範馬刃牙 第266話 象形拳



刃牙の打撃が全て見切られた!
大丈夫っすか? ヤバくないっすか?
でも、刃牙だからなぁ。勝率0%と思しき組み合わせも制してきた。
でも、勇次郎だからなぁ。勝率200%くらいの組み合わせばかりだ。
結論。よくわからん。


刃牙の打撃は観客の目に捉えられない。
勇次郎の受けも観客の目に捉えられない。
時速270kmの攻防を行うだけのことはある。
観客一同も足を運んだ甲斐があるというものだ。
妖術を使わないストロングスタイルだとわかりやすい。

刃牙は一度離脱する。
前回のラストに見せたアヘ顔は消え去っていた。
いや、アヘり続けていても困るが。
梢江とのSAGA中もあんな顔をしていたのか?

さて、この大一番を徳川光成は車両の上にイスを構えて見つめていた。
いつの間にかいい席を取っている。
抜け目ないというか何と言うか。
金をキロ単位で積むほどよっぽど楽しみにしていたのだろう。
独歩ちゃんにも用意してあげてください。

ついでに神崎首相は一般市民の安全を主張する。
うむ、たしかに自衛隊と機動隊が……って、刃牙が一般市民を下敷きにしたんだけど。第264話
どこが安全だよ!
バキに出てくる首相は皆無能だ。

[血のなせる業……………]
[ここまでは……]
[上出来だ……]


一方で全ての打撃を受けきっていた勇次郎であったが、刃牙の打撃には満足していた。
難なく受け流しているようで手と足には軽いシビれを感じている。
案外勇次郎の精一杯だったのかもしれない。
見た目ほど絶望的な差はないのだろうか。
いや、全力で打ち込んでシビれさせる程度だとしたら絶望的すぎるが。

その時、刃牙は突如として電波を受信する。
周囲を見回す。

[そうか…]
[来てるんだ……]


この人はいきなりナニを言っているんだ?
霊でも降臨したのか?
こうした電波受信は勇次郎にはない武器だな。
でも、勇次郎も勇次郎で受信感度良好のような一面もある。
決定的なアドバンテージにはならないか。

ならばと刃牙は両腕を上げる。
そして、腰と共に一気に下ろして構えを取る。
この戦いを観戦しているであろうある人物に見せつけるように力強く構えを取る。
そう、この構えは!!

[君の視力なら 見えるハズ]

刃牙が見せたのはトリケラトプス拳だ!
ト、トリケラトプス拳かよ。(第166話
刃牙が見せた珍格闘技の中でも五指に入るものだ。
まさかの復活である。
かつてのライバルを苦しめた懐かし技なので興奮するべきなのかもしれないが、
妙に乗り切れないのはトリケラトプス拳に宿る妖力故にか。

でも、あたい、知ってるぜ?
トリケラトプス拳って不発したよね?
それに「やり過ぎ」に「思い上がるな」と突っ込まれた技である。(第168話
大丈夫かいな。
そもそも、恐竜象形拳はピクルをビビらせる技であって、決して格闘戦を制するためのものじゃなかった気がする。
事実、ピクルに決定的なダメージを与えたのは他ならぬ格闘技であった。

このトリケラトプス拳には勇次郎も驚愕する。
血管を浮き立たせ、口を大きく開け、髪を逆立たせ、冷や汗を流し、驚いている。
いや、これって驚いていますよね?
うん、驚いているはずだ。
どうも勇次郎の感情表現は激怒と区別が付きにくい。

ともあれ、鬼も驚愕する。
だってトリケラトプスだもん。
本場本元の恐竜を見てきたどころか戦ってきたピクルでさえビックリしたのだ。
鬼とはいえ現代人の勇次郎が驚かぬはずがない。
驚けることがある意味すごいが。
どれだけトリケラトプスなんだ。

観客も刃牙のトリケラトプスっぷりにビックリだ。
トリケラトプスを連想するどころかデカいと評する。
ま、待て!
百歩譲ってアレがトリケラトプスに見えるのは許容するが、デカく見えるのはおかしいだろ!
やっぱり、これってリアルシャドーの原理でトリケラトプスの幻影を見せていますよね。
どうみても妖術ですよね。

「この親孝行者めが」

勇次郎、喜色満面だ。
トリケラトプスを見せつけられて親孝行者……
うーむ、範馬的な感性だ。

勇次郎は格闘家だけではなく動物も喰らう。
むしろ、勇次郎の有名はそちらも方も大きい。
第1話で恐竜サイズの象だって倒しているし。
そんな勇次郎にとって未知の動物は非常に評価が高いのだろう。
トリケラトプスなんて戦おうと思っても戦えないし、最高のプレゼントだ。
……あれ? 刃牙がトリケラトプスってこと前提で話を進めていないか、俺。

刃牙が取ったトリケラトプス拳をビルの屋上より見下ろす男がいた。
実に81話ぶりの登場と相成るピクルさんだ。
その安否が気遣われるところであったが、無事に生き延びているらしい。
懸念要素であった食糧問題も独力で解決しているのかもしれない。
ホッと一安心だ。
ピクルの気配を感じたからこそ、刃牙はトリケラトプス拳を披露したのだった。
友情に報いた。友情?

しかし、相変わらずのフンドシ一丁だ。
一時期羽織っていたTシャツやジーンズは無視である。
ストライダムもプレゼントしてやればいいのに。
フンドシはあの日から一度も変えていない可能性もある。
いっそのこと全裸でいいのに。
全裸はピクルの大事な個性だと思う。

そういえば、都市伝説の勇次郎はフンドシだった。
リアル都市伝説状態のピクルと混合したのかも。
新宿にはフンドシの原人が夜な夜な現れるという……

ピクルは推定8.0以上もの視力で二人の戦いを見ていた。
毎度毎度無駄にスペックの高い人だ。
世界最高クラスの視力の持ち主は8.0くらいらしいので、人間にできることならピクルにできない道理がないというものだ。
刃牙がやられたら代打俺! と出場してあげればいいかも。
勇次郎VS.ピクルを今でも期待してしまう私がいる。

ちゃんと刃牙のトリケラトプス拳は伝わったようで、その顔には満面の笑みが浮かんでいる。
友である恐竜を侮辱するなと怒られず済んで良かった。
あのピクルが観戦するというのも不思議だ。
見る楽しみというのも理解したのか?
知らないところで現代文明を堪能していたのかも。

ともあれ、トリケラトプス拳だ。
ピクルさえも戦慄させた必殺技である。
ならば、勇次郎にだって……!
2年の月日を経てトリケラトプス拳の真の姿を見られるのかもしれない。
見たかったかどうかはよくわからんが。
次回へ続く。


復活のトリケラトプス拳!
ついに妖術師刃牙が蘇ったぞ。
やっぱり、ゴキブリよりもこっちですか。
まぁ、ゴキブリとトリケラトプスじゃ後者の方が強そうだ。
仕方がない。

でも、トリケラトプス拳ってどうよ?
不発だったよね?
Tレックス拳だって合気だったしペテン気味だ。
演出じゃピクルには通じても勇次郎には通じないぞ。

勇次郎を倒すには動物の力じゃ心許ない。恐竜でも勝てるのか?
いっそチャンピオンの力を借りよう。
ポエムした後に殴るシュガーレス拳とかどうだろう。
ポエムレベルが高ければ高いほど攻撃力が高まるぞ。
基本、ワンパンチで勝負が決まるぞ。

あと変顔になって頭突きをする弱虫拳とか。
うむ、変顔は刃牙の十八番だから向いている。
丸太で殴りかかるましのの拳とかもいいかもしれない。

久し振りの妖術を発動させたもののちょっと迷走気味だ。
妖術自体、ピクルの格闘技耐性の欠落を突いたに過ぎないから、勇次郎に通用するとは思いにくい。
それでなくてもトリケラトプス拳は地雷のような……
ピクルが喜んでいるから別にいいか。
あのピクルが他者の戦いを見て笑うというのも一昔前までは考えられなかった。

予想外のビッグ観客だけに他にもライバルたちの観戦に期待してしまう。
意外性のある人選に期待したいところだ。
シコルスキーが出てくれば盛り上がるぞ!
無駄に場違いな気がするが。

勇次郎も勇次郎で象形拳で対応してみてはいかがだろうか。
動物を象るだけでは刃牙の上には立てない。
這い寄る混沌みたいな何かすごいものになるとかどうさ。
勇次郎ならできる! 絶対にできる!

刃牙はトリケラトプスになった。
素人どころか玄人にさえ理解できない。
格闘技以前に一般常識に縛られていてはいけない。
とりあえず、驚いてはいるけど困惑するのが普通だ。

そこであの男の出番ですよ。
解説王、本部以蔵!
彼ならばトリケラトプス拳を説明してくれるだろう。

「フフ……独歩よ、刃牙が面白いものを見せてくれたな。
 トリケラトプスを模倣するとは儂はおろか、花田にさえできぬ芸当じゃろう」
(今更、花田を持ち出す)

「……おめえさん、誰だっけ」

「………………」

今の本部なら1分以内に殺される。精神的に。



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