刃牙道感想 第187話「引き出し」



刃牙がまた斬られた!
お前は何回斬られれば気が済むんだ。
本日、2回目ですよ。
まったくブレない刃牙イズムであった。
練習しろよ。
「ほぼほぼ0間合いからの斬撃……ッッ それにしてもッッ」
「あの間合いで斬るかァ~~ッッ」


刃牙が斬られたことに本部も驚愕する。
うむ、君はこういう役割が似合う。
前線に出るより解説役とか驚き役をしている時の方が人気を稼げるぞ。

ここで本部は「アホウッ」とか「ウォームアップもせんでッッ」とは言わない。
刃牙の決断を責めず武蔵の一閃に驚愕する辺り、本部的にも刃牙の踏み込みはアリだったらしい。 でも、(エア)刀にスピード真っ向勝負はちょっと無謀だったんじゃなかろうか。
先読みで突っ込むタイミングは見えるんだし。
刃牙の選択をアリだと思う辺り、本部黒歴史のひとつ「スピードでかき回せッ絶対イケるッッ」はわりと本気であったことがわかる。

「物理的には斬られていない」
「実際に「刀」で斬られたワケではない」
「なのにどうだ!?」
「抗おうにも」「抗いきれない 絶対の「斬られた!」感ッッ」
自己おのれが否定しようにも」
「肉体が認めてしまっている!」


過去に何度もエア斬りを食らった刃牙だが、その内容を反芻する。
気にしなければいいじゃんと思いきや、なかなかそうも行かないのが現実であった。
過去に気にしなかったのは勇次郎とピクルくらいだ。
ピクルは刀を知らないことがその要因だったみたいだし、まともに受けて気にしないためには勇次郎クラスのメンタルが必要なのだろう。
そして、刃牙はメンタルという点ではコロコロ移ろうので安定していない。 今回も殺す気で来たのに見事に翻弄されている。
ダメじゃん!

何よりも刃牙は妖術師である。 妖術を用いて相手を翻弄できる一方で、妖術のダメージをモロに受けてしまう弱点もあるのだろう。
ファイナルファンタジータクティクスにおいてはFaithというパラメーターがあり、その数値が高ければ魔法攻撃で与えるダメージが上がると同時に受けるダメージも上がってしまう。
つまりはそういうことなのだ。
ついでにFaithが上がりすぎるとパーティから離脱する。
……刃牙が度々紙面からいなくなるのはそういうことなのか?

「「近間」は俺も好きだ」

そして、武蔵は前回の締めの台詞と共に刃牙の股間を膝蹴りで打つ。 地味に烈戦以来、おおよそ20年振りに刃牙が金的を食らった。
散々、金的を打ち込んできた刃牙だが、意外にも食らったことは少ない。
猪狩と烈に金的を食らった以来だ。

金的を食らった刃牙はメチャクチャ痛がる。
武蔵は特に力を入れずに蹴った感じだが、タイミングや部位が良かったのか。
ともあれ、刃牙は壮絶なダメージを受けるのだった。
さすがと言わんばかりにナイスリアクションをする。
これで何度死んだかわからんな……

「学びやがった…」

独歩は武蔵が現代の技術を学んだと呟く。
まさかの武蔵が現代から学んだ技術が金的だった。
主人公VSボスキャラだけあり、バキシリーズの代表的な技術、金的を巡るディープな駆け引きが行われる。
独歩としてはコツカケを使わなかった刃牙は学んでいないと呟きたかったに違いない。
刃牙は金的で態勢を崩された。
そこに武蔵はエア刀を振り下ろす。
想像上ではあるが刃牙の胴体が両腕ごと両断された。
本日、3度目のエア斬りにして3度目の実質的な死である。
ダメじゃん! 君、本当にダメ!

エア刀診断だと勇次郎とピクルは斬れなかった。 対して刃牙はあっさりと斬られている。
理不尽なタフネスを誇る刃牙だが、こと斬撃耐性には劣るようだ。
タフネスが凄いというよりも回復力が凄いのであって、回復力を上回る一撃には弱いと言うことか。

しかし、エア刀は態勢を崩すためのものかと思いきや、エア刀で態勢を崩し金的を決めてそこにエア刀とよくわからんな。
思い切り斬ればショック死もありえるのか?
レポーターは気絶したわけだし……
Faithがやたらと高い刃牙にはむしろ打撃以上に有効な一手なのかも。
武蔵は呆然とする刃牙にタックルを放つ。
柵まで一気に吹っ飛ぶのであった。
このタックルには素人の千春でさえ違和感を覚える。 千春でさえ武術じゃないとわかるのだから相当に異質な一手である。

「俺も見ていない」「新しい「引き出し」だ」

ここであの男が解説を始める。
当然のことながら解説王本部である。
これには期待がわき上がりますよ。
君はそういう立ち位置でいい。
それしかないだろォ!

現在いまに伝わる」「「戦」の現場での宮本武蔵」
「斬り結ぶ――――――――――だけで済むハズもなく」


「素手の武蔵は強くない そんな奇跡は期待しないほうがいい……」

戦場では刀が破損して使えなくなることだってある。
そういう時は素手で戦い命を奪う。
素手の武蔵とは即ち合戦の場での武蔵での武蔵なのだ!
頼むから烈の試合を忘れないでくれ、本部。
あの時は素手でも烈を圧倒していたから、素手の武蔵の強さは既に実証済みだと思うのだが……

ともあれ、今の武蔵は合戦での武蔵である。
そういえば、関ヶ原の回想では剣にこだわることなく、柔軟な戦いをしていた。
エア斬りや無刀も合戦を想定した技術なのかも。 合戦の場でエア斬りを使い足を止めることができればかなりのアドバンテージを得られる、はず。

ともあれ、素手の武蔵との本格勝負が行われようとしている。
……のか?
0.5秒の先読みをするかと思いきやわりとなかったことにされているし油断できない。
なので、刃牙が柵にぶら下がっているうちにリアル刀を手に取って両断するかも……
次回へ続く。


素手の武蔵も強かった!
ちょっと今更ですな。
武蔵が武器を使わずとも強いことは幾度も証明されてきた。
ピクルタックルを受け止めるくらいですよ。
何で受け止められたんだろうね、ピクルタックル。

素手対素手は刃牙の真骨頂でもある。
ここで勝たなければ刀武蔵には勝てない。
というか、現状、勝てる気がまったくしない。
不覚を取りすぎですよ。

とりあえず、刃牙が考えることは言い訳だ!
主人公らしくないが金的に悶絶する姿も主人公らしくないので問題ない。
刃牙も刃牙でエア金的で対抗するのはどうだろう。
バキ史上初のエア対決!
……そういえば、TOUGHで似たようなことはやっていたな……