範馬刃牙 第167話 天才性
古代の生物と現代の技術が合体したトリケラトプス拳が誕生した!
ねーよ!
恐竜になってどうするんだ、こいつ。
食われるだけだぞ。
でも、恐竜になった刃牙を見せられたピクルはピクルタックルを解くほどに混乱しているのであった。
ダメだ…刃牙のペースに呑まれている…
いいから目を閉じてピクルタックルしてみろ。
多分、刃牙はぐしゃぐしゃになる。
調子に乗らせたらダメだよ!早くボコっテ!
脆弱矮小卑劣悪漢妖術師の刃牙からトリケラトプスのような重量感や力感をピクルは感じていた。
感受性が強すぎるのも困りものだ。
富野作品のニュータイプみたいに勝手に変な方向に歩いて変な自爆をしてしまいそうである。
目の前の現実だけを素直に受け止めてみてはいかがか。
あるいは刃牙はそれほどの幻覚を見せているのだろうか。
どうみてもトリケラトプス拳の構えはトリケラトプスには見えない。
フュージョンの失敗作って感じだ。
これをトリケラトプスに見せるなんて、やっぱり妖術師だよ、こいつ。
勘違い…もとい幻惑されているのはピクルだけではない。
ギャラリー3人も同じであった。
恐るべき妖術だ。すっかり実力で戦わなくなっている。
範馬の血すらかなぐり捨てて、妖術が俺の流派だ!と言わんばかりである。
勇次郎に見せたら裏拳一発で殺されてしまいそうで怖い。
花山は身長に反比例する迫力の真相を烈に問う。
知っているのか烈海王!と言わんばかりだ。
烈のことならば、うむ、あれは…と胡散臭い書籍を取り出してわかりやすく説明してくれるかもしれない。
いや、さすがに妖術になると烈の専門外だろう。聞いても無駄だと思うぞ、花山さん。
でも、怒李庵海王の催眠術を見事に説明してのけた烈ならあるいは…
「想像力…… イメージの力が桁外れなのです」
知っているのかよ烈海王!
何でも知っとるわ〜この人…
今の烈ならば、SAGAだって解説できる!
いや、それは無理だ。
さて、烈はかつて刃牙との試合を語る。
あの時は範馬の血を覚醒させた刃牙に烈は敗北している。そのことに関しては惨敗だと自分を卑下している。
それを聞いて徳川光成は「歴史的名勝負」だと最近のみっちゃんにして珍しくいいことを言っている。
KYっぷりはどこへやら。ちゃんと烈をフォローしている。コレジャナイみっちゃんじゃないかと疑ってしまう。
刃牙を相手にする時だけ冷たかったから、これが素なのかもしれない。
刃牙VS烈は名勝負にして刃牙の戦いに血族の要素を持ち込んだターニングポイントでもある。
あれ以来、良くも悪くも範馬の血が何かと持てはやされるようになった。
刃牙がオリバに勝った理由なんて、範馬の血以外の理由が思いつかないくらいだ。
最近になってついには絶対視されてしまう(第154話)。
そして、範馬の血を爆発させてピクルもいじめる…と思いきや妖術ばっかりだよ。
範馬の血はあまり評判が良くないから、妖術を前面に出すことにしたのだろうか。
どっちもどっちです。
烈は刃牙との対決を負けて当然だと語る。それが惨敗の根拠のようだ。
リアルシャドーを見せられても小細工抜きの横綱相撲をやった烈はどこへやら。
歳月は人を変える。烈は10年の月日を経て、別人のように丸くなってしまった。
あの頃の傲慢な烈をたまには見てみたい気がするが、片脚を失った以上、丸くなっておくのが正解か。
でも、万年筆で戦ったりはするよ。
負けて当然の理由はリアルシャドーを行っていたからだった。
あの頃の烈だったらそんなもので勝った気になられては困ると否定していただろうが、
今の烈はすっかりリアルシャドーを認めちゃってるよ。ちょっと寂しい。
当時の烈は試合後にリアルシャドーが行われた現場に行ったらしい。
あの異常な流血が行われた現場だ。
明らかに実際の試合よりも激しい。
マゾだから出血多めにリアルシャドーを行ったのだろうか。
[まるで虐殺現場のような光景…… これがたった一人で――――]
[仮想格闘(シャドーボクシング)を行った場所だと云うのか!!?]
驚く場所が違ェ!
いや、そこは驚く場所じゃないだろう、烈よ。
出血の量とリアルシャドーに直接の関連性はない。
出血はすごいけど、リアルシャドーの凄さとは無関係だ。
でも、出血はすごいよね。どうやって刃牙は出したんだろう。
出血の凄さにリアルシャドーの変態性が薄れてしまった瞬間であった。
というわけで、烈の推測によるとトリケラトプス拳はリアルシャドーの応用であるらしい。
自分の妄想を具現化し他人に見せることが出来るのが刃牙の能力だ。
イメージの力が桁外れだからって他人にイメージを見せられることにはならないけど、それを出来るのが刃牙の変態たる所以である。
そりゃあトリケラトプスだって見えますよ。見えること自体がおかしいけど、見えてもおかしくはない。
格闘技とはまったく関係ないけどな!
刃牙はトリケラトプスをピクルに見せた。
だが、それだけで終わる刃牙ではない。飛翔して新たな幻影を見せる。
それはプテラノドン拳!
何にだってなってみせるぜ。でも、ピクルにはなれません。
もう何が何だか。
トリケラトプス拳はどうしたと思ったが、刃牙の狙いは時間稼ぎだ(第164話)。
トリケラトプス拳を見せてピクルの動きは止まった。
それじゃあ、どんどん新しいものを見せてピクルを驚かして時間を稼ごう。
そんな魂胆が見え隠れする。
セコいッッ。普通にセコいッッッ。
突如現れた太古の食料にピクルはまたも驚く。
いや、空を飛んでいるとはいえ捕食済みだろう。ちゃんと回想にも出ていた。
今の刃牙ならリアルシャドーで空を飛びかねないが、普通に食えるぞ。
むしろ、食ってしまえ。こざかしい右脳左脳を食い尽くして小脳だけにしてしまえ!
小脳だけあれば刃牙はちゃんと動ける。まだ戦えるんだ。(第57話)
さらに刃牙は新たな構えを取る。
トリケラトプスもプテラノドンも使い捨てだ。
豪快な使い捨てだよ。
何のための恐竜象形拳なんだか。
「オワッッ T-レックス たぶん」
極めつけは恐竜の王様、ティラノサウルス拳だ!
たぶんという補足が猛烈に信用性を下げている。
構えからはどこがティラノサウルスかわからない。
広げた両手を巨大な口に見立てているのかもしれないが、無理です。
見えもしない妄想から推測するしかないので、多分と言わざるを得ないけど。
もうゆっくり拳とか言ってゆっくりしていってね!!!になればいいのに。
ムカつきキャラ同士、相性はばっちりのはずだ。
そんなわけで現代の動物だけじゃなく太古の恐竜も真似て見せた。
どれも捕食される対象には違いないが、それよりもビックリのパントマイムだ。
ピクルに捕食される動物を真似ても勝てないという問題を恐竜になれるなんてすごくね?と、
大胆に問題の放棄を行うことで押し切った。
いや、どうするんだよ。イメージはどうあれ現実は何も変わっていない。
ピクルタックルに対抗する手段にはならないぞ。
恐れながらもピクルタックルを敢行すれば勝負ありだ。
[大地を操る妖術(あやかし)を駆使(つか)う魔物が矢継ぎ早の七変化]
[元の構えに戻ったときにはもう遅く―――]
[ピクルのその眼には]
[天下無敵の大怪物に成り遂げていた]
ギニャー!思いっきり騙されているよぉ!
ピクルさん、超びっくりだ。末堂ピクルって感じに驚いている。
いくら何でも驚きすぎですよ。
驚きすぎて刃牙を魔物呼ばわりまでしている。…いや、そこは正しいか。
刃牙の姿に3つの恐竜が合体したものを見ているし末期だ。
リアルシャドーを実戦導入するとこうなるらしい。
ピクルに直接攻撃は効果が薄いから、精神攻撃を仕掛けたと…
もう刃牙自体が精神破壊兵器になっているようだ。存在自体が有害だ。
これにバキSAGAを合わせれば、ピクルはショックで死んでいてもおかしくはない。
読者も死ぬ。
さて、合体恐竜怪獣プテラトリケラサウルスことバキドンになったピクルはどうする。
未知の恐竜に対し己の全力、ピクルタックルを放つのか!
と思ったら既に立ち上がって柵のところまで下がっている。
ピクルはエイリアンになった刃牙に完全にビビってしまっている。
このチキン原人がぁ!
それにしても恐るべし範馬刃牙…戦わずしてピクルタックルを破ってしまった。
計算通りって感じに微笑んでいる。完全に狙ってやったようだ。
文化の勝利だ。
文化なんて滅んでしまえばいいのに。
次回へ続く。
…やりやがったよ。
ついにリアルシャドーを実戦投入しやがった。
幻覚を見せて相手を困らせるという戦略兵器である。
いかにセコい攻撃をするかではなく、いかにビビらせるかの領域に入った。
もう戦いですらない。文化とか言うならせめて戦ってからにしろ。
まぁ、まともにやれば勝てないからこれが正解か?
前回、混乱させるためだけにトリケラトプス拳をやったのではないかと書いた。
正直なところ、ネタのつもりでした。そんなわけないだろうと思っていました。
でも、刃牙はマジでした。マジすぎて創作象形拳を連発しちゃった。
しかも、結局は元の構えに戻る。象形拳は本当に混乱させるためだけにしか使っていない。
君には本気で失望したよ…
刃牙はピクルをビビらせた。精神的には優位に立っている。
しかし、根本的な部分でどうやってピクルに勝つのかは解決していない。
それにピクルの恐怖が臨界点に達すると手痛い反撃が待っている(第152話)。
刃牙は追い詰めたが、逆に追い詰められているのかもしれない。
むしろ、アゴが砕けて脚を食われて腕が骨だけになるダメージを折ってしまえ。
ピクルの前に立った以上、こんな小細工で済むと思ってはいないだろうな?
ピクルに知識はないが知能はある。
目の前の相手が恐竜に変身したらそりゃあ驚く。驚いてそこから先に考えが及んでいない。
変身してもそれが闘争に生きるのかという点は考えていない。多分、それは刃牙もだ。
お互いにハッタリで止まってしまっている。
…正直、トラックとかイジメテ君とかの方が怖いと思うのだが…
だが、刃牙の恐竜拳がハッタリじゃなかったらどうしよう。
リアルシャドーを実戦導入したが、あくまでも間接的な使用法だ。
直接的な使用法としてリアルシャドーで生み出した恐竜を直接ピクルにぶつける。
そこにいないはず見えないはずの恐竜が襲い掛かってくる!
この恐怖には百戦錬磨のピクルと言えど苦戦せざるを得ない。
そして、刃牙の妖術師の二つ名はこれで本物になる。卑怯者の烙印も押される。
ピクルは刃牙に翻弄されている。
が、冷静に考えると恐竜はピクルにとって「強敵」と書いて「とも」と読む存在だ。
それに刃牙になった。待ち望んだ敵である。ビビるかもしれないが、恐れる必要はなどないのだ。
ピクルタックルだ!白亜紀闘法だ!
刃牙をミンチにした後で全然恐竜違うじゃねーか!とキレても許す。むしろ、キレろ。
それにしてもものすごく勝負が迷走してきた。
こいつらは一体何をやっているんだろうか。
刃牙が顔を出した結果がこれだよ。
明日どころか1年後にやる!くらいは言っておいた方が良かった気がする。
ただ刃牙もここまで時間を稼げば、さすがに真面目にやってくれるだろう。
鞭打も象形拳も十分時間稼ぎとしては十分以上の効果をもたらした。
刃牙の超回復力を持ってすれば、落下のダメージは十分に回復したに違いない。
そんなわけでセコい手は止めにして、これからは真っ向勝負だ!
真っ向勝負で競り勝つのは妖術を使って勝つよりも辛い道のりっていうか無理だけど。
真っ向勝負で競り勝たれても困るけど。
難攻不落の砦であったピクルだが、最近は実に頼りない。
冷や汗だらだらだよ。幻覚に惑わされてるよ。…さすがに情けない。
何かもうすっかりダメっ娘になってしまった気がする。新しい萌え属性を手に入れやがった。
ダメダメになってゆるキャラにでもなる気だろうか。それ、何か違う。
一方で刃牙はスクイズでいう伊藤誠のようなキャラになってきた。
ピクルが食人をするようなヤンデレになって、痛い目に遭わせてしまえ。
ピクルはこのまま戦意を喪失してしまいそうだ。
相手は未知の怪物だよ。野生の本能が対決を拒否する。
梢江を見たらSAGAを連想するように!
そんなピクルを見たら刃牙はどうするのだろうか。
アンタはもう――…闘士(ファイター)として終わりなんだよッッとトドメを刺してみるかもしれない。
正直、闘士として終わってるのは刃牙の方なのが笑えない。
もっとも、妖術師に転職したみたいだから結果オーライか?
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