この技でスペックにトドメを刺している。
さらに握撃だって残しているぞ!
20年以上使ってないけど、握撃……花山の必殺技のベストオブベストなのに……
「作者のアイドルであり現代カラテの父」「故 大山倍達」
急に大山倍達が出てきた!
独歩のモデルであり、もっとも有名な格闘家の一人であろう。
賛否は分かれる人物ではあるが強さだけは本物と評価されている傾向にある。
その大山倍達は指の力だけで硬貨を折り曲げる絶技の持ち主だった。
それができるということは耳を素手で剥ぎ取り、鼻をむしり取ることができる!
……耳を剥ぎ取ることはそこまでハードルは高くなさそうだがそういうことなのだ!
さて、ジャックと花山の戦いに戻る。
花山は続行の意思を確認している。
余裕のある時の花山はまだやるかいを使う。
余裕がなくなると全然使わなくなるけれど、それを踏まえれば今は余裕があるということか。
前回、情けないところを見せてしまったジャックだが心は折れていない。
全身を使って花山の右脚に組み付く。
並みの人間ならバランスを崩して倒れてしまいそうだが花山は直立不動だ。
しかし、ジャックの狙いは右脚を極めることではなかった。
噛み付く! 嚙道炸裂だ!
このまま、関節を極めるなりした方がいいのでは?と思うが、それでは嚙道ではない。
例え無駄や無理があったとしても噛み付きへ繋げてこそ嚙道なのだ。
漫画版餓狼伝ではプロレスラーが丹波の脚に噛み付いたが、ジーパン越しに噛み付いてしまったがために脚を一気に引き抜かれて全ての歯を持って行かれた。
だが、ジャックは脚に組み付くことでその脱出手段を封じている。
ジャックだって馬鹿ではないのだ。
噛み付きの弱点を塞いでいるのだ。
それに対し花山はジャックの脚へ手を伸ばし握る。
つまむというよりも鷲掴みである。
さらに一気に引きちぎる。皮膚だけなのか、肉ごと行ったのかわからないがまたも痛い攻撃だ。

「ア゛ァ゛ア゛ァ゛ア゛~゛~゛」
ジャックはまたも本気で痛がる!
噛み付きを中断し悶えるのだった。
最大トーナメントで数々の攻撃を受けてもノーダメージ、最近ではピクルの引っかきにも耐えきった男とは思えない。
それほど花山の握力を用いた攻撃は痛いということか。
でも、ジャックさん、ちょっとは学習してほしい。
握らせると大ダメージなら組み付くのは悪手だ。
ジャックの技術力が生きる打撃戦をすればいいのでは?
噛み付きにこだわるが故に無理なことをしがちなのが嚙道の弱点か。
今回は噛み切っても大きなダメージにならない部位だしなおさら噛み付きにこだわらなくても……
「ん~~~………もうムリか………」
花山は痛みに喘ぐジャックにもう無理判定を出した。
度重なる激痛に心が折れてしまったか?
ジャックは痛み耐性はけっこうあると思ったが、それほどまでに花山の攻撃は痛いのだろう。
皮膚を狙った攻撃は勇次郎でさえとんでもないことになるのだ。
意外にも花山がジャックを翻弄する展開になっている。
格闘技を舐めるなとイキった結果がこれである。
これではさすがに格好悪いぞ、ジャックよ。
今までのジャックが痛みに強かったのはドーピングのおかげだったりして。
ピクルに顔を食われた時はマックシング目前になるくらいはドーピングしていた。
その点、今回は突然始まった戦いなのでドーピングする暇がなかった。
ジャックの意外な弱点を突いた形かもしれない。
決まった日程と時刻に行われる試合ならそれに備えてドーピングを行えるが、突然始まる喧嘩ならそうもいかない。
ジャックとて常にドーピングをしているわけでもないし、ドーピングの用意もしていないだろう。
前に不覚を取った本部戦もそうだった可能性はある。
だとしたら花山はドーピングの隙を狙ったのか?
意外と姑息なのが花山だし勝つためにそれくらいしてもおかしくはない!……かも。
それにしても花山でここまでできるのを見るとピクルは本当に弱くなったと感じてしまう。
今のピクルは誇り高き戦士ではなく、美意識なくゴミをすするような狩猟者になってしまった。
その点、美意識を捨てたジャックと美意識を重んずる花山の差が表れているのかも。
美意識が刃牙らへんのテーマだったりするのか?
ジャックが美意識を改めて意識した時、さらなる飛躍を遂げる……のか?
その点、昂昇は美意識とかそれ以前にただ弱かったので負けたということで。
次回へ続く。