範馬刃牙 第241話 最速と最強
チャンピオンボルトが現れた!
ついに訪れた烈ボクシング編のラスボスだ。
今まで出てきたヘヴィ級チャンピオンからは厄い臭いしか感じられなかった。
だが、ボルトは何か違う気する!しなくもない!
[ウィルバー・ボルト]
[神話の住人………]
ボルトは早速神話の住人扱いされた。
いきなり持ち上げられたぞ。
並みのファイターならその高さにすくむか、高さに気付かず足を踏み外すかの二択だ。
ボルトは耐えられるのか?
深町コーチ曰く、ボルトの身長は2m5cmらしい。
文句なしの巨漢だ。
そして、巨漢はかませ犬の象徴だ。
最近ではワーレフが見事に弱者だった。
しかし、ピクルという巨漢強者も現れている。
ボルトも例外の一人になるのか?
烈も冷や汗を流すほどのプレッシャーを誇るボルトの経歴が語られる。
ボルトは生来のボクサーではなく、元は陸上短距離走の選手でオリンピックに出場した実力者だった。
バキ世界におけるオリンピックは何の意味も持たない。
ガイアが記録を塗り替えられると言ったくらいだし。
しかし、ボルトは格が違った。
スターターを破壊するほどのスタートダッシュの後に9.49秒という記録を樹立している。
その記録はドーピングをしたジャックよりも!…遅かった。
グラップラー刃牙第35巻で確認できる限りの最速記録は9.37秒だった。
…えーと、忘れてください。
ともあれ、ボルトはオリンピック記録を樹立した。
オリンピック記録なんて刃牙が適当に走ったら更新されたのだが(バキ第2巻)、世間的には偉業だ。
だが、ボルトの違うところはそこからだった。
陸上からボクシングへの転身だ。
栄光を掴んだと思ったらまさかの転職だ。
これには世間の反応も冷ややかなものだった。
しかし、1年後のデビュー戦でボルトは見事勝利する。
さらには1ヶ月に1回行われる試合を確実に勝っていった。
ボクサーとしてはあり得ないくらいに異常なペースである。
グラップラーでないと厳しい。
ボルトと現代ボクシングの絶対的な力の差を証明しているようだ。
そして、デビュー2年後にはタイトルマッチで勝利し、チャンピオンに輝く。
超人じみた快進撃だ。
ボルトの身体能力はボクシングという器に収まるものではないのかもしれない。
[最強の脚の持つ実力(ちから)を――――]
[拳という最も離れた器官まで送り届ける………]
[この難行を彼の身体(ボディ)は いとも易々とやってのけたのだ]
ボクシングは大地を蹴る格闘技!
陸上において頂点に立つほどの脚力を持つボルトが、ボクシングにおいて開花するのも必然かもしれない。
これほど話題性のある選手がいれば、アイアン・マイケルが忘れ去られても誰が文句を言えようか。
ボクシングにはいくつかの団体がある。
単にチャンピオンと言ってもその団体のチャンピオンであり、全ボクシングのチャンピオンというわけではない。
ボルトはそれすらも総ナメした。
満場一致のボクシング界最強の男になった。
疑う要素が何一つない。
[最速と最強が同一人物――― ――――――――という奇跡!!!]
最速と最強の二つの称号を持っているのがボルトだった。
でも、最速と最強は勇次郎やピクルも両立していた気がする。
バキ世界の最強であることは、もっとも強く速く、フィジカル面の能力の全てが優れていることなのだ。
…何かボルトが当たり前に見えてきた。
ともあれ、今まで出てきたボクサーの中ではかなり優遇されたエピソードだ。
マホメド・アライに匹敵するほどだ。
どれほどの強敵になり得るのか、かませ犬が欲しいところだな。
オリバ刑務所に服役中のアイアンなにがしとか。
一方で勇次郎とストライダムはホテルの一室で会話していた。
その話題は刃牙との対決が近付いていることだった。
…また、やるやる詐欺か?
この親子はやるやると言いながらまったくやらない。
刃牙の大擂台賽終了後の発言からもう6年が過ぎたぞ。
ストライダムは刃牙との対決が近付いている。
…と思っていたが勇次郎的には親子喧嘩だった。
そこでストライダムの頭によぎるのは刃牙の一緒に食事したい発言だ(第202話)。
刃牙の戯言かと思っていたら、意外にも勇次郎が乗り気だった。
そのことにストライダムは驚いていた。
「刃牙ハ君ニ食事(フード)ヲ造作(つく)ラセヨウトシテイルノダゾ!!!」
「戦場生活は長ぇ……… 料理くらいは………………」
「作ルノカ!!?」
ストライダムがこれ以上ないくらい的確なツッコミを入れた!
作る気満々だよ、このパパさん。
そりゃ戦場生活していれば料理のひとつやふたつくらいは嗜むだろう。
野味溢れる料理ばかりになりそうだけど、範馬一族的にはノー問題か。
いや、そういう問題でもないのだが。
勇次郎は武器ひとつ持たずに戦場の只中に立つのを信条としていた。
物資を減らせるのは機動力の増加に大きく寄与する。
勇次郎が戦場で脅威となったのは戦闘力に加えて単騎故の高い機動力が大きいだろう。
武器と同じくらいに重要で、それでいて大きなウェイトになり得るレーションなどの補給食も減らせれば、さらに機動力は増す。
そんなわけでレーションすら拒み、自炊で食事をまかなうことも勇次郎には多々あったと思われる。
その経験が生きるのか?
…第1話では牛をただ火で炙っていたけど。
しかし、料理を作らせるなら力尽くで作らせろというのが勇次郎の方針じゃなかったか?(第219話)
何かそれでなくても作る気丸出しの勇次郎だ。
さすが親馬鹿だ。
刃牙が帰宅したら無駄に豪華なフルコースが待ち受けているかもしれない。
そして、勇次郎なら無駄に美味く作れそうで怖いな。
勇次郎は芸の細かさには定評がある。
同じように料理だって繊細な味付けをしそうだ。
隠し味に醤油一滴たらしてフランス人を唸らせるぞ。
勇次郎さん、優しくなったんじゃないか?
思わずストライダムはそんなことを口走りそうになる。
反省のまったくない男だ。どれだけ失言するんだ。
まぁ、ストライダムのベスト失言は勇次郎と戦う発言だからこれくらいは序の口か。
その刹那、勇次郎の蹴りが葉巻を削ぐ。
鋭利な刃物で切り裂かれたように葉巻の一部は消失した。
相変わらずの恐ろしい切れ味である。
そして、芸が細かい。
もっとも、これくらいはいつもの勇次郎なら当然の芸当だ。
問題は勇次郎の脚がテーブルの下にあったことだ。
このまま振り上げればテーブルが当然邪魔になる。
勇次郎なら邪魔にすらならないだろうが、テーブルが破壊されることは間違いない。
なのに、勇次郎の蹴りはテーブルをすり抜けて葉巻を削いだ。
テーブルには傷一つ見えない。
何をやったんだ?
相変わらず細かいところで神技を見せる勇次郎の破壊芸だ。
こりゃ料理にも神技を見せるな…
絶妙な火加減でほどよく半生な料理を出しそうだ。
親子喧嘩の予感は刃牙にも伝わっていた。
親の心子知らずというが、範馬親子に限ってはそうでもないらしい。
でも、やるやる詐欺だから、どうなるのか不安だ。
ただ現状一番のやるやる詐欺は第2回最大トーナメント(仮)だ。
宣言というか予告から1年近く経過したのに、その片鱗すら見えない。
そろそろやってもいい気がするのだが…
独歩なんて待ちきれなくなって殺人を犯した。
このままじゃグラップラーによる一斉蜂起が起きて都心が壊滅するぞ!
次回へ続く。
ボルトはスポーツマンだった!
スポーツマンという称号はバキ世界において最悪に等しい評価なんだよな。
戦えない人種の代表例ですよ。
ボルトは例外的な存在になるのだろうか。
腹黒い部分がありそうだし、そこをアピールして欲しいところである。
とりあえず、ウィルバー・ボルトのモデルはウサイン・ボルトに違いないだろう。
ポーズもそっくりというかそのものだ。
ウサイン・ボルトの方は陸上からサッカーへの転身を考えているようで、
それがウィルバー・ボルトのボクシング転向の元ネタとなったのだろうか。
…ボクシングは無茶だろう。さすが板垣恵介。
陸上選手は下半身だけでなく上半身も鍛える。
世界一の下半身を支えるために作られた上半身が、ボルトをチャンピオンに導いたのだろうか。
ただの長身ではなくバランス良く鍛え上げられた肉体がボルトの武器になりそうだ。
その一部である握力は烈を驚かせるほどだし、強敵になってくれるか?
ボルトはオリンピックで優勝するほどの脚力を持つ。
それは今の烈にもっとも不足している要素だ。
いや、片脚で妙に跳躍しているけど、全盛期の烈ならもっとやれたはずだ。
弱点が武器になるであろう相手と対峙することになる。
烈はどうする?飛ぶか?
勇次郎は勇次郎で料理を作るか思案中だった。
作ろうかな作ろうかなとチラチラ見ているぞ。
何と露骨なアピールだ。
でも、いざその場になると有機農法で作られた野菜じゃないと暴れるんだろうな。
面倒臭そうだ。
刃牙は勇次郎の料理作戦にどう対抗するのだろうか。
何か親子対決の前に食事を行ってしまいそうだ。
そして、食事を終えたら対決することなくそのまま帰宅したりして。
“戻って作り直せ”は――言い過ぎだ…
父親にそこまで言うのはやり過ぎだ…このくらいが丁度いい…
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