バキ道感想 第126話「相踏み合いましょう」



ダブル休載を挟んで勇次郎と蹴速の邂逅の続きだ。
蹴速はずっと鼻血を流していたけど大丈夫ですかね。
ここから逆転するには斗羽にボコボコにされた花田が復帰するに近いぞ。
うーん、厳しい。

蹴速は鼻を押さえて鼻血を出して止める。
けっこうな量の鼻血が出ることから、勇次郎の蹴りは相当に効いたようだ。
かといって鼻は折れていないようで直撃させたわけではなさそう。
これで芸達者な勇次郎だからダメージはあまり与えないが鼻血は大量に出させる技なんかを用いたのかも。
勇次郎は戦場で破壊を続けたことで人体の構造を完全に把握している。
だから、こんな技も使えるのだ! ……多分。

鼻血を出して止めた蹴速はハンカチを取り出し血を拭う。
ハンカチで血を拭う!?
いや、当たり前の所作でありながらグラップラーにはない所作にビックリですよ。
ハンカチなんてお互いに握り合って殴り合うためのアイテムじゃなかったのか?
蹴速、思った以上の紳士かもしれない。
何かホモっぽいし。

勇次郎の蹴りを受けて蹴速は思い当たる。
猛獣よりアフリカ象よりシャチより強い男がいると。
それが目の前の男、範馬勇次郎だと!
教えてやれよ、徳川光成!
超危険人物に無防備に逢わせるんじゃない。
ドッキリだとでも思ったのか?

って、強さの基準がシャチかよ。
海部門最強だし陸生生物としてはアフリカ象よりも手強いだろうけど。
というか、勇次郎はシャチとの闘争経験はあるのか?
……ありそうだな。
何か絵になりにくそうですが。

「ぜひ相踏み合いましょう」

対面する相手が地上最強の生物だとわかった。
蹴速は勇次郎に改めて挑戦状を叩き付ける。
挑戦を受けた勇次郎は両腕を大きく広げる例の構えで応える。
しっかり構えるとはハンドポケットで雑に処理した宿禰の時はエラい違いである。
あれか? 蹴速は好みなのか?

蹴速は相撲の所作を取る。
結局、出自がわかっていない蹴速だが宿禰同様に古代相撲の系譜らしい。
しかし、みっちゃんの見立てでは構えと動きは相撲ではなく打撃系と見ていた。
古代相撲が進化の過程で相撲寄りになった宿禰と、打撃方面へと歩んだのが蹴速なのか?
宿禰も宿禰で殴ったり蹴ったりなので古代相撲の樹形図はよくわかりませんが。

蹴速はデモンストレーションとして蹴りの素振りを幾度も繰り返す。
蹴りの速度は速いかもしれないが、速いだけならサムワン海王だって達成していますよ。
いや、サムワンの蹴りはバキ世界では遅い方かもしれないけど。

「我――」
「ひたぶるに力比べせん」


宿禰がやたら言っている台詞だが、元々は初代蹴速が発した言葉である。
現代の蹴速がその言葉を受け継ぎ勇次郎に挑む。
そして、初代の如く蹴りを放つ!
脚を絡ませられて捕られる!
ダメじゃねーか!!

蹴りを蹴りで捕えるという高等技術である。
遅くとも当てられる蹴り、凄まじい速さの蹴り、そして、高度な技術を用いた蹴りと勇次郎は蹴速に様々な蹴りを見せている。
蹴速のお株を奪うと同時に蹴りのレクチャーしているようでけっこう優しい。
ワンパン一発で終わらせた宿禰の時とはエラい違いである。
やっぱ好みのタイプなのか?
そういえば、かつて勇次郎が犯した冒険家、ジョー・ウィリアムの若い頃に何となく似ている……ような……?

蹴速にはいいところがビックリするくらいにない。
勇次郎相手には何をしても無駄ではあるけどやられっぱなしじゃないですか。
お前何のために出てきたよ。
勇次郎に技を使わせた武蔵、恐れさせた武蔵と比べるとどうにも心許ない。

ここで消息不明の宿禰が助けに来るか?
相撲合体蹴速宿禰!と合体すれば勝ち目があるかもしれない。
でも、見た目のフィジカルは宿禰が圧倒的だから、蹴速は何かあまりいらん感もする。

蹴速に勇次郎さえ戦慄させる必殺技があればいいんですけどね。
蹴り自慢ということで今まで出てきたムエタイ戦士全ての力を借りた渾身の蹴りとかどうだろうか。
ディーノイ! チャモワン! デントラニー・シットパイカー! ジャガッタ! そして、サムワン!
全員の力を借りて究極にして至高の蹴りを放つ!
……勇次郎にとってムエタイ戦士の蹴りはデコピン一発で相殺できるものなのですが。
次回へ続く。