成!」

それだけかよ!

「人間だけが最強の資格を持っているのではない!
 この俺もまた最強を試せる!シベリアトラだ!」


かませ動物のベストワンと言ったらこのシベリアトラだ。
北極熊でさえシベリアトラには適わぬだろう。
もはや人間ではないが関係ない。
動物とて最強を目指すのだ!

「路上に放たれたドーベルマン!
 大学生活は趣味!喧嘩は仕事だ!剣持武志の推参だ!」


ピクルに挑んだ現代の戦士の一人、剣持武志が現れた。
ピクルを習ってか、フンドシで出場した。
内藤との不良対決が期待されるところだ。

「敢えて言おう!彼こそが完成系であると!
 踏みにじられてきた男の反逆が始まる!今大会は彼のために開催された!
 あのアイアン・マイケルが来てくれた!」


そして、最後を彩るのがご存じアイアン・マイケルだ。
「バキ」を代表するのがサムワン海王ならば、「範馬刃牙」を代表するのがアイアン・マイケルだ。
それほど彼のインパクトは強い。
それ故に何度も弄られてきた。何度も弄られてポイ捨てされた。

こうして全32名が出場し、第2回最大トーナメントが行われることになった。
異常に豪華なセレクションだ。
逸材が集まりに集まったオールスターである。

次回、トーナメントの組み合わせが発表されるらしい。
誰と誰が戦っても名勝負になりそうな豪華なトーナメントだな。
そして、誰が勝ち残るのか、まったく予想が出来ない。
あと5年はこの面子で戦える。
次回へ続け。



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