花山は防御しないしジャックも防御しない上に噛み付く。
共にフィジカルの強さを前面に押し出していると言えよう。
相違点はトレーニングをするかしないかだけだ!
ジャックは防御技術のない格闘技は存在しないと述懐する。
格闘技における最強と思われたマウントポジションも防御技術の進化で攻略が可能になっている。
攻撃と防御の進化は同じく行われているのだ。
対して花山は防御しない。
まったく防御しない構えは強さや肉体、強い漢を比べ合うかのようだとジャックは感じる。
言外に勝つための構えではないとコメントしているようだ。
勝利への最短距離を進む構えではないことはたしかであろう。
でも、防御しないのはジャックも一緒だ。
最大トーナメントの時なんてガードした場面なんて一度もなかったのではなかろうか。
技術で挑む対戦相手を圧倒的なフィジカルで捻り潰すのがジャックの戦い方だった。
その点で二人は似ているのだ。
「マルデ”思春期”ヲ生キル―――――」
「少女ノヨウダ」
「”メープルシロップ”ノヨウニ甘ク」
「幻想的ニ過ギテ
しかし、そんな花山のファイトスタイルを少女のよう、甘い、幻想的と散々なレビューをする。
いや、フィジカルゴリ押しはアンタもですがな!?
防御してないし攻撃においても技術をまともに使わなかった。
いや、
そんな近代化改修されたジャックはまずは最速の打撃、左ジャブを打ち込む。
間合いの外から打ち込まれた左ジャブに花山は反応できない。
左ジャブという軽い打撃ではあるがジャックのフィジカルから放たれれば凄まじい威力になるのか。
花山は後ろにのけぞって即反撃できない。
その隙にジャックは右腕を掴む。
これで右によるパンチを潰した。
さらにアッパー、ボディと続け、さらに一本背負いをする。
あのピクルにさえダメージを与えた豪快な投げである。
花山は頭からアスファルトの地面に打ち付けられるのであった。
そんなわけでいきなり技術を総動員した攻めをジャックは見せた。
かつてのフィジカルゴリ押しはどこへやら、相手の反撃を許さないスマートな攻めと言えよう。
それにしても防御技術どうこう言ってたけど攻撃技術を見せつけている。
直前に言ったこととその次の展開があまり関係ないのは最近の刃牙らへんにはよくあることだ。
何なら防御に関しては今のジャックも大して進化していないような……?
凄まじいダメージなのは間違いないが花山に大きなダメージはなさそうだ。
何事もなかったかのようにのっそりと起き上がろうとする。
花山のノーガード戦法を支えるのは打撃力以上にタフネスなのだ。
もっとも、スマートな攻めを行うジャックに対してのんびり起き上がることはあまりにも悠長であった。
ジャックは背後から花山に組み付くのであった。

「俺ハ「
「格闘技ニ
えー!? お前がそれを言うか!?
フィジカルの強さだけで最大トーナメント決勝まで行ったような奴なのに!
背を伸ばせば強くなれると思っていたような奴なのに!
お前こそ格闘技に
だが、ジャックはピクルにフィジカルで負けて、本部に実戦の立ち回りと技術で負けている。
これらの敗戦から自分の限界を感じ、技術を伸ばす方向にシフトしたというのは進化としては正しい。
フィジカル一本では自分以上のフィジカルに勝てないし、フィジカルで圧倒しても技術で負けていれば負けてしまうのなら、技術を身に付けるのは真に正しい。
負けても自分のスタイルを変えないファイターが多い中、堂々と変えたジャックは極めて珍しい例と言える。
まぁ、それは
組み付いたジャックはピクルを沈めた大技、ジャーマンスープレックスを花山に放つ。
殴り殴られどころか、斬られ打たれの経験もある花山だが投げはあまり経験がないのか、抵抗できずあっさりと投げられる。
ピクルもそうだったしフィジカルゴリ押し勢にとって投げは意外と苦手な攻めなのかも。
「”最新”ノ闘争術ダ」
花山は再度、アスファルトに後頭部を叩き付けられる。
これだけでも十分な破壊力だがジャックの追撃は続く。
左上腕に噛み付いて嚙道炸裂だ!
衣服の上だから一気に引っ張られれば危ないが、その対策だろうか、ジャックは左腕を両腕で抱え込んでいる。
これでは本部のように引っ張ることは難しいだろう。
細かいところにも技術を使うのが今のジャックさんである。
ノーガードでフィジカルゴリ押し男の一撃な花山に対し、ジャックは技術を使った攻めで翻弄している。
それはいいんだけど格闘技に謝罪しろなんて言われれば過去が過去だけに困る。
技術に傾倒するようになった理由はわかるし、敗戦から何も学ばなかったのが本部の悲劇だし、それはいいけどもうちょっと謙虚に……
そんなジャックさんが嚙道に目覚めるまでの戦いを振り返りたい。
あなたは格闘技にどれだけ謝罪すべきかな……?
VSセルジオ・シルバ
当時、最強の格闘技と謳われていたブラジリアン柔術の使い手だ。
つまりはモロに格闘技の強さを前面に出したキャラである。
悪い言い方をすれば本人のキャラが非常に薄い。一言しか喋っていない。
キャラの薄さで言えば最大トーナメントNo.1さえ狙える逸材だ。
で、セルジオ・シルバが組み付いたところを力だけで切ってアッパーで大回転して決着だ。
見事に技術を用いていない。
格闘技に
VS三崎健吾
2回戦で戦った少林寺拳法の使い手である。
ジャックが噛み付きを初披露した相手だ。
噛み付きは三崎健吾の経験になかったし初披露で想定もしていなかったからか、有効な対策ができなかった。
大量に出血している中、身体検査で時間を取られたのは可哀想でしたね。
それはそれとして噛み付きが勝因と言うよりも、喉仏を突かれてダメージをまったく受けなかったジャックのタフネスがスゴかったのが勝因という感じはする。
格闘技に
VSアレクサンダー・ガーレン
バキ史上に残る噛ませ犬、ガーレンとの一戦である。
圧倒的なフィジカルで受け圧倒的なフィジカルで攻めて勝った試合だ。
ガーレンの方はレスリングの技術を使ったりとか月面宙返りとかしたのに……
いや、月面宙返りは何のためにしたんだ?
というわけで、見事にフィジカルのゴリ押し。
一応、反撃のきっかけは腕ひしぎからの噛み付きだったけど、それ以外の部分がフィジカルゴリ押しすぎる。
格闘技に
VS渋川剛気
最高峰の技術の持ち主、渋川先生との試合だ。
初手でアキレス腱を噛み付かれたのが痛すぎる。
が、試合全体ではその技術に翻弄され続けた。
アキレス腱のアドバンテージがなければ試合の展開ももっと変わっていた気はする。
最終的には渋川流をラーニングして勝利する。
けどトドメもトドメだしラーニングしなくても勝っていた気はする。
この試合はそこまでフィジカルゴリ押し感はないですね。
格闘技に
VS範馬刃牙
圧倒的なフィジカルと噛み付きという武器を相手に刃牙がどう乗り越えるかという試合だった。
けど上腕動脈を噛み切ってなお平気で動ける刃牙の範馬力に負けたって感じですね。
ジャックもジャックでマックシングしたり激やせしたりで芸達者だった部分はあったのだが……
まぁ、芸達者なところは技術ではなくドーピング芸なのですが。
ここでジャックは初めて四足獣を連想させる構えを見せている。
ジャックが技術を使った!
まぁ、あっさりと破られましたが。
渋川流も使っておりそっちは刃牙に通じている。
敗北は技術がどうとかというよりも相手が悪すぎた。
主人公は伊達じゃない。
この時の刃牙は迫真のダメージを幾度も負っていたので、わりと先が読めなかったので露骨な主人公補正はあまり感じませんでしたが。
格闘技に
ただあまりの範馬力で負けたためか、この敗戦から技術を伸ばそうとは学ばなかったジャックであった。
VSシコルスキー
骨延長手術完了後、初のまともな戦いである。
強化されたフィジカルでゴリ押しだ!
同じくフィジカル型シコルスキーに勝ち目はまったくなかったのであったとさ。
格闘技に
でも、この時のジャック、シコルスキーの得意技であるカーヴィングナックルには珍しくガードしているんですよね。
実際、ガードした腕は切れているし直撃していたらけっこうなダメージになっていただろう。
ちゃんとガードする時はガードするんです。
まぁ、ほとんどフィジカルで受けちゃうんですけどね……
VSアライJr.
終始フィジカルゴリ押し!
とにかくフィジカルで耐え続け、一度でも当てたらそこからジャックのターンって感じだった。
Jr.のボクシング技術をフィジカルで耐えきられたらもうどうしようもありませんて。
格闘技に
でも、Jr.のフットワークを潰すためにローキックに加え脚を殴っている。
本命いきなり一発ではなく下味を付けることもあるのだ。
まぁ、この戦いの勝因はフィジカルで耐えたに尽きるんですけどね……
VSピクル
フィジカル最強クラスのジャックがフィジカル最強のピクルに挑む!
結果、フィジカルの差で圧倒されて負けた。
フィジカルの限界を感じた戦いと言えよう。
だが、ジャックがこの敗戦から導いた解答はさらに背を伸ばすだった。
まるで成長していない……!
格闘技に
VS本部
ジャックの戦いの歴史の中で敗北の中の敗北である。
ジャックのフィジカルが本部の立ち回りと技術に完封されて負けた。
さすがにこれには反省したのか、ジャックは嚙道に目覚めたのであった。
格闘技に
でも、技術で負けたというよりもジャックが迂闊すぎたのがある気が……
本部も本部で技術を使ったというよりも武装したってのが大きいし……
真にジャックが学んでいたら武器術に目覚めるべきだったのでは?
そんなわけで格闘技に
まぁ、過去は過去。
大事なのは現在と未来だ。
でも、そんな過去があるのに格闘技に
それにしてもこういった口プレイではある男が思い出される。
そう、範馬刃牙である。
あの人も棚上げするというか唐突なことをよく言い出すし。
相撲との長い戦いが
ジャックが真に学んだのはもしかして範馬刃牙なのか……?
次週は休みながら次回へ続く。
まぁ、隔週でも安定して続けてくれれば……