範馬刃牙 第168話 初対決
刃牙が合体恐竜に変化した!
イメージだけ!イメージだけは恐竜!
そして、イメージだけで押されるピクルであった。
3D眼鏡をかけるとさらに迫力アップかもしれない。
[こんな怪物 見たことないッッ]
こんな変態も見たことがないが、今の刃牙は3種の恐竜が合体した未知の生物だ。
恐竜知識が豊富なピクルだからこそ、刃牙の見せたイメージに驚愕しているのだろう。
恐竜知識に乏しいアイアン・マイケルだったら驚きもしませんよ。いや、普通に驚いて冷や汗と出血するか。
ここまで来たらいっそのこと、ピクルは快楽に弱いとか言ってヨガリウオ拳をやればいいのに。
一見弱そうだが噛みつけば強いぜ。
ピクルが一瞬で快楽に溺れる!
そのためにもまずはフンドシを陥落させるところから始めようか…
牙・尾・脚・角・翼・爪…ピクルが戦ってきた強敵の特徴を全て刃牙は兼ね備えていた。
イメージだけ。うん、イメージだけ。
ティラノサウルス・トリケラトプス・プテラノドン…ピクルにとって、一頭だけでも十分に強力らしい。
そいつらが集まれば強いぜ!イメージだけは。
その傷のない身体から恐竜をそれなりに楽に倒してきたように思えたピクルだが、実際のところはけっこう苦労していたようだ。
白亜紀闘法を繰り出すくらいだし、毎回毎回全力全開で戦っていたのかもしれない。
それほどの強敵が(イメージ的には)同時に襲い掛かってくる…ピクルが及び腰になるくらい戦慄するのも必然か。
そんな恐竜に化けるなんて、ピクルの戦いを冒涜するにもほどがある。
及び腰になったピクルに刃牙が駆け出す。
もうダメージは回復したのだろうか。
ここまで時間稼いだんだから回復していろよ。
根性見せろ!
[来る…!!]
[牙(イタミ)が……ッッ][角(イタミ)が……ッッ]
[爪(イタミ)が……ッッ][嘴(イタミ)が……ッッ]
[いっせいに……!!!]
いや、別に牙も角も爪も嘴もないけど、イメージ上はあるんです。
かつて受けた痛みをリアルに思い出す。戦慄する。
痛みを恐れるとは何と惰弱なッッ。
ピクルは痛みに耐える精神がない…痛みに負けたらファイターとして失格だ。
刃牙は痛みに耐えるどころか歓迎する精神力を持つ。
刃牙の方がファイターとしてよっぽど純粋なのだ!
ごめん、嘘。
しかし、ピクルさんよ。
アンタ、ティラノサウルスの尻尾並みの破壊力を誇る真マッハ突きのダメージを即克服していたじゃないか。
痛みはあってもそれを克服出来る子なんです。
やれば出来る子なんです!殺れば出来る子なんです!!
だから、一発くらい本気のアッパーをだね…
(天才と言う他ないここまでの展開…ッッ しかし――――ここからどうする!!?)
烈はここまでの流れを天才と評価した。
…あー…うん…たしかに天才かもしれない。
一切の真っ向勝負を避けながらも、ピクルを十分以上に威圧しているのだ。
見事な戦いの組み立てだ。自殺など見せ場も欠かしていない。
どちらかというと詐欺の天才という感じだけど。
だが、いざ真っ向勝負となると不安だ。
今までのは全てペテン同様のものだ。
ピクルに決定打を与えるための武器としては不足というより他ない。
カスリパンチや鞭打はともかく、恐竜拳とかペテン以外の何でもない。
(現実の刃牙さんの体重は――――)
(恐竜の100分の1以下!!!)
体重の問題か?
体重なら少ないで済むが、ピクルが誤解している牙や爪はそもそも持ち合わせていない。
刃牙、ピンチだ。ピンチかも。
いや、特訓なしでピクルの前に立ったこと自体が誤りか?
ここに来て再び立ちふさがるのが体重問題だ。
ピクルは恐竜を倒してきた→だが、人間は恐竜よりもずっと軽い→つまり、攻撃は通用しない!
でも、その恐竜を倒してきたピクルだって体重はずっと軽い。200kgですよ。
じゃあ、体重の意味ってあんまりないんじゃないか?
そう思ってしまうのが素人である。
ともあれ、烈には体重が足りないから十分な打撃を生み出せないんじゃないかという危惧があった。
まぁ、範馬の筋力は体重とは無関係なので、余計な心配だと思う。
ジャックに関しては血が薄いからしょうがない。
刃牙は刃牙で相当の不純物が混ざっている気もするが。
刃牙は両腕を広げピクルに襲い掛かる。
そのイメージはティラノサウルスの牙だ!
どうやら、恐竜象形拳はハッタリはハッタリでもただのハッタリではないらしい。実戦に活用出来る技術のようだ。
両手を牙に見立てて攻撃を仕掛けるのだろうか。
手はどうやっても牙にはなれないが、刃牙にはきっと作戦があるのだろう。
太ももを両手でつねったりすれば大ダメージだ。これぞティラノサウルス拳!
…ショボいな。
刃牙はピクルの手首を両手で掴む。そして、捻り上げる。
ピクルは手を噛まれたような錯覚を覚える。
餓狼伝で足首を捻られた時に、鉄パイプが足首を貫いたような描写が行われた。
どうやら手首足首を捻り上げられる痛みは何かに貫かれる痛みと似通っているらしい。
刃牙は手首を捻るだけではない。さらにピクルが宙に浮き上がり回った。
刃牙は力でピクルを投げ飛ばしているわけではない。合気の一種だろうか。
技術も超一流なのが刃牙であった。
相手の力を利用する合気なら体重も関係ない。十分な有効打となりうる。
そんなわけでティラノサウルスのように攻撃するのではなく、
ティラノサウルスに攻撃されたように錯覚させるのがティラノサウルス拳だった!
実態は合気です。
とんでもない詐欺象形拳だよ!
…他の恐竜象形拳も似たような原理なのかな。
[いかに“白亜紀”最強とは云え]
[こと“格闘技”においては素人同然]
[その激痛(いたみ)をT-レックスの牙に錯覚するのも無理はなく]
今更そこに触れるのかよ!?
格闘技を知らないという弱点は既に通り過ぎたと思ったら、実はまだ弱点のままだったらしい。
力ではなく技術でダメージを与える…そんな攻撃にピクルは弱いのだった。
そのことに烈や克巳が気付いていれば…
真マッハ関節技を使っていれば勝っていたのかもしれない。原理は知りません。
…マッハ突きを克巳に推奨した烈は大失敗だ。
刃牙の合気にギャラリー一同は感心する。
パワーが足りていなければパワーに頼らなければいい。
逆に言えば刃牙は脇からばかり攻めている。
もっとも、勇次郎でさえ力負けする存在が相手なのだ。
脇から攻めなければやっていけないのだろう。恐竜象形拳は脇過ぎたと思うが。
ティラノサウルスに噛まれたのかとピクルは唖然呆然とする。
でも、手首は一見何ともない。それがさらに混乱を巻き起こしてしまう。
ダメージ自体は真マッハ突きには劣っているに違いないが、今のピクルは精神的に追い詰められている。
ダメージが割り増しになっていることだろう。
「ヘイッ」
弱った相手を狩るのも刃牙の仕事だ。
混乱するピクルに突進を仕掛ける。
今度はトリケラトプスのイメージが浮かび上がる。トリケラトプス拳だ。
多分、トリケラトプスのように攻撃するんじゃなく、トリケラトプスに攻撃されたような錯覚を思わせる。
トリケラトプス拳はそのまま突進する技なのだろうか。
まぁ、それはトリケラトプスのフリだけで、真の狙いは違うのかもしれない。
トリケラトプスの武器は角…そんなわけで貫手をぶちかますのだ。
これはまさにトリケラトプスの角!とピクルは勘違いする。
…ダメっ娘だぁ…
ピクルの顔はダメっ娘モードの冷や汗だらだらだ。
恐竜象形拳に完全に翻弄されている。
これはトリケラトプス拳も直撃してしまいそうだ。
数々のステータス低下魔法で能力値を下げ、ダメージを与えるのが刃牙の狙いなのだ!
セコい!
(刃牙さんッッ それはヤリ過ぎだッ)
(思い上がるな刃牙…ッッ)
だが、創作象形拳2発目にしてダメ出しを受けてしまった。
ダメ出し速ェよ!
思い上がるなとかもっと速く言ってもらいたかった。具体的にはピクルに蹴られたあたりで言っておくべきだったかと。
これが刃牙に対する(悪い意味での)信頼ということなのか?
正面突破は無理だと思われているらしい。正面突破するとも思われていない気がする。
[どの好敵手(ライバル)とて出逢ったときには初対決……!!!]
[初対決は…ッッ]
[初めてではない!!!]
だが、ここでピクルは真理に気付く。
ピクルにとって合体恐竜刃牙は初めて戦う未知の生物だ。
今までに味わったことのない未知の攻撃も行ってくる。
しかし、こうした体験は初めてではない。
現代だけでなく白亜紀においても、そんな場面を潜り抜けてきたはずだ。
だから、こうして史上最強の男として存在している。ピクルが強いのは経験があるからではない。強いから強いのだ。
その強さを発揮すれば刃牙など恐るるに足らずだ!
ピクルは闘技場の柵に両脚を付ける。一瞬だけだが地面とは平行に立った。
これはもしや白亜紀闘法か。この体勢から行うことは、当然のように刃牙への突進だろう。
騙されていたがピクルの突進VS刃牙の突進では、ピクルの方が圧倒的に有利だ。
というよりもそういうシチュエーションにならないよう、小細工をしていたのが刃牙である。
しかし、ピクルは迷いを吹っ切って目覚めた。
相手が合体恐竜だろうと構わずに突っ込む!
それがピクルのストロングスタイルであり、必勝法なのだ。
変形型ピクルタックル…サイドピクルタックルが炸裂するのか?
ギャラリー一同が閃光に包まれる。ピクルの超パワーが炸裂したのは間違いない。
ついにピクルの本気が刃牙にぶつけられる時が来たかもしれない。
…刃牙が相手だから不安だが。
次回へ続く。
刃牙に翻弄され続け情けない姿を見せてきたピクルだが、やっと刃牙のトリックを見破った。
いや、トリック自体は見破れていないけど、トリックに囚われず普通に戦うというのが最高の刃牙クラッシュ作戦だ。
見破ったも同然であろう。
ついに刃牙のメッキが剥がれる時が来るのだろうか。
まぁ、刃牙のメッキは多重構造になっていそうだから、剥がすのに苦労しそうだけど。
刃牙はピクルタックルを破るのではなく流した。
そんなぬるいことをやった報いが来ようとしている。
タックルをモロに受けて廊下まで吹き飛んでしまえばいいんですよ。
そう来ると思ったよ…とか言って、カウンターをやってのけると嫉妬MAX。
ピクルタックル?にトリケラトプス拳は敗北するだろう。
間違いない。勝てる方がおかしい。
せいぜいかわすのが精一杯に違いない。
正面衝突で刃牙が勝てる可能性は存在しない。勝ったらチャンピオンを引き裂くくらいのインパクトですよ。
刃牙は吹き飛ばされて瀕死になると見るのが妥当だ。
そうなったらどうするのだろうか。
刃牙は合体恐竜を見せておきながら結局それぞれの恐竜を個別に使っている。
じゃあ、今度こそ全てを合体させてみてはどうだ。
プテラノドンのように飛び、トリケラトプスのように突進しながら、ティラノサウルスのように噛みつく(ようなダメージを与える)!
耐性のついたピクルは対空ピクルタックルをして、刃牙はマッスルリベンジャーよろしく何度も浮き上がる。
瀕死になったら瀕死になったで、1回目の飛び降りに逆戻りだ。
ピクルはやりすぎたと思って刃牙を労ってくれるかもしれない。
そして、放つのは安全パンチ…刃牙がキレてもう一度飛び降りる。
こうしてダメージが回復していないのでそのまま病院行きと相成る。
…いや、妖術師に手心なんて不必要だから、思い切って食ってやってください。
食われずに済むなんて思っていないだろうな?
いっそのこと、ピクルタックルも合気で跳ね返してみるか?
ものすごい馬力って感じにピクルが飛ぶ。
多分、ダメージにはならないけど、ピクルは完全な妖術師だと再び驚く。
こうして戦いはループするのだ。
普通に止めてください。
でも、合気はピクルだって使える(第112話)。
実戦使用はまだだが、コツを掴めば出来そうだ。
同じように刃牙の使う技をピクルは学習するかもしれない。
ピクルの知らない格闘技の技術で翻弄する刃牙だったが、ピクルが学習すれば優位性は一気に変わる。
ピクルほどのパワーで鞭打を行えば肉がちぎれるってレベルじゃない。
いや、あのだらけた表情で脱力するのはピクルには難しそうだけど。
また、技術を使うようにならずとも、対策は出来るはずだ。
そうすると恐竜象形拳を普通に破れる気がする。
刃牙には悲観的要素しかない。
もっとも、特訓も何もしないのに楽観的要素に溢れているのも困るのだが。
ピクルが刃牙に惑わされるのを止め、正面から戦おうとしている。
刃牙がやられてもっとも困ることだ。
どうするんだ、刃牙。鬼の貌を出したらやり合えるぜ!とかは勘弁して欲しい。
何にせよ今度こそ刃牙はピクルと正面からやらざるを得ないだろう。
刃牙とピクルの決戦がついにやっと始まるのだ。
ここからまた時間稼ぎを出来たら普通にすごい。
すごすぎてがっかりだ。
そういえば、刃牙は勇次郎のリアルシャドーに成功している(バキ最終話)。
そんなわけで危なくなったら勇次郎拳をやってしまえばいいんじゃないか。
とりあえず、顔と台詞の真似は完璧だ!(第116話)
でも、勇次郎そのものにはさすがになれないだろう。
なれたらバキという物語そのものが終わってしまう。
そこでペイン博士拳はどうだろうか。
ペイン博士になって後ろから麻酔を打ち込むのだ。
勝利の鍵はペイン博士だったのだ。というか、ペイン博士は今何をしているんだ?
ピクルが本気を出したことだし、来週あたりには水を差しに来そうだ。
そして、あの少年がピクルに勝てるはずなどないッッと豪語する。大賛成だ!
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