喧嘩稼業第97話感想



木多先生が予告通りに掲載した! すげえ! やべえ!
普通と言われればその通り……

芝原はマウントを取って殴り続ける。
ダメージの方はどうかと思ったら上杉は意識が混濁するくらいには追い詰められていた。
ジジイの打撃力は侮れない。
まぁ、ここに至るまで散々当て身でアドを取っていましたからな。

ここで上杉は山本陸との在りし日の記憶を思い出す。
レスラーに殴り込みをかけた時の記憶だった。
かなり昔のようで二人共若い。人相が全然違う。

進道塾とレスラーの因縁となれば僅かにだけ描かれた山本陸と生野勘助の関係が思い出される。
が、それとは場所が違うし年代も違うようだ。
それなりに重要な話なのにこの辺はボカされている。
木多先生が存命中に明らかになればいいのだけど。

この時に上杉は山本陸に相手のことを気にせず徹底的にやれと言われる。
特に止まれば殺されるという言葉は特に心に刻まれたようで、この言葉を思い出し意識を取り戻したのか、芝原に抵抗する。
何とか股間付近を殴ってマウントを逃れるのだった。
芝原の痛み方から金玉に命中はしなかったようだけど。

芝原は下がろうとするが袴の裾を捕まれて片脚を上げる形となり態勢を崩す。
力任せに振りほどけそうだがその力はないようだった。
一方的に仕掛けていた芝原だが高齢からか、けっこう疲労しているようだ。

上杉は下段回し蹴りで芝原の足を攻める。
3回回し蹴りを食らわせてダメージを奪ったかと思いきや、4発目はかわされるばかりか飛び膝蹴りで反撃を食らう。
本当にアクロバティックな技をいくつも持っている高機動ジジイだ。
これは大体同世代で跳び膝蹴りが得意な川口拳治から取り入れたものだろうか。
芝原の全局面対応型合気道は実戦経験が少なそうなのに完成度が高い。
天才としての資質が窺える。

「俺が燃え尽きても」
「テメェーを炭にしてやる」


大技を受けて上杉は倒れる……
と見せかけて、それをフェイントに後ろ廻し蹴りを放つ。
が、さすがは読みの鋭い芝原はそれを読み切ってかわす。
だが、それもフェイントで左鉤突きからの煉獄を始めるのだった。

煉獄の熟練度が低いであろう富田流や空君は左鉤突きから煉獄に入ることから、左鉤突きからの煉獄は基本的な導入であることがわかる。
あらゆる打撃から煉獄に繋げられる上杉としては左鉤突きにこだわる必要がない。
だが、あえて基本的な左鉤突きから煉獄を行ったのはあまり工夫のできない状況、つまり限界が近いということかも。

煉獄の対処法はガードを固めることである。
が、その対策を取れるはずの芝原はけっこうな数の打撃を食らっている。
里見の推測ではガードを固めにくくするために一発一発を深く入れているのだった。
回転率を下げてでも防御無視攻撃で確実なダメージを稼ぐということですな(ゲーム的)

「煉獄の最大の弱点は体力を使い切り倒せなかった時だ」

この煉獄の速さと強さの調節は文さんも初めて知る要素だった。
一方で十兵衛は冷静に上杉の体力が限界であることと煉獄の弱点のMP切れを指摘する。
事実、十兵衛は石橋に煉獄を放った時にMP切れでピンチに陥っている。
説得力のある言葉であった。
……そう考えるとけっこう弱点あるなー、煉獄。
身に付けさえすれば格上相手にも通じるというのが煉獄のメリットであり、山本陸が弟子たちに頒布した理由なのかも。
となれば、実力が下の方の十兵衛が愛用する理由もわかる。

田島を初めとする実力者たちはここで決めなければ上杉は負けると推測する。
十兵衛の見解は強者全員に共通しているようだ。
一方で進道塾関係者はみんな上杉の勝利を信じていた。
有名な常識がないヤツは嫌いなんだよの人(内田健)もだ!
ヤクザの指示で工藤相手に金剛対策を手伝った生粋の下っ端である。
この人が急に沸いて出てきて笑っちゃったよ……

何やかんやでボコボコにされている芝原だが、担当医の後藤はまだ動けると見ていた。
薬パワー絶大だな。加えて芝原の実力を知っているが故の発言かもしれないけど。
その予測通り、芝原は次の手を先んじて対策することで煉獄が繋がらなくする煉獄破りを行う。
一度見せた方法のため、上杉は対策の対策ができている……
と思わせて、遠近感をズラす技で空振りを誘って煉獄を破る。
芝原は煉獄破りを2種類用意していたのだった。
用意周到だ。とんでもない策士っぷりだ。

「煉獄の炎に包まれるのはお前だ……」
「南無……」


そして、反撃として芝原は鉤突きを叩き込む。
煉獄の反撃に煉獄である。
煉獄のエキスパートに煉獄で挑むのは不味そうだし、芝原も残りMPに余裕がなさそうだけど……
いや、瀕死の相手に煉獄で実戦投入することで熟練度を稼ごうという思考かも。
全てを出し尽くして勝とうとする上杉、後のことを考えている芝原で対称的である。
このまま一歩先んじる芝原がリードして勝利するのか、あるいは全てを出し尽くした上杉が逆転勝利するのか。
次回へ続く!

次回は掲載号が決まり次第、誌面にてお伝えします。

はぁ!? 次回未定ってそりゃないよぉ!!