戦姫絶唱シンフォギアAXZ EPISODE13 涙を重ねる度、証明される現実は



アダムフルボッコ! 希望の未来へレディゴー!
ラスボスの思惑は途中で崩れて、そこからフルボッコが始まるのはシンフォギアのお約束ですな。
そして、今回のラスボスは過去最高に遠慮なくボコれる。 殺せ! 殺しちまえ!(物騒)



アバンは前回のラスト、錬金術士たちが散ってからのリピート……
なのだが、錬金銃、正式名称スペルキャスターが地面に落ちるカットが追加される。
RPGなら拾えるぞ。




シンフォギアライブに落選した人たちの悲惨な光景。
ティキはボロボロになり、アダムはライブチケットを求めて虚空を求める。
だ、大丈夫……第5期のライブがあるから……
どうでもいいけどシンフォギアライブ2016に行った時、チケット譲ってくださいと段ボールに書いた人がいたのが強烈に印象に残っています。
都会ってすげー。



一方、未来さんはちゃんと避難しつつやったぜと笑顔。
さすがにあの戦場の只中に身を起き続けるわけではないのだった。
ほら、未来さんは響ととっても仲がいいあくまでも普通の一般人だから……
何も特別な設定がない一般人だから……





「サンジェルマンさんの歌は……胸に届いていた」
「だけど、何もできなかった……」
「わたしはまた――ブン殴ることしかできなかったッ!!」


響はまたもすれ違い手を取り合えなかったことに涙し台パンをする。
だが、サンジェルマンはフィーネやキャロルとは異なり、たしかに変わって響のために散っていった。 手は届かなかったかもしれないが、心は届いていた。
もっとも、響の望む結果ではなかっために慟哭せざるをえないのだが……




「フォールアウト、EMP共に確認できません……」

「あらゆる不浄を祓うラピス・フィロソフィカスの力……ッ!!」

「ファウストローブだけでなく命までも賢者の石に見立てて反応兵器の被害を……」
「ですが、その代償としてッ!」


「ああ……この国を守ったのは、理想に殉じた錬金術士だ……」

反応兵器の脅威はその破壊力だけでなく後に残る汚染にこそある。
だが、その汚染が確認できない。
賢者の石の不浄を焼き尽くす力はダインスレイフのみならず、反応兵器の汚染をも焼き尽くした。
サンジェルマンたちはその場にいた装者たちのみならず、日本に生きる人間たちの未来までも守った。 響もサンジェルマンも手に取ることのできないものを守っている。
だからこそ、すれ違うのは何という皮肉か。

なお、サンジェルマンの理想の礎となった7万という人数は長崎に落とされた原爆の犠牲者となった人数とほぼ同じである。 あれとはいろいろと状況が異なるし、今回の反応兵器の被害規模はそれよりも大きいか小さいのかはわからない。
だが、礎とした人たちと同じ数の命は救ったのかもしれない。
だからと今までの行いが許されるわけではないが、それでもたしかな理想を貫いたのだった。




「ありがとう、サンジェルマンさん……」
「だけど、望んだのはこんな結末じゃない」
「もっと話したかった……わかり合いたかった――」


響はサンジェルマンたちが散った空を見る。
今までの敵とは異なり想いは同じだったし、だからこそサンジェルマンも響を理解していた。
なのに話す機会がロクになかった。
手を取り合うのが強調されるシンフォギアだが、取り合えないことも強調されているのである……
あとカマホモ2人も忘れないでネ。
あいつらも話せばわかってくれそう。



「『わかり合いたかった』ぁ?」

で、そんなしんみりムードに水を差すのが倒置法の男である。
わかり合おうとした過去があった、フィーネやキャロルには。
最後には通じ合うところがあった、あのウェル博士にだって。
だけど、一切わかり合う気がない、アダムには。
その点、特殊なのである、アダムはラスボスとして。 だからこそ、ブン殴れる、遠慮なく。



あ、ティキは死にました。
でも、このまま放っておくと第5期への伏線になりかねない。 全身バラバラにするまでは全然油断ならない。
シンフォギアの入り組んだ伏線の中にティキが入り込む可能性は全然あるぞ……
神の力の器としては全然使えるわけだし……恋乙女が一歩間違えれば復讐鬼になってもおかしくないし……



「――わかり合えるものか、バラルの咒詛がある限り」
「咒詛を施したカストディアン――アヌンナキを越えられぬ限りッ!!」


出たァ! 新しい用語がァ!!
アヌンナキとは神々の集団の意であり、惑星ニビルに住む宇宙人の名前でもあり、人類はアヌンナキの子孫という説がある。
あらゆる意味でシンフォギアの設定と合致するウルトラパワーワードである。 改めて言うが、シンフォギアの設定の濃密かつ緻密で極限まで練られている。
このアヌンナキも適合者の脳を強烈に揺さぶるのであった。
人類はアヌンナキの子孫説を考慮すると、アダムを作ったのがアヌンナキなのか……




「……だとしても」

「だが、ひとつになれば話は別だ」
「統率者を得ることで無秩序な群体は完全体へとォッ!!」


アダムは人間を不完全と見下しつつも、それを完璧にしようとしている。
錬金術の研鑽は人類任せなわけだし、意外と買う部分は買ってそう。
まぁ、自分が支配するという前提があるわけだし、出るとこ出れば人類の命をぽいぽい焼却しそうだけど……
この辺に何か思惑があるように思えるのであった。





「――だとしてもッ!!」
「わかり合うために手を伸ばし続けたこと、無意味ではなかったッ!!!」


サンジェルマンとはすれ違った。
しかし、わかり合おうとしたからこそサンジェルマンは変わることができた。
だからこそ、アヘ顔ではなく笑いながら逝くことができた。
無意味ではなかった。
響は無意識下かもしれないが自分を肯定して立ち上がった。 今回の響は後悔に沈むばかりではないのである。







「ああッ! このバカの言う通りだッ!!」

「お前が語ったように私たちの出来は良くない」

「だから、何ちゃらの一つ覚えで何度だって立ち上がってきたのデスッ!!」

「諦めずに何度でもッ! そう繰り返すことで一歩ずつ踏み出してきたのだからッ!!」

「たかだか完全を気取る程度で、私たち『不完全』を上から支配できるなどと思うてくれるなッ!!」

この響の言葉に装者全員が異口同音を重ねる。
不完全が力を合わせて圧倒的格上に勝ってきたのがシンフォギアの歴史だ。 まさにシンフォギアの歴史が込められた叫びである。
というわけで、第7話以来の装者勢揃いである。
あの時に瞬殺された翼さんが締めるぞ!
あの時に瞬殺された翼さんが!





「どうしてそこまで言える、大きなことを」
「大きな顔でッ!!」


「人でなしにはわからないッ!!」

出たァ! 久し振りのノイズさんだァ!
9話から音信不通になっていたけど無事最終回に舞い戻ってきた。
持ってるなら響とサンジェルマンのチームにも使えば良かったのに。
バリアコーティングのあるシンフォギアには有効打にはならないけど、それがあるのかわからないファウストローブにも大打撃与えられたかもよ?
マッパになって倒れるサンジェルマン……
あの人は直前にマッパになってたか。




「負けない愛が拳にあるッ!!」
この土壇場に唄われるのは激唱と旋律を掲げる「アクシアの風」!
待望の「始まりのバベル」に続く新たな6人の合唱である。
第6話の「アクシアの風」のバトルバージョンと言った趣である。
聖詠バージョンは前奏であったか……




「美しき刃で月下に翼舞う――」
アクシアの風の歌詞には各自の曲が採用されている。
響は「負けない愛がここにある」、翼は「月下美刃」となっている。
実に粋な歌詞……
ついでに曲名は金子彰史が考えているらしいので、歌詞を考えたのは金子彰史と言えよう!
クレジットは上松ニキだけど!




「GUN BULLET X、力に変わる――」

「Stand up Ready決めて天へと向かい――」

当然、クリスは「GUN BULLET XXX」! マリアは「Stand up Ready」!
まさに集大成という歌である。
第4期なのに集大成ばっかりじゃねーか!
第5期のことを考えてやれよ!






「メロディアスに煌めいた――」
「サンシャインとなり――」
「「絆束ね――」」
最終回と言えばボケるのがザババコンビだが、今回はわりとまともであった。
「非常Σ式・禁月輪」と鎌ブンブンを合体させることで全方位攻撃だ!
何かおかしいけど普通!
ザババルンバは最高に面白かったけど毎回ボケてもね。
その歌詞は言うまでもなく「メロディアスムーンライト」と「デンジャラスサンシャイン」!





「どうしてこんなにも争いが続くのデスかッ!」

「いつだって争いは信念と信念のぶつかり合い――」

「正義の選択が争いの原因とでも言うのかよッ!!」

「安易な答えに歩みを止めたくはないッ!!」
「だがッ!!」


戦いの連鎖の発端がどこにあるのか、装者たちは自問する。
ここで述べられたように信念と信念のぶつかり合いがシンフォギアの戦いなのだ。
あのウェル博士も傍迷惑だけど信念はちゃんとあった。
アダムだって好き勝手やっているようで何だかんだで自分なりの考えは感じられる。
何だかんだで。
そういう意味では八つ当たりがほとんどのキャロル。お前、信念も子供サイズだな!
だからこそ、響が倒れたことに涙したのかも。



「装者の6人によるユニゾンでフォニックゲイン上昇ッ!!」

「だけど、エクスドライブを起動させるにはまだ程遠くッ!!」

ユニゾンが幾度も確認され、もはや戦術に組み込めるレベルになったようだ。
それはユニゾンだけでなくエクスドライブもであった。
かつての奇跡は幾度も繰り返すうちに必要なフォニックゲインがほぼ判明したのだろう。
だからこそ、藤尭はエクスドライブに至るためにはフォニックゲインが足りないことを叫ぶ。
ラスボス戦と言えばエクスドライブだが、簡単に達成することはできないのであった。


「それもこれも、相互理解を阻むバラルの咒詛ッ!!」

戦いの発端、バラルの咒詛説。
だが、具体的に何なのかがまだ説明されていない。
バラルの咒詛が弱まっていたGの頃も戦っていたわけだし。
バラルの咒詛はシンフォギアの根底にある設定なのに未だにぼやかされている。 第5期で真相に迫るか……





「『だとしても』ですッ!!」

「使わないのかい、エクスドライブを」
「いいや、使えまいッ!」
「ここにはないからね、奇跡を纏えるだけのフォニックゲインがッ!!」


シンフォギアのラスボスはエクスドライブによってどんでん返しを食らっている。
だからこそ、アダムはエクスドライブを把握、警戒していたのだった。
第1期の適合者候補のリディアンの生徒の歌もなければ、Gの70億の絶唱も、GXのキャロルの絶唱もなし!
エクスドライブは装者たちの力だけでなく外的な要因が必要となるのだがそれがない。
つまり、エクスドライブは使えないことを見切っていた。
アダムは傲慢だが油断はないのだった。 これは余裕だよ。でも、迂闊はある。




「力を失っている今ならばッ!!」

それでも今のアダムは左腕を失っている。
天のレイラインは相当に無理矢理らしく凄まじい魔力を使った。
なので、2日経った今でも相当に消耗しているようで、そこを翼は蒼ノ一閃で突こうとする。
しかし、あっさりガードされる。
ダメじゃん、防人! 森崎君か!




「決意を翳して――歌は死なないからァッ!!」
いや、防人の一撃は牽制!
響のダブルパンチがアダムに決まった!
バリアで防ぐが大爆発。
殴れば爆発するのは基本。




「届いたッ!? でも――」

「ああ、敵は統制局長アダム・ヴァイスハウプトだッ!!」

やったか!(友里さん)
やってないかも!(弦十郎)




「左腕ッ!?」

やってない! 異形の左腕が響の拳を掴んだ!
金子彰史作品において左腕というキーワードは大きな意味を持っている。
WA1でロディが失いガーディアンブレードが埋め込まれたのも左腕、WA3でアガートラームを持っているジェットも左利き。
シンフォギアでも響が食われたのも左腕ならマリアのアガートラームのギアも左腕に偏ったアシンメトリー。
そんな左腕が敵に回った! 大変だ!





「そうさ、力を失っているのさ、僕は」
「だから、保っていられないのさ、僕は」
「僕の完成された美形をォッ!!」


目の前にあるアダムは真の姿ではない。
ちゃんと設定にもある美形は保っていたものであった。
そりゃ美形って設定したのだから拾いますよ。
装者たちは可愛いって設定がないので拾わない。わりと可愛い止まり。






「知られたくなかった、人形だと」
「見せたくなかった、こんな姿を」
「だけど、もう頭に角を頂くしかないじゃないかッ!!」
「僕も同じさ、負けられないのはッ!!!」


アダム、モンスターアダムになる!
お、ゼットかな? WA:FじゃなくWA1の方の。
複眼だったりと人間離れしている。
ラスボスには珍しい真っ当な化け物である。 他には怪獣とかいる。怪獣かよ。怪獣だよ。



うわぁ……メチャクチャフロントビューのRPGっぽい……



こんな感じ!





「人の姿を捨て去ってまで……ッ!」

「何をしでかすつもりデスか――」

「務まるものか、端末と作られた猿風情に」
「わからせてやる、より完全な僕こそ支配者だと」
「そのために必要だったのさ、彼らと並び立てる神の力は」


さっきから気になる単語ばかり言うアダムである。
端末……端末とな。
それはカストディアンが作り出した聖遺物を扱うためとか……?



そして、カストディアンのイメージ図が描かれる。
第1期からその存在に触れられてきたが、いよいよ以てその実態にも触れられてきた。
しかし、このシルエット、女性っすよね。
フィーネさんガチレズ説?
まぁ、統一言語とかそうなるともう性差なんて些細なことかもしれない。
未来さんよ、胸を張れ。






「巨体に似合わないスピードでッ!?」

モンスターアダムはまずは肉弾戦で装者たちに挑みかかる。
響を上回るパワーと翼を上回るスピードで圧倒する。 化け物の外見通りに装者を凌駕するフィジカルである。
歴代ラスボスは全員が聖遺物の力を使っていたが、アダムは聖遺物なしの生身で圧倒している。
弦十郎かな?
もっとも、アダム自体が聖遺物同然の存在だから、これくらいやれてもおかしくない。
というよりもカストディアンを以てして完全なのだから当然とさえ言える。





「何でこんなところに電話がッ!?」

突然の電話!
それに気取られた瞬間にアダムはきりしらを吹き飛ばす。
圧倒的なフィジカルだけでなく錬金術を、それも小技まで使いこなす。 知性を持った化け物がアダムなのである。
しかし、まさかテレパスがこんな使われ方をされるとは……



「おまけに悪辣さはそのままデス……ッ!!」

セコささえ漂うこの一手に切ちゃんも悪辣と言い出す。
たしかに性格悪いな……





「クソッたれェッ!!」

「よくもッ!!」

仲間たちがやられたクリスとマリアは怒りの逆襲を仕掛ける。
Change The Futureコンビだ!
未来を変えてやる!





ごめん、未来変えられなかったよ……




「力負けている……ッ!!」

「まだだッ! 立花響ッ!!」

装者たち全員が圧倒され一掃された。
この危機にサンジェルマンの声が響く。
幻聴かもしれないが、たしかに響を鼓舞する。
その先にはシュトラルゲヴェイア、じゃなくて形見のスペルキャスターがあった。
響はそれを手にしようと駆け出すのであった。





「何をするつもりだったのかな、サンジェルマンのスペルキャスターでェッ!!」

しかし、アダムは器用にそのデカい手でスペルキャスターを拾う。
さらにそれを砕いて力へと変えて撃ち出す。
サンジェルマンを踏み躙る悪辣の一言に尽きる一手である。
サンジェルマンの形見は逆転の一手どころかトドメの一撃へとなってしまった……



「やはり、エクスドライブでないとッ!?」

もう無理! エクスドライブくれ! 頼む!
悲痛な藤尭の叫びである。
装者たち以上にエクスドライブを求めていそう。
おう、アンリミテッドなエクスドライブをくれてやるよ。
和装クリス出ません(血涙)

書いてる途中に出ました。






「Gatrandis babel ziggurat edenal――」
「この歌はッ!?」

「Emustolronzen fine el baral zizzl――」

「S2CAヘキサコンバージョンをッ!!」「応用するってんならッ!!」

「その賭けに」「乗ってみる価値はあるのデスッ!!」

対して絶唱! S2CAヘキサコンバージョン!
逆転の一手はトドメの一手となったが、さらに逆転の一手へと変える!
70億の絶唱さえも力へと変えたのがS2CAヘキサコンバージョンである。
やったか!




「――無茶だッ!! フォニックゲイン由来のエネルギーじゃないんだぞッ!!」

「このままではギアが耐えられず爆発しかねませんッ!!」

やれない! 属性が違った!
S2CAは万能ではない。
フォニックゲインでなければエネルギーの操作ができないようだ。
フォニックゲインと魔力は同質かもしれないが同種のエネルギーではないのだった。
魔力の説明はもうちょっと欲しいデスな。
想い出の焼却との差異も触れられていないし。
何となく想い出の焼却は高効率ハイリスクなのはわかるけど。






「その負荷はバイパスを繋いでダインスレイフに肩代わりッ!!」
「触媒として焼却させますッ!!」


「でも、可能なのかッ!?」

「――可能にするッ! それが銃後の守りよッ!!」

「四の五の言う余裕もなさそうだッ!!」

ここでエルフナインは奇策、ダインスレイフの焼却を思いつく。 キャロルの形見とも言えるダインスレイフを捨て去る……
エルフナインとしては覚悟が必要な選択肢だったのかもしれない。
それに答えるように友里さんも藤尭も助力する。
この時に一切ボヤかない藤尭、格好いい。
それにしてもシンフォギアって遠隔操作できるのか……
何気に第4期になって初めて明らかになる機能である。



「本部バックアップによるコンバートシステムを確立ッ!!」
「――響さんッ!!!」


エルフナイン超有能。
あっという間にバイパスを完成させる。
AXZにおいてキャロル自身の出番は結局なかったのだが、キャロルが残した命は装者たちを守る盾として絶大なる貢献を果たしている。 シンフォギア伝統のラスボス再登場は間接的な形で果たされていたのだった。





「バリアコーティング――リリースッ!!」

それと同時に装者たちは暴走時の黒い姿に包まれる。
そして、「TESTAMENT」のイントロが入る。
やる! やるぞ! 伝統のあれが!





「――抜剣ッ!!」
「「「「「「ラストイグニッションッッ!!!」」」」」」

最後の抜剣、ラストイグニッション!
ラストイグニッションとはWA2の最終フィールド曲!
最後の抜剣に相応しい叫びである。





「ほどがある、悪あがきにもッ!!」
「受け入れろ、『完全』をッ!!!」


今までにない未知の変化である。
それなりにシンフォギアについて知っているアダムも知らないだろう。
対して最大火力の黄金錬成をついに実戦で開帳!
アダムの象徴とも言える必殺技である。
化け物の姿になったことで魔力も回復したようで、再び放てるようになったようだ。
化け物になってからアダムの力はさらに増している。
つまり、風鳴本部を焼き払った時以上の破壊力があるのは間違いない。
やられたか!




「補ってきた、錬金術で」
「いつか完全に届くために、越えるために――」


やった!
アダムは完全を自認しながらも錬金術で補うと言っている。
それは不完全の証明のようで自己矛盾を感じさせる。 完全ながらも不完全な自分を自覚し、それが神の力を求める行動に繋がっているのだろうか。




「――だとしてもォッ!!!」

だとしても「TESTAMENT」と共に装者復活!
伝統のOPと共に始まる逆転描写!
何度やられても飽きない熱い展開である。
だが、飛び立てと唄いながらミサイルで飛び立つ絵面は面白すぎる。 マムロケットの如く飛び立てば笑いを誘うのがシンフォギア。




生まれ変わったギアはイグナイトでもエクスドライブでもない新フォームであった。
ぱっと見、普通のギアと大差ないが白の部分が黒に変わっている。
2Pカラーかな?
ダインスレイフの呪いに染まるわけでもなく、かといって呪いがないわけでもない。
通常ギアとダインスレイフの中間地点、ある意味では半端であり、尽きかけているダインスレイフが反映されているのだろう。 良くも悪くもゴチャゴチャするのが強化形態だったけど、今回は極めてシンプルにまとめていますな。






「生意気に、人類如きがァッ!!」

一見2Pカラーだがその出力はたしかに上がっていた。
先ほどまで力負けしていたアダムの両腕を切り裂くことに成功する。 翼の逆羅刹とマリアのSERE†NADEの合体!
剣コンビの面目躍如。GXでは失敗した剣コンビの連携は今回は成功である。
やっぱり、おっぱいを付き合わせたのはダメだったらしい。
あれ、爆笑したからすげえ好きなんですけどね。




「ギアが軋むッ! 悲鳴を上げているッ!!」

「この無理筋は長くは持たないッ!!」

「引き上げたのか、出力をッ!?」

しかし、この形態は諸刃の剣であった。
安定した強化を見込めるイグナイトやエクスドライブと違ってかなりの無理筋である。マリアさん得意の将棋用語。
ともあれ、アダムが切り捨てた力がまたしても逆転の一手となっている。
この人、いつもこうだな!
完全を目指し不完全を利用した結果、それに足を取られるという悲しい性。
そりゃ欠陥品呼ばわりされるわ!







「――詰まるところはッ!!」

「シンフォギアのリビルドをこの土壇場にッ!?」

「一気に決めれば問題ないデスッ!!」

今回はイグナイト以上に明確な時間制限がある。
(イグナイトが時間制限に困ったことがないのは置いておく。ワンチャンに賭けたとはいえ3段階イグナイトでも困ってなかったな!)
なので速攻ということで調がミサイルの推力を活かして高速、さらに切歌が新武器の鎖鎌で攻撃する。
鎖鎌かよ!?
鎌は鎌だけど女の子がこういう武器を使えばイロモノになるしかないと思うんだ……
アタシが守護まもらねばならぬデース!





「エクスドライブじゃなくてもッ!!」

ザババコンビが足を止めてクリスが追撃の特大ミサイルを発射する。
先輩後輩コンビの連携完成!
うむ……キネクリ先輩ときりしらのコンビネーション……いい……
この3人はシリーズを経る度に味わいが増してきている。



だが、SSAェ!?
シンフォギアライブに選ばれなかった理由はこれか!
装者たちの戦いによって使い物にならなくなったからか!
シンフォギアライブ2018は武蔵野の森総合スポーツプラザで開催デース!



「おおおおおおおおおおおッ!!」

装者たちの怒濤の連携が続くが当然最後は響が締める。
命を大事にしない奴はブッ殺してやる!





「そうだ、響さんのギアだけ汚染の除去がまだッ!?」

ここで反動汚染だとォ!?
響が反動汚染に苦しめられる状況がなかった。
愚者の石は響由来だから反動汚染が他より軽いと思っていた。
だが、反動汚染はたしかに存在し致命的なタイミングで響を苦しめた。
そして、響のギアのオーバーホールを行う時間はなかった。
何せサンジェルマンと戦った後に神の力に囚われてしまったからである。
ラピスの力を逆転の一手とした装者たちだが、ここに来てラピスの力に足を掬われてしまう。





「動けないようだな、神殺し」
「ここまでだよ、いい気になれるのは」


「――手を伸ばせッ!!」

響は一歩も動けず大ピンチ。
その時、装者たちはGlorious Breakの時のようにギアをパージして響に託す。
あの問題児防人が手を伸ばせと叫ぶ……
第1期の姿はもうどこにもない。響と心を共にする仲間なのだ。
もう防人語で笑わせないよ。
最近の翼さん、防人語を使う時はクッソ格好いいので困る。






「終わりだ、これで」

「響ぃッ!!」

「――あぁぁああああッ!!」

さらにダメ押しの未来の叫び! これは勝ったな!
やってない!



「フフフ……フハハハハ……ッ!!」

やってないって言ってるだろ!





「まさか、私の……ッ!!」

「この力……みんなのッ!!?」

やってなかった! モノクロームのギアを纏い復活!
まるでアガートラームのようにバリアを展開することでビームを防ぐのだった。
これにはマリアが驚く。
虹色のオーラを纏っているので☆5ですな。欲しい。






「いいってもんじゃないぞッ! ハチャメチャすればッ!!」

「だったらァッ!!」

「アタシの呪りeッTぉデスッ!?」

さらに碧刃を発生させての「切・呪りeッTぉ」だとォ!?
全てのギアの力が合わさったのがこのモノクロームギアなのか。
モノクロなのは全てのギアの色を合わせたからか。 ここで信号機と三色団子を合わせて虹色にするのではなく、シンプルなモノクロにまとめたのが見事……





「借りますッ!!」

「蒼ノ一閃ッ!?」

さらに手刀で「蒼ノ一閃」!
切歌と翼の十八番を完全再現である。
これでわかることはシンフォギアの必殺技は装者たちが名前を付けていることである。 てっきり型はあっても名前は演出上存在するだけだと思っていた。
が、ちゃんと名前が存在した。
ホントは必殺技の名前を叫びたいんだろうけど、唄いながらだから無理なのかも。
そして、これにて切ちゃんが改めて常識人だと判明する。
……凄い名前付けるデスなぁ。





「否定させない、この僕を誰にもッ!!」

「みんなのアームドギアをッ!!」

「禁月輪ッ!? わたしたちの技を――」

そして、「非常Σ式・禁月輪」!
かつて響を断ち切ろうとした一撃であったが、今度は響を守るために使われるのであった。
刃の部分はマフラーで代用。
いやぁ、仲間の必殺技を連発するのは古典的だけどいいものデスよ……

ボコボコにされているアダムだが、その叫びは悲しい。
カストディアンに否定された過去がアダムの全てに反映されている。
アダムはやりたいことをやっているけど、その発端が否定から始まった……
それはフィーネに似ている。
理解されないことから争いは起こるのであった……




「ううん、あれもまた繋ぐ力ッ!!」
「響さんのアームドギアッ!!!」


繋ぐ力でみんなの必殺技を使いこなしている。
通常、ギアは一人につき一つまで。
マリアのダブルコントラクトでさえ例外中の例外なのである。
だが、それを遙かに超えるヘキサコン!
繋ぐ手が作り上げた可能性であり、不完全の結集体というアダムに対する解答である。





「してる場合じゃないんだ、こんなことをこんなところでッ!!」
「降臨は間もなくだ、カストディアンの」
「それまでに手にしなければならない」
「アヌンナキに対抗し越えるだけの力をッ!!」
「なのにお前たちはァァアアアッ!!」


だから、お前は何でそんなにワクワクすることを言えるんだよ!
カストディアンの降臨が間もなく?
パヴァリア光明結社が動き出したのはフィーネさんが消えたからじゃなく、カストディアンの降臨が近いからか!? ここに来てまさかの理由が判明した。
まさか過ぎて響がピンチなのを思わず忘れてしまう。
何故、カストディアンが降臨するのか。
そりゃもう月がフィーネさんに撃たれたからしかないだろう。
それによりバラルの咒詛が停止。
この異常事態はカストディアンの母星、惑星ニビル(仮称)に届き……
それはつまり、フィーネが月を穿ったのは統一言語を取り戻すことに加えてカストディアンを招聘するための手段であることにもなる。 あー!
ああああああああ!
すーべーてーがー繋がっていーくー!?




「ぶっ飛ばせッ!! アーマーパージだッ!!!」

そんなアダムの事情はひとまず置いておく。
みんなの必殺技を真似ているがクリスはどうするのか。
ミサイルとかちょっと無理じゃなイカ?
無理じゃない! アーマーパージ!
リスクを伴う決死の一打で状況を打開するのであった。




「無理させてごめん、ガングニールッ!」
「一撃でいいッ!!」
「みんなの想い出を束ねてあいつにッ!!!」


しかし、アーマーパージ後は無防備である。
クリスは全裸になった。 だから、響はギアを纏わないまま、アダムへと向かって走り出す。
……アーマーパージ直後なのに響は全裸にならないのな。
もしかして、クリスって脱ぎたがり屋?
このビッチめ! クリスのすけべなのはこれ好き!(R18注意)




「借りを返せるワケダッ!!」

「利子付けて熨斗付けてッ!!」

「支配に叛逆する革命の咆哮をここにッ!!!」

「Balwisyall Nescell gungnir tron――ッッ!!!」

命燃え尽きて倒れても、終わることのない歌がある。 アダムを殴るために錬金術士たちが現場入りィ!?
この刹那、響と錬金術士たちの想いがアダムを討つという一点で一致した。 たったこの時だけでしか繋げない手である。
だとしても! 繋いだ手に変わりはない!



革命の咆哮に構わずアダムは握り潰す。
やっているわけないだろ!






「――黄金錬成だとッ!?」
「錬金術士でもない者がァッ!!」


錬金術士たちと手を繋ぎ黄金のギアが誕生!
ラピスの輝きは逆転の一手となったが反動汚染で苦しめる要因になった。
だが、最後には支配に叛逆する革命の咆哮として響に力を与えた!
錬金術士は金を作り出そうとして生まれた存在。
ならば、その力を借りれば黄金になるのは道理!
錬金術士たちのファウストローブには金の意匠が盛り込まれていたのはそういうことだったのだ!





「おおおおぉおぉおおおおおおおッ!!!」

そして、響の拳がアダムに突き刺さる。
これはサンジェルマンの分!




「ハッ! でやァッ!!」

これはカリオストロとプレラーティの分!
終わることのない歌が嘆きに霞む未来を映し出す!





「うおおおぉおおオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラッッ!!!」

そして、一撃だけどころか延々と続くガングニールラッシュ!
例え世界から見放され砕かれても!





「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラッッ!!!」

悠木碧の壮絶な叫びと共にまだまだ続く!
胸に灯る情熱-炎-は消せないから!





「うぉぉおおおぉおおおおおおおおおッッ!!!」

君に響け何度でもLove all energy!





「はぁぁあぁああああああああッ!!!」

飛び立て声を翳して! TESTAMENT!!
「TESTAMENT」の歌詞と合わせた悠木碧の熱演が奏でる壮絶な連打!!
TESTAMENTには「遺言」という意味に加えて「信条」という意味もある。
その言葉通りに響たちと錬金術士たちの信じるモノを合わせてアダムを貫いたのであった。





「砕かれたのさ、希望は今日に」
「絶望しろ、明日に――未来にッ!!」
「ふふふ……ふふふふふ……ッ!!!」


そして、怪人と化したアダムは灰燼と化すのであった。
やりたい放題好き放題やったアダムだが、カストディアンへの脅威をはっきりとわかっており、そのために行動していた。
ある意味では一番未来のために戦っていたラスボスだったのかもしれない……




吹っ飛ぶ響を2人で支える翼とマリア。
いいぞ!




「これでアダムは……パヴァリア光明結社の思惑はッ!!」

「ああ、俺たちの勝利だッ!!」

やったぜ狂い咲き!
何かいろいろととんでもない伏線を張られたけど希望の未来にレディゴー!




さて、3日後。
エルフナインは変わらずに作業中であった。
響のギアの反動汚染は無事に除去されたようだ。
焼却されたというダインスレイフがどうなったのかは触れられていない。
ただそこが問題となった様子はないようだから、ダインスレイフはあくまでオプションパーツ扱いであり焼却しても大きな問題はないようだ。
ダインスレイフの取り付けと同時に行われたギアの出力強化はダインスレイフはあまり関係なかった?





(だとしたら響さんは……そもそも原罪とは一体……)

エルフナインの心配は響が神の力を宿したことであった。
謎のままであり事情通のアダムとしても計算外である。
一大事も一大事なのでエルフナインとしては看過できない模様。
ウルトラマン……じゃなくて光の巨人を何度も呼ぶわけにはいかないのだ!



「各国の情報機関を連携しパヴァリア光明結社の末端、その摘発は順調に行われています」

パヴァリア光明結社は組織のわりに構成員がちっとも出てこなかった。
まさか、たった4人のぼっち組織?
何て思ったけどちゃんと構成員はいるようで。
3.5の描写を見る限り、パヴァリア光明結社の構成員もアルカ・ノイズを使える。
当然、錬金術も使えるだろう。
そんな相手をあっさりと拘束している緒川さんの凄まじさである。
忍者すげー……



「だが、結社という枷がなくなった分、地下に潜伏しこれまで以上に実態が掴めなくなる恐れがある」

あー! 第5期への伏線!?
AXZでは残念ながらと言うべきか、パヴァリア光明結社の組織としての一面は見られなかった。
キャロルとの繋がりも間接的な示唆に留まっている。
というわけで、組織としてのパヴァリア光明結社のネタはまだありそうである。
サンジェルマンに忠誠を誓っていたのはカマホモだけではあるまい。
同じ志の構成員が仇討ちだとシンフォギア4.5で装者たちと対峙する可能性も……
アダム云々で怒る人はいなそうなのでそこは安心。 ところでパヴァリア光明結社が崇拝している偶像って本物のアダムデスか……



「加えてカストディアン……アヌンナキの脅威、か」

そして、カストディアンことアヌンナキが最大の懸念要素である。
神そのものが人類の脅威となる時が迫っているのだ。
シンフォギアは最終章に近付きつつあることを感じさせる。




「米国は安全保障の観点からミサイル発射の正当性を主張してきたか」

「国連決議を蔑ろにする独断に対し各国は避難を表明しつつそれでも強く対応できないのは――」

「神を冠するあまりにも強大すぎる力を目の当たりにしてしまったが故――」

さて、訃堂と八紘は反応弾のことについて語り合う。
同盟国に反応弾をブチ込むという大問題をやらかした米国だが、神の力に対抗するため……
発射は問題の解決と前後しているが故に有耶無耶になっていることもあって、問題ではなれど米国の行動を咎めきれない。
下手すれば戦争物のレベルなのだが……




「……八紘」
「あの力が我らにあれば、夷狄による国土蹂躙も、特異災害による被害も防げるとは思わんか」


「………………ッ!!?」

ジジィ!? 何考えてやがるぅ!?
アダムは残していった。ドデカイ物を、神の力を降臨させる方法を。いった。
そして、レイライン遮断作戦を遂行したことから風鳴一族はレイラインを管理していると言える。
つまり、訃堂がその気になれば神の力を再び降臨させることができる。 第5期は風鳴一族と対立……?
あれだけ心強かった弦十郎や八紘とも対立することに……?






「17歳おめでとう、響」

怒濤の波乱を感じさせる中、3日後れとはいえ響の誕生パーティ開催!
装者たちはもちろん3人娘もいる! 喋らないけど!
味のある3人だっただけに背景扱いはちょっと寂しい。
ま、まぁ、3.5で活躍したし4.5で出番があるさ……






「はい、調が頑張ってくれました」

「これ、調ちゃんがッ!?」

「違う違うッ!」
「みんなで一緒にッ!!」


マリアお母さん! マリアお母さんじゃないか!
ばぶぅ……
調は主婦が冷蔵庫の残り物で作るような感じの料理しか作れないのかと思いきや、ちゃんと洒落た豪勢な物を作れるようだ。
そして、この大量の料理に響への気持ちがどれほど熱いのかが伝わってくる。 ついつい厳しいことを言うこともあるけど、あれは大好きな気持ちの裏返しか。
調は直情型だから大好きな分だけ厳しくなる時もあるのだ。仕方ないのだ。



「調」

「だって……松代で出逢ったお婆ちゃんから夏野菜をたくさんいただいたから……」

天羽お婆ちゃん(仮名)との付き合いはまだあるようだ。
本当に天羽お婆ちゃんの可能性があるので油断はできない。
そして、例え好意であっても壁を作ってしまうところに調らしさを感じる。
可愛いから許す。



「月読が作り立花が平らげるのなら、後片付けは私が受け持つとしよう」

「いや、先輩……できもしないことを胸張って言うと後で泣きを見ますって」

防人ェ……
そして、すっかり長い付き合いだからか、クリスは翼の片付け下手を知っているようだ。
まぁ、私生活を一目でも見ればわかってしまいますわな……





「喧嘩しないの、ほら」

「何これッ!? まさか、トマトなのッ!?」
「こんな甘いの初めて食べたわッ!!」


そのことでちょっと揉めると、それを仲裁するのがマリアお母さん。
防人、トマトによって防人を失う。
こんなの翼さんじゃないわ! 翼ちゃんよ!
ついでに水樹奈々はトマトが苦手だとか。
……やはり、風鳴翼は中の人が分厚く反映されている。



「驚きに、我を失う、美味しさです」

今日の俳句。
自信満々の一品なのだ。
頑張れ調。お前が料理部門ではナンバーワンだ。




というわけで穏やかな誕生パーティが始まる。
シンフォギアは毎度のことながら怒濤の展開続きで心安まる場面が少ない。
なので、こうした日常は実にいい……
さて、トマトが苦手なマリアもトマト料理を手にしている。
すっかり平気になったようだ。
スーパーのトマトだと山岡さんのようにブチ切れるかもしれないけど。



みんなでゲームもするよ。
そういえば、こんなファンアートがありましたね。
非公式のイラストながらXDのCMに採用されてしまって物議を醸したりしたトカだけど、別の形で本編に採用されたのであった。
いいぞーこれ。




ステファンはリハビリを頑張っているようだ。
こうした手紙を送ってくることから、クリスとソーニャの関係はすっかり修復されたようだ。
男気溢るるステファンはもちろん、クリスの両親の夢を継ぐソーニャの今後にも期待したいところ。



防人ィ! お前はオチ担当かよォ!





そんな楽しい時間の中、響は欠けた月が睥睨する夜空を見上げる。
その表情は打って変わって寂しげだ。
そこに姿を見せるのは当然未来である。






「例えば、さ」

「うん?」

「どこかの悪い奴が、誰かを困らせているのなら……きっと、この拳で何とかできる」
「だけど……お互いがお互いの正義を信じて拳を握り締めている戦いは……簡単に解決なんてできない」


響はアダムに勝ったが、サンジェルマンを失ってしまった。
サンジェルマンは今わの際に救いを得たかもしれないが、響としては本当にやりたかったことを、わかり合うことができなかった。
そして、すれ違った今以上にこれからもすれ違うかもしれない未来に悩んでいた。 未来に視点を向けるようになったのはキャロルにサンジェルマンと救えなかった命が続いたからか。






「昨日まではできた」
「でも、明日にわたしは、正義を信じて握り締められるのかな……」


「そんなのわからないよ」

「未来……」

「だけどね」
「響が自分を信じられなくても、わたしは響を繋いだ手は離さない」
「何があっても握り締めているから」


未来みらいの悩みを未来みくに話す。
未来の答えはわからないだった。
だけど、響を信じている。信じ続けている。
第1期やGの時に不信感が芽生えた時と違って、2人で神獣鏡ビームを浴びてからずっと信じているのだ。





「未来がそう言ってくれるなら」

その言葉で響は笑顔を取り戻す。
第1期やGの時に未来の気持ちがわからずすれ違った時と違って、2人で神獣鏡ビームを浴びてからずっと気持ちが通じているのだ。
未来の伝えたいことがたったこれだけのやり取りでも伝わったのだろう。




「お帰りなさい、響」

「ただいま、未来」

こうして響は未来のいる場所に、陽だまりに帰ってきたのだった。
未来は響の帰ってくる場所である。
未来の側が一番あったかいところでわたしが絶対帰ってくるところ。
これまでのそうだし、これからもそうッ!

第1期のこの言葉は今も生きているのだ。




「トランプ始めるデスよー」

そして、常識人が本当に空気を読んだタイミングで顔を出す。
早すぎれば空気を乱していたが、今はいい意味で空気を入れ換えてくれた。
実にいいタイミングである。
暁切歌、マジで常識人なんデスか……?



そして、エンディング! お約束の虹色のフリューゲル!
やっぱり、シンフォギアの最終回を飾るのはこれ!
さて、第2話以来の今回は純金子脚本である。 金子彰史の言葉通りに他の脚本家が混ざっていても違和感がなかった。
とはいえ、やはり純金子脚本だと嬉しさもひとしお。
AXZはWA5のように何か違う感もなく別脚本が上手く働いたと思う。
やはり、本筋をしっかりと金子彰史が描いたのは大きい。

これにてシンフォギアAXZ完!
6人のそれっぽい歌も流れたのでハッピーエンド!
おまけに黒バックのエンドクレジットだ!
次期への不安要素がまるで見当たらん!!
久し振りに枕を高くして眠れそうだ!!!


























































さて、Cパート。
あれぇー?
伏線を張りながら全て丸くまとまったはずなのにぃ?
ここでエルフナインはG第10話の出来事を振り返る。






「これは……」
「そうかッ! だから、響さんはッ!!」


「何かわかったのか?」

「あくまでも仮説ですが、響さんが何故神の力の依り代となり得たのか、その理由がわかりましたッ!!」

ここで神獣鏡ビームを受けた瞬間に着眼するのだった。
そして、閃きに至る。
この辺の僅かな情報から答えへと至るエルフナインの能力は凄まじいものがある。 エルフナインは錬金術はキャロルに劣るかもしれないが、発想力と推理力はキャロルに匹敵するものがある。
キャロルの才能をたしかに引き継いでいるのだ。





「曰く、原罪を背負う人類には神の力を手にすることはできないとのことですが、この原罪とは魂に施されたバラルの咒詛――」
「おそらくはあの日、魔を祓う神獣鏡の輝きに呑み込まれることで響さんの呪いは解かれた……」


「つまり、浄罪されたというわけか」

「もしかすると響さんが融合者から適合者へ急速に至った謎も説明できるかもしれませんッ!!」

原罪とはバラルの咒詛……そして、神獣鏡ビームがそれを祓った。
奇跡と括られて掘り下げられていなかった適合者化であったが、ここに来て意味と所以があることが触れられる。
まさか、響は知らずのうちに統一言語を手にしていた……?
ここで第1期第7話で述べられた了子の言葉を思い出したい。

「人がその身に負荷なく絶唱を口にし、聖遺物に秘められた力を自在に使いこなすことができるのであれば、それは遙けき過去に施されしカストディアンの呪縛から解き放たれた証」
「真なる言の葉で語り合いルルアメルが自らの手で未来築く時代の到来」
「過去からの超越」


わけわかんねーこと言ってんなぁこの金子のおっさん……じゃなくて三十路のおばさんはよぉ!
何て当時は思った。
しかし、今見直すと凄い大きな意味があるようにしか感じられない。 人が負荷なく絶唱できるのがカストディアンの呪縛から解き放たれた証……
つまり、カストディアンの呪縛であるバラルの咒詛から解き放たれれば、絶唱の負荷がなくなる、あるいは軽減されることにも繋がる。
融合症例でなくなりただの適合者になったはずの響が、奇跡と同然の事象を、S2CAやモノクロームギアや黄金錬成ギアを用いたのはまさか……!?
奇跡は奇跡ではなく理由があるのが金子彰史なのだ!





「………………ッ!?」
「ちょっと待て……神獣鏡の輝きに飲まれたのは――響君一人ではない、ぞ……」


ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!?????



未来さん!



超可愛いんだけど!



まさか穢れなき魂が2つって!



アンタもかよ!?



神の力の器になれるのかよ!?



つまり、それは!



神殺しの力を持つ響とああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!



次期へ続く!
えーと、カストディアン襲来編は劇場版で、第5期は穢れなき魂が2つ編……?




「戦姫絶唱シンフォギアAXZ EPISODE13 涙を重ねる度、証明される現実は」への6件のフィードバック

  1. ぼかぁやってくれると信じていましたよ、オーバーナイトブレイザーっぽい演出を。
  2. バラルの咒詛が解除されると絶唱が無制限に放てる
    聖遺物のほんの僅かなかけらで完全聖遺物と同等の威力を実現できる上に
    数十億の人類が統一言語を用いながら聖遺物のかけらを励起し扱えるようになる
    それはカストディアンにとっては脅威以外の何物でもないワケダ
  3. 咒詛があるからわかりあえない。と
    咒詛があってもわかりあいたい。のぶつかり合いがここ数期のシンフォギアだったけど
    最後の最後は咒詛があるのに争う。でいったい何を見せてくれるのか楽しみデース!
  4. 咒詛が「ないのに」だった!あるのに争うのは普通じゃねーか!
  5. アダムの正体が牛頭の怪物ってことにちょっと思うところが。
    この手の怪物で大変メジャーなところにミノタウロスがありますが、そもそもミノタウロスというのはギリシャ神話以前はクレタ島の雄牛神ザグレウスなんですよ。このザグレウスはオルフェウス教ではギリシャ神話のディオニソスと同一視されます。ディオニソスはゼウス直系の子で、時にはゼウス本人であるともされるように相当な力を持つ神であるわけですが、ここにカストディアンが手ずから創造した完全なアダムが符合すると思ってしまうのは穿ちすぎですかね?
    またディオニソスは様々な救世主神と同一視されますが、それらの一つにサバジオスやパーンがあります。有名どころのパーンはみなさんご存知のように羊の角、足を持つ牧神ですが、元は狂乱を好む呪術的な恐ろしい神でして、悪魔崇拝の対象であるバフォメット(パヴァリア光明結社の残党摘発のシーンの像はこれですね)の原型となったとも言われています。
    サバジオスは紀元前から存在していた古い神でして、これを祀った宗教は現在では不明となっておりますが、カルト的な性格があったとも考えられており、この神の名から「サバス(安息日)」、「サバト(魔女の集会)」が起こったとも見做されています。ディオニソスも、そもそものルーツは古くギリシャ神話以前にすでに存在していました。また、その性格は「主神の子」「救世主」ですが、同時に酒、血、狂宴を好む激しい神でして、これを祀るディオニソス信仰はギリシャに習合される以前は反体制的な秘教要素を含むものだったと思われます。このディオニソス信仰が前述のオルフェウス教の基礎となったという異説もあります。
    興味深い遺物としてあるのが「サバジオスの手」ですね。AXZでも第3話の聖遺物のイメージ画でそれっぽいのが登場しています。あくまでそれっぽい感じですので、別の何かかも知れませんが。
    http://web.kyoto-inet.or.jp/people/tiakio/antiGM/zagreus.html ↑このあたりのサイトが詳しいです。
    長文失礼しました。
  6. ↑です。
    よく見たらアダムの正体は羊頭かも。そうすると単にパフォメット直結かな~。あと「ディオニソス – ×」、「ディオニュソス – ○」でした。すみません。
    今期はXDなしでしたが、その分、5期に期待!

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