刃牙らへん感想 第2話「Ultimate pure boy Jack」



「刃牙らへん」の主役はジャック!……かも。
元ラスボスらしい実力を示すこともあれば、精神的に未熟なところを見せたり、何なら本部に負けたりしてる。
優遇されているのか、不遇なのか、ちょっとよくわからない。
そんなジャックを見つめ直すのが刃牙らへん!……かも。


ある教会の神父、サミュエル神父は11年前、ジャックの少年期を語る。
二人の出逢いは教会に汗だくでいるジャックを見つけたところから始まるのだった。
ジャックはキリストの像を見て守っていたと言い出した。
主神を守ると言う不遜にして傲慢な態度であるが、サミュエル神父は笑うだけで済ます。
ジャックが少年というのもあるが穏やかな人物のようだ。

ジャックが神を守るのは願い、生き物で一番強いことを望んでいたからだった。
この頃から打倒範馬勇次郎を目指していたようだ。
ジェーンの無念の聞かされていたのか。
母親への愛はけっこう重いらしい。あるいは洗脳されたのかも。

だが、ジェーンの勇次郎への感情がわからない。
恨みがあるのか。あるいは子を産んだだけに愛情もあるのか。
ジェーンの存在はジャックの異常なモチベーションを支えている要因なのは間違いないのだが、「グラップラー刃牙」最終回で意味ありげに登場してから以降一切出ていない。
「刃牙らへん」ではそこにも触れて欲しいのですが。
なお、そんな母親を持ちながら賞賛を求めたのはちょっとどうかと思う。



サミュエル神父はその夢を夢ではなく明確な目標だったと語る。
それはこの時点で行われていた異常なトレーニングを見たからだった。
汗が水たまりになるほどの腕立て伏せは序の口。
鼻血や血涙が出るほどのダメージを負うまでの長時間行われる倒立!
加減しろ莫迦!!

いや、ジャックさん。
わざわざ血涙流すまでやりますか。あまり意味ないぞ、それ。
シグルイとか戦姫絶唱シンフォギアみたいなトレーニングしやがって。
スゴいけどエラくはないトレーニングはこの時点で完成していたのだった。
完成するな。

というか、サミュエル神父も止めなさい。
少年が血涙流すなんて一大事だぞ。
……主神を守ると大言を言われたこと、実は怒ってる?

「失神をもって終了とするのです」

この苛烈なトレーニングは失神するまで続けられた。
こんなトレーニングをし続けた結果、身体は鍛えられるどころか、むしろ萎むに至っている。
サミュエル神父、もうちょっと、こう、何とか、アドバイスというか……

「倒れる程ガンバる……と」「倒れる迄ガンバる…は」
「似て非なるもの」


サミュエル神父は普通なら倒れるほどしか頑張れないが、ジャックは倒れるまで頑張れると語る。
倒れるまで頑張れるのはそれほど凄まじいことなのだ。
強さへの執着心はこの頃から本物以上のものだった。

でも、後のドーピングをする直前、ガリ痩せ期のジャックは身体が動かなくなったら鍛錬を終えていた。
成長したら「倒れる迄ガンバる」ではなく、「倒れる程ガンバる」に収まっている。
成長して気合いが肉体の限界を超えるまで持つようになったのか?
サミュエル神父のように懇意としている人間がいないところで失神しても迷惑だから妥協するようになったのか?
でも、失禁しながらトレーニングしてたな、ジャック……迷惑だよな……
うーむ、倒れる程ガンバると倒れる迄ガンバる、どっちがスゴいのかよくわからなくなってしまった。

「オ懐カシイサミュエル神父」「オ元気デシタカ…」

そんな話を聞いたことをみっちゃんはジャックに聞かせるのだった。
ジャックは相変わらず似合わない敬語でサミュエル神父のことを思い出す。
慇懃なジャックらしくなく好意めいたものを持っているのだった。
散々、迷惑をかけただろうから好意の一つや二つ持っていないとおかしい。
教会の一角でトレーニングするだけでも困るのに血涙流して気絶するなんて如何に少年が相手とはいえ厄介者として扱っても怒られない。むしろ自然だ。

これがジャックの異常なまでの強さへの執着の発端となる話だった。
でも、この結果、ガリガリに痩せるまでに至っている。
積み重ねはあったかもしれないが強くなった最大のきっかけはドーピングですよ。
ジョン博士のことも思い出してくれ。
アンタにビビって自害しているんだし。

ここまでの鍛錬をするようになったなんてジェーンはジャックに一体何を吹き込んだのか。
そこも気になってくる。
やっぱ愛情よりも洗脳が先行しているような……
重ね重ねジェーンについて触れてくれるとありがたいのだけど、母親繋がりで勇次郎が朱沢江珠を殺した理由もはぐらかされている。
ジェーンも同じようにはぐらかされてしまうのか……?

「それはいいとしてだ――」

みっちゃんはサミュエル神父の話を興味なさげに切り(こういうところ、本気でどうかと思う)、ジャックに興味を持つ人間が、試合を望む人間がいると言う。
宿禰相手には僧帽筋と頸動脈を噛み千切り、佐部相手には刀を歯で受け止めた上にへし折った。
そんなジャックとの戦いを望むのは剛毅である。
本部に負けた人という印象で止まっていないか不安になる。

の空手―――――「紐切り」鎬昂昇ッッじゃ!!!」

ジャックの次の相手はまさかの昂昇だ!!
意外! それは昂昇!
意外ではあるけど再活躍を楽しみにしていたので嬉しい。
ドイルとの戦いで見せた新生昂昇はたった1回の使い捨てで終わらせるにはもったいない格好良さがあった。
烈海王に勝てると豪語した実力を今度こそ見せてもらいたいところだ。
いや、烈に勝ててもジャックに勝てるかはわからないのですが。

ジャックVS昂昇が行われることで「刃牙らへん」は刃牙以外のキャラが主役かつドリームマッチ路線なのが大体確定してきた。
ただもうちょっと実力が拮抗しているカードだとありがたいのですが。
さすがに昂昇が勝つ展開は想像しにくい。
新生昂昇の立ち回りは格好良かった一方で強いのか強くないのかで語ると微妙なところなんですよね。
如何せん実績がなさすぎるのだ。

しかし、20年振りの出番だというのにいきなりジャックに挑んで負けてしまうのももったいない。
なので、準備運動としてそれなりの強者相手に戦って活躍しておいてもらいたい。
龍書文とかアライJr.とか、その辺りの実力者に勝っておくと期待感が高まるぞ。
間違っても力士軍団とか統合格闘家を噛むとか、その辺は止めておこう。

ジャックとピクルのリベンジマッチが暗に予告されながらも、即その試合を行うことはないらしい。
ピクルはいきなり挑んで勝てるほど甘い相手ではないということか。
そうなればピクルはボスキャラに復帰となるのか?
ピクルもピクルで活躍して欲しいところではあるのですが。
寂海王やガイアと戦っておくか?

ともあれ、予想外のカードが組まれ次回への期待が高まる。
最古のライバルキャラの底力に期待だ!
次回へ続く。
なお、来週は休載! 連載2話目にしてもう休載ですか!?
バキ道は宿禰に魅力がなかったから筆が乗らず休載が多めなのかと思ったのだけど、ただ単にこのペースが平常運転になっただけらしい。
まぁ、板垣先生もお年ですし無理に週刊掲載して身体を壊すよりはのんびりでも確実なペースで続ける方がいいということで。
いや、それはいいのだけど一応新連載なのでもうちょっと書き溜めてても……