刃牙道感想 第155話「国家(くに)の為」



対武蔵要員として花山に白羽の矢が立った!
グラップラーを頼るのは正解だけど花山はどうなんだろう。
でも、本部が武蔵に勝てたんだから、花山も勝てるかもしれない。
本部は可能性を広げてくれた!

内海警視総監からの申し出を花山は断る。
ヤクザと警察は敵同士……
である以上、花山は受けるわけにはいかないのだった。
花山組の面子にも関わる問題である。

対して内海警視総監はまずは大言で釣ろうとしたことを詫びる。
そして、真摯に頭を下げて対峙している相手の強大さと為す術がないことを語る。
曰くテロともサイコとも異なるのが武蔵であった。
武蔵は国家と戦って何を成し遂げたいのかがわからない。 その点では何らかの主張があって行うテロよりサイコ寄りと言えるかもしれない。
というか、傍目から見ればサイコそのものではあるが……

万策が尽きた警察に変わって侠客の花山が国のために立ち上がる。
戦後間もなくの警察が弱体化していた時期はヤクザが治安を維持していたと言われる。
ある意味では原点回帰である。
だが、それでも花山は動かない。
やはり、警察とヤクザの溝の深さに起因するものであった。

でも、バキ世界だとあまり仲が悪そうには思えないんですけどね。
死刑囚編の時は花山は実質的に警察に協力した立場だし、その時に(懐かしの)園田警視正は感謝していた。
溝があるというほどの関係とは思えない。
もっとも、見えないところではギスギスしているかもしれないのだが。

ついには諦めたのか、内海警視総監は部屋を出ようとする。
するとドアの前で足を止める。
そこで語り出すのは平兵衛が内海警視総監の同期であったことだ。 同期と言えど警察のトップと現場の一人と大分差が離れている。
それでも2人は友情と信頼があっただろうし、だからこそ、武蔵逮捕という大一番を平兵衛に任せたのだろう。

仇を討とうとしてもかすり傷を負わせるどころか、殉職者の山が出てしまった。
その無念に内海警視総監に涙が出た。
堪えきれぬ無念を背負い内海警視総監は土下座してでも頼もうとする。
警察とヤクザの溝は深い。
その溝を踏まえた上で内海警視総監は頭を下げようとしている。
これは決してただの思いつきではなく断腸の思いなのだろう。
内海警視総監は必死なのだ。
この必死さの数分の一でもみっちゃんに持っていただきたい。

事情はなしはわかった」
「家帰って一杯やっててくれ」


内海警視総監が見せた無念とそれから生まれた決意の前についに花山が動く。
花山は情の力でピクルを驚愕させている。
情こそが花山の武器なのだ!
……ピクルをビビらせた時、情が込めた理由がよくわからなかったけど。
次回へ続く。


花山が武蔵と戦う! ……のだろうか。
普通に考えれば花山に勝機はない。
何せ花山をそのままパワーアップさせたようなピクルが敗れている。
本部のことを考えると勝てる気もしてくるが、まぁ、そこは置いておこう。

花山にあってピクルにないもの……
刃物への知識だけだ。
だが、そこが勝負の分かれ目かもしれない。
ピクルも武蔵に刀を持たせなければ結果はまた変わっていただろう。
というか、何で持たせたんだよ、あのクソジジイ。
花山の握力を持ってすれば丹波流真剣白刃取りをできますよ。
それどころかへし折ることもできる。
刀さえ折れば武蔵の危険度は一気に下がる。
ちょっと刀を折ることだけを考えてみようか。
折ったところで刃牙が乱入してきたら……何か、凄く、困る。

武蔵に敗れたグラップラーの敗因は刀対策をまともにしなかったことである。
独歩も烈も渋川先生もピクルも刀対策ゼロだ。
それに対して刀対策をした本部は勝っている。
刀対策さえすればどうにかなるかもしれないのだ!

そういえば、先述した丹波流真剣白刃取りの時に出てきた刀使いは花山にそっくりだった。
(このエピソード、餓狼伝本編にはないレアエピソードなので知らない人もけっこういるかも。秋田書店版餓狼伝BOYに収録されています)
その花山のそっくりさんは刀を使っていたのですが。
……ん? もしかして、花山、刀を使っちゃう……?
もしかして、刃物への免疫=刃物を使うってことじゃあ……