刃牙道 第33話 ツイてる



早速、武蔵がやってしまった。
国家に喧嘩を売ってしまったよ。
警察をやっつけるのはあかんな。
警察に喧嘩を売った格闘家は意外といない。
元からアウトローの死刑囚くらいか。
警察ではなく足軽を名乗っていたら武蔵に理解してもらえたかもしれない。


さて、武蔵はひとまず置いておいて大敗を喫した刃牙である。
刃牙は帰路に就いていた。
武蔵に斬られたダメージを思い起こしながら改めて武蔵と立ち合ったことに驚く。
同じく過去の人であるピクルの時はそんなでもなかったのに武蔵は大ビックリですな。
無名の原人と伝説の剣豪では後者が上か。
ありえなさはピクルの方が上なんだけど。

刃牙は徳川光成から武蔵復活の真相を聞かされていた。
クローンだったことも語られたようだが、今ひとつ理解には至っていない。
刃牙自身は無教養だからと言っているが、読者も丸々1話使って説明されてもわからなかったので致し方あるまい。

なお、刃牙は外国ではちゃんと英語で喋っている(オリバ刑務所編では横書きである)。
なので、決して無教養ということはないんじゃないだろうか。
語学と科学は別物だしクローンの話を理解できなくても仕方ないかもしれないが、この歳で外人と意思疎通できるくらい喋れるなら十分立派だ。
こうしてたまには刃牙を褒めてみるのだった。

「理屈はともかく………」
「ハッキリしてることがある」
「宮本武蔵と立ち合った証拠(あかし)は五体に刻まれている」


刃牙は理屈よりも痛みを優先した。
鞭打を知った上で受けただけのことはあるな。
勇次郎の時は期待さえしていたしさすがはマゾである。(範馬刃牙第253話
素手で斬られるという今までにないダメージなこともあり、武蔵ならではのオリジナルを味わえたか。

「「最強」の概念はあの人から始まってる」

アンタもそれを言うか!(第10話
この発言の真意は未だに明らかになっていない。
武勲だけなら武蔵の他にも最強とも言える人物は幾人かいる。
三国志で有名な呂布とか。戦国時代なら本多忠勝もだ。

その上であえて武蔵を元祖最強とする理由は何か。
やっぱり、地下闘技場の初代チャンピオンなのか?
それで初代最強なら遠大な伏線回収に成功なのだが。

「10年以上もかけて身に付いた能力(オリジナル)………フフ………アッサリ言ってのけるぜ…」

刃牙は青竹をバラバラにする握力に0.5秒先を見通す(という解釈でいいのか?)予知能力を思い返す。
前者はともかく、後者に関してはけっこう尾を引いている。
0.5秒の領域を体得しているのは刃牙と勇次郎の2人だけだった。
そんなレアアイテムを簡単に使われたらたまったものではない、ようだ。
武蔵にこの技術を使われた以上に、身に付けて当然と言われたが驚きの根源となっているか。

思えば刃牙のオリジナル技である剛体術にリアルシャドーは他に使い手がいない。
存外、自分の技をパクられるのに慣れていないのだろうか。
刃牙本人は他人の技を散々パクっているけど。
本部の解説もパクったらどうだ? ん?

なお、0.5秒についてだが「身に付けた」ではなく「身に付いた」と言っているのが地味なポイントか。
意図して身に付けたものではなく、戦ったり鍛錬していくうちに自然と身に付いたものらしい。
刃牙をしても偶発的にでなければ体得できない類の技術なのだろうか。

「武器を常に身に帯びていた彼の時代………」
「「勝負」の重さは現代(いま)の比ではない」
「敗北はそのまま「死」」
「下手すりゃ比喩じゃなく首が飛ぶ………」
「そりゃ「予知能力」の一つや二つ 身に付こうってもの」


敗北=死の時代だったために読みが鋭くなったというのが刃牙の考えだった。
刃牙もまた命を賭けて戦っている身ではあるが、常在戦場とまではいかないのか。
である以上、戦いに向ける緊張感は武士と比べると若干軽くても責められまい。
思えば戦場で戦ってきたガイアも同系列の技術を身に付けていた。
これは刹那で命が揺らぐ環境で生きることで磨かれる技術か。

そんな過酷な環境で戦ってきた男たちのトップが武蔵である。
刃牙の一手先を行く読みを見せてもおかしくはない。
だが、一手で勝負が決まるからこそ一手先を見据えた駆け引きは刃牙にもあると思うがどうか。
伝統派空手の時のようにラッシュで勝負してみてはいかがか。

「ツイてる………」
「滅茶苦茶ツイてる!!!」


意外! 刃牙が伝説の強者の降臨を喜んでいる!
勇次郎との決着を付け、人生の目標を失って階段駆け下りとかアクビ試合とか投げやりな毎日を送っていた。
刃牙はもう惰性でのみ生きているかと思った。
だが、強者との邂逅を喜ぶ心意気が残っていた。
こいつ、もしや主人公なのか?

最初はやる気がないのが刃牙の恒例である。
とはいえ、死刑囚編や擂台賽編は常時やる気がない感じだった。
Jr.編はガチでやる気がなかった。
オリバ刑務所編やピクル編は何やかんやでけっこうやる気出してたな。
オリバ刑務所編は空振り気味だったけど。
というか、刑務所で戦った相手が看守とオリバだけってどうよ?

だが、今回は最初から煮えたぎっている!
武蔵へのリスペクトによるものか?
まぁ、よくよく考えるといきなり原人が蘇っても普通反応に困るもんな。
伝説クラスの有名人が蘇るとなると目標を想像しやすいしテンションも上げやすいか。

「原子の太古からピクルという奇跡がやって来た」
「そして今また戦国の世から「最強」が俺達の前へ」
「理解(わか)ったよ……」
「もう理解(わか)った……」
「時代が……」
「法則が……」
「神が……」
「人類史最強を決定(きめ)ようとしている!!!」


原始時代最強が蘇った。戦国時代最強も蘇った。
今こそ人類史上最強を決める時!
って、またか! 昔に同じようなことを言ってたな!(範馬刃牙第138話
あの時は人類史最強決定戦は有耶無耶になってしまった。
だが、今度は武蔵までいる。
今度こそ本当に人類史最強決定戦が始まるのか。
千春が水を差すことはないのか。

刃牙道になってからちっとも話題に上らなかったピクルだが、ちゃんと刃牙に覚えてもらっている。
現代でどう生活しているのかさっぱりだが、この戦線に割り込んでくるのだろうか。
過去の最強同士の激突は盛り上がりそうだ。
上手く本部は解説役として割り込んで差し上げろ。

さて、そんな武蔵さんだが警察にひどいことをした。しちゃった。
当然、他の警察は黙っていられない。
すかさず2人がかりで拘束しようとする。
それを投げる! 金的! って、金的するんだ!
武蔵は金的の強さを知っとるぞい。
こいつは現代の戦士たちの睾丸が心配だ。
刃牙も食らっとくか? ある意味、気持ちいいぞ?

「ただでは済まないぞ!!!」

やがて現代に生きる武蔵を格闘家たちも知る……
空前絶後の戦線を想像して刃牙は歓喜しているのか。
盛り上がる展開なのだが今実に33話。
もうちょっと、その、早う戦ってくださいまし。

さて刃牙が脳裏に浮かべた格闘家はまず勇次郎だ。
現代最強と言えば勇次郎である。欠かせない存在だ。
武蔵だけでなくピクルとの戦いも待ち遠しい。

次は渋川先生である。
危険さえも見切る読みの鋭さならば武蔵といい勝負かもしれない。
意外と武蔵と水域が似ているだろう人物だ。

外伝が再開される花山も出てくる。
外伝で忙しいと本編には出てこないのが花山だ。
思えば勇次郎に喧嘩を売ったのも本編で長期休業する前触れかもしれない。

最古参格闘家の独歩も出てくる。
人気はあるものの「範馬刃牙」以降、まともに戦っていないだけに出番に期待される。
暴漢や船井零と戦ってどうする。
独歩も武蔵と水域が似ていそうである。

人気キャラかつ壮絶な放置プレイ中の烈も脳裏に浮かべる。
ボクシングによってさらなる境地に達した中国拳法が炸裂するか?
武蔵よりもボクシングだとボクシング編続投か?
ボクシング編、ホントどうなるんでしょうね。

若手の期待株、克巳もいるぞ。
かつての氷河期はどこへやら。
今では片腕でも期待できる逸材である。
片腕ならではの空手+より実戦的になった真マッハ空手は見てみたいところだ。
戦国の武術VS近代体育は盛り上がりそうだが、近代体育って凄い弱そうな響ですな。

そして、最後に背中を向けた謎の男がいる。
このウェーブのかかった髪型は一体誰なのだろうか。
新キャラか? 新キャラですか?
本部以蔵という単語を思いついたが、まさかあの本部なのだろうか。
何でこんな実力者ぶっているのだろうか。
そろそろ許してたもれ。

というか、てっきり気の迷いと思った本部参戦疑惑だが、
ここで出してくるということはよっぽど本部を戦わせたいらしい。

人類史最強決定戦に割り込むか。
本部さん、刀で戦ったからね。武蔵にピッタリだね。
本身で斬りかかって武蔵の幻影刀でやられたら完全にピエロだが。
まぁ、ピエロなのはいつものことだ! 戦いたくなくても、戦え!
次回へ続く。


人類史最強決定戦開催……なるか?
最近、特に展開が遅い。
感想ネタだってなかなか引き出しにくい。
決定戦開催に伴い早くなれば万々歳ではあるのだけど。

そろそろ他の格闘家たちと武蔵の邂逅が行われそうだ。
バキシリーズと言えば刃牙以外の格闘家の試合が盛り上がるのが常だ。
刃牙は主人公補正では言い表せぬおぞましい何かを身に纏っているのがあかんな。
具体的には妖術。

今回、刃牙が脳裏に浮かべた格闘家はいずれも大物だ。
背面だけ見せた謎の男、本部以蔵もいる。
武蔵とどんな化学反応を起こすのかは期待できる。
でも、格闘家はたくさんだけど武蔵は1人なんだよなー。
ピクルの時もそうだけど期待できる人材がいても、それを処理仕切れない可能性がある。
昂昇・寂海王・ガイアの戦いはけっこう期待したのだが。

そんな引く手数多な環境に身を投じたのが謎の男こと本部である。
コイツ、死ぬ気か?
だが、本部は柳戦を見る限り、かなりのデンジャラスな男だ。
刀を持って斬りかかるだけでなく、それを投げつけて機先を制する、躊躇わず手を切断するなど、
どこの戦場に生きたかと言わんばかりの覚悟のキメっぷりである。
命のやりとりをして生きてきた武蔵にこれほど相応しい相手はいない。

武蔵と同じく生死の境目にいたという点ではガイアにも期待できる。
武蔵が戦場(いくさば)に生きたのならガイアは戦場(せんじょう)に生きたのだ。
戦国と現代の戦場対決である。
卓越した読みという共通点もあるからマッチメークとしてはぴったりだ。
命のやりとりをして生きてきた武蔵にこれほど相応しい相手はいない。
ごめん、本部。アンタ、力不足だ。

しかし、さっくりと忘れられたジャック兄さんには哀悼の意を表したい。
刃牙としては本当に格闘家として終わったらしい。
無駄に背を伸ばそうとしているし最近のジャック兄さんは落ち目だな……
今のジャックが行うべきは骨短縮手術だ!

ジャックは落ち目だからこそ本部が復活するための生け贄として捧げられたりして。
注目するべきは武蔵が誰と戦うかより本部が誰と戦うかかもしれない。
範馬一族が無理ならムエタイでもええよ。
……ムエタイにさえ負けそうなのが本部なんだよなー。




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