範馬刃牙 第235話 眼突き
烈のターンかと思ったら刃牙のターンだ!
まさかの2回行動だ。
今回は合併号だし、烈のターンはしばらく先の話になる。
おのれ、刃牙め。
「外すなよ 千春さん」
「へ…… 初めてじゃねェ」
おそらくは4〜5mの距離で二人は対峙する。
遠い。
刃牙にとってはこの距離も間合いのうちに入るだろうが、素人の千春にとっては違うだろう。
ここは刃牙の距離だ。
流れる冷や汗の量は千春の方が多いことがそれを象徴しているように思える。
だが、二人が背負っている状況はそれとは異なる。
目潰しを実行しようとする千春、それを受けようとする刃牙…
抱えた状況の優劣はハッキリしている。
刃牙だって眼球で指を破壊することはできないだろう。
金玉で脚を破壊することはできるだろうけど。
[弱点を晒す……… ………のではない]
[むしろ武器として使用するのが――――――]
[柴
千春流]
ここで再び千春流が語られる。
大人気だな、千春流。
これほど詳細に描かれた格闘技?もなかなかないぞ。
同じくらいの勢いでクレーザーのファイトスタイルの詳細についても語ってもらいたいものだ。
結局、煙って何だったんだ?
拳のような強部を顔面のような弱部で受け止める。
そして、相手の武器を破壊し心を折る。
それが千春流の要点であった。
パンツだから恥ずかしいんじゃなく、パンツじゃないから恥ずかしくないと誇るような行為である。
[弱点を武器化するのが柴
千春流]
もっともらしく語られているが、そう簡単に弱点を武器にすることはできない。
千春と畑中の試合では刃牙は千春の方がダメージが大きいと言っていた。
受けたダメージの大きさを根性で誤魔化す。
それが千春流なのだ。
だが、今千春流は刃牙が行っている。
そして、千春が行おうとしていることは千春流ではない。
千春流が双方から千春を追い詰めていた。
「嘘言ってら」
「柴
千春は “眼突き”をしたことなんかないよ」
そこでまず刃牙は千春の嘘をつつく。
急所を狙うのが格闘技。その技術の一端が目潰し。
ならば、急所で戦う千春流では目潰しなどという技術があるはずがない。
追い詰められてはいるが、刃牙は冷静に千春の言動の矛盾を突いていく。
嘘を看破されたのか、千春には冷や汗が流れる。
喧嘩になったら目潰しを喜んでやる千春はさすがに勘弁だ。
むしろ、刃牙の仕事である。
でも、千春も金的くらいはやっていそうだ。
そのふざけた金玉をブチ殺す!
若気の至りで一度や二度はあるに違いない。
「“眼突き”は高等技術だ」
「自在に動く敵――――」
「標的のサイズはわずか2〜3センチ」
「宙を舞う蠅……… それも2匹同時に捕らえる難易度」
「とてもアンタにゃムリだ」
次に目潰しの難度の高さを語る。
何せ目潰しは成功率の低さに定評がある。
加藤なんて事あるごとに失敗しているほどだ。
高等技術に違いあるまい。そうだ、そうなんだ。
ということは加藤って力量に見合わぬ技を使ってミスっていたのか?
鼻を握ることができれば、それは眼を潰せることに等しい。と福本漫画で語られていた。
だが、そのような行為を実戦で行うのは至難の極みだ。
故に目潰しの実行率は低く、それが成功率の低さに繋がっているのだろう。
だって、加藤にだって通用しないんだもん。
でも、金的は宙に浮くシャボン玉を割るくらいお手軽なんだろうな。
だから、みんな、金的をする。
…さっきから金的ネタばっかりじゃねえか、俺。
刃牙は二つの口プレイで千春を追い詰めていく。
戦えば理不尽に強いが、口も強いのが最近の刃牙だ。
ジャックなんて刃牙の言動によってファイターとして終わった。
その切れ味は千春をギブアップさせるだけの破壊力がありそうだ。
ヒートすればやる夫みたいな顔をして煽っていくのかもしれない。
この調子なら説教するかもしれない。
てめぇらずっと待ってたんだろ!?
千春のちゃんとした出番が来る、アイアン・マイケルが輝いていた頃に戻る…
そんな誰もが笑って、誰もが望む最高なハッピーエンドってやつを。
今まで待ち焦がれてたんだろ?こんな展開を…
何のためにここまでネタキャラに堕してきたんだ!?
てめぇのその千春流でたった1度の出番で人気を獲得してみせるって誓ったんじゃねえのかよ?
お前らだって主人公の方がいいだろ!?
脇役なんかで満足してんじゃねえ、命を懸けてたった1度の出番を守りてぇんじゃないのかよ!?
だったら、それは全然終わってねぇ、始まってすらいねぇ…
ちょっとくらい長いプロローグで絶望してんじゃねぇよ!
手を伸ばせば届くんだ!いい加減に始めようぜ、不良!!
だが、千春だって退けない意地がある。
もはや花山の命令なんて関係ない。
意地のために千春は刃牙と相対している。
こう書けば何か格好良いキャラに思えてきた。
千春の意地は体育の日に運動しないくらいの意地なんだけど。
とろ…
その時、刃牙の身体が沈んだ。
四肢を重力に任せ崩れ落ちた。
何をするのかわからないことに定評があるのが範馬刃牙だ。
こんな奇行をしても何一つおかしくはない。土下座しても不思議もない。
でも、奇行をした刹那こそ刃牙の危険度はマックスに高まる。
油断はできない。パンツ破った時とか。
と、その瞬間に刃牙の靴がちぎれ飛んだ。
靴の形状は踏み込んだ時のものだ。
オリバもびっくりの形状記憶現象だ。
そして、千春のすぐ横を閃光が通り抜けた。
気付いた時には刃牙ははるか後方に吹き飛んでいた。
自身で制動すらできない超高速の動きを刃牙は行った。
もしかして、リアルシャドー勇次郎にでも殴られたか?
千春は何が起きたのか、理解できていなかった。
そりゃそうだ。人間がいきなり超高速で吹き飛んでくるなんて常識にはありえない事象だ。
でも、目の前の男は妖術師だからあり得なくもない。
まさか、また妖術か?
千春は本当は目潰しをする気はなく、直前で拳に握りかえるつもりだったらしい。
普通に勝負が行われていたら千春の負けだった。
そして、刃牙に「え?眼突きする覚悟がなかったの?所詮はニートなの?どんな気持ち?」と煽られて心が折られていただろう。
しかし、その暇もなく突き出した人差し指と中指は骨折していた。
目潰しを実行させられた。
心と身体の双方を完膚無きまでへし折られた。
刃牙は完全なる敗北を千春に叩きつけた。
刃牙さん、マジパネェっす。
(奥義開眼……)
(その名も「蜚蠊ダッシュ」………とか…?)
刃牙は第210話で見せたゴキブリダッシュを実戦で完成させた!
ゴキブリ並みの瞬間速度だ。
それを常人に捉えることはできなかった。
ついでに蜚蠊と読解に困る漢字を使っているが、
ファントムレイドとかアクセラレーターとかハイパーアタックとか読むんじゃなく、ゴキブリと読みます。
…正式名称もゴキブリダッシュなのかよ。
まさか本気でゴキブリダッシュと名付けるとは誰が予想しただろうか。
さすがに主人公として問題があるので、エターナルフォースダッシュとかにした方が…
ともあれ、恐るべきはゴキブリダッシュだ。
その速度はピクルタックルに匹敵するかもしれない。
この範馬刃牙改は全身がゴキブリそのものなのだ!
…ゴキブリさえなければな…
刃牙のゴキブリダッシュが炸裂した。
千春の指は粉砕した。心も挫いた。
そして、問題となるのは刃牙の眼球だ。
心と指を破砕するために新必殺技まで用いた。
過剰な力みの果てに刃牙の眼はどうなったのか。
密かに額で受けていても刃牙のことだから不自然じゃない。
そんな刃牙の眼は…血涙を流し血に染まっていた。
相当なダメージを負ったらしいが、潰れてはいないようだ。
…なんだ、これならすぐにグラップラーなら治るよ。
再来週の次回へ続く。
刃牙の新必殺技、蜚蠊(ゴキブリ)ダッシュが炸裂したぞ。
まさか千春に、それも眼球をぶつける形で使うなんて…
どこまで容赦がないんだ。
スライム相手にMPを使い切るような豪華さだ。
刃牙は眼球は大丈夫なのだろうか。
潰れてはいないようだからイケるか?
これで視力を失っていたら克巳は目が見えなくなっている。
まぁ、大丈夫だろう。
でも、シコルスキーのは視力を失っていそうだなー。
これにはさすがの千春の心も折れそうだ。
だって、人間がゴキブリになって眼球ぶつけるなんて普通の人間はやらない。
刃牙が変態だからやるような行為だ。
数々の変態性を見せつけられれば、心も折れようというものだ。
責められまい。
ゴキブリダッシュを敢行した真新しい鼻血を流している。
もしかして、相応の副作用があるのだろうか。
制動が効かず転んだのが原因かもしれないが、真マッハ以来スピードが対する規制が厳しい。
エコ時代を反映しているのだろうか。
もしかして、血涙もゴキブリダッシュの副作用だったりして。
目潰しは実は額で受けました。
あるいは血涙も鼻血も極度のゴキブリ化に要する集中力の副作用です。
…何か千春だけが被害を被っている気がしてならない。
これで刃牙の眼が見えなくなれば大事件だ。
大事件だけど、まぁ平気なんだろうな。
ピクルの時といい、後に残る大ダメージを受けないのが範馬刃牙だ。
これが主人公補正か。
バチバチの吽形の膝の方がまだ不安だよ。
ゴキブリダッシュは千春相手とはいえ絶大な効力を発揮した。
実戦に使えるか?
でも、全身突進のピクルタックルは何度も破られている。
ゴキブリダッシュも同じ結末を辿るかもしれない。
それを踏まえれば刃牙って過去から学んでいないのか?
とりあえず、ゴキブリの速さを手に入れた。
さらにゴキブリの運動性を学べば完璧かもしれない。
壁に引っ付いて動くぞ!きめえ!
そのためにシコルスキーに弟子入りだ。
あ、もしかして、彼もゴキブリ一族なのか?
これで長く続いた千春との戦いもついに終わりそうだ。
烈との試合を挟んだから長引いた感じだ。
とんでもない流れが多かったけど、最後は直球だった。
直球なのもどうかと思うけど。
目潰しに対して眼球をぶつけて対抗するなんて未曾有だ。
再来週の次回は2本立てだ。
この2本立てでクレーザーとの決着をつけるか?
それとも怒濤の新展開で読者を混乱させるか?
話の羅針盤がどこを向いているのか、まるで予想できない。
去年何をしていたかな。
そう思って振り返ってみたらストライダムが勇次郎と戦っていた。(第188話)
…予想しろという方が無理だっての。
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