刃牙道 第13話 A君とB君
本物の霊媒師が武蔵の復活に駆けつけた。
刃牙世界において霊は存在している。
ならば、霊媒師という存在も本物!
これでダメなら脳みそに何かデータをぶち込むしかないな。
バキシリーズ全巻見せるとかどうだろう。変なものを学びそうだけど。
さて、徳川寒子は少し置いておく。
花山が夜の街を歩いていたのだった。
疵だらけなのだから道行く人々は思わず花山を見てしまうのだった。
まぁ、目立つ人ですよね。
本部なんかはわりと自然に日常に紛れ込める気がする。
ここで花山の拳が疵だらけという表現がされる。
疵面の冒頭でされた描写だが本編ではこれが初めてである。
疵面での設定が本編にも組み込まれた形だ。
なお、疵だらけの拳はピクルと握り合った時にもビジュアルとして描写されている。(範馬刃牙第109話)
そして、花山と同じように勇次郎も夜の街を歩いていた。
何とサングラス付きだ!
刃牙との戦いで元より世界規模だった知名度が庶民にも浸透した形だ。
素顔を晒していると勇次郎とて街を歩くのも不便なのかもしれない。
無論、全然正体を隠せていないのだが。
クワトロ・バジーナレベルに隠せていないよ。
勇次郎の周辺の風景は歪んでいる。
こうした風景が歪む表現は以前も幾度か用いられている。
あくまでも表現の一種かと思ったが、これはオーラや闘気などで実際に歪んでいると言及される。
作中世界の人物からもああ見えているということか。
こりゃ霊も存在するわな。
「その油断の無さは――」
「突如の落雷にも対応するだろう」
常に闘気を発散しているのだ。
まさに常在戦場の心意気である。
落雷にだって対応するとまで言わしめた。
もっとも実際に落雷が落ちた時には喰らっていたけど。(範馬刃牙第211話)
あの時に喰らったからこそ、日常から油断なきよう闘気を発散するようにしたかもしれない。
正確には1度落ちた落雷が勇次郎に襲いかかったのでさすがに予想外なのだが、まぁ些細な問題としておく。
そんな圧倒的な存在感を持つ花山と勇次郎だった。
その2人が夜の街で出逢った。
出逢うだけで道行く女性が悲鳴を上げるほどの迫力だ。
こりゃ出逢うだけじゃすまんな。
意外というべきか、すんなりと2人のマッチメイクが実現した。
忘れられがちだが連載初期の勇次郎は無差別に戦いを求めていた。
まさに悪鬼である。本部とだって戦ったほどだ。
そんな勇次郎なのだから花山という餌を目の前に突きつけられると喜んで飛びつくのだろう。
これで刃牙だったらいろいろと理由を付けて戦わない。
あ、今の刃牙はいつでもどこでも誰とでも戦うんだっけ? (第2話)
「わざわざのお出向き……」「恐縮です」
花山がメチャクチャ丁寧だ!
敬語ですよ、敬語。
何か花山さんは年々丁寧になっているな。
初期の荒々しさに加えて紳士になりつつある。
今の時代のヤクザはこうしたインテリっぽさを漂わせないとやっていけないのだろうか。
それに対し勇次郎の髪は逆立つ。
花山が本当に自分を招いたのだと知って闘志に火が付いたのだろうか。
そして、勇次郎はワックスを使っていたことが判明する。
何もなしで自然とあの髪型になっていたと思っていたよ。
あるいは知名度が上がったからオシャレにも気を遣うようになったのか?
サングラスといい意外な一面である。
食事作法といい勇次郎の日常を垣間見られた感じだ。(範馬刃牙第246話)
喧嘩に収まらぬ惨事が繰り広げられようとしていた。
勇次郎はもちろん、花山だって刃牙と戦った時は建物に多大なダメージを与えていた。
互いに危険度が高いのだ。
そんな要避難レベルのマッチメイクを仕組んだ徳川光成は喜んで見学していた。
「ふしゅるふしゅる」とシコルスキーみたいな鳴き声を上げている。
――って、テメエはバカか!?
いやいや、NONONO。
周囲の被害を考えましょうよ。
地下闘技場に来てもらいましょうよ。
被害を抑えられるし観客だって喜ぶ。困る人がいない。
これが偶発的に起きたのならまだしも、必然的に仕組まれたのならあかんよ。
そして、アンタには武蔵の復活という仕事があるだろうが!
武蔵の復活という夢よりも目の前の戦いに飛びついた。
このジジイ、明日を見ない刹那主義だ。
武蔵だって仏作って魂入れずになるわな。
そんなだからそんなんなんだよ。
さて、そんなバカ(直接的な表現)は置いておこう。
問題は武蔵の復活ですよ。
そんなわけで現地に到着した寒子であった。
でも、招聘した徳川光成は不在な上に趣味に興じています。
寒子はキレていい。
俺ならキレる。誰だってそうする。
寒子は武蔵の肉体を前に「十分ではないが条件はほぼ満たしている」と評価を下す。
さらに「インシュリンとアミノ酸、ビタミンPZを20%ずつ調整すれば完璧」だとも言う。
言っている意味はわからんが寒子は想像以上にインテリなのはたしかなようだ。
最近の霊媒師は科学もないとやっていけないのか。
もしかして、霊媒も科学を用いたトリックだったりして。
道理を知るからこそ奇跡を見せることができるのだ。
「これなら5分で目覚めよう」
寒子は自信満々に断言する。
5分!
霊媒的には長いのか短いのかわからない。
だが、たった5分で400年前の人物の魂を降ろせ蘇るとなれば奇跡としか言いようがない。
霊媒師らしく霊媒師的に蘇らせるのか。スピリチュアルやね。
それとも今回見せたインテリな側面を活かし科学的に蘇らせるのか。
次回へ続く。
花山VS勇次郎実現!?
いや、本気だったんだ!
てっきり何かの振りかと思ったのだが……
もっともまだまだ油断できない。
戦いそうで戦わないことはバキシリーズの歴史で幾度も繰り返されてきたことなのだ。
実際に戦うとなると花山と勇次郎は超パワーという属性が被っている。
回復魔法も補助魔法もなしで殴り合うようなものだ。
数値が多い方が問答無用に勝つ。
花山には悪いが絶望的にもほどがある。
なお、こういう時に殴り勝つのが○馬刃牙という少年であり、あまり快く思われていない。
問題の武蔵の方だが寒子が自信満々だから上手く行きそうだ。
でも、ここで間違えて違う魂を呼び寄せたら大変だな。
武蔵の肉体に萌えキャラの魂とかこれっぽっちも萌えられないよ。
萌えキャラの肉体に武蔵の魂ならイケるか?
いや、中身が武蔵ならいかんな。
ここで本部の魂を呼び寄せるとかどうだろう。
本部は作中屈指の知識量を誇る。
だが、それを成り立たせる肉体が備わっていない。
ならば最強の肉体が本部にあれば輝けるかもしれない。
武蔵×本部!
それこそが新世代の最強なのだ。
寒子が生き霊を呼べるという設定はこのために存在したのだ。
Q.E.D.証明完了。
でも、本部って肉体がいまいちなのはもちろんだけど、推理力や判断力がそもそも怪しいですよね。
独歩を1分以内に殺せると豪語したり、独歩の正拳突きで勝負ありと判断したり、横綱の小指を取ったり。
本部は知識そのものは特筆に値するが、その知識の使い方が致命的なまでにいまいちなのだ。
勉強はできるけど頭が悪いタイプ。
じゃあ最強の肉体を持ってもダメだな。
本部の全盛期はこうして過ぎ去ったのだった。
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