ストーリー

海星宝国エリルミア――
その国は手にした者に智慧と力を与えるという先史文明期の遺産「アスクギア」の恩恵によって、世界有数の発展を遂げていた。
国土も技術も資源も、全て満ちていたエリルミアだが、ただ一つ欠落していたモノがあった。
それは花――
エリルミアは決して花が咲かない国であった。



少年「ユア」はその花咲かぬ地を旅する放浪者ヴィントであった。
旅の中で同業者から先史文明期の遺跡の情報を聞いたユアは単身乗り込もうとする。
意気込みは十分、実力は不十分――それ故にユアの前に窮地が立ちはだかる。
未熟であるユアには高く険しい壁は共に旅する「メモリア」に救ってもらう。
ユアはメモリアの力になりたい――ただそう望み続けているのだが届かない。
それは自身に力がないから。
そして、メモリアが力持つ者、アスクギアを手にした交信者コネクターであったから。



後日、改めて遺跡に訪れると500年前に眠ってから動いていないことが判明する。
期待と共に足を踏み入れるとそこには白骨と固まった血が彩っていた。
その中で手にしたのはアスクギア――ユアが求め欲した力であった。
されどユアの力を求める声にアスクギアは呼応しない。
選ばれし人間にしか繋がることができない――
それがアスクギアであり、ユアはアスクギアに選ばれなかった人間なのであった。



失意の中、それでも足を踏み出し遺跡の最深部に達すると、そこにはカプセルの中で眠る少女がいた。
少女の名はミイナ――
全てが胡乱な中、はっきりとわかることは彼女がアスクギアを手にしているということだけ。

この出逢いが始まりだった。
想い出を取り戻すことと、想い出を喪失することの――……