小生、電子版を買ったので恩恵に預かれず。
どうせコミックスに収録されるだろーと高をくくっていたら小説らしくて何か収録されなさそう。
あう……あうあう……
文学VS櫻井はまさかの文学勝利に終わった。
そこで問題となるのは裕章のセコンドのヨシフ・ブラトフだ。
何せアンダーグラウンドから追われの身なのに、超インファイトしていますからな。
いや、でも、それから逃れるために十兵衛VS石橋の試合を組んだんじゃなかったけ?
ともあれ、ヨシフは敗者だ。
ペナルティということで追っ手のB級闘士、バルトロメウス・バッツドルフ、通称B・Bがやってくる。
B級闘士なのでB・B・Bだ。
裕章がS級だからランクだけ考えると大したことがなさそう(率直)
それでもアンダーグラウンドの闘士だけあって、ヨシフの不意打ちのナイフをあっさり受け止める。
バルトロメウス・バッツドルフさんことB・Bによると、裕章は救急車で既にホテルの外へ出ている、ヨシフの推測が混ざっているが円形闘技場の頃の雇い主に買われたようだ。
裕章は金玉を潰された挙げ句、自由の身になれなかった。
……何か陰陽トーナメントの後に噛ませ犬になりそうっすね。
それと並行して文学が手術室に運ばれたことが語られる。
折れた腕は縫合するだけで、耳は繋げるようだ。
耳を繋ぐ、つまりは神経を繋ぐと全身麻酔となるので、次の試合は戦えなくなる。
なので、(他の選手の試合を見るという目的もあるので)部分麻酔だけで手術に望むようだ。
痛いらしいが無極があれば何とかなるだろう。
麻酔なしの手術は医者漫画によくあることだしな!
とはいえ、何かすぐに取れちゃいそうだから、無理に繋がなくてもいい気はするが……
何にせよ満身創痍の勝利であった。
十兵衛はそれを軽く流しながらも文学の様子を見に行くと言う。
師匠の激勝は弟子にどんな影響を与えるのか。
これで根には熱い部分を持つ十兵衛だから……でも、十兵衛だから……
さて、7日後。
梶原さんといい陰陽トーナメントの真っ最中なのに後日談がよく挿入されますな。
これは陰陽トーナメントだけでは終わらないということか。
この掲載ペースで書き切れるのか、大変疑問ですがね。
……頑張れ、木多先生。頑張れ頑張れ。
そこで幽閉されたヨシフがアンダーグラウンドで戦わされることになっていた。
シロタの時のように猛獣で戦わされるということだろう。
あの時と同じく棒で戦わされそうになるがヨシフはナイフで戦うことを望む。
エキシビションは刃物と銃器の使用は認められないと断られるが、ヨシフが娘のために用意した口座に残した20万ドルを自分自身に賭けることでエキシビジョンではなく試合として認められる。
ヨシフの相手はライオンとトラの雑種、ライガーだった。
ライオンやトラよりも大型な個体である。
というか、アンダーグラウンド、いろんな猛獣がいるんだな……
芸達者というか何というか。
ヨシフはアンダーグラウンド所属である。
そのため、試合開始までの流れを熟知していた。
エキシビションなら即開始だが、試合なので前口上に3分、ベッティングに最低5分。
試合開始まで8分の猶予があると推測していた。
その8分でヨシフはズボンを脱ぐ。
そして、太腿にベルトを巻き止血、おもむろにナイフで自分の太腿を斬り始める。
まさかの自己切断である。
ただ刃の部分で斬っただけでは骨は切れないから、ギザギザの部分でノコギリのように削っていく。
すっごい……痛そう……
それでもヨシフはベッティング終了までに太腿から下を切断し終える。
凄まじい胆力だ……俺、この人をちょっと面白いだけの人だと舐めていた……
アンダーグラウンドに生きてきただけあり、並みの格闘家を超越する凄まじい精神力の持ち主であった。
でも、斬るなら太腿じゃなく膝から下にしておけばいいのに。
太いから斬りにくかろう。
生き残った時に膝から下がないと困るぞ。
ヨシフは斬った脚をライガーに食べさせる。
シロタの時は猛獣の食事制限をしていた。
今回もそうなのだろう。
なので、ライガーはバクバクと脚を食う。
その間に檻が開く。
それと同時にヨシフは檻の中に入りライガーの後ろに回り込み、首筋にナイフを突き刺す。
そして、頸動脈を切ることに成功する。
ヨシフはアンダーグラウンドがライガーを所有していることは知っていた。
トラかライオンかの選択肢を与えられた時に、どちらも選択しなければライガーを選ぶことを予想していた。
つまり、ヨシフは自らの意志でライガーを選んだのだった。
さらにライガーは巨体である。
巨体故に収納できる檻がひとつしかないこと、狭い檻では背後への反撃はできない。
故に反撃よりも先に逃げることを選択することも想定していた。
全ての想定通りに事は進み、ライガーは逃げ出してすぐに事切れる。
……まさかのヨシフの勝利だった。
この人、すげえ……
幽閉された状況下でここまで生存のための戦略を練られるとは……
裕章の傍らにいたのは伊達ではなかった。
「ユウショウ」「ユウショウ」
「ユウショウ俺は生き残ったぞぉぉ!!」
どんだけ裕章のことの好きなんだよ、お前。
ともあれ、ヨシフは片足と引き替えに絶望的な状況下で勝利を掴んだ。
掛け金の総取りで圧倒的な富を得るボーナス付きだ。
アンタ、国会議事堂で試合できるぜ……(マガジン稼業)
「1年後アンダー・グラウンドはタンからの出資が止まり運営が立ちいかなくなる」「だがそこに新たな出資者が現れる」
「その男は行動と容貌からこう呼ばれていた『片足のヴァルチャー』」「名をヨシフ・ブラトフといった」
さらに後日談も語られる。
今のアンダーグラウンドの出資者はタンである。
出資を止めるということは何らかの理由から失脚、あるいはアンダーグラウンドとは別の物を、現在進めている謎の計画に注力したということか。
ここまで風呂敷というか伏線を張ったなら回収してくださいよ、マジで……
次回、3週間後だけど。
……回収してくださいよ、マジで(2回目)