範馬刃牙 第267話 共同幻想
ついにトリケラトプス拳が復活した!
復活して欲しかったような、欲しくなかったような。
まだ剛体術の方が期待値が高い。
でも、暴投しないと勇次郎に通用しないだろうし……
一周してありなのかもしれない。
[範馬勇次郎なら会いたかったハズだ]
[遠い>(とおい)ところから俺が連れてきた]
待て!
連れてきたんじゃない!
なりきっているだけだ!
事実の捏造も妖術師か。
むしろ、ペテン師か。
それよりも詐欺師か。
刃牙はくの字点を使っている。
ぬう、妙に古風めいている。
白亜紀の獣、トリケラトプスが憑依したからだろうか。
いや、その時間に日本語ないけど。
刃牙はパント・マイマーのような目に見えぬ存在を感じさせていた。
[動きに帯びる力強さ(ダイナミズム)][踏みしめる脚の重量感][古代の闘争心を思わせる眼光]がトリケラトプスを連想させるのだった。
待て、お前らはそもそもトリケラトプスを知らんだろうに。
それに古代の闘争心を思わせる眼光って何だよ!
ペ、ペテン臭ェ。むしろ、詐欺臭ェ。
完全にフィクションだろ。
ともあれ、トリケラトプス拳は理解を超越(こえ)た理解をもたらしていた。
もう完全にトリケラトプスなんです。
トリケラトプスになってしまったんじゃあしょうがない。
うん、トリケラトプスなんだよ。
疑るなぁッッッ。
[神懸かり的洞察力を持つ父の眼]
[今や――――――]
[少年の実体は希薄となり]
[虚像に込められた 思いだけが実体化していた]
勇次郎からもトリケラトプスだった。
うーむ、恐ろしいまでの電波受信力だ。
トリケラトプスになっちゃったよ。
誤解なきように言及しておきますが、この漫画は格闘漫画です。
刃牙がその気になれば別の存在になりきることもできるのだろうか。
例えば勇次郎拳とかどうだろうか。
最強には最強。勇次郎には勇次郎。
対消滅しそうだし、宇宙の概念にさえ触れそうだし、そもそもトリケラトプスよりも想像するのが難しそうなのが難点。
いや、勇次郎を想像するのは無理だな。うん、勇次郎拳は諦めよう。
そんな勇次郎さんは実は恐竜に対して憧れを持っていた。
子供の頃、TVで見て憧れた。
(勇次郎が子供の頃はTVを見ていたのがそもそも驚きである)
強さに目覚めても憧れており、大人になってからも恐竜好きであった。
第79話ではティラノサウルスの化石に萌えていたし、相当な恐竜好きである。
週刊恐竜サウルスを買っていたのかもしれない。
私も買ってたよ。第1号だけ。
[こいつら一体 どんだけ強いんだ!!?]
やっぱり、強さが第一基準の勇次郎であった。
強そうだから恐竜大好き。実に勇次郎らしい。
そんな恐竜を狩ってきたピクルなんて、勇次郎的には最高の人材だったんだろうな。
無視せずに戦ってやれよ、勇次郎。
(こい……)
(大切にこい…)
(夢をそのままにこい!!!)
とんでもない期待をかけられた刃牙であった。
刃牙=夢!
もし恐竜と戦えるのなら刃牙を育てることもなかったのかもしれない。
だって、夢だったんだもん……
でも、勇次郎はリアルシャドー否定派だった。(第15話)
似てはいれどあくまでも幻影は幻影だ。
逆に考えればそんな勇次郎が認めるほどの恐竜なのか?
やっぱり、妖術だろう、これは。
勇次郎は両腕を大きく広げる。
恒例にしてお約束のオーガの構えだ。
勇次郎だけでなくピクルも得意とする構えだ(1度しか使わなかったけど)。
最強を冠する者が恐竜を相手取る時には同じ構えを取る……
意味有りげなシンクロニシティである。
いや、刃牙は恐竜じゃないけど。
[発動! 過去
遂に使用されなかった]
[トリケラトプス拳!!?]
使用されなかったのは公認だったのか!
幻の必殺技、トリケラトプス拳がついに発動した。
コンクリートの地面を砕きながらのダッシュだ。
ゴキブリダッシュ並みの加速である。
むしろ、ゴキブリダッシュじゃね?
見た目だけトリケラトプスじゃね?
刃牙は両腕を角に見立てた突進を行う。
それがトリケラトプス拳だった。
え?
ゴキブリダッシュとどこが違うの?
刃牙がトリケラトプスになっているんだよ!
全然違う!
勇次郎は刃牙ケラトプスの突進を受け止める。
例えトリケラトプスが相手でも引かぬ媚びぬ顧みぬ。
勇次郎イズム爆発である。
実際のトリケラトプス相手だったら興奮シチュエーションだ。
実際のトリケラトプスなら……
だが、勇次郎と言えどトリケラトプスの突進を不動で受け止めることはできない。
地面を削りながら押し出されていく。
何だか刃牙は押し出してばかりで勇次郎は押し出されてばかりだ。
たしかに100人の機動隊を凌駕するパワーを持つ勇次郎を押し出せるのはすごいのだが。
この突進でトリケラトプス拳は終わってしまうのだろうか。
角を抑えられればトリケラトプスは次の攻撃手段を失ってしまいそうだ。
トリケラトプスの弱点を突いた形なのかもしれない。
さすがに蹴ると勇次郎に「トリケラトプスはこんなことしない!」と怒られそうだし。
まぁ、刃牙の恐竜象形拳はトリケラトプスだけではない。
プテラノドンやティラノサウルスになることもできる。(第167話)
数多の恐竜に変化しておけばいいかもしれない。
最終的にプテケラサウルスになり、ただのモンスターじゃねえかと突っ込まれる。
次回へ続く。
トリケラトプス拳がついに炸裂した。ただの突進でした。
ゴキブリダッシュとどこが違うんだろう……
トリケラトプスになっているから大違いか。
現実に騙されるな!
虚像こそ真実だ!
意外にもと言うべきか、勇次郎は恐竜ラブだった。
戦えるのなら戦ってみたいのだろう。
夢がかなって良かったと言っていいのか?
うん、刃牙はトリケラトプスだから仕方がない。
でも、それだけに勇次郎は恐竜の生態を把握しきっているのかもしれない。
刃牙が下手な恐竜象形拳を見せると駄目出しされるだろう。
今のところ、共同妄想でうまく補っているがそれがいつまで続くことやら……
刃牙の恐竜トリビアが問われるところだ。
しかし、勇次郎にトリケラトプスになって対抗するというのはその発想はなかった状態だ。
鬼に恐竜で対抗するのは間違って……いや、異次元の発想だな。
そもそも格闘漫画の解法じゃない。
力で敵わず、技で敵わず、速さで敵わず、そこで持ち出したのは恐竜というのが狂っている。
格闘という概念に囚われないようになったのは大分昔からだが。
もう勇次郎に対抗するにはこんな暴投しかないのかもしれない。
相手のピッチャーは剛速球を投げて打てないのなら、竹刀持って剣道すればいいじゃない。
こんな感じに暴論ばかりの戦いにしていけば、刃牙にチャンスが生まれるかもしれない。
もう何が何だか。
バランスの良い山本選手には理解できない戦法だろう。
勇次郎も恐竜になって平成恐竜大戦が繰り広げられたら大変だ。
そんなことになったら素体の性能差で刃牙が負けてしまう。
それは困る。
困る?
困っておくか。
刃牙は恐竜を越える存在になって対抗したりして。
とりあえず、ガンダムで。
勇次郎も負けじと赤いザクになる。
そんなことを何度も続けて最終的にオリジナル勇次郎になり、勇次郎こそが最強となると漫画的にテーマ性がある。
何言ってんだ、私は。
だんだん何が起きているのかわからなくなったが、これがバキ世界の最高峰の試合ということか。
これからもっとスゴイことになるかもしれない。
格闘漫画らしさが加速度的に失われていくが、範馬勇次郎は強さの象徴であり格闘技の象徴ではない。
道理である。
勇次郎の鬼哭拳に対抗するために恐竜の力を借りたりするのだろうか。
恐竜拳!
……はトリケラトプス拳か。
ならば、恐竜絶滅拳!
恐竜さえも絶滅させる一撃である。
鬼に対抗できるかもよ?
対して地球崩壊拳なんて持ち出されたら諦めるしかないなー。
刃牙はここまでやっておいて格闘技賛歌を行う男なので油断できない(第176話)。
勇次郎相手にも横柄な態度は崩さないであろう。というか、崩していない。
でも、勇次郎も相当なワガママだからなー。
なるほど、ワガママ対決だったのか、これは。
刃牙があれ買ってこれ買ってと地面に寝っ転がってだだをこね始めたら勇次郎の負けかな。
あの構えを取った息子に勝てる親はいない……
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