嘘……だろ……
4月には単行本も出るし最近の木多先生は仕事をしている。
この調子で隔週掲載を……
十兵衛はカウンターの直突きで鼻を折られた。
それでも十兵衛の見立てでは有利と踏んでいた。
なので、殴られてでも捕まえに行く方針は変わらないのであった。
まさにゴリ押しである。
策らしくない策というか何というか。
十兵衛はヘロヘロの胴突きを誘いそこを掴む策でいた。
目論見通りに徳夫は胴突きを放つがそれはフェイント、そこから底拳による降ろし打ちを顔面にぶち込む。
強烈なハンマーパンチであった。
少ない体力だからか、筋力よりも体重を生かした攻撃だ。
裏をかかれた十兵衛だがそれも罠。
そこに必殺技の無極で降ろし打ちに耐え胴着を掴む。
さらに血の目潰しだ。
目潰しは血の一滴一滴が見える驚愕の動体視力で見切り手で受け止められる。
随所で目の良さが描写されているのだった。
だが、十兵衛に捕まれることも徳夫の罠。
そこに金的!
日拳においてルール上認められている伝統と実績の一撃だ。
普段の鍛錬によって自然と投げられるように、普段の鍛錬によって自然と金的を蹴るのだった。
しかし、金的を食らうことも十兵衛の罠。
コツカケで金的のダメージを減らし、油断してトドメを刺しに来たところを逆襲する!
さっきからずっとお互いに罠続きだな……
ともあれ、金的から死んだふりは金田との戦いで決め手のひとつになっている。
策略系キャラの金田を騙せるほどだから、十兵衛の金的の演技力は相応に高い。
ここは最後に金的を食らった振りをするという罠を用意していた十兵衛が上手だった。
……と見せかけて徳夫は十兵衛の死んだふりを見切る。
そういえば、嘘が通じないことがわかる能力を持っていたな。
十兵衛の得意技である策略がこの能力で無効化された。
結果、十兵衛の殴られ損に終わったのだった。
「「卑怯」とか言い出さないんだ?」
「「卑怯」というのは敗者が最後に吐く言葉だ」
「お前のは「弱者の知恵」 尊敬に値する」
開幕の不意打ちに血の目潰し、そして死んだふりと卑怯のオンパレートだが、徳夫はそれを否定せず認めるのだった。
そして、弱者とさりげなくDISっている。
それなりにスペックは高いはずなのに弱者扱い……
徳夫がどれだけ強いかがわかる。
そんな十兵衛が瀕死に相手に攻めあぐねていることからも明らかか。
十兵衛はいくつか策を考えていたが、時間の制約から煮詰めきれなかったと述懐する。
時間は無限にあるわけではない。
そのため、日拳対策を文学に聞いて概ねの策を立てたのだった。
そこで思い至る。
無職の文学には無限の時間があった!
唐突な文学弄りは止めたまえ。徳夫のことを考えたまえ。
「拳撃最強石橋強と打ち合っている」
数々の策が潰された十兵衛は石橋戦で見せたジークンドーの構えを取る。
打撃戦が大得意の徳夫に対して打撃戦の構えだ。
リードパンチと直突きによる縦拳VS縦拳!
……ブラフではなかろうな。ブラフはバレるぞ。
十兵衛は不意打ち煉獄以降は徳夫にやられたい放題だ。
策という策が破られている上でこの構え……自殺行為かな?
たしかに石橋に1度とはいえ打ち勝っているが……
これで正面から殴り勝ったら大顰蹙だな。
範馬刃牙はそういうことをよくやるぞ!