範馬刃牙 第242話 逞しさ
範馬親子の決戦が近付いている!
…近付いているよね?
範馬親子のやるやる詐欺はとんでもない。
始まるまでは宣言が信じられないぞ!
珍しくというべきか、徳川邸で刃牙と徳川光成が対峙していた。
話すことは当然勇次郎との決戦だ。
徳川光成が開幕の報告をするはずが全然音沙汰ない。(バキ第273話)
あれ?
やるやる詐欺はもしかして範馬親子が悪いんじゃなく、徳川光成が悪いのか?
刃牙を徳川光成は逞しいと形容する。
勇次郎は逞しいとは言わないらしい。
地震や雷と言った天災を逞しいと言わないように、勇次郎も逞しいとは言わないのが徳川光成の持論だった。
勇次郎を形容するのに生物の範疇を越えてしまっている。
かつて地震を止め、去年は雷をも克服したくらいだ。(第211話)
勇次郎の強さは自然現象と肩を並べるレベルになっている。
「そんな父親に明日にでも挑むという 一年前には考えられんことだ」
1年前の刃牙とはどれくらいのことを指すのだろうか。
勇次郎を目前に捉えるだけなら紅葉戦直後にしている。
志だけなら作中時間にして1年前、実時間にして20年前からあまり変わりがない。
…まぁ、結果はお察しだが。
範馬親子の決戦はバキという作品が最終的に辿り着くべき到達点…
そのため、徳川光成は二人の激突に何よりも期待していた。
でも、刃牙の扱いはけっこうおざなりだ。
ピクル編もわざととしか思えないくらい無視していたし…
というか、露骨にがっかりしていたし…(第114話)
刃牙と言うより勇次郎の戦いが見たいだけなんじゃないか?
警察、機動隊、自衛隊…
日本が持つ武力の全てを用いても決戦を止めさせない。
でも、勇次郎を止めるのは無理でしょと刃牙は突っ込む。
決戦を止めさせないのであって勇次郎を止めるつもりではないのだが、うまく論点をすり替えて徳川光成を凹ませる。
些細なやりとりでも勝者になるのが範馬流話術か?
「人間(ひと)の力では もう阻止(とめ)られない」
「俺が止める」
刃牙が何だか格好良いことを言った!
でも、そいつはファンタジーやSF漫画で言うべき台詞だ。
あからさまに人外扱いしやがって。
そう言うお前は人間じゃないのかと言いたいところだが、刃牙も立派に人間を止めていたので誰にも反論できなかった。(第184話)
しかし、勇次郎を止める止めないの話だったか?
まるで血肉を貪る魔物みたいな扱いだ。
いや、間違っていないかもしれないけど、格闘家もとい強さに生きる人間以外には無害なのが勇次郎だ。
刃牙のリアルシャドーでは勇次郎の立ち位置はどうなっていることやら。
民家を容易く破壊する怪獣みたいな扱いなのか?
「一般市民が巻き込まれぬよう どうか警護(まも)ってください」
一般市民を巻き込むかどうかのレベルになるのかよ!?
どこでどう戦おうとしているんだよ。
でも、リアルシャドーしたら地震が起きた。(第193話)
地震が起きるくらいだから一般市民に害が出るのも至極当然のことである。
…地震は自衛隊とかじゃ止められないぞ?
地下闘技場でやるんじゃないのか?と思ったが、ピクル戦ではピクルが四方八方に飛んで危険だった。
もし観客がいたら間違いなく甚大な被害を被っていた。
同じように(地震に関係なく)範馬親子の戦いは危険なことになるだろう。
刃牙の提案は常識外れだが実に常識的な判断と言える。
「この親子喧嘩(たたかい)ッ絶対に止めさせんッッ」
刃牙の意図はボケ老人…いや徳川光成には伝わらなかったが、ともあれ範馬親子を阻む存在はいなくなった。
でも、範馬親子の戦いを止めようとしている者は誰もおらず、
むしろ範馬親子がやろうとしていないのが問題だ。
敵は外ではなく中にいるぞ!
範馬刃牙、お前のことだ。
さて、とあるホテルのバー…
ここで勇次郎と独歩が共に酒を飲んでいた。
克巳の件以来、すっかり仲良しさんだな。
勇次郎は衝撃の発言をしている。
恋をしている…
地上最強の生物に似合わぬ発言だ。
独歩だって驚くよ。
酒を飲めているということは、無事釈放されたようだ。
…正当防衛を認められるのかよ。
「倅……… 刃牙にだ」
「待ちわびた……………」
「丹念に育んだ種子(たね)が……… 時とともに成長し……」
「遂には この俺に牙をむく」
「気付いたら………」
「刃牙のことばかり 考えている」
「何をしていても」
「心の隅に刃牙がいる」
パパさん、空前絶後の大告白だ。
別に丹念にというほど刃牙を育ててきたわけではないのだが、ともあれ勇次郎の親馬鹿っぷりが露骨なまでに伝わってくる。
このわざとらしい親馬鹿!
ストライダムにその辺をつつかれるとキレるくせに、独歩には自ら心中を告白している。
ストライダムの立ち位置はその程度らしい。
強敵に恋い焦がれ戦いたいと願う気持ち…
この気持ち、まさしく愛だ!
まぁ、範馬一族の愛は暴力に転化されるのだが。
それは独歩も闘士ならば理解できるものだろう。
あっさりと納得するのだった。
「よく見る夢がある」
「奴に……… 手も足も出ぬ夢……」
さらにとんでもない発言を続ける。
刃牙に圧倒される夢…とんでもない悪夢だよ。
勇次郎のイメージの刃牙は妖術師の笑みを浮かべている。
…ピクル戦の時の刃牙はこんな感じだったな。
悪夢としか思えないが、勇次郎はさぞ嬉しそうに語る。
地上最強と呼ばれた男の夢は自分を圧倒するほどの強者と戦うことかもしれない。
ピクルに力で負けた時も嬉しそうだった。
この世界で真に敗北を知りたいのは勇次郎なのか?
…刃牙よりもピクルと戦った方がいい気がする。
これには独歩も度肝を抜かれる。
いや、勇次郎の発言に度肝を抜かれてばかりだけど。
勇次郎は相変わらずのスコッチストレート一気飲みを敢行しているし、けっこう酔っているのかもしれない。
「叶いそうか……?」
「叶わぬ故………」
「夢と云うのだ」
ストライダムが同じことを聞けば葉巻を蹴られるものだが、勇次郎は独歩には否定しながらもどこか嬉しそうに返答する。
勇次郎は恋い焦がれていると共に、夢に焦がれているのだろうか。
例え叶わない夢だとしても刃牙に対する多大な期待が表れていることは明らかだ。
この期待を裏切るととんでもないことになるな…
でも、刃牙は不気味に強い。
ピクルとの戦いでそれを証明した。
夢が叶いかねないのが恐ろしいところだ。
でも、千春の時は妙に苦戦した。
刃牙の強さは相手が強ければ強くなり、弱ければ弱くなるとどうも相対的なんだよな。
じゃあ、最強の勇次郎とやれば…
「嬉しそうだなオーガ チョッピリ妬けるぜ」
かつてのライバルを置いて刃牙ののろけ話をされるのだから、独歩も嫉妬するというものである。
というか、のろけるために独歩を呼んだのか?
ものすごい親馬鹿だよ。
そりゃ恋とか言い出す。
ストライダムに話すと茶々を入れられるので、独歩を呼んだのだろうか。
決戦を間近に刃牙と勇次郎は相思相愛の関係になりつつある。
ものすごいラブラブモードだ。
ただ決戦が本当に行われるかが問題だ。
いつやるか、ではなく、行うかどうかのレベルで怪しい。
ボルトや第2回最大トーナメントなど置いたままにしている展開はいくつもある。
…第2回最大トーナメントは本気でどうするんだ?
次回へ続く。
勇次郎がのろけまくりだ!親馬鹿すぎるぞ!
何か数年に1度の親馬鹿フィーバーと言いたいところだが、ここ数年はけっこう親馬鹿だった。
連載が進むたびに親馬鹿レベルが上がっていくなー。
…その愛をジャックにも捧げてください。展開の愛も。
刃牙が勇次郎との戦いを決意した理由は何なのだろうか。
ピクルに勝った?からかもしれないが、流れ的には千春に勝ったからとしか思えないんだよな。
勇次郎の前哨戦が千春…最悪だ!
何が刃牙の魂に火を付けるのかさっぱりわからない。
千春との戦いで刃牙はゴキブリダッシュに目覚めた。
完全なスピード技だ。
だが、バキ世界においてスピードは大成しない。
ファイナルマッハ突きだってパワーの塊だったピクルを倒せませんでしたよ。
まぁ、必殺技と見せかけたものが、ただのジャブなのはバキ世界にはよくあることだ。
そして、ジャブのように使われる金的が必殺技になることもよくある。
刃牙は勇次郎に金的してみたらどうだ?
ピクルだって苦しんだから通用するんじゃないだろうか。
でも、親子喧嘩は食事をして、それが失敗して初めて範馬親子の戦いは成立する。
刃牙…あるいは勇次郎が作った料理が普通に美味しくて、喧嘩が成立しなければどうするのだろうか。
…ありそうで怖いな。
勇次郎を目の前にするとヘタれるのが刃牙のお約束だ。
様式美が炸裂しそうだなー。
最近は展開がまったく読めない。
独歩もいつの間にか釈放された。
刃牙と勇次郎が戦うと見せかけて、別の戦いが始まってもおかしくはない。
むしろ、そんな展開ばっかりだったし。
これから先も斜め上の展開になるだろう。
刃牙と勇次郎の食事に梢江が混ざるとかどうよ。
相当気まずい食卓になるだろうな。
勇次郎に敗北を教えるのは刃牙ではなく梢江かもしれない。
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