刃牙道感想 第192話「剣の道」



刃牙が武蔵を葬る! 嘘くせえ!
刃牙さんの発言の信用度、言うまでもなく低いんですよね。
超低い。海面下スレスレ。
ましてビッグマウスを吐いた時の信用度の低さたるや、勝ったら返すと言ってパチンコに特攻するおっさん並みである。

「葬る……?」「俺を…?」
「その剣でか」
「止めておけ」


この刃牙の葬る発言、武蔵にはまったく取り合ってもらえませんでした。
やっぱり、ダメか。
しかし、武蔵は武蔵で刃牙がその気になれば葬られていた。 もっとも、刃牙も刃牙でその気になられれば葬られていた。
……うーむ、どう判断すればいいのか。

刃牙は空想とはいえ剣に負け、武蔵は剣との連携とはいえ素手に負けた。
お互いに1勝1敗! 本番はここからだ!
ということなのか?
何にせよ刃牙はまだ殺る気でいるのはたしかだ。
だが、殺せる最大のチャンスで殺さなかった。 刃牙の真意は見えない。

ここで刃牙はデモンストレーションだと言わんばかりに範馬刃牙流剣術を見せる。
まるで投球のように振りかぶって剣を振る! 押忍、動きがオーバーだと思います。
ラーニング能力に長けるのが刃牙なのだが、武蔵の剣術はラーニングしなかったようだ。
でも、武蔵の剣技もけっこうオーバーアクションである。 ……もしかして、そこをラーニングしたのか?

この範馬刃牙流剣術を素人と認めつつも刃物の理を捉えていると武蔵は評価する。
つまりは斬れるということか。
少なくとも同じく剣を持ったピクルよりは高い評価のようだ。
そして、素人でも当てれば斬れるのが剣だと刃牙は語る。 刃牙としては技術がなくとも思い切り振って当たれば良しとか思っているのか?

ともあれ、斬る覚悟を刃牙は持っている。
このことに格闘家も息を呑む。
本部だって冷や汗を流す。
内心では武器あり何でもありならあっさりと自分にやられた男が何言ってんだと思っているのかも。 いや、ホントそうだよ。

「何度も見たろ」
「剣は手離れる」


侍が剣を手放すのは不覚以外の何でもないが、わりと武蔵は頻繁に手放している。
烈に胴回し回転蹴りを食らっては手放し、勇次郎に金的を食らっては手放し、ピクルに殴られては手放し、本部に締められては手放し、機動部隊隊長の岩間にテーザーガンを食らっては……あの時は抜いていなかったか。
武蔵が刀を使った時の殺傷力はとんでもない一方で意図せず手放すことも多い。

「離れぬ剣」
「離れぬ剣が欲しい」
「孤独は耐えるが」「剣との別れは寂しい」
「「無刀」だ」


無刀設定生きていたのかよ!?
てっきりピクルに刀を持ち出した時点でなかったこと扱いになったと思ったのだが……
勇次郎との戦いで持ち出した秘蔵であり、いろいろな辻褄が合う設定だと思いきやあっさりと捨てられた無刀が!

「素手屋」
「貴様らがとうに手にしていたものだ」
「五体を武器と化す」「素手屋」
「五体は 離れない」
「剣の道即ち」「無刀への道」


武蔵はぽろぽろと刀を手放す。
おそらくは誰かが刀を手放す時も数多く見てきたのだろう。
武蔵は刀が大好きな一方でその頼りなさも知っている。 だからこそ、絶対の信頼を置けるものを求めた。
それが素手であり無刀ということか。

それなら現代でも無刀で戦っていて欲しかった。 さすれば大きな問題は起きなかっただろうに。
烈も死ななかった。
もっとも、周りの人間が武蔵=伝説の剣豪ということで刀を持たせたがった。
武蔵自身は刀を手放した時の備えはしていても、刀を使えるに越したことはないし刀大好きだしで、誤解が事件を生んでしまっている。
さらにピクル相手に自分から刀を使いたがったのがなおさらややこしくしている。
ともあれ、武蔵は無刀を求めている。
刀を手にした上で刃牙に不覚を取ったから、なおさら無刀を求めているのかも。
そんな武蔵の言葉をガン無視! 刃牙はアッパーのように逆手で刀を振る!
容赦ないっすね。
何で前回葬らなかったんですかね。

範馬刃牙流剣術は格闘技の延長線上で剣を振ることに極意があるのだろうか。
当たれば斬れるのなら当てやすい素手の技術を応用する!
そんな範馬刃牙流剣術の昇竜剣(仮称)はあっさりと白羽取りされる。
武蔵の手に再び刀が戻るのだった。

だが、その時、武蔵が驚愕する。
剣を囮に素手のコンビネーションで仕留めるのか?
それとも妖術をやるのか?
連載史上トップクラスに行き先がわからないバトルはどこへ行く!
次回へ続く。