範馬刃牙 第193話 イマジネーション



刃牙の代表的な悪行、リアルシャドーが行われようとしている。
妄想と戦う!
この自慰同然の行為で単行本ひとつを使った主人公を私は知る。
本人の希望のため、実名は伏せるが梢江とSAGAるという荒行を前提にこのリアルシャドーは実在する!


さて、刃牙は汗を流しながら佇んでいた。
ピクルと戦った時よりも汗を流している。
ピクルよりもリアルシャドーということかよ。
ずっとリアルシャドーしていればいいのに…

そうしているうちにやがてリアルシャドー勇次郎が刃牙の目の前に現れる。
カマキリやムエタイと違って生み出すのに時間がかかっている。
勇次郎級の怪物を生み出すことは、刃牙といえど容易なことではないらしい。
この苦労を別のことに回して欲しいと思うのは私だけではないだろう。

[存在しないものを――――]
[眼前(そこ)に ありありと創造(つく)り出す………]
[この少年の非凡性は―― まさにこの想像力にこそあった]


褒める部分はそこかよ!
そこを褒められてもな。
うまく応用すれば邪気眼だって褒められるぞ。
いや、たしかにリアルシャドーは凄い。
凄すぎてキモいくらいだ。ああはなりたくない。

しかし、リアルシャドーは想像というよりも創造の域に達している
非凡といえば非凡だが、行きすぎて非人間でもあるくらいだ。
これは範馬脳が為せる技なのだろうか。
普通の脳の人間にリアルシャドーをして欲しくない。

刃牙が創造した勇次郎は大きい。
刃牙の2倍近い大きさを誇っており、明らかに身長190cm以上ある。
体重200kgの勇次郎を創造しちゃったのか?
刃牙の妄想は留まることを知らない。

[――かつ この少年が稀少(ユニーク)なのは―――――]
[厳格(きび)しさにあった]


刃牙は想像上の勇次郎にさらなる脅威を求めていた。
噛ませ犬レベルのシャドーボクシングのように対戦者を都合良く解釈したりはしないのだ。
現実より厳しく、現実より大きく。
厳しい鍛錬があってこそ、実戦でそれが活きる。
考え方としては間違っていないが、やっていることは間違っている
範馬刃牙最終回は現実より強いリアルシャドー勇次郎を倒したから満足した!とかじゃないだろうな。

しかし、この厳しさが自己完結しているものなのが悲しいな。
すげえ想像をしてそいつに勝ったぜ!なんて言われても困る。
ナイトと忍者の信頼度は違いすぎたと体験を元に豪語してもネタにしかならないぞ。

さて、刃牙の妄想が完了したのか、リアルシャドー勇次郎が殴りかかる。
刃牙は冷や汗が天に向かって這い上がるほどに驚く。
妄想完了したのまでは良かったが、覚悟完了はしていないようだった。
本人の意識を飛び越え、一人歩きする妄想…恐ろしいものがあるな。
そのうち、人に危害を加えそうだ。

それに対し、刃牙はカウンターのフックを合わせようとする。
防御をまるで考えていない行動だ。
妖術など使わん!という心構えが見え隠れする。
いや、リアルシャドーそのものが妖術ですが。

同時に刃牙ハウスが揺れた。
それだけではなく近隣住民一帯が揺れたようだ。
住民曰く、震度3だ。
震度3…けっこうな揺れである
震源地である刃牙ハウスにいたムサシはチビるほどであった。
久々の失禁だな。失禁したのは犬だけど。
あ、刃牙の小便があったよ(第170話)。
あれを失禁に数えるべきなのかは微妙ですが。

さて、地下室で何が起きたのだろうか。
刃牙が壁に埋まっていた。
勇次郎のパンチ力は人を壁に埋めるほどの破壊力を秘めることは、郭海皇との戦いで証明されている。
同じように刃牙も埋まってしまった。
刃牙と勇次郎の力量差を物語っているようである。
ピクルだって刃牙を本気で殴れば同じようなことは出来たに違いない。

しかし、ものすごいマゾパワーだな。
刃牙は一人で後ろに飛んで壁に埋まったのだろうか。
それだけの脚力があるなら、もっといい方向に扱ってもらいたい。
…というのが、刃牙が自分でリアルシャドーの挙動を再現しているリアルシャドー自演説だ。

だが、それでは説明出来ない事象がリアルシャドーには満ち満ちている。
妄想カマキリに腕ひしぎをするなんて、いくら演技をしても不可能だ(第11話)。
しかも、その直後に投げ飛ばされている。刃牙単独の力では物理法則を歪めない限り不可能だ。
…というわけで、刃牙が実際に物理法則に干渉できうる存在を生み出し、それと戦っているのがリアルシャドースタンド説である。

リアルシャドースタンド説はリアルシャドー中の無茶な挙動のほぼ全てを解決出来る。
今回の事象もこれで考えると何ら不自然な点はない。
そんなことが出来る時点で不自然の極みだが、そこには目を逸らしておこう。
大丈夫、範馬脳なら出来るさ!

(想像…………… 以上だね…………)

刃牙、己の想像に敗北し地に伏せる。
想像したものに想像以上と言うのはどうかと思うが、勇次郎は刃牙の想像していた以上の強敵だった。
勇次郎への道はまだ遠い。
そう考えていた時期が俺にもありました。
圧倒的な力量差を見せつけられたというのに、よくわからないまま逆転しちゃったのがオリバやピクルの悲劇だ
よもや勇次郎も同じことに…

さて、場面は変わって徳川邸。
徳川光成は第191話で見せた大物ぶった仮面を外し、冷や汗だらだらのダメモードに移行していた。
目の前には勇次郎がいる。
そりゃあ冷や汗も流そうというものだ。

徳川光成が驚いていたのは勇次郎の言動だった。
どんなことを言ったんだ?
といっても勇次郎なら何を言っても人を驚かせることが出来る
ムエタイなんて三流格闘家、ロシア人など弱小民族など、そんなある種の一般常識を吐いても「〜〜〜〜ッッッ」と驚かせることが出来るだろう。
そんな勇次郎の発言やいかに!

「ちゃんと健康診断 受けてんのかと思ってな………」

え?これって死亡フラグですか?
何これ、怖い。
傍若無人な勇次郎が徳川光成に健康診断を受けているのかどうかを聞いた。
勇次郎らしからぬ他者を心配するような台詞だ。

普段、好き勝手やっている人がふとした拍子に優しさを見せる…
立派な死亡フラグだ。
子犬を助けるようなもんですよ。
連載史上、初めて勇次郎の生命が脅かされている。
如何に勇次郎といえど、死亡フラグが相手だときつかろう。
御老公も驚くってもんである。

一体、勇次郎に何があったのだろうか。
実は不治の病だったりするのか?
死亡フラグを漂わせて次回へ続く。


刃牙はリアルシャドー勇次郎にボコられた。
勇次郎は死亡フラグを漂わせた。
前者はいつものことだ。刃牙はヒドイ目に遭って、やっとその価値が出てくるのだ。
だが、勇次郎の死亡フラグはどういうことだ。
刃牙は戦わずして勇次郎の死を見てしまうのか?
そして、想い出の中にあるリアルシャドー勇次郎と最終決戦をする…
ダメだな。

勇次郎の真意は一体何なのだろうか。
うっかり死亡フラグを漂わせたのだ。
並大抵のことでは回収できまい。

勇次郎が他の誰かにやられる、というのは想像出来ない。
それなら健康診断について問う必要はない。
やはり、病気か何かなのだろうか。
勇次郎は既に親馬鹿という重病にかかっているが、それはそれ。
若い頃から抱えていた病がいよいよもって本格的に肉体を蝕んできたとか。

でも、病に苦しむ勇次郎の姿も想像出来ない。
勇次郎は最強だから勇次郎なのだ。
ありとあらゆる困難にも屈しない。
銃器から化学兵器まで耐えうる気がする。
病にも負けることはないだろう。
病に負けたらバキ世界の最強は病気になってしまう。
オチとしてよろしくない。

勇次郎の考えていることはわからない。
勇次郎が漂わせた死亡フラグの意味もわからない。
だからこそ、大きな意味があるに違いない。
生まれて初めて健康診断をしたら範馬脳の持ち主と言われた、と自慢されると困るな。

何にせよここから先の展開が読めない。
話は進んでいないが展開が読めない。
いや、話が進んでいないからこそか?
このまま刃牙と勇次郎の戦いも破談になってしまいそうだな。
そもそも、勇次郎は刃牙と戦う気があるのだろうか。
刃牙を敗者認定してしまったし、あんまり興味がなさそうなんですけど…



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